ドドン!ドドン!
ドン!ドン!ドン!
エリドゥのACは次々と倒されていく
無人ACだからって言うものもあるが……
10年同じ戦場で戦い続けた歴戦のレイヴン
夢女子ランクキング6位……ゲフンゲフン
ルビコンの夜明けを開く者
この二人の前ではエリドゥのACは的当然である
『やるな、戦友!』
「お前もだ、ラスティ!」
二人はまるで一心同体、完璧という言葉では足りない程息が合っている
ラスティがライフルを撃てばレイヴンがブレードを叩き込む
レイヴンがライフルを撃てばラスティがレーザースライサーをぶち込む
「す、すごい……」
「スティールヘイズ……アリーナ……ウッ頭が!」
『ノア、脳波が乱れている』
『はぁ……』
コウノトリ内部では、ユウカだけがその様子を見ていて
ノアはアリーナのトラウマを思い出して頭を抱えている
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「そんな……」
「これは予想外ですね……」
「……どうして、キヴォトスにいない者がここに!?」
「……レイヴン君は、このキヴォトスに『ナニカ』が起きていると聞きましたが」
「もしかして、彼にはそれを引きつける何かがあるかもしれませんね……」
「……まぁこれで風向きが変わりましたね、リオ」
「くっ………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うわーん!どうしよーー!!」
一方モモイサイド
相変わらず、アバンギャルド君に苦戦を強いられている
「何か、打開策は……」
そう先生が、周りを見て打開策を探していると……
ズガンッ!!
アバンギャルド君に、ACシャイングのブーストチャージが入る
『えっ?』
みんなが混乱している中、さらにアバンギャルド君に攻撃が入る
ズガガガガガガガガ!!
ズシャアッ!!
スティールヘイズのレーザースライサーがアバンギャルド君にぶち込まれ
そのまま、アバンギャルド君は機能停止をする
「あれって……」
「レイヴン先輩!って、なんかもう1ついない?」
「足が細い、軽量型か?」
「しかし、ACがもう一機、現状ACに乗れるのはレイヴンとノアだけ……しかしノアはまだ実戦には出せないと聞いているが……」
「ではあのACに乗っているのは誰だ?」
ウタハが冷静に考察をしていると……
『なるほど、君たちがレイヴンの……』
「だっ、誰です!?」
『……レイヴンの親友のラスティだ』
「なるほどです!」
コトリは秒で理解した
ほかはポカンっとしているが……
「親友って、まだ出会って少ししか経ってないだろ……」
『そうか?私達はそれぐらい息が合っているじゃないか』
「……まぁ、そうだな」
ラスティが親友でいいなら、まぁいいだろう
「それよりも、早くアリスを助けに行かないと」
『アリス?』
「……俺の友人であり、あいつらの大切な友人でもある」
『……なら助けてやらないとな』
「とりあえず、俺達は先行しエリドゥのACを片付ける、先生達はそれに続くといい」
「あとはC&Cだが……」
「チャティ、C&Cの様子は?」
『今の所大丈夫そうだ、だが、『飛鳥馬トキ』が中央のタワーに移動している』
「撤退したのか?まぁいい」
「タワーに急ぐぞ、ラスティ」
『了解だ、戦友』
ブーストを吹かし、タワーへと向かっていく
「そういえばラスティ、ルビコンではどこまでいたんだ?」
『……ウォッチポイントαの地下深くで『ルビコンのレイヴン』と戦ったのは覚えている』
『アサルトアーマーを起動した時に、気づいたらここにいた』
……これだとどのルートのラスティかわからんな
でもリリース後のエアがいるから
リリース後のラスティという可能性があるが……
それだとオールマインドに取り込まれた記憶があるはず
未踏領域調査で記憶が止まってるのも不思議だ……
しかし、なぜラスティは俺の事を『キヴォトスのレイヴン』って呼んだんだ?
それに、なぜキヴォトスの名を知っている?
「キヴォトスは……どうやって知った?」
『なんと言うべきか……いつの間にかそういう知識が入ってたと言うべきか……』
いつの間にか?
