ACを作りたい少年とセミナー書記   作:雨垂れ石

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たとえ不可能と言われようが…やらないと分からないだろ?


夢を叶えるために

 

 

 

 

 

「レイヴン君?」

 

レイヴン君がミレニアムに転校してから3日が経ちました…

あれから様子は見ていませんでしたが…

『AC開発部』の部室からは音がするので何かしら作業はやっていると思います

部活に入り音がする方に顔を向けると…

 

「あっ…」

 

作業しているレイヴン君がいました…

 

「レイヴン君?」

 

「ん?あぁ…ノアか…どうした?」

 

「あれから様子を見ていなかったので…見に来たのですが…作業着?」

 

レイヴン君は作業着にヘルメットそしてゴーグルをつけていました…

 

「作業には危険が付き物だからな…少しで怪我を少なくするために着替えたのさ…」

 

「なるほど…」

 

レイヴン君…後先考えない人で少し心配になる人でしたけど…こういうのはしっかりしていますね…

そう思っていると…レイヴン君は袋を私に渡してきました

 

「これは?」

 

「ノア用の作業着…これから手伝う時はこれに着替えて、それと安全靴も持っていって…サイズは分からなかったからフリーサイズにしたけど…」

 

「私の?」

 

「怪我をしたら元も子もないだろ?それに一緒に作業する人が怪我でもしたら嫌だからさ」

 

「ありがとうございます…」

 

「それじゃ…早速着替えて手伝ってくれない?今設備を修理しているけど…このままだと5徹コースだ…」

 

まぁせっかく来たので手伝ってあげましょうか…

…………5徹コース?

 

「あの……レイヴン君……休んでます?」

 

「あぁ…休んではいるぞ…」

 

「ちなみに…最後に寝たのは…」

 

「3日前」

 

「休んでないじゃないですか!!」

 

「なにを言ってんだ…作業を止めてコーヒー飲んでるんだけだぞ」

 

「それは休んでると言えません!!」

 

「寝てください!」

 

「無理だ!設備を修理しなきゃいつまで経っても『AC』を開発出来ないんだ!」

 

「その前にあなたが壊れたら元の子もないじゃないですか!!」

 

無理やりでも寝かそうとするが…レイヴン君も負けじと抵抗している

 

「お願い………ですから………寝てください…!」

 

「嫌………だ!」

 

某ターンエーの最後みたいに取っ組み合いになっているが…ここで引き下がる訳には!

 

そう必死に抵抗していると…

 

「お願いですから……休んで……」

 

……………………ノアが……泣きそうな顔をしている……

……さすがにまずい…

 

「…………わかった……」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ノア〜居るかしら?」

 

セミナーにもいなかったし…ノアが行く場所と言えば…ここしか無いと思うけど…

 

『AC開発部』

 

キヴォトスの外から来た人…『境井 仁』こと『レイヴン』…

転校初日に部活を作るといった少しおかしな人だけど…

 

「結構…立派ね…」

 

エンジニア部から譲り受けたと聞いたけど…かなり整備されているわね…

これレイヴン一人でやったのかしら…

おっと…そういえばノアを探していたんだったわ…

そう辺りを見渡していると…

 

「ノア?」

 

そこには…ノアがレイヴンに膝枕をしている光景が…

 

「ノ……ノア!?」

 

「しー…ですよ…ユウカちゃん♪」

 

どうやらレイヴンは寝ているらしい…

……気持ち良さそうに寝ているわね…

ノアの隣に座る

 

「ノア…これは…」

 

「……レイヴン君…3日も寝ていないんですよ…」

 

「え?」

 

「自分では休んでいると言っていますけど…」

 

「さすがに作業を止めてコーヒーを飲んでいるだけって休んでいるとは言えませんよね?」

 

「うんそりゃそうでしょうが」

 

寝てない時点でそりゃ休んでるとは言えないわよ

 

「どうしてそこまで…」

 

