ACを作りたい少年とセミナー書記   作:雨垂れ石

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尋ねてきたのは……


訪問者

 

 

プール掃除の後、みんな各部屋へと戻り眠りについている頃合いだろう

だが、俺とラスティと先生は起きている

俺とラスティはヒフミ達教えるための資料の整理

先生は考え事か、椅子に腰掛け腕を組んでいる

 

まぁ現状厳しいものである

第一次試験はとんでもない結果だったし……

後2回で全員合格しなければ補習授業部野みんなは退学となってしまう

 

そうならない為にも、俺達がサポートしなければならない

 

そうして、資料をまとめていた時……

 

「ん?」

 

外から気配を感じた、この時間はみんなは寝ているはず……

 

「戦友?」

 

「レイヴン君?」

 

ラスティと先生に呼ばれるが、俺は『静かに』っとサインを出すと

2人は黙った

 

音を殺しつつドアの裏に潜む

手にコーラルを纏わせ、構える

 

その時、コンコンコン、とノックが聞こえる

 

「……どちら様かな?」

 

先生がつぶやくと同時に

 

「あ、先生、失礼します」

 

聞きなれた声が聞こえ、そっとドアが開く

 

「あう……夜分遅くにすみません」

 

「ヒフミちゃん?どうしたの?」

 

「ヒフミか……」

 

訪れてきたのはヒフミだった

 

「その、眠れないというか……ていうかレイヴンさんはなんでそんなところに……?」

 

「まあ誰かわからないからね……それで、眠れないんだね?いいよ、少し話そうか」

 

そうして、ヒフミは椅子に座り、話していく

 

「明日から本格的な合宿ですが……私達、このままで大丈夫なのでしょうか?」

 

「大丈夫、というのは?」

 

「……もし、一週間後の二次試験に落ちてしまったら次は三次試験になります、そして、万が一それにも落ちてしまったら……」

 

「全員退学」

 

「!」

 

俺がそう告げると、ヒフミは目を丸くしてそれから納得したように苦笑を見せた

 

「やっぱり、皆さんも知っていたんですね」

 

「私やラスティ君の場合、後から聞かされたけどね……」

 

「今回の事は、私もまだ混乱していて……学力試験なのにどうして『全員一斉に』みたいな評価システムなのか、何故、私達の為だけにこんな合宿施設まで提供して貰えるのか、それに……」

 

「それに?」

 

「……ッ」

 

ヒフミは何かを言おうとしたが、それを飲み込み黙り込む

そんなヒフミの様子を見たラスティは、ナギサが何かを隠しているんだと確信した

 

「うぅ……」

 

「ヒフミ、他にも何かナギサから云われていたりするのか?」

 

「い、いえ、その……」

 

「…………」

 

「あぅ…」

 

ヒフミはやがて観念するようにゆっくりと頷く

 

「……はい」

 

「……そうか」

 

「えっと、ナギサ様から、誰にも云わないようにと念を押されていたのですが……私の手に負える様な話では、なくって……その、何と云えば良いか……」

 

「トリニティの裏切り者を探せ……」

 

「ッ!皆さんも……?」

 

「うん、そう依頼されちゃったんだ」

 

「……ですか……その、私も、ナギサ様とお話をした時に……」

 

 

 

 

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ティーパーティー・テラス

 

補習授業部の部長を頼まれた日とは別の日、彼女は補習授業部、その本当の目的を伝えられていた

 

「ヒフミさん、補習授業部にいる裏切り者を、探して頂けませんか?」

 

「えっ、えぇ!?」

 

ヒフミにとってかなりショックだった事を、はっきりと言われてしまった

 

「正直なところを話しますと、今あの補習授業部について試験の結果など特に気にしてはいません、畢竟、百点だろうが零点だろうが関係がないのです」

 

「勿論学生として勉学を疎かにする事は頂けませんが……試験に合格しなければ退学というのは、私達にとっての最終手段」

 

「さ、最終……ま、待ってください!私、私はそんな!!」

 

「そんな……なんですか?」

 

「ぅ………そんな………」

 

苦楽を共にする仲間を疑え、信用するな、そんな事をヒフミができるはずもない

 

ヒフミは話を断る気でいた、しかしナギサの眼力にやられ言葉が詰まってしまう

 

「ヒフミさんには、出来る限り彼女達の情報を集め、可能な限り早く『裏切り者』を見つけて欲しいのです」

 