『初めは混乱したんだが……何故か『ここに行かなければならない』って気がしたんだ』
『そしたら、戦友がいた』
『まあ、今考えることではない、あの子達の為にも、道を開こう』
「そうだな……」
まずはアリスを助けなければ……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中央のタワー
先生達を何とかアリスがいるとされているタワーまで連れて来た
『私はここで見張りをする、戦友、君の友人を助けに』
「あぁ、任せた」
そうしてACから降り、先生達と合流する
「よし、アリスを助けに行こう」
エレベーターに乗り、アリスがいる階まで登っていく
チャティも一緒だ
ベルが鳴り、ドアが開くと、俺達の正面に居たのは、今回の事件の張本人、リオだった
リオはゆっくりと振り返り、真っ赤な瞳をこちらに向ける。
「……流石ね、先生、レイヴン、ハッキリ言って、想定以上だった」
「そうまでして、アリスを助けたかったの?ミレニアムを、キヴォトスそのものを滅ぼしうる、あの子を?」
「……あなた達は、トロッコ問題を知っているかしら。」
「私は、1人の犠牲で大勢が救われるのなら、迷うことなく、レバーを引くわ」
「それが、私の使命、これは、私がやらなければいけない事なのよ……!」
「……リオちゃん、これはそういう問題じゃ……」
目を僅かに細め、拳を握り、そう静かに語るリオ。
その発言を咎めようとした先生を、チャティが軽く制する
チャティはリオの目を見て話す
『その1人には、お前の命も含めてるはずだ、リオ』
「……ッ!……どうして、そう思うの?」
『お前と同じあり方をしていた人間を、知っているからだ』
『確実に未来を残すために、周りの罪を肩代わりして、そしてそのまま死んでいく、そういうあり方をな』
ウォルターやカーラ、そして彼らの友人達も、きっとそうだったはずだ
アイビスの火で着火剤となったのは、“コーラルの守護者”アイビスシリーズ。
最期にそれを制御していたのは、ルビコン調査技研の長、ナガイ教授
その人は、技研全員の罪を肩代わりして、そして、満足して死んだ
チャティはおそらく、それをリオと重ねたのだろう
「…………そうよ、それで世界が守られると言うのなら、安いものでしょう」
「それじゃ何の解決にも……」
俺も、チャティと同じように重ねる
「やはりな、あの人と同じだ」
「……リオ、俺はお前が間違っているとは思わない、ただ、モモイ達とは答えが違っただけだ」
「……私の考えを分かっていながら、何故、先生達に味方したの?こちらに付くことも出来たでしょう?」
「『アリスは、俺の大切な友人だからだ』」
「分からないでしょう!1歩でも間違えれば、キヴォトスが滅ぶのよ!そんな可能性のために、キヴォトスの運命を賭けるわけにはいかないの!」
「アリスは……破壊しなけれならない存在なの!!!」
「その理由をアリスを殺して、お前は何がしたい」
「えっ?」
「少しはアリスを信じてみろ……」
「信じて……どうすればいいのよ……」
「一緒に歩み寄ってみたらどうだ……」
「……」
「……安心しろ、俺達も一緒だ」
俺はリオの肩に手をおく
「1人で背負い続けて、疲れただろう、しばらく休め」
「それが、リオ……お前の今の仕事だ」
リオは、アリスの危険性を誰にも理解されず、ただ1人で、迫る危機に備え続けた
破滅を恐れ、要塞を作り上げ、それを守るための軍隊も組み上げた
尋常な労力では、無かったはずだ
リオの見開かれた瞳はゆっくりと伏せられ、左手を離すとそのまま後ずさりし、後ろのコンソールへ寄りかかった
「私に、果たせるのかしら……」
「果たせるさ、お前が信じる限りにな」
「ねぇレイヴン、チャティ、1つ聞いていいかしら」
「……その人も、慕われていたの……?」
「……ああ、その人のためなら、命を賭けられる奴が居る位にな」
「強い人、だったのね……」
『……ああ、強い人だった』
本当に強い人だった使命のためなら、自らの死すら計算に入れるほど
そして、その人のために散っていった者達を、決して忘れなかった
「……さて、アリスを回収するとしようか」
その時だった……
突然鳴り響くブザーと、点滅する赤いランプ
ランプの近くの画面には『System Corruption』と表示されている
「……ん?何の警告だ?」
「……マズい、Keyが目覚めてる!」
その言葉と同時に、無数のモニターが一斉に警告を発した
内容はすべて同じもの、画面に映し出されたエリドゥが、タワーに向けて赤く染まっていく
「これは……」
『戦友』
「ラスティ?どうした?」
『破壊したACや止まっていた兵器が起動してタワーに向かっている!』
「何?」
破壊されたACが動くなんて事があるのか?
