ACを作りたい少年とセミナー書記   作:雨垂れ石

27 / 27
やはり掃除っていうのは遊びたくなるよね?


的外れの考察と楽しい大掃除

 

 

「……ラスティ、ここをどう解けばいい?」

 

「ん?ああ、そこは倍数判定法を用いてこのように……」

 

「な、なるほど……理解した」

 

「…………」

 

「コハル?何かわからないところでも?」

 

「!?いっ、いや、別に…」

 

「ちなみに、今見ているページは範囲外だぞ?」

 

「え!?うそっ!」

 

放課後の自習時間

皆が自習に励む中、俺とラスティ、先生は補習授業部のみんなの分からない問題などを教えている

 

なんというか……正直言って……

今補習授業部がやっている問題は……簡単すぎる

 

外の世界で必死勉強してきたお陰でだろうか

今でもその経験が生きている

 

……そういえば……………

 

「なぁラスティ、人に教えれるぐらい知識があるんだな」

 

「勉学が出来なければ、アーキバスやヴェスパーには入れないさ」

 

「へー、あのルビコンでもちゃんと教育できる環境があったんだな……」

 

「……もしかして教育者ってスネイルだったり?

 

「あぁ、スネイルだった時もあったな」

 

まぁあのスネイルならそういった類はちゃんとしているのだろう……

 

そう考えるとベイラムと違って、確かにアーキバスは頭が良さそうな感じがあるな

 

「……そういえば戦友も、人に教えれる程の知識があるようだが?」

 

「そりゃ、知識がなければACも作れないさ」

 

「以外に開発というものは、数学的な事が多い」

 

「なるほど……」

 

だからなのかね、今どきの高校生の問題が異様に簡単に感じるのは……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そうして放課後に集まり、勉学に励む中、あっという間に一次試験の日になる 

 

「プリントはまだ裏返さないでね……みんな、落ちついて頑張ってね」

 

「正義実現委員会のエリートの力を見せてやるんだから!」

 

「あ、あはは……がんばります」

 

「ふふっ、はい」

 

「準備は完璧、行ける」

 

「……」

 

「……それじゃ、初め」

 

先生の一言で、皆が一斉にテストを解き始める

 

「(なぁラスティ……いけると思うか?)」

 

「(……どうだろうな、今回のテストはしっかり理解出来ていれば簡単な問題だ……この子達がそれを理解出来ていたらの話だがな……)」

 

「(……まぁ、補習授業部にいる時点で……な……)」

 

本当に大丈夫かな……

 

 

そう補習授業部のテストを見守り、50分になるとピピピピ、とタイマーがなる

 

「全員ペンをおいて、回収するね」

 

「……お、終わりました」

 

「疲れた……」

 

「あらあら、私は楽しめましたね」

 

「……とりあえず、今は結果を待とう」

 

「みんなお疲れ様、私は解答用紙を提出してくるから、後は各自解散してね」

 

その後先生は退出する

 

「…………」

 

「俺達も戻るか」

 

「そうだな」

 

そうして、用意されている部屋に入り

今日は早く寝床につく

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌日

 

「結果発表!!」

 

「わ、わ〜い!」

 

「……ふん」

 

「……わざわざそのような言い方を?」

 

「ふふふふ、さて、どうなってるでしょう〜」

 

なんか、不安でしかならない

 

「じゃあまずヒフミちゃん!なんと、72点!」

 

「よ、よかった〜!あ、合格点数は60点以上です!基礎の基礎のテストなのでおそらく皆様問題ないかと思いますが……」

 

「次!アズサちゃん!32点!」

 

「……はいぃっ!?」

 

「……紙一重だったか」

 

「次!コハルちゃん!11点」

 

「!?」

 

「コハルちゃんんんんんっ!?ち、力を隠してたんじゃないんですかああ!?今回はちゃんと1年生用の試験を受けたんですよね!?ま、まさかまた2年生用の………いえその点数、3年生用の試験を受けたんですか!?」

 

「やっ、その……すごい難しかった」

 

「すごい基礎の基礎で簡単でしたよ!小テストレベルですよ!」

 

「あらあら……」

 

「うう、合格はハナコちゃんと私だけ……ということでしょうか…となると二次試験、もとい合宿が……」

 

「ハナコちゃん!2点!」

 

「2点!?!?!?!?!?」

 

「2点、2点ですか!?20点ではなく!?いえ、20点でもダメなのですが!」

 

「むしろ何が正解だったんですか!?と言いますか待ってください、ハナコちゃんものすごく勉強ができる感じでしたよね!?」

 

「確かに私、そういう雰囲気あるみたいですね。まぁ成績は別なのですが」

 

「雰囲気だけだったんですか!?!?」

 

「……」(꒪⌓꒪ )

 

「……」(´º ◽︎º`)

 

『……』( 눈_눈)

 

「なぁ、ラスティ……エア……俺は夢でも見ているのか?」

 

「奇遇だな……私も君と同じ夢を見ているようだ」

 

『夢じゃありませんからね!?』

 

ヒフミ達の答案用紙を改めて見る

 

まずヒフミ……

少々凡ミスがあるが……うん、文句無しの合格

 

次にアズサ……

書けてはいるが……的外れな回答が目立つ

 

次、コハル

あれだけ豪語していたが空白が多く、回答も違う所が多い

 

最後にハナコ……

ほぼ書いてないんだが?