「それが、残された生徒を救う手段となります……ヒフミさんは今、そのために補習授業部にいるのですから」

 

「その、どうして……私が?」

 

「……『どうして』、ですか……その答えはヒフミさんが、シャーレと一際強い繋がりを持っていたから、ですね」

 

「私が、ですか」

 

「えぇ、第三勢力であるシャーレの先生が一緒にいる限り、裏切り者は無暗に動く事が出来ません、塵が、ゴミ箱から飛び出さない為の蓋のようなもの……でしょうか」

 

「ご、ゴミ箱……?」

 

「……失礼しました、忘れて下さい、今のは独り言です、まぁ、兎も角にも……」

 

「な、ナギサ様……!」

 

「ヒフミさん」

 

ナギサの強く、圧力のある言葉が、ヒフミの踏み出した一歩を掻き消す

トリニティトップの重圧、権力による凄まじい圧力、それらがヒフミに襲いかかる

 

「……他に選択肢はないのです」

 

「っ、ぅ……!」

 

「それにやむを得なかったとはいえ、失敗してしまった場合はヒフミさんも同じ末路を辿る事となるのですよ?」

 

「これは、ヒフミさんの為でもあるのです、ですから……期待していますよ、補習授業部、部長?」

 

「………」

 

その時のヒフミには、唇を噛み締め、頭を下げる事しか出来なかった。

 

 

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「「はぁ……」」

 

俺とラスティはため息をつく

 

「結局そうだ……上の立場のものは自分の事しか考えていない」

 

「頼んでいる立場だと言うのに、強引に巻き込みやがって……」

 

まさかヒフミも強引に巻き込まれてしまっていたとは……

しかしだ、こうまでするとはな……

 

「……そこまでやるんだね、あの人は」

 

「わ、私はその、裏切り者だなんて、そんな話……」

 

先生はヒフミがどんな子かを知っている、彼女は実直で素直で他人を思いやる気持ちを強く持った子だと言う事を……

そんな子に、ナギサはそんな思いを捨て、ただ裏切り者を見つけ出せ……そう言っているのだ

 

「そんな事、私には……」

 

「ヒフミちゃんは優しいね」

 

「え、えっ……?」

 

「偉い偉い」

 

先生は左手でヒフミの頭を軽く撫でた、撫でずにはいられなかった……きっと先生の中の何かが動いたのであろう

 

「話してくれてありがとヒフミちゃん……裏切り者の件は私に任せて、ヒフミちゃんはヒフミちゃんに出来ることを頑張って欲しい、テスト勉強もしないといけないしね」

 

「けれど、先生一人では」

 

「私だけじゃないわ、レイヴン君やラスティ君がいるもの」

 

「とにかく、あとは任せて……私は、最後まで君たちを信じ続けるから」

 

グットサインを作り少し笑顔を見せる先生、そんな先生を見てヒフミも少し笑い

 

「はい……はい! 分かりました! ……あ、その、私に何ができるのかは、まだ分かりませんが……ちょっと考えてみようと思います!」

 

「先生が私のことを信じてくれたように、私も、先生もレイヴンさんもラスティさんも信じます!」

 

「なら、よかった、今日はもう遅いから部屋に戻って寝てね」

 

「はい!ありがとうございました!おやすみなさい、先生、レイヴンさんもラスティさんも、おやすみなさい!」

 

「うん、おやすみ、ヒフミちゃん」

 

「……ああ」

 

「おやすみ」

 

ガチャ、と部屋が閉まり、足音が遠くなっていく

 

「さて、もう遅いし、ここまでにしようね」

 

「……あぁ、おやすみ先生」

 

「おやすみ、レイヴン君、ラスティ君」

 

そうして、先生の部屋から出て自分達の部屋へと戻っていく

 

「今日は疲れたな、ぐっすり寝れそうだ」

 

「寝坊はするなよ、じゃおやすみ……ラスティ」

 

「あぁ、おやすみ……戦友」

 

電気を切り、眠りにつく

 

 

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「ん……」

 

目を開くと、そこはティーパーティーのテラスであった

 

……妙だな、俺は合宿の所で寝ていたはずでは?