いや無理やり動かしているしか考えれない
「おそらく、Keyに制御を奪われたから……」
「戻す方法は!?」
「Key自体をどうにかしたいと……でも、方法が……」
「……あります」
「ヒマリ?」
「1つだけ、だけど成功率は……」
「やろう」
「先生!?」
「価値はあるわ」
「たとえ1%の確率しか無くたって、私はその可能性を信じる」
「お願いリオちゃん、ヒマリちゃん、手を貸して」
この人と言ったら、本当に困っている生徒がいるなら迷わず飛び込んでいくな……
「ヒマリちゃん、その方法を教えて」
「……ダイブ機能を使い、アリスの精神の中に入ります」
「アリスの精神が欠片でも残っていれば……」
「Keyのデータを消し、アリスちゃんを連れ戻すことが出来ます」
「ですが、アリスが望めばの話してますけど……」
「……私、行くよ!!」
「モモイ?」
1番名乗り出たのはモモイであった
「アリスを助けに行くなら私が行く!」
「……私も!お姉ちゃん1人じゃ心配だから!」
「わ、私も!」
ゲーム開発部が揃って言った
仲間の為なら危険を犯してまで飛び込む
いい友人だ……
「……わかりました、ゲーム開発部と先生に全てをかけます」
「ダイブの準備をします、リオ、あなたも」
「……えぇ」
そうして、ヒマリとリオはダイブの準備を始める
俺は、外の奴をどうにかしよう、ラスティ一人ではやばいかもしれない
『ビジター』
「チャティ、お前も一緒に行け」
『……しかし』
「大切な友人なんだろ?なら行かなきゃ」
『……そうだな、わかった』
アリスの方はチャティに任せて
ACの方に戻っていく
外に出ると、迎撃しているスティールヘイズが見えた
『戦友、急いでくれ、数が多い!』
急いでACに乗り込み、システムを起動させる
すぐさまキャノンライフルを撃つ
しかし、本当にぶっ壊した奴まで動いてやがる
こりゃ厳しくなるな……
『戦友、アリスは?』
「今先生とチャティが対応している、アリスが戻るまでタワーに近づけさせない」
『なら、前に出て迎撃した方がいいな、ここだと流れ弾がタワーに当たる』
「……西側が多い他はエンジニア部やC&Cがやっている、ラスティ」
『了解だ』
そうしてブーストを吹かし、西側へと向かっていく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「一体、どうなっているの……」
「……レイヴン君」
……まただ、また見てるだけ……
こうなら為にも、ACの操縦を学んだのに……
そう拳を握りしめる
完全にオペレーターの仕事も忘れて自分の無力さを実感していた時だった
『ノア』
「チャティ?」
『もう一機ヘリを回した、そこにはお前のACが乗せてある』
「えっ?」
『乗るか乗らないかはお前が決めろ、要件はそれだけだ、じゃぁな』
そうしてチャティとの通信が途絶える
私の……AC……
『ノアさん、ヘリがこちらに来ました、どうしますか?』
「……ユウカちゃん、こっちは任せました」
「えっ?ちょ……ちょっとノア!?」
コウノトリからもう1つのヘリに飛び移り
私のACが格納されている所に走って向かいます
「……」
格納庫に私のACがありました……
私は……私は……
「……ッ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エリドゥの西側へと向かい、ラスティと迎撃しているが……
尋常じゃない数が攻めてきている
「リオ、一体どれだけ作りやがったんだ……!」
「ラスティも向こう側へ行ってしまったし……」
続々と来るACを撃破しながら
ラスティと合流を図ろうとするが……
『レイヴン!後方より新たな敵影!』
「クソッ!」
『レイヴン、もう少し耐えてぐださい……そうすれば……』
その時だった……
ドン!ドン!ドン!