 

唯一書いてあるのが2点問題の1つだけやぞ?

 

『はぁ……』(クソデカため息)

 

俺、エア、ラスティの3人はため息をつく

 

その後、解散した後、資料を整えているとあっという間に日は暮れた時、ふと連絡が入る

 

 

『今日の夜、ティーパーティーテラスでお待ちしています』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あら、先生、レイヴンさん、お疲れ様ですそちらの方は、ラスティさんでしたね」

 

「……私を知っているのか?」

 

「えぇ、レイヴンさんの親友と」

 

「……」

 

「補修授業部のことは聞いていますまだチャンスはあるので……」

 

「ナギサちゃん、1つ聞きたいんだけど……」

 

「はい?なんでしょうか」

 

「3回、補修授業部が不合格をとったら、あの4人はどうなるの」

 

「……」

 

ナギサは沈黙する

 

「………」

 

「……小耳に挟まれたのでしょうか、出処は……ヒフミさんですかね?彼女はそういうところがありますから……まぁそれが、ヒフミさんの良いところでもありますが」

 

「……お答えしますと簡単なお話です試験で不合格を繰り返す。落第を逃れられそうにない、そして助け合うこともできない、だとすれば、皆さん一緒に退学していただくしかありません」

 

「退学!?」

 

「はっ?」

 

「何?」

 

「本来ここトリニティにも落第、停学、退学に関する校則は存在しますが、手続きが長く面倒でたくさんの確認と議論が必要です、ゲヘナと違って我々は手続きを重要視していますので」 

 

「………」

 

「ですが、今回急造された補修授業部は、そのような校則を無視できるようになっています」

 

「……シャーレの法外的なほどの権限を利用したのね」

 

「……ええ、そもそも補習授業部は…生徒を退学させるために作ったものですから」

 

「……は?」

 

「………え?」

 

「……何故……そのようなことを」

 

「………レイヴンさんはご存知のはず……いえ、この際ですから言いましょうか……」

 

「このトリニティに裏切り者がいるからです」

 

……一体、お前は何を考えている

 

「……裏切り者は、エデン条約の締結の阻止を狙っています」

 

「……エデン条約?」

 

「……どうやら1から説明する必要がありそうですね、エデン条約は…簡単に言いますとトリニティとゲヘナの間に結ばれる不可侵条約です」

 

「その核心はゲヘナとトリニティの中心メンバーが全員出席する、中立的な機構を設立することにあります。[エデン条約機構]Eden Treaty Organization、通称[ETO]と呼ばれるであろうこの団体が、トリニティとゲヘナの間で発生した紛争に介入、その紛争を解決することになります」

 

「そうですね……言うなれば呉越同舟でしょうか、常に揺れ動く不安定な船に一緒に乗ることによる敵対的な平和同盟、これにより、2つの学園の間で全面戦争の発生は抑制できるでしょう」

 

「……確かに、それならトリニティとゲヘナの間での全面戦争はなくなるね……踏み込み過ぎればお互い共倒れになるから……」

 

「………つまり和平を結ぶと?」

 

「う〜ん……意味は少し違うけど大体そんな感じだと思うわ……」

 

「……先生、トリニティとゲヘナの長きにわたる敵対関係はお互い、大きな重荷となっています、エデン条約はその無意味な消耗を防ぐための、恐らくは唯一の方法なのです」

 

「……唯一」

 

「……元は、連邦生徒会長が提示した解決策でしたが、彼女が行方不明になってしまい、一度は空中分解しかけたものを私の元で立ち直したものです」

 

「ようやく締結される直前まで来たのに、このタイミングで……妨害しようという裏切り者がいる、その情報を耳にしてしまいました」

 

「……裏切り者が誰かわからない、なら容疑者をまとめて一箇所に集めてしまえばいい、それが補修授業部?」

 

「……はい、その通りです、先生には、裏切り者をまとめる……箱の制作にご協力いただきました、いざという時、箱ごとまとめて捨ててしまえるように」

 

「どうして、レイヴン君を巻き込んだの……」

 

「レイヴンさんには私の専属の護衛として雇うつもりでしたが、断られてしまいまして」

 

「それにエデン条約の事やトリニティの裏切り者の情報が外に漏れないように半ば強引に依頼したわけです」

 

「………先生……レイヴンさん……こんな、血生臭いことに巻き込んでしまい、申し訳ございません、私のことは、罵っていただいても構いません」

 

「……そもそもただ利用するだけならこんな話してこないよね?」

 

「……何を、企んでいるんだ……」

 

「言っても信じてもらえるかな、と思っていましたが、どうやら信じていただけたようですね……よかったです」

 

少しだけ、ナギサが安心したかのように息を吐く

 

「……先生、ラスティさん、お願いがあります」

 

「……お願いって?」

 

「………」

 

「……補習授業部に居る裏切者を、探して頂けませんか?」

 

「……」

 

「先生を、トリニティを騙そうとしている者がいます、平和を破壊しようとするテロリストです、私達だけではなく、キヴォトス全体の平和を、自分達の利益と天秤に掛けようとしている者です」

 

「……裏切り者を探し出すことが、キヴォトスの平和に直結します、いかがでしょう、連邦捜査部シャーレとしてご理解いただけますと幸いなのですが……」

 

「………私は、私のやり方でその問題に対処させてもらうわ」

 