そう考えていた時

 

「……君は!!」

 

聞き覚えのある声、正面を向くと

 

「……セイア……さん」

 

「レイヴン……レイヴンなのか」

 

本来のティーパーティーホスト、百合園セイアがそこにいた

しかし、彼女は……

 

「1年ぶりかな、見た目は変わっているが……」

 

「……色々あったんだよ」

 

「そうか……さぁ、座ってくれ」

 

俺はセイアに席に案内され、紅茶を飲む

……味がある

 

「……そういえば、ここってなんだ?」

 

「ああ、ここは私の夢さ、いわゆる予知夢ってやつさ」

 

「……予知夢」

 

「それより、君は一体どうやってここにきたんだい?」

 

「さぁ、分からない……目を開けたらここにいたし」

 

「……ふむ」

 

「所でセイアさん……」

 

俺は、ある話題をセイアに振る

 

「暗殺されたのは本当なのか?」

 

「……あぁ、本当さ」

 

「どれくらいの時間が経ったか分からないが、私は襲撃を受けた」

 

「……逃げなかったのか?」

 

「……ああ、逃げなかったさ、どうせその襲撃で死ぬんだ。抵抗しても無駄だからね」

 

「無駄……?」

 

「……予知夢で知ってたのさ」

 

「ならなぜ……」

 

 

知ってたなら回避できるはずだ

 

「……予知夢は、その後確定で起こることを見せる。だから、抵抗しても無駄なんだ」

 

「……」

 

先に知ってもそれが確定してるとは、どれだけ酷い予知夢なのか

 

「だから、今は私は意識を失っている、まだ生きてるからか、それとも囚われてるのか、今は夢の中だけどね」

 

「……」

 

「……抗えなかったのか?」

 

「……今まで予知夢が外れたことはなかった、きっと無理だっただろう」

 

「だが……」

 

セイアは一呼吸置き、口を開く

 

「実を言うと、1年前から君の事を予知夢では一度も見なかったんだ」

 

「……?」

 

「もしかしたら……君ならば……」

 

その時、急に視界がぐらつき

 

「……なっ……」

 

「どうやら時間みたいだね……」

 

「君に会えた事、嬉しく思うよ」

 

「…ああ、私も死ぬのだろうな」

 

「まて……セ……イア………」

 

手が椅子から離れ、視界が暗転していく

 

 

 

「……ッ!!!」

 

目が覚め、勢いよく身体を起こす

やはり、あれは夢だったのか……

時刻は……朝の8時か……

ラスティは……いない

いや、それよりもだ……

 

「なぜ、生きる事を諦めているんだ、抗えよ……」

 

「……死なせるか」

 

俺は身体を起こし、いつものの服に着替える

 

「……エア」

 

『レイヴン?』

 

「百合園セイア暗殺事件を洗いざらい全て調べてくれ、そしてセイアの居場所もな」

 

『一体何を?』

 

「……そう簡単に死なせるかよ、あの人は生きなきゃいけないんだ」

 

『……』

 

「頼む、エア」

 

『……わかりました』

 

ひとまず、セイアの事はエアに任せよう

俺は、今は補習授業部の事に集中しよう

 

 

 

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扉を開けると、既にみんなが集まっていた

 

「おや、起きたか戦友」

 

「あぁ」

 

「レイヴン君、寝坊だね」

 

「少し、長い夢を見てた……」

 

「ところで、今は何を?」

 

「あぁ、今から模擬試験をやる事になってね」

 

「……なるほど」

 

そうして先生は、模擬試験用紙を配り

 

「始め!!」

 

先生の合図の元、みんなが一斉に問題を解いていく

 

「………」

 

俺はそれぞれどうやって解いているかを、じっと見つめていた

 

ヒフミはところどころ悩む様子を見せていたがスラスラ書けていたように見えた

 

アズサは滞り無く書き間違いがないかの見直しもしていた

 

コハルは……顔から見て取れるほど悩んでいた。急に目が猫の目のように釣り上がったかと思ったら顔を赤くしたりもしていた。問題を解く手が止まることが多かった

 

ハナコは………もはや最後の問題だけ手を動かしていた

 

なぜだ?