「……ッ!?」
背後にいたACに攻撃が入る
ラスティか?
ドドドドドド!!
いや違う、これは……
ACの前に、何かが着地する
それは、ノア専用AC『プロト』だった
『レイヴン君!』
「ノア!?」
「お前、なんで……」
『チャティが持ってきてくれました』
チャティ……お前……
『ごめんなさい……でも、乗ることを選んだのは私です』
『もう無力な私を感じるのは、嫌です……』
『だから、ACに乗りました』
「……そうか」
少し過保護だったかもしれないな……
ノアが傷つくことをすごく避けていた
逆にそれが、ノアを追い詰めていたのかもしれない……
「ノア」
「死ぬなよ」
『えぇ、死にません』
「俺はラスティの方に救援に行く、ここは……任せてもいいか……」
『はい、任せてください』
「……ユウカ、ノアのオペレーターを頼む」
OBを起動し、ラスティの方へと向かっていく
「……」
『ノア……』
「やりましょう、ユウカちゃん」
『……えぇ、そうね』
『練習の成果、見せてあげなさい!!』
「……はい!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「わかってはいたが……骨が折れるな……」
(弾薬も、残りわずか……)
それなのに次々へとACが向かって来る
一つ一つのACの耐久は低い為、それほど苦戦はしないが、多勢に無勢
どんどんと体力も弾薬も無くなっていく
ドン!ドン!ドン!
『ラスティ!』
「戦友!」
「そっちは片付いたのか?」
『いや、俺の友人がACに乗って対応している』
「……大丈夫なのか?」
『……一応、アリーナではフロイトの所まで行ってる、実力は確かだ』
「……そうか、なら心配はいらないな」
「それよりも、こいつらをどうするか……」
周りには、無数のAC
スティールヘイズの弾薬も少なく、俺の方もそうだ
さて、どうするか……
そう悩んでいた時だった……
ドン!ドン!
ACに何かが撃ち込まれた……
『今のは……』
「ソングバード?」
ズガンッ!!
エリドゥのACに蹴りが入れらるが……
それをやった奴は……
『あれは……』
「ライガーテイル……G1 『ミシガン』……」
あの4脚……機体の色、間違いない……ミシガンだ……
ベイラム専属AC部隊、レッドガン総長……
『……G13』
あぁ、この声、本物だ……
『それに、貴様はヴェスパーの番号付きだな……』
『ベイラムの『歩く地獄』……』
「ミシガン……」
『……そうか、なるほどな』
ミシガンは少し黙り……
『G13!!!!』
「は、はい!!」
『ボサっとしてないで手を動かせ!』
『この人形共殺られる気か!!』
『自殺の予定が無ければ気を引き締めろ!!』
『馬鹿者!!』
耳鳴りがするほどの怒号で怒られた……
またミシガンの声が聞こたのを喜ぶべきなのか……
理不尽に怒られたのに突っ込むべきなのか……
よく分からない……
『まさか、ここでベイラムの歩く地獄……レッドガン総長と会えるとは……』
『V.IV……化け物退治以来だな……』
なんか睨み合っている気がする……
「待て待て、ここはルビコンじゃない……」
「ベイラムもアーキバスも無いし、お前達が睨む合う理由なんてあるか?」
『……確かに、そうだな』
『フン……』
「ミシガン、状況は理解しているのか?」
『多少はな、G13、説明してくれるのか?』
「あぁ」
俺はミシガンに今何が起こっているのか簡易的に話した
ミシガンは、少し黙り、理解した
『詳しく聞きたい所だが、とりあえずこの人形共を片付ければいいのだろう?』
「まあ、そうだな」
『なら話は決まりだ……』
ライガーテイルはガトリングを構え
『行くそ!命知らず共!』
『愉快な遠足の始まりだ!!』
ABでエリドゥのACに突っ込んで行った……
「……キヴォトス来ても、変わらないな……」
『……ムゥ…』
「まぁいい、とりあえずミシガンに続くぞ」
ブーストを吹かし、ミシガンの後に続く
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ノア!後方からまだ来るわ!』
「クッ……」
レイヴン君に任され、ここで何とか先に行かせないように押さていますが……
数が多すぎて、対処ができない!!