俺とラスティはこの時、耳を疑った

それはまるで、あなたと協力しませんと言っているようなものではないかと

 

「……そうですか、わかりました……ですが先生、ゴミを細かく分別することが難しい場合は箱ごと捨てるのも手段の一つ、そう思いませんか?」

 

「流石にそんなことはできないな、そういうのに厳しい友達がいるの、怒られるわ」

 

「………それからもう一点、試験は基本的に私たちの手のひらの上にあります」

 

「急に範囲が広がる、会場が変更され、難易度があがる、そう言ったことが起きないことを願いますが……」

 

理不尽極まりないな……

そこまでして裏切り者を消したいと言うわけか……

 

「それは……」

 

「……失礼しました、あまりよくない言い方でしたね…では、引き続き補修授業部をお願いします」

 

「それと、私たちの方から先生方に対して不利益や損害を与えることはありません、と言いたいところですが……」

 

「……そうと言い切れない、と?」

 

「……はい、簡単には約束しかねますね、だからと言って先生方が生徒を放っておくことなどないと思いますが」

 

「……どうか、結末には苦痛が伴わないことを願うだけです」

 

「………」

 

「ああ、あと一つ……今回の一次試験は、私たちの方で如何なる操作も行っておりません、この部分については、誓って嘘ではないことをお約束します」

 

「それはそれで教え甲斐があるわね……分かった」

 

先生は座っていた座席から立ち上がる

 

「……私はもう行くよ、次の合宿に向けて教材を考えないといけないからね……」

 

「先生の行動が、トリニティの利となることを願います」

 

そうして、先生は部屋を出て行くが

 

「戦友?」

 

「ラスティ、先に戻ってくれ、俺はナギサに個人的に質問がある」

 

「そうか……」

 

ラスティが出て行ったあと……

 

「ナギサ……」

 

「はい、何か質問なら答えます」

 

「本来のティーパーティーホスト、百合園セイアはどうした?」

 

「……」

 

ナギサは少し黙り、口を開く

 

「セイアさんは、現在は入院中です」

 

「……建前はそうだよな」

 

「……はい?」

 

「本当にただの病気で入院したのか?」

 

「……勘が鋭いですね………」

 

「伊達に長年同じ戦場で戦い続けたのでね」

 

「……セイアさんは、何者かに暗殺されたと聞きました」

 

「生死は不明ですが、ヘイローを壊されたと聞いております……」

 

ヘイローが壊される

それは間接的に死を意味する

 

「……なるほどな……それで俺を雇ったのか……」

 

「セイアの事があり、ナギサは裏切り者を炙り出した、そういう事か……」

 

「はい、補習授業部に……」

 

「ならあんたの考えは甘いというわけだ」

 

「はっ?」

 

ナギサのティーカップが震える

 

「どう……言うことですか……」

 

「何故裏切者が1人だと決めつけている?その証拠でもあるのか?」

 

「何故その裏切者に協力者が居ないと思い込んでいるんだ?その1人を潰せれば終わりだと思っているのか?」

 

「……では、裏切者は、1人ではないと?」

 

 「間違いなくな、俺なら校内に協力者を作る、条約に反対している奴らを中心にな」

 

 「そういえば、パテル派は制定直前の今も反対してるそうじゃないか、そいつらの感情を少し煽れば、良い駒になるだろうな」

 

 「ティーパーティー内部にも、協力者が居るかもしれないと……!?もしそれが本当なら、私は誰を信じれば……!?」

 

目に見えて動揺し始めた

トリニティのトップの1人と言えど、結局はただの生徒だ

自身が既に檻の中にいる、という可能性に今気づいたのだろう

 

「ある話をしよう」

 

「神様は人間を救いたいと思っていた だから、手を差し伸べた」

 

「でもその度に、人間の中から邪魔者が現れた」

 

「神様の作る秩序を、壊してしまうもの」

 

「神様は困惑した 人間は救われることを望んでいないのかって」

 

「でも、神様は人間を救ってあげたかった、だから」

 

「先に邪魔者を見つけ出して、殺す事にした」

 

「そいつは「黒い鳥」って呼ばれたらしい

何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥」

 

「どういう、意味ですか……」

 

「さぁな、それは自分で考えてみろ」

 

神様は『エデン条約』

 

人間は『トリニティやゲヘナ』

 

黒い鳥は『裏切り者』

 

俺が話した事はあっているから分からないが、おそらくそれと類似している状態だと思う

 

「……もし、もし本当に、裏切者が、私の近くにいるとしたら、私は、どうすれば……」

 

考えたくなかった可能性に行きついてしまったのだろう

ナギサは完全にうつむいてしまい、その表情をうかがい知る事は出来なくなった

 

「……集めた情報を、もう一度整理した方が良い、別のものが見えてくるかもしれん」

 

そう言い残して立ち上がり、ドアに向けて歩いていく

俺が座っていた席の前には、1滴も減っていない紅茶が、今も香りを放っていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ここが合宿の場所、まるで修学旅行に来たみたいだね」

 

「………」

 

「ここが合宿の場所ですか、ようやく到着しましたね」

 

「暫く使われていない別館の建物と聞いていたので、冷たい床に裸になって寝ないといけないのかと思っていましたが……」

 

「は、裸っ!?」

 

「ふふっ、結構広いですし、きちんとしていますし、可愛いベッドもあって何よりです! これなら皆で寝られそうですね、裸で♡」

 

「さっきから何でちょいちょい裸を強調するの!? それにベッドの数もちゃんとあるんだから、皆で寝る必要ないでしょ!?