 

……裏切り者

 

「そこまで!回答やめ!」

 

ペンを置いて回答用紙を先生にわたす

 

「それじゃ採点するね」

 

「お願いします!」

 

始めは先生の顔が明るくなったが……

次に、すこし険しい目をするようになった……

その次は笑顔が消え

最後は呆然と呆けていた

 

「……」

 

「……これは〜まずいわね」

 

第一次補修授業部模試結果

 

ヒフミ、68点(合格)

 

アズサ、33点(不合格)

 

コハル、15点(不合格)

 

ハナコ、4点(不合格)

 

「……私は、33点か……かなり解けたと思ったんだが……」

 

「え?じゅ、15点……?そんなぁ……」

 

「あらまぁ、しかし倍の点数にはなりましたね♡」

 

「………」

 

理解ができない……

 

あれは明らかわざとだ

丁寧に回答した問題も一番最後のページのものだ

 

「これが現実……今の私達の現実です!このままだと、私達の先に明るい未来はありません……!この状態からあと一週間、皆で六十点を超える為には、残りの時間を効率的に使っていかなければならないのです!」

 

「うん……確かに、納得出来る話だ」

 

「そこで!まず、コハルちゃんとアズサちゃんがどちらも一年生用試験ですので、私とハナコちゃんが、おふたりの勉強内容をお手伝いします!」

 

「ハナコちゃん、最近何があったのかは知らないですが、一年生の時の試験では高得点だったんですよね?」

 

「あら?えっと、まぁ……そうですね?」

 

「実はその、一年生の時のハナコちゃんの答案を見つけてしまいまして……!」

 

「それでハナコちゃんの方については後ほど、今の状態になってしまった原因をしっかり把握した上で、私と先生、レイヴンさんやラスティさんと一緒に解決策を探していきましょう!」

 

「……それは、また」

 

「死ぬ気で頑張ります」

 

ヒフミからの熱い感情を向けられ、ハナコは珍しく面食らった様子で目を瞬かせる、それに同意した先生にもキラキラと目を光らせる

 

……なぜあの顔をした?

まるで知られてはならないものを知られたみたいな感じの顔をして……

 

「あ、ちなみに頑張ったみんなのためのご褒美も用意しました!えっと……」

 

 

「…ご褒美?」

 

「なんだろうか、なにかの勲章とか?」

 

「いえ、おそらくそういった類のものでは……」

 

ヒフミがガサゴソとバックを漁る

出てきたものは……

 

そうして中から次々と顔を見せる、大量の縫い包み

髑髏仮面の黒い巨大縫い包み、クッキーのような顔をした犬、目が異様に大きい猫、水色のファンキーな梟、アイスクリームで窒息死している妙な鳥、眼鏡を掛けて白目を剥いている鳥……

 

なんだ……この……なんだ?

 

「モモフレンズのペロロ様です!あ、いい成績を出せた方にはこのグッズをなんと!プレゼントしちゃいます!」

 

「「モモフレンズ?」」

 

「ッ!?」

 

「このアイス食べてるやつって……あぁ……」

 

「あ、あれ?みなさん知らないんですか?」

 

「はじめてですね……いえ、どこかでちらっと見た気も……」

 

「ええっ!?」

 

「なにこれ、サイ?それともカバ?」

 

「あーなんかハリネズミになりそうね……」

 

「ち、違います!ペロロ様は鳥です!」

 

「……」

 

「アズサ?」

 

じっとモモフレンズのグッズを見つめるアズサ

 

「……か、」

 

「……?」

 

「かわいい!!」

 

「「「!?!?!?」」」

 

「アズサ!?」

 

「えぇ……」(困惑)

 

 

「か、可愛すぎる……!なんだこれは、この丸くてふわっふわな生物は!この目、表情が読めない…何を考えてるんだろう!」

 

「さすがアズサちゃん!その可愛さに気づいてくれるなんて!そうです!そういうところが可愛いんです!」

 

「でも1番はレイヴンに貰ったチャティ人形だな」

 

「あれぇぇぇぇえぇ!?」

 

「あらあら」

 

「啓蒙高いね、私には分からないや……」

 

「………」

 

「え、ええ…??」

 

「いい友達になりそうだね」

 

「……」

 

笑顔を浮かべる先生とは違い、ただ困惑の表情を浮かべる俺とラスティであった

まぁなんだ……チャティ人形気に入ってくれて嬉しいよ……

 

その後、勉強を再開し、すでに日が暮れた後…

事件は起きた

 

事は最後にそれぞれが勉強の追い込みをしていた時

 

「ええっと……この問題は、参考書に載ってたはず……バックバック……あった、んしょ」

 

コハルがバックの中から取り出したのは

 

赤色で彩られ二人の男女が向き合う表紙には

R18のマークがしっかり入っていた

 

 

「うわあああああああああ!!なんでぇぇえええ!!」

 

 

「……どうした?」

 