『ノア!頑張って!!』
「うぅ……」
『……ッ!?ノア!後ろ!』
「えっ?」
振り向くと、ブレードを展開してこちらに斬り掛かるACが見えた……
あぁ、これは……
ドン!ドン!
「ウアッ……!?」
攻撃……誰……?
『……貴様も、AC乗りか』
「えっ?」
目線の先には、緑色の……足が4つのACがいました……
あの機体って……
あっ!アリーナランク2のライガーテイル!!!!
『貴様、名は?』
「あっ、えっと……生塩ノアです」
『……子供か?』
「えっ、はい、16歳です……」
『……』
子供がACに乗ることってまずいのかな……
でもレイヴン君は乗っていますし……
『まぁいい……俺はレッドガン総長、ミシガンだ』
『貴様もAC乗りなら、命知らずって事だな』
「命知らず……いえ、私はレイヴン君の隣に立ちたいから乗っています」
「これが、初めての実戦ですけど……」
『……そうか』
『ナンバーに空きがあるなら勧誘しているところだ』
そうしてミシガンが乗るライガーテイルはエリドゥのACの方を向いて……
『貴様には教訓を得る必要がある、見て学んでおけ』
ブーストを吹かし、エリドゥのACに攻撃を仕掛けました
見て学ぶ……一体、何を学ぶのでしょうか……
『ノア』
「レイヴン君!」
『ミシガンは?』
「あっちでACを倒しています」
『……そうか』
……しかし、結構倒しているな
案外ノアって腕がいいのでは?
『君もAC乗りか?』
「スティールヘイズ……ラスティさんですか?」
『私を知っているのか?』
「はい、アリーナで苦戦しましたから」
『……でも今はフロイトのロックスミスをやっているのだろう?』
「はい、まだ一度も勝ててませんけど……」
『……まぁ、フロイトだからな、あまり気にしない方がいい』
ラスティさんも、ロックスミスのやばさはわかっているようですね……
でも400敗は口が裂けても言えませんが……
『おい!命知らず共!!』
『ボサっとしてないで手を動かせ!』
『遠足は続いているぞ、馬鹿者!!』
「……ミシガンさんっていつもああいう方なんですか?」
『まぁ、The軍人って感じだな……』
『とりあえず、エリドゥのACを片付けよう』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから、皆で迫り来るエリドゥのACなどを撃破し続けてきたが
未だに暴走は続いている
弾薬も少なくなってきて疲労もでてきた……
「……クソッ、チャティ、先生、何を手間取っている!」
「……俺も行くしかねぇか……でも」
ここで俺が欠けてしまったら……
『行ってこい、戦友』
『……レイヴン君、行ってきてください』
『G13、行け!』
みんな……
「……頼むぞ!」
中央のタワーへと進路を変え飛んでいく
「……戦友がいない今、さらに辛くなるが、やるしかないぞ!」
『……そうだな、奴らにレッドガンの流儀を教えてやる』
『……レイヴン君』
3人が、レイヴンを見送った時だった……
『お前たちはなぜ現れる』
『なぜ邪魔をする』
「……ッ!?なんだ!?」
ラスティが振り返ると、そこには
赤と黒を基調にする渋いカラーリングと肩のエンブレム
「ビリヤードの9の球」
「あれは……」
『力を持ちすぎるものは全てを壊す』
『秩序を破壊する者……』
『プログラムには……不要だ』
その赤いACは、中央のタワー……
いや戦友に向けて飛んでいる
「……ッ!?まさか!」
赤いACは、パルスライフを戦友のACに向けた
「させるか!」
ドドン!ドドン!