「レイヴン君…本気みたいですよ…この設備だって一人で修理したんですから…」

 

「………」

 

そこまで本気だったなんて…

最初はお遊びと思っていたけど…これは…少し考えを改める必要があるわね…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数時間後

 

「ん…」

 

「ゆっくり寝れましたか?」

 

「……まぁ…おかげさまで…」

 

「フフッ♪良かったです」

 

「…さて…休んだことだし…作業の続きでもするか…」

 

「…………今度はしっかり寝てくださいね…」

 

「はいはい…わーかっとる…」

 

そうしてレイヴン君は作業に戻った…

 

「………」

 

私も作業服に着替え、レイヴン君の手伝いをしようと思います

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「終わったぁ!!」

 

あの後ノアの助けもあり…予定よりも早く終わることができた…

 

「ありがとうノア…手伝ってくれて」

 

「さて…設備も修理したし…」

 

「今日はもう終わりです…寝てください」

 

「いやさっき寝たし…」

 

「いいから寝てください」

 

「アッ……ハイ……」

 

ノアに圧をかけられ仕方なく寮に戻り休む…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていたお前の姿はお笑いたったぜ

 

 

 

残念ながらまだあるんだ……騙して悪いが仕事なんでな

 

 

 

「さぁーて!仕事を続けよk…バシュッ!!グエア…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………そうだと思いましたよ」

 

 

「どうだい…私が開発した『眠らせ君』は?」

 

「えぇ…とてもいいですね…ウタハ先輩」

 

「………彼を思う気持ちは分かるが…程々にな…」

 

「善処はします」真顔

 

「…………」

 

(まぁ今回に関しては彼が100%悪いんだけどね…)

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「んぁ?」

 

目が覚めると朝になっていた…あれ…なんで俺ベッドで寝ているんだ?

えーとたしかに昨日…あぁ…ダメだ思い出せない…

まぁ多分疲れきって寝てしまったのだろう

 

「…………」

 

そういえば…風呂…入ってなかったな…

 

 

お風呂

 

シャーーーーーーー

 

「あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー♪」

 

 

数分後

 

「ふう…」

 

さて風呂も入った所だし…作業場へと向かいますか

必要な物を持ち…作業場へと向かっていった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あっ…レイヴン君」

 

「おっ…来たか」

 

作業場へと来ると…ノアに加え…盟友ウタハがいた

 

「2人ともどうしてここに?」

 

「私は手伝いで…」

 

「私もだ…少し様子を見たくてね」

 

「なるほど…」

 

そういえば…今日は休日だったな…それで来たのか…まぁ…手伝ってくれるはありがたい

 

「しかし…すごいな…あれだけの設備を直しちまったのかい?」

 

「あぁ…ノア助けもあって比較的早く終わったよ」

 

「レイヴン君だけだと5徹コースでしたからね…」

 

「しっかり寝てくれよ…君とはいえ限界はあるのだから…」

 

「HAHA…善処はするよ…」

 

話に聞いたんだが…ノアが泣きそうなほどたったと聞く…

熱心なのはいい事だが…ハメを外しすぎないように…な…

 

「それで…今日はなにをするんですか?」

 

「今日は……設備の修理も終わった事だし…『AC』の開発に着手したい所だが…」

 

「いかんせん『データ』が全くない…」

 

「いきなりデータもなく『AC』を作るのはほぼ不可能と言ってもいい…」

 

実際…『AC』を作るのは前代未聞挑戦である

誰一人とも作った事もないからな

 

「ひとつ聞きたいんだが…『AC』ってどれぐらいの大きさなんだ?」

 

「うーん…色々あるからなぁ…初代…2系…3系…4系…5系…6系…」

 

「基本的に見積もっても…10m以上はあると思ってもらっていい…」

 

「10m!?」

 

「これは…また…」

 

未だに世界はACみたいな物は作れてないからな…

さてさて…どうなります事やら…

 

「まぁ…いきなり10mも作らないし…」

 