 

俺とラスティと先生、生徒一同は合宿する場所へと移動していた

ハナコの言っている事は気にしないでおく

 

「………まるで屋敷のようだな」

 

「まぁ別館みたいだしね、そんじゃ早速入ってみよう」

 

そうして、先生は鍵を開け、扉を開く

 

「私が先導して、罠がないから調べる」

 

そう言ってアズサはササッと入っていく……

 

「こんな場所に罠なんてあると思うか?」

 

「……抜かりないっと言うべきかもしれないな、アズサっていう生徒は」

 

「まぁ、この世界が世界だし……」

 

俺達も、アズサについて行く

 

「結構広いですね、ベットもあるといいんですが」

 

「とりあえずお部屋に行ってみましょう!」

 

そうして移動すること、10分ほど

 

「えーっと、ここかな?」

 

「あら、可愛らしいベットですね〜」

 

「これならみんなでぐっすり寝れそうですね!」

 

少々埃っぽいが、いい感じの部屋である

 

「戻ったぞ」

 

先導していたアズサが戻ってくる

 

「一通りみたが、罠は無さそうだ」

 

「そっか、ありがとうアズサちゃん」

 

「さて……ナギサ様から云われた通り、第一次特別学力試験には残念ながら落ちてしまったので、この別館で合宿を行う事になりました、私達は第二次試験までの一週間、此処に滞在する事になります勿論先生、レイヴンさん、ラスティさんも」

 

「長い間放置されていたそうですが、少し掃除すれば全然使えそうですし、体育館やシャワー室なども充実しています、トリニティの本校舎からも頑張れば歩ける距離ですし、地下に食堂設備もありますので、特に生活の心配はありません」

 

「あ、そう云えば外にプールもあったな、此処と同じく暫く使われていない様だったけれど」

 

「プールですか、良いですね、皆で入ったら楽しそうです、勿論……」

 

「ぜ、全裸は駄目! 変態ッ!」

 

「……いえ、普通に水着で、ですよ?」

 

「うぐぅ……!?」

 

「それから何かあったら先生やレイヴンさんやラスティさんに言うようにと、ナギサ様から言われています、何があっても頼るようにとも言われました」

 

「任せて」

 

「できる範囲なら……」

 

「遠慮なく言ってくれ」

 

「あら♪頼もしいですね、それではレイヴンさんとラスティさんのお部屋は……ふふ、レイヴンさん?ラスティさん?どうせなら……」

 

「駄目っ、絶対ダメ!同衾とかエッチじゃん! 死刑ッ!!」

 

ハナコがレイヴンとラスティに詰め寄りながら何かを口にしようとすれば、空かさずコハルが体を差し込みガード体勢に入る

 

「えっとコハルちゃん?私、まだ何も云っていませんが……?」

 

「何を云い出すか位大体分かるわよ!駄目ったら駄目!そういう事はさせないんだから!」

 

「厳しいですね〜」

 

「そう言うこと……とは?」

 

「そ、そう言うことはそう言うことよ!」

 

「何か問題でもあるのか?私は先生達のそばにいた方が、お互いを守れるからいいと思うのだが」

 

「側?い、異性が同じ部屋で寝る!?ダメダメ!絶対にダメ!えっちなのはダメ!死刑!!」

 

「………」

 

以前寮に戻れないノアを部屋に招き入れた事があるが、そんなにダメな事なのかね?

困ったらお互い様だろ?

 

「それでは、荷物を片付けて早速勉強を……」

 

「あら、でもその前にやる事があると思いませんか? ヒフミちゃん」

 

「えっ、やる事、ですか……?」

 

「ランクマ?」

 

「ミールワームの食事会か?」

 

「二人ともお静かに」

 

「ハイッ……」

 

「ムウ……」

 

「……お掃除、ですよ♡」

 

「お、お掃除……ですか?」

 

その一言にヒフミは目を瞬かせ、呟く

 

「はい、管理されていた建物とはいえ、長い間使われていなかった事もあって、埃なども多いように見えませんか?」

 

「……確かに埃やら汚れがひどいね」

 

「このまま此処で過ごすと云うのも健康に良くなさそうですし、今日はまずお掃除から始めて、気持ち良い環境で残り一週間を過ごす……と云うのは如何でしょう?」

 

何年も放置されていたそうなので、埃やらゴミが溜まるのは必然綺麗にした方が勉強にも集中できるし気持ちいい、ハナコはそう言っている

 

「なるほど、確かにそうですね……身の回りの整理整頓から始めるのは定石ですし、そうでなくとも途中で気になってしまいそうですし……」

 

「部屋の掃除は心の掃除とも言うからね……よし、みんなでお掃除作戦をしよう」

 

「そうね、どうせなら良い環境で、そうでしょう?」

 

「うん、賛成する」

 

「だ、そうです……どうします?」

 

「分かりました、それではまず、大掃除から始めるとしましょう!」

 

そうして、この合宿所を大掃除をする事になった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数十分後

 

俺とラスティと先生は動きやすい服に着替えてヒフミ達を待っている

 

とは言っても、俺はコートを脱いだだけだし、ラスティもジャケットを脱いだだけである

 