バーストハンドガンを打ったのだが、赤いACは見ずに避けた
「悪いが、戦友の所には行かせない」
赤いACは着地し、こちらに向く、だが……
その周りにも、奴と同じACが複数、数にして9体はいる
「……奴は、一体……」
『ラスティさん!』
戦友の友人、ノアのACと、ミシガンのACがこちらに来た
『あのACはなんだ……』
『ナイン……ボール』
「知っているのか?」
『はい、レイヴン君のデータに『9』と書かれたデータに……』
『気おつけてください……あのACは、危険です』
『私を追っているらしいな』
『誰であろうと、私を越えることは不可能だ』
「それはどうかな……」
「より高く飛ぶのは……私だ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中央のタワーにたどり着き、ACから降りていく
急いでエレベーターに乗りリオ達のところに行く
「リオ!ヒマリ!」
「レイヴン!?あなた、迎撃に……」
「俺もアリスの中に行く、ダイブの機能はまだ使えるな?」
「使えなくは無いですが…………」
「……行かせてくれ」
「…………わかりました、準備します」
ダイブ機器を付け、アリスの精神に入って行く
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先生達はアリスを引き戻そうと、あの手この手で説得しようとしているが、その効果は芳しくない
「……アリスは、帰れません……だって、私は……!」
アリスは、自らが犯した罪に、押しつぶされていた。
それでも、先生達は彼女に手を伸ばす。それ以外の方法を知らないから
「アリスちゃん、君は魔王なんかじゃない、魔王になる必要だって無いのよ」
「でも、アリスは……!モモイも、ネル先輩も……!いろんな人を、傷つけて……!」
「アリスちゃん、私達は怒ってないよ、ほら、みんなと一緒に帰ろう?」
「……まだ分からないのですか?王女は……」
突如、Keyは話を止めて、先生達の右側を見つめ始めた
「強化人間 C4-621……レイヴン……」
「俺は621じゃないが、強化人間なのは、あながち間違いじゃないのかもな」
「それより、初めましてかな、『ケイ』」
「……私はKey、鍵です。名前すら正しく呼べないのですか?」
「レイヴン先輩!」
「なぜあなたがここに……イレギュラーのあなたが!」
「あなたは……この世界にいてはならない存在なのです!!」
イレギュラー……か……
しかしこの世界にいてはならない……
今は考える必要はない
「……アリス、どうしてそこまで帰りたくない?」
「アリスは、沢山傷つけました……だからみんなといる資格は……」
「それはアリス自身が選ぶ事か?」
「えっ?」
「……何を言っているのです?王女よ、耳を貸す必要は……」
ケイが静止しようとどこからかロボットを出してしてくるが……
バチバチバチバチ……
「……なっ、コーラル!?」
コーラルを放出し、ロボットを活性化したコーラルで破壊する
「なぜみんなといるのに資格がいるんだ?こんなにも仲がいいのに?」
「だからです……大事な仲間を、傷つけたから!」
「アリスは!魔王ですから!」
「アリスは勇者だ」
「えっ?」
「こんなにも仲間を思って、みんなの為に身を捧げる」
「立派な勇者じゃないか……」
1歩1歩とアリスに近づく
「王女よ!この者の戯言に耳を貸しては……!」
「アリス、君は何になりたい?」
「勇者か?魔王か?」
「今のアリスなら何にでもなれる」
「それなのにここで終わってしまうのは、勿体ないだろ?」
「……私は…………」
アリスは顔を上げ……
「私は、魔王でも……勇者になれますか?」
「お前が望めばな……」
「なんなら、『レイヴン』にだってなれるのかもな」
「レイヴン?」
「『自由意志を表す一種の思想・象徴』」
「『何もかもを黒く焼き尽くす……
……死を告げる鳥』」
「戦うことを自ら選び、その度に強く羽ばたくこと……」