「まずはデータを取るためにも…」

 

そうして俺は持ってきた『設計図』を机に広げる

 

「『AC』の派生の元…『MT』だ」

 

広げた設備図は…AC6の『BAWS製MT』の設備図

まぁこれは俺が書いたものでこの仕組みがあっているかは分からない

 

「『MT』とは?」

 

「『Muscle Tracer』(マッスル・トレーサー) AC開発の母体となった人型機械…パーツ分離機構を持たない一体型であり…元々は作業機械として開発されたが、後に軍事に転用された物…」

 

「まずは…こいつのミニサイズを作る」

 

「ミニサイズってことは元の大きさは…」

 

「種類によるが…このMTは5mぐらいかな…」

 

「えぇ……」

 

「まぁ…こいつのミニサイズを作って…色々研究して…最終的にはACに繋げると言うわけ」

 

「なるほど…」

 

ACを作れるようになるのはどれぐらい先だろうな…

 

「さて…早速作業に入りたいところだが…」

 

「材料が無い」

 

「あっ…」

 

「あぁ………」

 

そう…MTを作るのにはまず材料が必要だが…ここの作業場にはそういった材料が何一つない…まぁだが…

 

「けど…ひとつ方法がある」

 

「「?」」

 

「廃材を使う」

 

「「えっ?」」

 

「現状俺は金欠だし…材料もない…だからって新しい素材を買うことも出来ない…ならばどうするか…廃材を使って作るしかない…」

 

「「………」」

 

「材料が無くて廃材を使うしかない…」

 

「それは技術者としてダメなのでは?」

 

「どないしろと言うねん!1番安い材料でも数万!バイトで稼いだ所でどれぐらい時間がかかると言うねん!」

 

「…………はぁ……」

 

(本当に心配になってきました……)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ミレニアム内のとある廃材廃棄所

 

「フオオオ(^q^三^p^)フオオオ」

 

「落ち着け」

「落ち着いてください」

 

「いやだってもはやこれは宝の山でしょうが!」

 

「こっから使えるものを回収してMTを作るんや!」

 

「いつにも増して元気ですね…」

 

「あぁ…」

 

そうして…色々と漁っていく…

 

「あー…これは…ダメだな…これは…ダメだ…」

 

「………傍から見たら…やばい人ですよね…」

 

「………まぁ…そう…だな…」

 

「うーん…廃材を溶かして新しい素材にする事が出来れば………」

 

そうしてレイヴンは何かを閃いた

 

「なぁウタハ?」

 

「どうした?」

 

「廃材をとかして新しい素材にできる機械ってあったっけ?」

 

「それは…まぁ…あるにはあるが…これだけの廃材を溶かすには新しく作る必要があるが…」

 

「作れるか?」

 

「出来ないことはない…」

 

「じゃぁ作ってくれ!」

 

「あぁ…いいとも」

 

「ありがとうウタハ!」

 

………全く…面白い人だ…

 

 

1時間後…ウタハには廃材を溶かし新しく素材にするための機械を作って貰うために一度エンジニア部に戻っていった…

現在はノアと一緒に廃材を漁っている…

 

「結構集めましたね…」

 

「いやまだまだ…ミニサイズとはいえ…結構作るつもりだからさ…」

 

そうしてまだまだ漁っていると…

 

「ん?」

 

あるものに目が止まる…

 

「………これは…」

 

そこにあったのは…ゴリアテの残骸…見るからに旧型のものだろうが…

………ワンチャン使えるかもな…

 

「ノア…このゴリアテ…荷台に載せることってできる?」

 

「ゴリアテですか?……さすがにそのままは無理ですけど……」

 

「じゃあ…バラすか…」

 

そうして工具を持ち…ゴリアテを解体していく…

ところどころ破損しており使えないところがあるが…それでも結構な収穫だ…

 

そうして集めた廃材を持ち帰った

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「さて……」

 

