トリニティ総合学園
上品な立ち振る舞いをする生徒たち
黒い制服を身にまとい、校内を巡回する正義実現委員会
一目見ただけでわかるお嬢様学校、それがトリニティ
様々な生徒たちがこの学園で過ごしている
その中、ある機体のブースト音が鳴り響く
レイヴンのAC シャイングである
シャイングは、用意されているヘリポートへ機体を動かし、着地する
生徒達の視線が集まる中、頭部がスライドし、レイヴンが降りてくる
黒いコートを身にまとい、中のシャツにはハンドラー・ウォルターのエンブレムが入った服を着ている
「……相変わらず慣れないな」
『仕方ありません、そういう上品な学園なんですから』
レイヴンとエアは、そう会話しながら校内を歩いていく
背後を見ると、いつの間にかトリニティの生徒たちがACシャイングに群がっている
「……エア、念の為監視をしといてくれ」
シャイングはレイヴンの生体認証で動かせるように設定されており
他の人が乗って動かそうとしても、1歩も動かない
シャイングに群がるトリニティ生を横目に、歩く
「あれ、レイヴンじゃないすか?」
「やぁイチカ」
「今日はどうしたんっすか?」
「ティーパーティに呼ばれてな」
「……あぁ、アリウスについてっすよね?」
「まぁそんなところだ」
「でしたら私が案内するっす」
「あぁ、助かる」
そうして、イチカの案内の中、ティーパーティー・テラスまで向かう
その道中
「あれ?あれってレイヴンさんじゃない?」
「えっ?レイヴンってあの『黒い鳥』って呼ばれている!?」
その時、正義実現委員会のみんながこっちに群がってきた
ガヤガヤガヤ……
「レイヴンさん!」
「わぁ!本物だ!」
「サ、サインを!!」
「えっ?ちょ……」
「アッハハ、人気者っすね!」
「いやいや、サインって芸人や俳優じゃあるまいし……」
「それだけ、有名人ってことっすよ」
「何でさ……」
「エデン条約の日、覚えているっすか?レイヴンのおかげで何人のも部員達が救われたからっす」
確かに、彼女達からすれば、あの時
救世主に見えたかもしれんが、俺はそれは望んでいなかったからな
「(サインって、書いたことがないんだが……普通でいいか……)」
「(……日本語じゃあれだな、英語で『RAVEN』でいいや)」
「これでいいか?」
「は、はい!ありがとうございます!」
「あっずるい!私も!」
「私も!私も!」
「わかった、わかったから!1人ずつ並んでくれ!」
そうして、レイヴンのサイン会が急遽行われることとなった
数十分後
「………やっと解放された」
「アハハ……おつかれっす」
「テレビで見る有名人も、こんな感じなのかね」
「さぁ、それは知らないっす」
「まぁいいや、早く向かうか」
少し休憩をとった後、ティーパーティー・テラスへ向かって行ったのである
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「はぁ、かなり時間がかかったな……」
予想以上にティーパーティーとの話が長くなり、気づけば外は真っ暗になっていた
今は、ティーパーティー・テラスから出て廊下を歩いている
夜のトリニティは歩いたことがなく、雰囲気のいい照明が廊下を照らしている
「時間は、ゲッ……もう22時かよ……」
こりゃ帰ったらノアに怒られそうだ
……母親かよ
……………母親か……
そうして、廊下を歩いていた時
「あれ?レイヴン君?」
名前を呼ばれた
しかも、その声には聞き覚えがある
それに、俺のことを『レイヴン君』っと呼ぶのは
ノア、ヒマリ、アスナ、先生、そして………
「……ミカ?」
廊下でミカと会った……
……ん?まだ謹慎処分のはずでは?