「それが……『レイヴン』の証明だ……」
「今一度問おう、アリス」
「アリスは、何になりたい?」
「勇者になって自由に羽ばたくか……」
「魔王になって、全て黒く焼き尽くすか……」
「……私は」
『アリス、ボスのモットーを教えよう』
『『生きてるなら、笑え』だ』
「生きてるなら……」
アリスは、決心したように大きな声で叫ぶ
「私はっ!みんなと一緒に居たいです!モモイも、ミドリも、ユズも、先生も、レイヴンさんも、チャティも、ケイも!!」
「みんなと一緒に、ずっと冒険がしたいです!!そのためならアリスは、勇者じゃなくなっても良いです!!」
アリスはそう叫ぶと、台座に突き立てられた勇者の剣へと走り出す
何が起きるのか察したケイが、アリスを引き留めようとするが、彼女は振り返ろうともしない
「王女よ、お待ちください!それだけは!!」
「アリスは、本当のアリスになるんです!!」
そして、引き抜かれた剣は光を集め、その光は空へと放たれる。
暖かな光が、荒れ果てた部屋を満たしていった
「光よーーー!!!」
ドカアアアン!!
「何故です……王女よ……」
「アリスは選んだ……」
「自分の使命を捨て、自由に羽ばたく事を選んだ……」
「アリスが選んだ事だ、それでいいじゃないか……」
ある人は……
機体を動かす以外の機能は失われているのに……
自らの意思で……
託された使命を捨て、友人の為に羽ばたいた……
「自由に生きてみてはどうだ?」
「なぜ、私に言うのですか?」
「そりゃお前だってアリスの仲間じゃないか」
「好きなように生きて、好きなように死ぬ……」
「誰の為でもなく……お前自身の意思で……」
「理解が……できません……」
「生きていく中で学べばいい」
「『自由』に生きるのは、結構楽しいぞ?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ドン!ドン!
ドドン!ドドン!
『荒廃した世界を、人類を再生する』
『それが私の使命』
『私は守るために生み出された』
『私の使命を守り、この世界を守る』
『………イレギュラー』
『大きすぎる……修正が必要だ』
ナインボールは、謎の言葉を残し、そのまま爆散した
「……止まった?」
『……止まった……のか?』
『……あの言葉、一体どういう意味なのか……』
『人類を再生する……』
「あまり気にしない方がいいかと……」
『……そうだな……』
とりあえず、脅威は去りました、あとはレイヴン君からの連絡を……
『……みんな、またせたな』
「レイヴン君!!」
『戦友、アリスはどうなった?』
『無事救出完了、ミッション完了だ』
「はあ〜良かった〜……」
『流石だな戦友!』
『G13、良くやった!』
一同、アリスの救出成功に祝福をする
けど、ナインボールについては……
まあ、言わないでおきますか……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……そういえば、ラスティ、ミシガン」
「お前達はこれからどうするんだ?」
『そうだな、アーキバスも無ければベイラムもない……』
「なら、一緒に来るか?俺の作業場なら設備もあるし、ACも格納できる」
『そうか?それは良かった』
「ミシガンも、どうだ?」
『……そうだな、G13、世話になるぞ』
「……チャティ、ヘリってAC4機分乗せれるだけの数あるが?」
『安心しろ、ウタハから新たにヘリをもらった、そっちに回そう』
「そうか、わかった……」
「じゃあ、ラスティ、ミシガン、これからよろしく」
『あぁ、よろしく頼む 戦友!』
そうして、新たに仲間を加え、レイヴン一同はミレニアムへと戻って行った
総長!!!
ミシガンですよ!ミシガン!!
いやぁ、これは騒がしくなりますよw
それと、感想でみんなナインボールを期待していたので、少しですが出しました
本来はまだ……出す予定ではなかったんですけどね……