目の前にあるのは集めた廃材…横には旧型のゴリアテの残骸

反対にはウタハに作ってもらった…廃材を溶かし材料にする『溶かして作る君』

…………ネーミングセンスどうにかならんのか

まぁいい…

 

「さて………やるか……」

 

そうして集めた廃材を溶かす

溶かした素材はそのままプレスされ鉄の板や…ネジなどの部品のなっていく…

すごいな……

 

全部溶かすには時間がかかる…

なので…それまでの間に…ゴリアテを少しいじってみるか…

『溶かして作る君』はノアとウタハに見てもらい…俺はゴリアテに集中する

 

「えーと…」

 

このゴリアテは有人用なのかコックピットらしきものがある…

中に入りパネルに専用の機械を取り付ける…

この機械は…内部のデータを抜き取る便利品…内部構造などを知れば…MTやACの技術に活かせるかもしれない…

データを抜き取り…コックピットを解体する

解体した後…データを解析するためPCのある机に座る…

先程抜き取ったデータをPCに入れ解析する…

解析した内容は……ビンゴ……

旧型ではあるが…ゴリアテの内部構造のデータや戦闘データなどが見つかった…

見つけたデータを元に…『BAWS製MT』のデータを作り上げていく…

 

……………

 

夢見すぎじゃねえの?

 

うるさい…

 

そんなもんは不可能に決まってる

 

分からないだろ

 

技術の無駄

 

無駄じゃない…

 

そんなくだらない物を作るなら辞めろ

 

お前らが辞めさせただろうが…

 

…………

 

嫌な記憶が蘇る…

元々俺は…ロボット技術者だった……ACと出会い…いつしかACを作りたいと思っていた…

けど…そんな俺の夢を笑い…汚した…

無駄だと…くだらないだと…

うるせぇんだよ…

 

今に見てろ…夢は叶えられる物だと

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

データを作成し…設計図を書いてた頃……

日はすっかり落ち…夜になっていた…

 

「もうすっかり夜ですね…」

 

「そうだな…続きは明日にしようか…」

 

そうして今日は解散することにするが…

 

「レイヴン君?寮に戻らないのですか?」

 

「いや…これだけでも書いておこうって…」

 

レイヴン君が書いているものは…『MT』の設計図…朝に持ってきた設計図とは違い…鮮明に書かれている…

 

「手伝いましょうか?」

 

「あぁ…頼む…」

 

そうして私も席に座り…

 

「このデータを見て設計図に書き足してくれ」

 

そうして渡されたのは…ゴリアテのデータとMTのデータ…

なにを書き足すと言うと…腕の長さや関節部分の構造…色々と細かいところを書き足していきます

 

「…………」

 

レイヴン君…なんか…いつもと違う感じです…

なんというか…負けられないっていう顔…

別に競い合っている訳でもない…

ではなぜあのような感じに?

やはりACを作りたいという気持ちが強いだからでしょうか…

色々気になりますが…今は作業に集中しましよう…

 

 

2時間後…

 

「ふう…終わった…」

 

あの後…設計図を書き終え…一息つく…

時間は既に日付が変わっていた…

 

「ありがとうノア…こんな遅くまで…」

 

「いえ…大丈夫ですよ」

 

「………明日は少し遅くするか…」

 

「んじゃ…寮に戻るけど……ノアの寮ってこの時間帯閉まってたよね?」

 

「あっ……」

 

「………俺の寮はまだ空いているし…泊まるか?」

 

「え?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「………///」

 

……レ…レイヴン君と一緒の部屋…

 

あの後…ノアを部屋に招き入れ…お互いシャワーを浴び…寝る準備をしている…

 

「ノアはベッドを使っていいよ…俺はソファーで寝るから…」

 

「えっ…いえ!さすがにそれは!わ…私がソファーで寝るので…」

 

「遠慮するなって…俺はいいからさ…」

 

「わかりました…そこまで言うなら…」

 

そうしてノアはベッドに入り寝る

 

…………さて…俺も寝るか…ソファーに寝転がり…目を閉じる…

 

 

………レ…レイヴン君の匂いがする…

そもそも…異性と同じ部屋のこと自体…初めてです…

レイヴン君も…さすがに…

 

「Zzz」

 

(なんで寝れているの!?)