「いや!なんでもないよ!参考書といえばあってるけど教科違いっていうか感じかな……!」

 

……先生隠す様に立つ

教科書違いなら隠す必要は……

 

「コハルちゃん、それエッチな本ですよね?ばっちり、R18マーク入ってますね???」

 

「違う!見間違い!違うったら違うの!!!」

 

「「……」」

 

あーOK理解した

 

「……とりあえずなんとかしないとね」

 

その後、コハル本人のものではないと判明。正義実現委員会として押収したものを間違えて持っていたと判明

押収であるためなるべく早く返したほうがいいと判断し、先生とコハルの二人で行くことになった

 

結局勉強をしようとしてもコハルがいないなか進めるのはどうなのかという結論にいたり、勉強は終わらせることとなった

 

 

 

真夜中、先生の部屋

 

 

「……というわけでね、コハルちゃんは正義実現委員会からの監視員みたいな感じって言ってたかな」

 

「……そうか」

 

コンコンコン、とノックがなる

 

「…先生、レイヴンさん、ラスティさん」

 

「ヒフミちゃん?」

 

「ヒフミか」

 

「どうした?」

 

「その、ハナコちゃんのことなんですが……」

 

「………」

 

「模範解答を集めている最中に、なぜか束となって保管されてて、珍しいからかわかりませんが、1年から3年のすべての試験の解答用紙がまとまってました。そのすべてを回答した方がいるようで……」

 

「……もしかして」

 

「……はい、ハナコちゃんでした」

 

「……」

 

「ふむ……」

 

「見つけた一年の成績と同じく、盗み見という形になってしまいましたが……ハナコちゃんは1年の時点で3年生のテストでももっとも難しいものを含めてすべての試験で合格しています、完膚なきまでに秀才といえるレベルです」

 

「……」

 

「……それが、なぜ……」

 

「……わかりません、急にレベルが高くなって成績が落ちたかと思えば、そういうわけでも無さそうですし……」

 

「去年ですでにそのレベルってことは……」

 

「はい、今はわざと試験を落ちてるとしか思えません」

 

「どうして……」

 

「……」

 

コハルは、先生が言う限りでは間者ではある

しかし、その元は正義実現委員会

つまり間接的には仲間とも言えるはず

ヒフミはそもそも除いて考え、残るは二人

そして、今聞いた話を元にして考えれば

 

「……」

 

俺はラスティと目を合わせる

 

ラスティもそれを察したのか立ち上がった

 

「レイヴン君?ラスティ君?」

 

「コーヒーを買いに行ってくる、考えるにはなにか必要だし」

 

「そう?」

 

扉を開け、部屋から出る

 

「……ラスティ、お前もわかったか」

 

「あぁ、そうあっては欲しくは無いがな……」

 

そのまま、ハナコが寝ているはずの部屋へと向かい、ドアを開ける

 

「……すぅ……すぅ……」

 

夜目で見えたのは、コハルが寝ている様子のみ

 

「……」

 

アズサとヒフミ、ハナコのベットが空いていた

間違いない、これで確信した

 

「……ムゥ」

 

ラスティも確信したか、険しい顔をしている

 

「行くぞ、ラスティ」

 

「……」

 

真夜中、2人は音を立てずに走って行く

 

俺は懐からある物を取り出す

 

……ノアの銃、『書記の採決』である

 

 

時は戻り

 

「レイヴン君」

 

ナギサから依頼を受けた後、準備をしていた時、ノアに呼ばれる

 

「ん?どうした?」

 

「レイヴン君って銃を持っていますか?」

 

「いや、持ってないぞ」

 

「えっ?」

 

「……やはり持ってた方が?」

 

「はい……キヴォトスで銃を持っていない事は、ACで言うなら武器を持たずにACに挑むみたいなものですよ」

 

「別にそれなら勝てるけど?」

 

「確かに『ACでは』勝てますよねレイヴン君なら」

 

ルビコニアン空手なら普通にACに勝てるんだよな……

話によるとノーダメルビコニアン空手でアイスワーム倒した変態(イレギュラー)がいるらしいね……

 

普通におかしい

 

「でも生身ではそうはいきませんよね?」

 

「まぁ、そうだね」

 

それを1番実感したのはネルに蹴り飛ばされた時

脳では反応はできた、だが身体は反応出来なかった

 

「もしも、何かあった時に自分の身を守れる様に……」

 

「これを、レイヴン君にあげます……」

 