「先生、レイヴンさん、ラスティさん!!」

 

ヒフミ達を待っていると声が聞こえ、着替えてやってきたヒフミとコハルとアズサ……アズサの手には武器が持たれていた

 

「……アズサちゃん?何で銃を?」

 

「肌身離さず持っていないと銃の意味がない、襲撃はいつ来るか分からないものだ」

 

「いえ、それはその、何といいますか、その通りかもしれませんが……」

 

「わ、私は止めたからね?」

 

「あとはハナコちゃんだ……」

 

「お待たせしました、皆さん早かったですね?」

 

少し遅れてやってきたハナコ、その姿は……水着、完全なる水着

誰がどう見ても水着だった

 

「アウトォーーーッ!なんで、なんで掃除するのに水着なの!?馬鹿なの!?バカなんでしょ!?バーカ!」

 

「ですが動きやすいですし、何かで汚されても大丈夫ですし、洗い流すのも簡単で……」

 

「そういう問題じゃないでしょ!? 水着はプールで着る物なの!っていうか、だっ……誰かに見られたらどうするの!?」

 

「誰かも何も、此処は私達以外いませんよ……?」

 

「レイヴンとラスティが居るでしょう!?」

 

「と、兎に角駄目!アウトったらアウト!あんたはもう水着の着用禁止!」

 

「あら、それはそれで、まぁ……仕方ありませんね、よいしょ……」

 

「わあああぁああああ!?///」

 

「だだだだめですよハナコちゃん!!いくら何でも流石にダメです!」

 

「あらあら♡(……ふふ、さすがのレイヴンさんやラスティも、これには……)」

 

ハナコが水着を今この場で脱ごうとしたが……

 

「しかし戦友、君はいつもハンドラー・ウォルターのエンブレムが入った服を着ているな」

 

「そりゃお気に入りの服だし、何より俺はウォルターの猟犬だし」

 

レイヴンとラスティは見向きもせず、2人で話していたのである

 

「あっ、あれ?」

 

ハナコも、困惑せずにはいられなかった

 

「完全に、見向きすらしないじゃない……」

 

「……あっえっと……うぅ……」

 

「まぁ、とりあえず掃除を始めようね……」

 

逆に恥ずかしくなってしまったハナコである

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

改めて集合した補習授業部は先生達と共に掃除を開始、最初は生い茂った雑草を何とかする

 

「結構多いですね〜」

 

「かなりの間放置されていたみたいですからね……」

 

「買っておいて放置だなんて……経費の無駄じゃ無いの」

 

「そうですね〜………」

 

「……ねえ」

 

「コハルちゃん、どうしましたか?」

 

「あれツッコまなくていいの?」

 

バチバチバチ……

 

コーラルを放出し、草の根を枯らせる

 

「コーラルはそんな使い方もあるのか……」

 

「さぁ、思いつきでやってみたが……意外と汎用性あるな……」

 

ルビコニアンのラスティから見れば……まぁ……

 

「あれはレイヴンさんしかできませんね……」

 

 

廊下

 

「なぁ、ラスティ……」

 

「?」

 

「遅く奥に着いたら晩飯奢りな」

 

「……そうか、いいだろう」

 

そうして、位置につき……

 

「うっしゃああああああああぁぁぁ!!!」

 

「うおおおおおおおおおおお!!」

 

雑巾掛けをやりながら、ラスティと勝負をする

 

「は、早い……」

 

「いい歳した人が何をやってるの……」

 

「私も負けてられない」

 

「アズサちゃん!?」

 

アズサもすごいスピードで雑巾掛けをしていく

 

「若いっていいなぁ……」

 

「ハッハー↑俺の勝ちじゃあぁ!!」

 

「届かなかったか……戦友……」

 

「ある意味1番楽しんでるのあの二人ですよね……」

 

「ワカイッテイイナ……」

 

 

宿泊部屋

 

女子高生のプライベートゾーン、ってことらしいので自分の部屋を掃除しているが……

 

『ちょ、ハナコ!!あんた何持ってきてんの!?』

 

『何を、と言われましても、ただの本ですよ?』

 

『カーマスートラって書いてるんだけど!?没収よ没収!!』

 

『ヒフミ、どうしてコハルはあの本を没収したんだ?』

 

『アズサちゃんは知らなくていいんですよ』

 

『しかし……』

 

『知らなくて……いいんですよ?』

 

『わ、わかった…』

 

まぁ、仲が良さそうで良かったね()

 

その後も教室、体育館、簡易キッチン兼食堂などのすべての掃除を終え、一度合宿場出入口へと集合する補習授業部と先生と……

1番楽しんでいた(遊んでいた)ラスティとレイヴン

 

「えーみんなが頑張って掃除を行った結果……とんでもなく綺麗になりましたね」

 

「放置されてた寮とは思えないほど……綺麗ね」

 

「埃が一切ない、まさに完璧な隠れ家だ」

 

「隠れ家……か、どうかは置いておいて!とにかくみなさんお疲れ様でした!」

 

ヒフミのお疲れ様の一言で全員の気が抜ける、雑草だらけだった場所は綺麗になり、埃や汚れが一つもない床や天井

どこも新居みたいな綺麗さがある

補習授業部は綺麗にした場所を見て大満足……ハナコ以外は

 