「ミカ、外に出れたの?まだ謹慎のはず……」
「それがね……なんか無くなってた」
「…………………えっ?」
「私も、えっなんで?って思ったけどね」
「でもこれでまた普通に外に行けるよ!」
ナギサとセイアさんが何かしたんだろうな
そうでなければおかしい
まぁ別に気にするような事ではないし、いいや( ᐛ )
考えるのをやめ、ミカの方へと寄るが……
あるものに目が入った
「……」
「……どうしたのレイヴン君?」
そっとミカの頬に触れる
「ふえっ!?」
ボンッとミカの顔が赤くなる
「レ、レイヴン君!?急に私の頬に触れてどうしたの!?」
アワアワと慌てるミカだった
しかしレイヴンの目が鋭くなる
「……殴られたのか?」
ミカの左頬が少し赤く腫れていた
「……ううん、少し転んだだけだよ」
「嘘言うな、転んでできるものではない、それに服が汚れてないだろ」
「……アハハ……やっぱりレイヴン君は鋭いね」
「でも、大丈夫だよ……私が気にしてないからさ」
「だからさほら、レイヴン君も気にしないでね?」
「……わかった」
レイヴンはミカの頬に触れている手を離す
「あっそれよりもレイヴン君、少し手伝って欲しいことがあるの」
「手伝う事?」
「うん、ちょっと私の部屋に来てくれない?」
「……まぁ、わかった」
そうしてミカに連れられ、ミカの部屋へと向かった
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「それでミカ……手伝って欲しい事って?」
レイヴンが部屋に入った時だった
ガチャン……
「ん?」
扉のロックの音がした
ドアノブを捻るが、開かない
「あれ?オートロック?」
何回もドアノブを捻る、捻りまくるが、扉がビクともしない
「わぁ……本当に上手くいくなんて……」
振り返ると、月の光が部屋を照らす中ベッドに座り、こちらを見ているミカの姿が見えた
月の光が照らしているお陰でなのか、ミカの姿は神秘的な美しさを感じる
「……ミカ、上手くいったってどういう―――」
レイヴンがそう言いかけた時
「しー……」
っと人差し指を唇に当てるミカ
そしてフフッっと笑い、顔が赤くなるミカ
少し慌てた様子だが、落ち着きを取り戻り、ゆっくりと口を開く
「……レイヴン君は、騙されたんだよ」
「どうしようね?」
「もう、朝までここにいるしかないよ?」
「……あれってまさかタイマー式?」
「うん、朝に開くように設定したの」
「こーんなに私を信じちゃうなんて……レイヴン君ってホント……」
最初っから計画したよな絶対……
「ミカ……」
「ん? ここで騒いだら……みんなにバレちゃうよ?いいの?」
「……」(눈_눈)
「私は……別にいいけど……」
ミカ照れながらそういう
いや普通に良くないからな?
トリニティの……ましてやティーパーティーの人と一般生徒(傭兵)がこんな時間に部屋の中で一緒にいる所なんて見られたら
色々と問題になるぞ……
「………………」(눈_눈)
ちょっと嫌味みたいにミカを睨む
「……あれ? もしかして……怒った?」
「私が問題児だってことくらい……レイヴン君だって知ってたでしょ?」
「……ミカ……さすがにこれはやり過ぎだ……なんでこんな事を?」
俺がそう問うと、ミカは数秒黙り
「実は、今日レイヴン君が来ることはわかってたの……」
「だから、これを利用して……」
「その……困らせたかったんじゃないの……」
「レイヴン君に、嫌われるのは……やだ……」
「でも……ちょっとだけ……」
「ほんのちょっとだけでもいいから……」
「レイヴン君と一緒にいたかったの……」
突然のカミングアウト
なら別に閉じ込めなくても良かったのでは?
っと思うかもしれんが、それをいうのは人として男性として御法度だ
ってラスティなら絶対言う
俺はラスティの様な紳士ではない、多分言ってしまうと思うが、まぁ俺はそこまで畜生ではないから自制心はある
「別に、こんな事をしなくても、連絡さえくれればいつでも行ってやるのに……」
「えっ?」
「友達だろ?」
「……友達」
「じゃないのか?」
「えっ?うんん!!レイヴン君と私は友達だもんね!」
「……でも……いいの?レイヴン君って色々と忙しいでしょ?」
「まぁ、前よりかは人手も増えて少し余裕ができたけど、まぁ忙しいちゃ忙しいな」
「それでも友達からの頼みなら、喜んで向かうさ」
ミカは目を見開き、そしてフフッっと笑う
「やっぱりレイヴン君は優しいね」
「……お世辞か?」
「違うよ、ちゃんと本心だよ」
「……ねぇ、レイヴン君……少しわがままを言ってもいいかな」
「?」
「もう夜も遅いし……一緒に寝ない?」
「異性同士……それに生徒が一緒に寝るのは色々とまずいのはわかってるけど……でも1回だけのわがままなの」
「ダメ……かな?」
「……はぁ……しょうがない、1回だけのわがままだからな」
「うん、ありがと」
そうして、2人でベッドに入り、静かに目を閉じる
「……レイヴン君?」
ミカは、レイヴンの方を向くように体を動かし呼ぶが、返事はない
レイヴンは寝息を立てながらぐっすり寝ている
今日の長い話しで疲れているのだろう
「……女の子と寝ているのに……緊張しないんだね……」
「私はすごい心臓鳴っているのに……」
「まぁ、レイヴン君らしいちゃっらいしいか……」
ミカはフフッっと笑い、静かに目を閉じた
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「……ん」
翌朝、目を覚ましたレイヴン
窓からは日が差し込み、暖かい
ゆっくりと体を起こす
横を見ると、ミカはまだ寝ているようだ
ミカのわがままだったとはいえ、ある意味やばい事をした気がする
まぁノアの時もあったし今更か……
ドアのロックは解除されているし、このまま出ようかなっと思ったが、ミカに何も言わず出ていくのはよろしくない
ミカが目を覚ますのを待つ事にする、近くにあったソファーに座り、机に置かれていた本を読む、ミカの本だろう
……姫と王子様の物語、やっぱりミカはこういうのが好きなんだろう
だからあの時、俺の事を白馬の王子様って言ったんだろうな
鴉だけど
そうして、ミカが起きるのを待っていた時だった
ガチャ……
「ん?」
扉が開く音がした………
ノックもせずに開けるとは、少し礼儀がなってないな……
………あれ?見つかればまずいのでは?
