「……」
トリニティー総合学園・ロビー
ある1人の大柄な大人が腕を組み、座っている
「………」
こんな事になるとはな……
アリウス分校とやらが仕掛けたこの大規模な奇襲……
G13やV.IV、レッドガン部隊どうにか迎撃をした事によって死者はいない
だが、トリニティーもゲヘナに甚大な被害が出てしまった
それに、先生だ
あいつは、俺とV.IVと同じ『ヘイロー』とやらを持っていない全くの真人間
いや、俺達は強化人間手術を受けているから違うところはあるが、銃弾1発で致命傷になりかねないのは同じだ
その先生が、襲撃してきたアリウスに撃たれてしまった
空崎ヒナが庇って致命傷は避けたが、腹に1発受けてしまった
命に関わる様なことではないのが幸いだが
あの件以降、ヒナが閉じこもってしまった
先生を守りきれなかった責任だろうか、押しつぶされているような感じがした
「…………」
今は、先生が目を覚ますのを待っている
だが……
「魔女をこの学園から追放しろーー!!」
「ゲヘナを許すな!!」
「……フン……バカバカしい……」
まるで政治家やベイラムの上の奴らを見ているようだ
戦場を知らず、ただ己の利益だけを考える能無しのネズミ共だ
……いや、こうでもしないなと収まらないのだろうな
哀れな餓鬼共だ
だが……ただの子供にこの事を経験させるのはどうかとは思う
……いやこの世界がおかしい
本来俺達大人が背負う『責任』を子供達が肩代わりしている
「つくづくこの世界も残酷な事だ……」
……俺も、人の事は言えんな
そうして、先生が目覚めるのを待っていた時
「ミシガンさん」
救護騎士団の鷲見セリナがミシガンの元に駆け寄ってくる
「セリナか、先生はどうだ?」
「はい、たった今目を覚ましたところです」
「そうか、それは何よりだ」
ミシガンは立ち上がり、先生がいるとされている部屋へ歩いていく
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部屋へとたどり着き、扉を開けると
体を起こし、お供えのフルーツを食べている先生がいた
「……あっ、ミシガンさん」
「先生、調子はどうだ?」
「うん、大丈夫」
「そうか」
ミシガンは近くにあった椅子に座り、先生と話をする
「……ミシガンさん、ありがとう、あの時助けてくれて」
「……それを言うのはヒナに言った方がいいぞ」
「たしかにそうだけど、ミシガンさんがいなかったら私もヒナちゃんもやばかったからね」
実際あの時のヒナは先生を抱えて逃げれるほど体力は残ってなかった
先生も腹を撃たれ動けない状況にいた
ミシガンが来てくれたのは、彼女達からすれば奇跡のような感じだった
「……ミシガンさん、ヒナちゃんは?」
「………あの件以降、ずっと部屋に閉じこもっているらしい」
「………そう……………」
先生は、ベットから降り、部屋から出ようとする
「待て先生、貴様はまだ万全ではないだろう」
「……でも、ヒナちゃんが…………」
「…………仕方ない、俺も行こう」
そうして、ミシガンと先生は、ヒナの元へ向かっていった
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ガチャ……
「ヒナちゃん……」
「…………先生ッ……………それに、ミシガンまで…………」
色々な所から聞き込みをし、ヒナの自室を突き止めた先生とミシガンは、部屋へ入り、ヒナと対面する
今のヒナの様子は心身共に別人のように意気消沈したヒナだった
今の様子をマコトが見たら嘲笑うだろうな、いや逆に心配するかもしれん
「ごめん、先生……ミシガン……私には、もう無理、私はもうダメ……だから……ガッカリさせて、悪いのだけど……」
「今は、帰ってほしい……私はもう、引退したものと思ってもらって……」
「違うよ、私はここに、お礼を言いに来たの……いつも頑張ってくれてありがとうって」
「もう頑張りすぎなくても良いって、早く言ってあげたかった」
「ヒナちゃんは、ずっと頑張ってたから」
「それを言いたかったの、だから休んでて、あとは私が何とかするから」
先生はそう言うが、ヒナは未だに俯き
「私は………小鳥遊ホシノみたいになれない……」
「アビドスの生徒会長……その遺体を発見したのは、小鳥遊ホシノだった」
「すごく、ものすごく大切な人だったはずなのに……」
「あれだけの苦しみを味わっておきながら、彼女はまだアビドスで戦ってる……私には、 そんなことできない……」
肝心な時に先生を守れない自分、先輩を守れなかったホシノ、それだけの苦しみを味わっておきながらそれでもなお、アビドスの為に戦うホシノをヒナは自分と重ね合わせ……何かが切れてしまった
「私だって頑張った!!」
「いつも頑張って、どうにかしようとして……分かってもらえなくても、それでも……けど私は、大事なところで……」
「先生は、ズルい……私はあの瞬間もう、ダメで……なのに、そんなことを言って……」