「……あ、そういえばまだ、一ヶ所残っていましたね」

 

「あれ、そうでしたっけ?」

 

ふと、ハナコがそんな事を口にする、コハルは嫌な予感がした、先生は全部掃除したはずだよね?と疑問視しする

 

「えぇ、屋外プールが♡」

 

「ぷ、プール……?あ、そう云えばさっき、あるって……」

 

ここです……ほら!」

 

そしてハナコに連れられ、合宿施設の裏にやってきた先生達

そこで見た光景に思わず先生達は絶句する

 

「こ、これは……」

 

プールの浴槽、プールサイド、それに周辺の植物までかなり汚れ伸び放題、しかも虫もたくさん沸いている

酷いったらありゃしない……

 

「だいぶ大きいな、それに汚れが酷い、どこから取り掛かれば良い物か……いやそもそも、補習授業に水泳の科目は無かった筈だけれど」

 

「……見てて吐きそうになってきたな」

 

「試験に関係ないなら、別にこのままでも良いじゃん、掃除する必要ある?」

 

「……いえいえ、良く考えてみてください、コハルちゃん」

 

清掃なんてやる必要がないと言うコハルにハナコは何やら強い意志を向け、目を燃やしながら話す

 

「キラキラと輝く水で満たされたプール、楽しい合宿、はしゃぎ回る生徒たち……ほら、楽しくなってきませんか?」

 

「……?え、何?分かんない、何か私に分からない高度な話してる?」

 

「ですが確かに、こうして放置されてしまったプールを見ていると、何だか……こう、もの悲しい気持ちになりますね」

 

「このサイズだし、昔はきっと使われていた時期もあったんだろう、元々は、賑やかな声が響き渡っていた場所なのかもしれない」

 

そう言ってアズサはプールサイドを見渡す、錆びついたパラソルに汚れで汚くなっている白い椅子、昔はもっと綺麗でもっと活気に溢れていただろうに……今は見る影もない

 

「どんなに綺麗なものもこんな風に変わってしまう……『vanitas vanitatum』……それが世界の真実」

 

「バニ……なに?」

 

「古代の言葉ですね、『vanitas vanitatum』(すべては虚しいものである)……確かに、そうなのかもしれません」

 

ハナコがそう言って顔を下に向ける、どんなに綺麗な場所も、どんなに美しいものであっても、時が経てば醜く衰え見る影もなくなる。

 

どうせ何が起きても最後は虚しく終わるだけ……vanitas vanitatumはそう言う言葉、ヒフミやコハルは確かに……と納得した様子を見せていた

 

 「そうか?俺はAC、友人と夢があれば虚しくないがな」

 

しかし俺はそう言った、アズサはいや……と言う顔をして重く苦しい声で言う

 

「しかしだ、レイヴン……それも無くなってしまえば……」

 

「無くなったらまた作ればいい」

 

「そ、それはそうだが……」

 

「それに友達も夢もこの世からいなくなったりしない」

 

「……どう言うことだ?」

 

アズサはレイヴンの言葉の意味がわからなかった、この世からなくならない?そんなわけはない、アズサはすぐに反論する

 

「友は時が経てばいなくなってしまい、夢も……そう、そうなんだ…だから……」

 

「いなくなるって、なんだ?」

 

「……え?」

 

「この世から消えるこか?それとも目の前から消えることか?」

 

「それは……」

 

「確かに、ACは経年劣化でダメになって行くし、友人も時が経てば別の道を歩んで行く、夢も叶ってしまったら意味が無い」

 

「だから……!」

 

「なら新しく作ればいいじゃないか」

 

「それに、消えるっていうのは……みんなの記憶から消える事だと思う」

 

「!!」

 

レイヴンは近くにあった雑巾を持ち、まだかろうじて使えるホースから出る水で濡らしながら話を続ける

 

「アズサはさっき、全ては虚しい…って言ってたけど本当にそうか?」

 

「そ、そうだ、全てのことは……どうでも……」

 

「全てがどうでもいい……そうは思わん、全てのことに意味はある」

 

「意味?」

 

「アズサはなんの為にここにいる?」

 

「……落第や、停学を免れる……ため」

 

アズサはポツポツとそう言いながら顔を上げる

 

「俺がACを作るのは心の底からACが好きだから、夢でもあるから、こうやって掃除をするのは、汚れたこの場所を綺麗にするため」

 

「………」

 

「好きなように生き、好きなように死ぬ、誰の為でもなく……人が楽しいと思えることがある限り、人が生きている限り……虚しいことなんて無い」

 

「……ッ」

 

「アズサ、君にとっての夢は?」

 

「私にとっての夢……」

 

「……分からない、考えたことすらない」

 

「なら、今はみんなと試験に合格する事を夢にすればいい」

 

「……」

 

「最初は小さな夢でもいい、そこから大きくすればいい」

 

「もし、君の夢をバカにする奴がいれば……」

 

「背骨へし折って二度と立てない様にしてやる」

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

楽しいことがあれば、生きてさえいれば、虚しさなんて無い……極論かもしれないし偽善まみれの言葉かもしれない

けれどレイヴンは本気で思っていた、アズサに、みんなに……

虚しいなんて事を、思ってほしくなかったのだ

レイヴンみたいになって欲しくないからだ

 

彼は人一倍夢を目指し、人一倍夢をバカにされてきた

そんな彼だからこそ、こうして言えるのだ

 