そうして、ノアはある物を差し出した

 

「……これって、ノアの銃じゃ?」

 

「は、はい……予備のものです……」

 

「俺、銃撃ったことがないんだけど……」

 

「持っているだけでもいいですから、」

 

「……わかった、ありがとう」

 

ノアの銃を貰い、準備を進めていった

 

 

「……ふう」

 

「ノ〜ア〜」満面の笑み

 

「ピャア!?」

 

作業場からでたあと、ユウカちゃんに呼ばれて変な声が出てしまいました……

 

「レイヴンに銃を渡したらしいわね?」

 

「え……えぇ、レイヴン君は銃を持っていませんから」

 

「ふーん……」ニヤニヤ

 

「な、なんですか……」

 

「キヴォトスでは異性に銃を贈ることの意味は……ねぇ?」

 

「ノアも積極的なのねw」

 

「ッ!?」

 

ボンッと顔が一気に赤くなる

 

「ち、違います!!決してそんな意味では!!」

 

「あら?ならヒマリ先輩に取られてもいいって訳ね」

 

「なっ!?」

 

「それは絶ッ対にさせませんからね!!」

 

「あら、じゃぁさっきのは本当にって事ね」

 

「これ、コユキやモモイに言ったらどうなるのかしらw」

 

「待ってください!!それだけは絶対にやめてくださいッ!!」

 

そして、ユウカちゃんは奥へと走り出していった

 

「ユウカちゃああああああああああああん!!」

 

私も、ユウカちゃんを追いかける為にも走りました

 

 

 

現在

 

とまぁ、そんな感じでノアの銃を持っているが

実際俺は銃を1度も扱ったことがない

まぁ牽制ぐらいには使えるだろう……

 

 

「……」

 

先ほど、部屋を覗いた時、ベットで寝ていたのはコハル1人のみ

アズサとハナコ、どちらともいなかった

 

アズサは一体どこへいったのか……それが俺にとってとても気がかりだ……

 

そう考えていた時

 

「「!?」」

 

お互い、気づいたのは曲がり角を曲がってすぐの至近距離

 

銃を持っているのを確認し、俺は『書記の採決』を構えようとするが、相手も近すぎて狙うことがままならなかった

 

俺はどうするか、思考を巡らせるが……

しかし相手のほうが行動を起こすのが早かった

 

ドン、と重く、硬い何かが俺の肩を叩く

それと同時に相手がさっと後ろへ下がり、銃口を向ける

 

「ぐっ!」

 

「動くな、怪しい動きをすれば撃つ」

 

不利な状況に追い込まれたが、ふと、今聞こえた声に聞き馴染みがあることを思い出す

 

「……アズサ?」

 

「…もしかして、レイヴン?」

 

アズサだと確信した俺は銃をしまう、それを見たアズサも銃口を向けるのをやめる

 

「こんな夜中に何を…?」

 

「……見回りをしていた、いつ侵入者が現れるか分からないからな」

 

「……変わろうか」

 

「いや大丈夫だ、私はもう十分に……」

 

「……アズサ、まともに寝たのはいつだ?」

 

「いや、だから……」

 

「いいと言っている、戻って休め」

 

「……わかった」

 

「……ああ」

 

そのまま、アズサは俺が来た道の方へと歩く

 

……これでいい

 

「………」

 

パンッ!!

 

アズサの足音が聞こえなくなった瞬間、銃を抜き撃つ

銃弾は壁に当たり「ひゃん!?」と声が聞こえる

銃は扱った事がないって?

あれは嘘だ

実は念の為練習しといたのさ☆

まぁそんな事よりもだ……

 

「……」

 

「……」

 

そのまま、無言で声が聞こえたほうまで歩く

 

「……急に銃を撃ってくるなんてずいぶんと乱暴ですね、レイヴンさん」

 

「……」

 

影から出てきたのは、浦和ハナコであった

 

「しかし、こんな夜中に会うなんて、思いもしませんでした」

 

「……」

 

ゆっくりと距離を縮める

 

「……なにか喋ったらどうですか?」

 

「……」

 

ハナコが思わず、一歩後ずさる、額には冷や汗が見える

 

「……」

 

「……レイヴンさん?」

 

バチバチバチバチバチ……

 

コーラルを放出し、威圧感を与えていく

 

「誰かっ!助けてくだ……」

 

「動くな!!」

 