「ミシガンも、ズルい……ACとレッドガン部隊っていう大きな力がある……」
「私だって、小鳥遊ホシノや補習授業部みたいに……レッドガン部隊みたいに……」
「先生に構って欲しかった!!」
「ミシガンに褒められたかった!!」
ついに爆発してしまった
いや、これで良かったかもしれない
「……ヒナちゃん……………」
「……」
ミシガンは、ヒナ近くに寄る
「空崎ヒナ……」
「……グスッ」
「………」
バサッ
ミシガンはヒナにあるもの着せた
「……ミシガン?」
「レッドガン部隊のジャケットだ……貴様にくれてやる」
ミシガンは、ヒナにジャケットを着せ
立ち上がり、ドアの方へ歩く
ドアの所に来ると、ミシガンはヒナの方を向き
「空崎ヒナ、確かに貴様は小鳥遊ホシノという奴にはなれない、貴様は貴様だ」
「だが、今の自分が嫌と言うなら……」
「明日の早朝、ゲヘナ学園校舎前でレッドガン部隊の朝礼を行う、そこに来い」
「さすれば、貴様が変われるように徹底的にしごいてやる」
ヒナにそう言い、ミシガンは部屋から出ていく
「………」
どうして……どうしてそこまで……
もう、私の事はほおっておいていいのに……
どうしてそこまで私の事を……
いや、『
どこまでも部下の事を思い、導く……
それが、ミシガンの強さ……
ミシガンの……優しさ………
私は、小鳥遊ホシノみたいにはなれない……
けど……
「……先生」
「?」
「……私……決めた」
「ミシガンみたいな強い人になる」
「…………ッ! そうね……ヒナちゃんならミシガンさんみたいな強い人になれると思うわ」
初めて出来た、憧れの対象
もう『風紀委員長』としての肩書きではもうやらない
ミシガンに褒められる為
ミシガンみたいに強くなる
ギュッとミシガンのジャケットを握り、そう心に誓うヒナ
翌日
風紀委員会・執務室
「………みんな」
「委員長!戻って来て…………」
「ヒナ委員長?そのジャケットってもしかして……」
ヒナは、風紀委員会のコートではなく、ミシガンのジャケットを羽織っている
その姿は、以前のヒナと比べるほどでもなく、見違えるほどたくましくなっている
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『…………………』
「……」
「あの、ヒナ委員長……」
「……何?」
「どうして、総長のジャケットを?」
「それに、なんでレッドガン部隊に?」
レッドガン部隊の朝礼、そこにはミシガンの隣にヒナが愛銃を手に持ち佇んでいた
「ジャケットはミシガンから貰った」
「レッドガンは、これから私はミシガンの右腕としてみんなと行動する事にしたの」
「その……だから、よろしくね」
ヒナは、『風紀委員長』であるが、もうその肩書きを背負って行動はしない
これからは、ミシガンの参謀……『レッドガン副長』として動く事になった
ついにヒナは、みんなと行動する事を覚えた
『…………ヒナ委員長ーーー!!!』
「えっちょ!?」
ヒナが変わった事に歓喜し
レッドガン部隊の面々は、一斉にヒナを囲むように集まる
そうしてヒナを胴上げのように持ち上げる
「総長!やっとです!やっとヒナ委員長が!!」
「……フンッ、まだまだヒヨっ子よ、これからだ」
ヒナが胴上げのように持ち上げられる様子をミシガンは笑みを零しながら見てる
「…………レッド……貴様もヒナと同じように俺に憧れていたな」
「……次は、失わせないぞ」
G2ナイル……G4ヴォルタ……G7ハークラー……
ミシガンより先に死んでしまったレッドガン部隊
どんな事があれ、ミシガンの部下には変わりはない
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それから数日
『突入しろ!!役たたず共!!』
「レッドガン部隊!!行くよ!!」
「行け!副長に遅れをとるな!!」
『ウオオオオオオオオオッ!!』
アリウスによる襲撃により、混乱したゲヘナの治安を維持する為に、レッドガン部隊は不良生徒達を物量でぶっ飛ばしていく
レッドガン部隊には副長空崎ヒナの姿が確認できる
「レ……レッドガン部隊だ!!」
「嘘でしょ!ヒナまでレッドガン部隊にいるのかよ!!」
ただでさえ、レッドガン部隊は不良生徒達から恐れられているのに
さらに恐れているヒナがレッドガン部隊にいるなら、もう発狂ものである
「左、任せていいかしら!」
「ええ!任せてください!副長!!」
「おい!左に行くぞ!副長より手柄を持っていけ!!」
「ライガーテイルが投入されるまでこのクソ野郎ども片付けろ!!」
こうしてヒナは、レッドガン副長として、ミシガンに褒められために、ミシガンのように強い人になる為に
切磋琢磨に不良生徒をぶっ飛ばしていくのであった
ミシガンーーーーー!!!
やっぱりミシガンはすげぇよ
さてさて……ヒナ、レッドガンルートですよ、ヒナ的にはレッドガンの方が似合いそうな気がしなくもない
※ヒナはミシガンに対して恋愛感情はありません、憧れの対象として見ています