レイヴンの言葉を聞いたアズサは……

 

「……グスッ」

 

「!!!!!??????」

 

涙を流していた

 

「えっ……ちょ……なんで……泣いてんの!?」

 

「戦友……さすがに……」

 

「えっ俺のせいなん!?」

 

「えっちょ……えっ……えっ……」

 

「あっそうだ!」

 

俺はある物を取り出した

 

「アズサ、これあげるから泣かないで!!」

 

「グスッ……これは……」

 

アズサにあげたのはチャティのデフォルメされたぬいぐるみである

元々アリスにあげる為に自分で作ったものなんだが

 

「……」

 

 

アズサはチャティ人形をじっと見て

 

「可愛い!」

 

パッと泣き止んだ

………………良かったあぁ……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

補習授業部のメンバー達は水着姿で再びプールサイドへと集合し、その手には倉庫から引っ張り出して来たブラシやホースが握られていた 

 

 

「………」

 

「…………」

 

「………………」

 

「……では早速……皆でお掃除を始めましょうか!」

 

「待て待て待てっ!!」

 

ヒフミ・コハル・アズサは水着なのに対し、ハナコだけはきっちりと制服を着込んでいた、それはおかしいとコハルがツッコむ

 

「コハルちゃん? どうかしましたか?」

 

「あんた掃除の時は水着で、どうして今度は制服なの!?本当に馬鹿なの!?濡れても良い服ってあんた云ってたじゃん!?」

 

「えぇ、ですからこれが濡れても良い恰好ですよ?」

 

そんなわけがない、水着が濡れるのは当たり前として、制服が濡れるのは色々とまずい

トリニティの制服は白、つまり濡れると……透ける、しかもはっきりと……透ける

 

「もうあんたが何を云っているのか分かんない!制服が濡れても良いの!?」

 

「コハルちゃん、これは各々の美学の問題かもしれませんが……」

 

「えっ、美学?」

 

「水着と制服、何方の方が濡れた時に良い感じになると思いますか?」

 

「い、良い感じ……?な、何よそれ、何の話……!?」

 

「というのはジョークでして、ほら、中にビキニ来てるんです、この前買ってきた」

 

「……ならいいけど」

 

「それに、ほら♡レイヴンさんラスティさん私の姿はどうですか♡」

 

「ちょっとぉぉぉぉ!?」

 

そうハナコは上の服を上げ、水着を見せるようにレイヴン達の方へ向いたが……

 

「ACのスラスターで吹き飛ばせないのかね」

 

「そんな事をしたらもっと汚れるぞ戦友」

 

「それもそうか……」

 

相変わらず見向きもしない2人

 

「もう!なんでタイミング良く見てないんですか!!」

 

「もう諦めなさいよ……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「見て下さい、虹ですよ、虹!」

 

プールに入ると、ホースを片手にしたハナコが頭上にそれを振り撒きながら走る、そうして飛び散った水は近場のヒフミへと降りかかり、その冷たさにヒフミは身を竦めながら声を上げた

 

「ひゃ!?ちょ、ハナコちゃん冷たいですよぉ!」

 

「ふふっ、トリニティの湖から引っ張ってきている水ですし、そのまま口を開けて飲んでも大丈夫ですよ?」

 

 

「……楽しそうだな」

 

俺は服はそのままなのでそこに入ることはできないが……

いやそもそも入る事などできないな……

 

「……戦友」

 

「ん?」

 

ラスティに呼ばれ、振り返ると、手に水風船を持っていた

 

「……ラスティ?」

 

「ACでは君には勝てないが、生身だとどうだろうな」

 

「……あぁ」(納得)

 

俺も水風船を手に持つ、ラスティはこちらに近づいてくる

 

「ほう、近づいて来るのか、逃げずにこのレイヴンに近づいて来るとは……」

 

「近づかなきゃ、君に当てられないのでな」

 

「ほほぉ……では十分近づくが良い……」

 

そうして、俺もラスティに近づく

 

「……なんか、始まりそうな感じですけど」

 

お互い手の届く位置に来た時……

 

「はぁあッ!!」

 

ラスティが勢いよく水風船を投げてきたが

 

「無駄ア゙!!」

 

水風船を蹴り飛ばす

 

「オルァ!!」

 

俺も勢いよく投げたが

 

「甘い!!」

 

ラスティは軽々と避け

 

「ハッ!!」

 

今度は2個……だが……

 

バチバチバチ……

 

コーラルを放出し、コーラルシールドを作り出す

 

「……やるな」

 

「……へっ」

 

そうして、お互い睨み合い……

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!」

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!」

 

水風船の投げラッシュの速さ比べ

 

「おぉ」✨

 

「すっ、すごい……」

 

「ほんとに……何やってるのよ……」

 

「あらあら……元気があっていいですね〜」

 

「ワカイッテイイナ……」

 

「「ハア……ハア……ハア……」」

 

お互い息を切らす

手には水風船残り1個

この1個で勝負は決まる……

 

「……終わらせようか」

 

「……そうだな」

 

お互い地面を蹴り、近づく

 

「これで決める……!!」

 

「ハラショーッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

この勝負の結果は……

 

パシャッ!!