 

えっ…!?いやいや異性と一緒の部屋ですよ!?

少しぐらいは緊張するものじゃ!?

………いえ…これは…

疲れきって寝ていますね…

………これじゃ私がバカみたいじゃないですか……

そうして毛布を被せ寝ようする…

なぜだが…以外にも早く眠りにつくことができた…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ん……」

 

目が覚める………

ぐっすりとと寝れた気がします…

レイヴン君は?

ソファーの所を見るが…

 

「あれ?」

 

レイヴン君がいません…もう作業場に行ったのでしょうか…

服を着替えて…私も作業場に向かいます

作業場に入ると…やはりレイヴン君がいましたが…

どうやら作業をしていますね…机の方を見ると…設備図と……腕でしょうか…内部は丸見えですが…それでも形はできています

 

「レイヴン君?」

 

「ん?あぁ起きたか…」

 

「これは?」

 

「『MT』の腕…今は動作確認をしているんだ…」

 

そうして…レイヴン君はMTの腕を機械に接続し…操縦レバーらしき物を持ち…動かすと

 

ウイーン…

 

動いた…

けど…なんかレイヴン君不満そうですね…

 

「うーん…操縦レバーの動作と腕の動作にラグが生じるな…」

 

そういうと…PCの方に体を向け…プログラムをいじっている…

物を作れるし…設備図も書ける…それにプログラムまで…

レイヴン君…なんでもやれますね…

一体…その技術はどこで?

 

「ん〜…どうしたらラグを無くせるかな…」

 

プログラムを見ているが…別にエラーを起こしている訳でもなく…

一体何が原因なんだ?

 

「………旧型のものを使っているせいかな…」

 

この操縦レバーはゴリアテから取った物…

だいぶ古いからなぁ…合わないのかも…

 

「あぁ〜〜〜〜〜〜……」

 

そうして頭を抱える…原因が分からない以上…解決策も作ることもできない…

…………総当りをするか……

 

「……ノア……今から総当りをやる…記録をしてくれ…」

 

「えっ…?は…はい…」

 

そうして席に座り…メモ用紙を取り出す…

レイヴン君はプログラムをいじり…動かしていく…

私は…動かした腕と操縦レバーとの誤差やデータなどをメモしていきます

 

 

数分後……

 

 

「………どう?」

 

「うーん………どれも差があったりなかったりしますね……」

 

結果はなんとも言えない…

差が小さい物もあれば大きいものがある………

 

「………」(^ω^)

 

レイヴン君?

 

バタンッ

 

「レイヴン君!?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ここが…そうですね…」

 

『AC開発部』…転校してきた人が転校初日に作ったとされている部活…

『AC』とは一体なんでしょうか…非常に興味がありますね…

 

「クソッタレのポンコツがぁ!!」

 

部室から声が聞こえますね………

………何やら騒がしいですが……

 

そうして扉を開け…中に入って行くと……

 

「あーもうどうして上手くいかないんだぁ!!」バタバタバタバタッ

 

「ちょ…レイヴン君!落ち着いてください!」

 

「落ち着いてられるかぁ!」

 

………えーと…

あれはセミナーの書記のノアさんでしたよね?

ノアさんが…『レイヴン』と呼ばれている人を羽交い締めにしていて…

『レイヴン』という人は…バタバタと暴れている……

 

「あ…あの〜……」

 

 

「何度もやってもラグが直らねぇ!こんなんポンコツやろがい!」

 

 

「ポンコツというより旧型ですから仕方ないじゃないですか!!」

 

……あれ?

これ…私の声…聞こえてません?