ハナコが逃げようと背を向けた瞬間、先回りしていたラスティがハナコの腕を掴み銃を突きつける

 

「……ラスティさん!?」

 

「本当はこうしたくない……」

 

「だが女性を傷つける事はしない……安心してくれ……」

 

「……なにが、目的ですか」

 

声が、体が、震えているのを必死に隠すハナコ

 

「……なぜテストで手を抜いている?」

 

「な、なにを、言ってるのか……」

 

「……」

 

ハナコの手を掴み、体を壁に叩きつける様に引っ張る

 

コーラルを銃の方に集める、銃口にコーラルが溜まっていく

IA-C01W6: NB-REDSHIFTに近い感じだ

 

「吐け……」

 

「……ここまでするなんて、逆になぜそんなことを知りたいのかが気になりますね……」

 

「吐け……何が目的だ」

 

「(あの銃に集まる赤いの……異質な、なにかおぞましいものを感じますね……あれで撃たれたら……)」

 

「……私が、テストで手を抜いている……馬鹿なふりをしたのは…もう、疲れたんです」

 

「……何?」

 

ハナコが、諦めたかのように、言葉を綴る

 

「……ええ、ここは……嘘と偽りで成り立ってる欺瞞に満ちた空間そのもの……どこへ行こうと、何をしようとおだてられ、賛美の声の裏には利用しようと考える人ばかり、ほとんど監獄にいるのとなんら変わらない……」

 

「……」

 

「私、それに疲れたんです、ここにいいれば、少なくとももうそういった類のものと関わることがほぼない……もし、合格してしまえばもうここにはいられない……」

 

「それに、もし試験で低い点を取り続けても私が落第するだけですみます、そうなればもうあの鬱陶しい政に関わることもない……」

 

「……これが、理由です、テストにわざと落ちてる理由です」

 

「……」

 

嘘か、それとも真か…

 

少し、揺さぶるべきか……

 

「本来のティーパーティーホスト……百合園セイアを暗殺した理由はなんだ……」

 

「はい?」

 

「……とぼけるな」

 

「……あの、私をなんだと思ってるんです???」

 

「……」

 

「……冷静に考えてください……逆になんでこんなか弱い少女が、人を殺せると思ったのですか?」

 

「………お前は……暗殺はしてないと?」

 

「……はい、私がここにいるのはただ逃げてきただけです……もう、墓場まで持っていく気ではあったんですけどね……こんな形で暴かれるなんて……」

 

どっちだ……ハナコは嘘を言っているのか、本当の事なのか……

 

『すみません、レイヴン……』

 

エアが気まずい感じに話してきた……

 

『セイアさんの暗殺事件の事を1部を調べてみましたが……』

 

『ハナコさんは関わってはいません』

 

「……」(´・ω・`)

 

ラスティと顔を見合わせる……

 

お互いに銃を仕舞い……

 

「あら?」

 

「本当に申し訳ありませんでした」

 

「本当にすまなかった……」

 

きれいな土下座をした

 

「たったそれだけで許してあげるとでも???」

 

「……」

 

「私、すっごく怖かったんですよ???ほんとに殺されるか、もっと酷いことされると思って…」

 

「……」

 

「……とりあえず、今日のところはもういいです、でも先生にはこの事を報告させていただきますからね?」

 

「……すまない」

 

「ああ、そういえば……こんなことするぐらいですし、一応話しておきますけど……アズサちゃん、夜な夜なベットから抜け出して見回りをしているようです」

 

「ほとんど毎日やってる様子なので変わってあげてください、それだけやってくれれば先生に多めに見てもらうように掛け合っておきます」

 

「……ああ」

 

「わかった……」

 

「……私はベットに戻ります、少なくとも明日先生に怒られるのは覚悟していたほうがいいでしょうね」

 

「……」

 

そうして、ハナコは去っていった……

 

「「……」」

 

俺とラスティはお互い顔を見て……

 

「どうやって逃げるか考えるか」

 

「奇遇だな、私も考えようとしていたところだ」

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

 

 

 

 

「レイヴン君、ラスティ君……正座」

 

「「……ハイッ」」

 

 

先生からこってり叱られ、反省としてしばらく夜に出るのは禁止とされた

 

 

 

 

 

 

 

 




レイヴンとラスティ…… なーにをしてるんだか……

それよりもノア……積極的だねえ〜

この世界でのキヴォトスは異性に銃を送る事は告白みたいな感じとして伝わっているらしいですね
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