 

「グエアッ!?」

 

「ぬうッ!?」

 

2人の顔面に水風船が投げれる

直撃した2人は勢いよく転ぶ

 

「……私の勝ち」(ムフ〜)

 

「えぇ……」(困惑)

 

ラスティとレイヴンの勝負はアズサの勝利で幕を閉じた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

空は既に太陽が見えなくなり、プール周辺には水の揺らぐ音だけが響いている

水遊びは満喫できたが、肝心のプールには入れなかったようで、少し残念そうな一同

 

「………」

 

「結局、実際にプールに入って遊ぶことは出来ませんでしたね……」

 

「……よくよく考えたら水を入れるのは結構時間が掛かるものでしたね、ごめんなさい、失念していました」

 

「気にしないでくれハナコ、とても楽しいかった」

 

アズサそう軽く笑いながら座り、プールの水をじっと見る

 

「……綺麗だ」

 

「そうですね、真夜中のプールなんて、中々見られない景色ですし」

 

周囲の光源を反射し、月を揺蕩わせる水面を見つめる、さっきまでの騒がしく楽しい雰囲気からいっぺん落ち着き、寂しい雰囲気が漂っていた

 

「………」

 

「コハルちゃんおねむですか?」

 

「そ、そんな事ないもん……でも、ちょっと疲れた……」

 

「確かに、今日は朝から大掃除で動きっぱなしでしたもんね……」

 

「グエエ……」

 

「ムゥ……」

 

「……1番疲れているのあの2人でしょうね」

 

掃除開始からずっと動き回っていた(クソ遊んでいた)レイヴンとラスティは疲れ果てて、地面に寝転がっている

 

「今日はみんなお疲れのようですし、眠っちゃいましょうか」

 

「……そうね、明日からまた色々と頑張らないといけないし」

 

「明日からまた勉強……まぁ、頑張るしか無いな」

 

「はい!皆さん、お疲れ様でした!」

 

その日はそのヒフミの言葉で解散、みんな疲れているようで、何事もなく、静かに自分の部屋へと帰っていった

 

 




ラスティとレイヴンは二人揃うとやっぱ子供みたいなはっちゃけ方をするよね
やっば親友だなって感じがあると思うんですよ

そういえばラスティの年齢っていくつなんでしょうね?
個人的には20代ぐらいかと思ってますけど……

そう考えると、ミシガンは50代ぐらいか?
いやでもあんなバリバリ動けるからな……
40代ぐらいか?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

Blue Legend〜一般男子の物語〜(作者:宗也)(原作:ブルーアーカイブ)

簡単なあらすじ▼これは何故か中途半端な特典を持ってブルーアーカイブの世界であるキヴォトスに来てしまった一般男子の青春の物語である。▼なお、一部生徒は結託して一般男子を囲い込もうとしている模様。▼詳細なあらすじ▼目が覚めると何故かブルーアーカイブの世界にやって来ていた一般男子高校生。特典みたいな物はあるが、何故か中途半端。しかも原作の9ヶ月前の世界だった。▼原…


総合評価:1072/評価:6.4/連載:54話/更新日時:2026年06月06日(土) 14:40 小説情報

夢を見ているだけの『反転』少年(作者:歯茎king)(原作:ブルーアーカイブ)

ブルアカ世界に反転した生徒を生み出しました▼もともとヘイローを持っていなかったが、突然自身にヘイローが身についた!▼そんな少年がいろいろなトラブル・事件に巻き込まれたり、巻き込まれに行ったり…▼ちょびっと不憫な少年の物語▼そんな少年は今日も夢を見る▼P.S.▼最後まで男か女かで迷ってました


総合評価:420/評価:6.31/連載:12話/更新日時:2026年06月02日(火) 23:21 小説情報

楽しい銃社会の生き抜き方(作者:WEVE)(原作:ブルーアーカイブ)

ミレニアムサイエンススクールに所属するキヴォトス唯一の男子生徒『居待(イマチ) ウツキ』がなんやかんやありながら学園生活を満喫(?)する話▼今後必須以外タグ追加の可能性があるので苦手な方はブラウザバックを推奨してます▼大体許せるよって方は是非読んでいってください!


総合評価:250/評価:6.5/連載:23話/更新日時:2026年06月07日(日) 15:30 小説情報

銃弾が飛び交う学園都市?!んでもって銃の耐性なし?!・・・やってやろうじゃねえかこの野郎!!(作者:オーバジン)(原作:ブルーアーカイブ)

突如としてキヴォトスに来てしまった何も知らない無知無知な男子高校生!ブルーアーカイブをやったことない?!噓だろ!マジかよ!▼何とかお情け程度であった特殊能力を活かして生き残れ!銃弾一発が致命傷だゾ!▼そんな男子高校生が歩むキヴォトスでの笑いあり、涙あり、曇らせあり、恋愛あり、シリアスありの、青春物語です。良ければどうぞ見ていってください。


総合評価:1308/評価:6.82/連載:59話/更新日時:2026年06月07日(日) 16:48 小説情報

青春を、取り戻しに(作者:打率3割)(原作:ブルーアーカイブ)

元ゲヘナの風紀委員長は卒業した後、カイザーPMCに就職。▼自分に使える時間が無く、やりたいことを失ってしまう。▼だがある時、主人公はアビドスにあるカイザーPMCの基地がたった5人に攻められホシノを奪還されたと知る……▼


総合評価:454/評価:6.38/連載:10話/更新日時:2026年06月03日(水) 16:37 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>