 

「お二人とも〜……聞こえてますか?」

 

「あーもうこうなったらこの星ごと焼いてやるう!!」

 

「焼かないでください!ていうかこのぐらいでそんな事をしないでください!!」

 

…わ…わあ…

 

「じゃぁどないしろ言うねん!原因も分からない以上…………あれ?」

 

ノアの羽交い締めから抜け出し…振り返ると……ノアの後ろに…車椅子らしき物に乗った1人の女性がいた……

 

「…………あれ……お客さん?」

 

「ヒマリ先輩!?」

 

ノアの知り合いか…しかし…いつここにいたんだ?

 

「やっと気づいてくれましたか……」

 

「あ〜…もしかして…聞いてた…?」

 

「まぁ……はい……」

 

…………oh(´・ω・`)...

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「初めまして…私は『超天才清楚系病弱美少女ハッカー』の『明星ヒマリです』」

 

「ヴェリタスの部長であり…ミレニアム史上三人しかいないという学位「全知」を獲得しています」

 

「ノア?」

 

「気にしないでください…そういう人です」

 

……なんというか……うん…

 

「それで……その…超天才…何たらかんたらの人がここに何用で?」

 

「えぇ…実は転校してきた人が『AC開発部』という部活を作ったと聞いて…」

 

「一体どういう部活なのか少し興味がありまして…」

 

おっと?

 

「是非良かったらどういう感じなのか説明しただけると…」

 

「よくぞ聞いてくれt…バシッ!グエア!?」

 

「レイヴン君…ヒマリ先輩はああ見えても病人です、いきなり大きな声を出さないでください」

 

「アッハイ…」

 

「すみませんヒマリ先輩…レイヴン君はこういう時になると興奮して…」

 

「いえ…大丈夫です…」

 

「えーと…AC開発部についてだったか?」

 

そうしてヒマリにAC開発部についてと現状について色々と話した

 

「なるほど…結構大掛かりな計画ですね…」

 

「まぁ……だが…夢があるだろ?」

 

「ACを作れれば…さらなる可能性が見えてくると思うんだ…」

 

「それに…俺の夢でもある…」

 

「どうして…ACに固執するのですか?」

 

そうヒマリに問われる…

俺がACに固執する理由…

 

「初めはゲームだった…」

 

「ゲーム?」

 

「そう…最初はどんなゲームなのか気になってやってみたが…いつの間にか沼にハマってね…」

 

「平原で街道で地下で凍士で砂漠で空中で惑星で…あらゆるACが大好きだ」

 

「戦列を並ベたACが轟音と共にブーストを噴かすのが好きだ」

 

「空中高く飛んでいたヘリがミサイルでバラバラになった時など心が踊る」

 

「高負荷ACの操るカラサワが敵ACを撃破するのが好きだ」

 

「悲鳴をあげて燃え盛るようなブレードを搭載したACをパイルで迎撃した時は胸がすく様な気持ちだった 」

 

「泣き叫ぶ敵兵達が私の振り下ろした腕と共に金切り声を上げるムーンライトにばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ」

 

「初心者達が雑多なアセンで健気にも立ち上がってきたのをOW(オーバードウェポン)のヒュージミサイルが敵陣ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える」

 

「『イレギュラー』達とやり合ったあの戦場の空気は今でも忘れない…」

 

「新作も発売されず…同じ戦場で戦い続けてきたが…それでもACが好き」

 

「新作が発表された時は…喜んで泣いたことも覚えている…」

 

「また新しい戦場に行けると…」

 

「それでいつしかこう思うようになってきた…」

 

「ACを作りたい」

 

そう語る…どこかで見た内容であるかもしれないが…俺も経験して感じたことだ…これに嘘も偽りも無い

 

(かなり『AC』という物に熱意があると聞きましたが…ここまでとは思いもしなかったですね……)

 

「………一度…ACを作ろうとはしたんだけどね…」

 

「……けど…夢の見すぎだとか…つまらない物だとか…くだらないだとか…」

 