どこかに隠れようかと思ったが、隠れられるスペースが無い
その時
「レイヴン君」
っと、すっごい聞き覚えのある、なんなら毎日聞いている声が聞こえた
しかも今の声色は……
恐る恐る、声がする方へ向くと
ニッコニコの顔のノアが立っていた
「……………………………ノア」
「こんな所で何をしているんですか?」
「いや、それは海より浅く、山より低い訳が……」
「それはどうでもいいって事ですよね?」
「……ハイッ」
「なんでトリニティに……?」
「遅い時間になっても帰って来なく、心配していたらエアさんから連絡がありまして」
「詳しくは教えてくれませんでしたが……まさかこんな所で……」
「……」( ;´꒳`;)
あぁ……めっちゃ怒ってる……
久しぶりだよ……こんなにブチ切れたノアは……
そうしてノアの説教を受けていた時
「うーん……」
ミカが目を覚ました
ミカは、ノアの方を向く、そして俺の方を向くと、ニヤリと笑い
「レイヴン君……昨日はお楽しみだったね」
ノ「……………はっ?」
ノアはミカを見る
はだけた服、明らかに隣で寝ていたであろうポディション
ノアは、ゆっくりとレイヴンを見て
「寝たんですか、私以外の女性と……」
「????????」
レイヴンは首を傾げる
彼にとっては、友人の願いを聞いてやっただけ
そんな気持ちなんて1ミリもない
「ふっふふーん♪」
ミカは得意げに鼻を鳴らす
しかし……
「でも、残念でしたね……」
「?」
「ミカさん……ですよね」
「私、レイヴン君に銃を渡したんですよ?」
「えっ!?」
ボンッとミカの顔が赤くなる
このキヴォトスでは、異性に銃を渡す事は『告白』っという意味が伝わっている
あくまでも噂ではあるが
「ですよね、レイヴン君?」
「えっ?まぁ、確かに貰ったが……」
そう言い、レイヴンはノアから貰った銃であり、ノアの愛銃でもある『書記の採決』を取り出す
「……うそ……そんな……」
ミカは、下を向く
レイヴンは意味を理解していない、なぜ銃を渡すだけでこんなになるんだ?っと
「……なら」
ミカは、ベッドから降り、壁にかけられていたミカの銃を手に取り
レイヴンの方へグイッと寄り
「レイヴン君!これあげる!」
「「えっ?」」
ミカは、自身の愛銃『Quis ut Deus』をレイヴンに渡す
ノアは目を見開き、数秒フリーズする
「ミカの銃?なんで?」
「いいから、受け取って!」
「……」
レイヴンはミカの銃を手に取り、眺める
「……確かにいい銃だ、しっかり手入れもされているし、ミカの銃だって一目でわかる……」
「でも、いいのか?」
「うん!別に使わなくてもいいよ、部屋に飾るぐらいに使って」
「……わかった、じゃぁありがたく貰うよ」
「うん!」
「……そろそろ帰るよ、行くぞノア」
「あっ、ちょっとノアちゃんを借りてもいいかな?」
「……ノア?」
「えっ?まぁ、先に帰っても構いませんよ?」
「……わかった、先に帰るよ、またなミカ」
「うん、またね!」
そうして、レイヴンはミカの部屋から出ていった
「……ねぇノアちゃん、やっぱりレイヴン君って……」
「はい……本当に呆れる程クソボケです……」
「やっぱり〜……なんかその気がしたんだよね……」
「おそらく、ミカさんと一緒に寝たのは、お願いされたからですよね?」
「うん、私のわがまま……」
「おそらくレイヴン君は、友達のお願いごとっとしてだったんでしょう……」
「銃を渡した事も、多分意味を理解してないでしょうね……」
「……これは、攻略が難しいね………」
「そうですね……けど……」
「私達以外にも、レイヴン君の事を狙ってる人はいますよ」
「ふーん、じゃぁライバルはノアちゃんだけじゃないんだね」
「えぇ、ヒマリ先輩、アツコさん、アスナさん、多分他にもレイヴン君の事を狙っている人はいます……」
「……あのアツコちゃんもねぇ〜」
ノアとミカは、お互いに顔を見合せ
「負けませんよ」
「負けないから」
そうして、レイヴンの知らない間で、密かにレイヴンを巡る戦いがミレニアムだけではなく、別の学園まで広まっていた
「……どこに飾ろ………」
『(はぁ……)』(눈_눈)
『(本当にどうしよもないぐらいクソボケですね……)』
エアは、心の中でため息をつくのであった
はいという事で、今回はミカ回でした
メモロビを意識して書きましたがどうですかね?
次回は……ついに最終編 あまねく奇跡の始発点編に入ります
先に言っておきます、最終編は大盤振る舞いです