「夢を否定されてきた…けど…たとえ不可能だと言われても…」

 

「俺は…ACを作ってやる…」

 

「「………」」

 

「……すまんな…つまらない話で…」

 

「いえ…全然そうとは思いません…」

 

そうしてヒマリは車椅子を移動し俺の前まで来ると…

俺の両手を握り…

 

「あなたの『AC』に対する思い…しっかりと伝わってきました…夢を叶えられるように…祈っています」

 

「笑わないんだな…」

 

「これだけ思いが込めたられた人の夢を馬鹿にしませんよ」

 

「もし馬鹿にする人がいたら私が説教してやりたい程です」

 

……初めてだな……こう言われたのは…

………彼女にも夢はあるのだろうか…

 

「あなたには…夢はあるのか?」

 

「夢…ですか……そうですね……」

 

「私は…少し足に障害がありまして…何度も歩けるように補助具など色々試したのですが…未だに歩く事はできていません…」

 

「皆さんのように立って『歩く』それが私の夢ですね…」

 

「叶えるのは……難しいですけどね…」

 

……それが…彼女の夢…

…………もしもACを開発出来れば…その技術を使い彼女の夢も叶えられる……

 

「ACを開発出来れば…」

 

「あなたの夢も叶えられるかもしれません…」

 

「え?」

 

「ACの技術やデータを使い補助具を作成すれば…可能なはず…」

 

「そのためにも…ACを開発しなければなりませんが…」

 

そうして俺はヒマリに手を差し伸べる…

 

「協力しませんか?お互いの夢を叶えるために」

 

「道のりは長いかもしれませんが…それでも俺はやりますよ」

 

「夢は…叶えられるものだと」

 

「!!!!」

 

「………ふふ…」

 

「お優しい人なのですね」

 

「そうかな?相身互いっていう言葉に習って言った事だけど…」

 

「フフッ」

 

そうヒマリは少し笑うと…差し出した手を握り

 

「わかりました…一緒に叶えましょう…『夢』を」

 

「あぁ…これからよろしく頼む」

 

そうして俺も笑う…多分個人的だが今まで1番いい笑顔をしていると思う

 

「!!!!」

 

「そ…それでは…私はこの後用事があるので…この辺で…」

 

そうしてヒマリは作業場から出て行った……

 

とりあえず…心強い助っ人ができた…

お互いの夢を叶えるためにも頑張らないとな…

 

「あの〜…」

 

そう考えていると…ノアから声がかかる…なんか不服そうだけど…

 

「私がいるの…忘れてませんよね?」

 

「当たり前だろ?助手なんだから…」

 

「誰が助手ですか」

 

「………はぁ……」

 

(……少し…妬いちゃいますね…私にあんな笑顔見せたこともないですし…)

 

(ずるい……)

 

ノアは今日だけ…明星ヒマリの事を少し恨んだ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はぁ………」

 

……なんか変ですね…

 

彼が最後に見せたあの笑顔…それを見たら…なんか…

胸がキュッとなりました…

……この気持ちは一体なんでしょうか……

 

『全知』の彼女でも…『あの気持ち』は理解できないようだ

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

人物紹介

 

『ヴェリタス』2年生 年齢16歳

「明星ヒマリ」

非公認ハッカー集団『ヴェリタス』の部長でありミレニアム史上三人しかいないという学位「全知」を獲得している

自分の事を『超天才清楚系病弱美少女ハッカー』と自称している

『AC開発部』の事を聞きつけ『レイヴン』に話をしに来たが…彼の夢を目指す姿と共に夢を目指す事に感嘆しレイヴンのAC開発に協力する事に

協力が決まった時に見せた彼の笑顔に見惚れ…もう一度見たいと願っている

しかし…『あの気持ち』については彼女でもまだ理解できないようだが

薄々気づいてはいる

 




ヒマリ……堕ちたな(確信)
そしてノア…頑張れよ

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