転生したらスライムだった件 × ELDEN RING:惨劇編   作:願望ちゃんねる

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祝宴の喧騒が最高潮に達する中、リムルの目は隅の方で静かに座る一団に向けられていた。

貴腐騎士たち。マレニアという主に従い、戦い抜いた果てに「朱い腐敗」にその身を蝕まれた、悲劇の精鋭たちだ。

「……苦しそうだな。そのままじゃ、せっかくの酒も不味いだろ」

リムルが歩み寄ると、リーダー格の騎士が苦しげな吐息と共に頭を垂れた。鎧の隙間からは、不浄な赤紫色の霧が僅かに漏れ出している。

「魔王リムル様……。我らの業は深く、この病は魂まで焼き尽くすもの。癒えぬ痛みを抱えて戦うことこそ、我らが誓いなのです」

「そんな悲しい誓い、俺の国じゃ禁止だ。シュナ、手伝ってくれ」

「はい、リムル様」

リムルは『智慧之王(ラファエル)』を演算させ、シュナは聖なる浄化の魔力を行使する。

リムルの『暴食之王(ベルゼビュート)』が騎士たちの体から「腐敗の概念」を隔離・捕食し、そこへシュナの神聖魔法が細胞の再生を促していく。

「……あ、ああ……」

鎧の中で、何年も彼らを苛んできた激痛が消えていく。腐り落ちかけていた肌には新たな命が宿り、濁っていた魔力は澄み渡る黄金と白銀の輝きを取り戻した。

「よし、仕上げだ。みんな、これからは新しい名で、新しい人生を歩んでくれ」

リムルの魔素が、かつてない密度で騎士団の代表たちへ流れ込む。

「ローデイル騎士団長。お前は『オーリック』。この国の不抜の金剛石となれ」

「失地騎士の長。お前は『嵐牙(ランガ)』の一族と共に風を駆ける者、『ヴァン』と名付けよう」

「そして貴腐騎士の長。腐敗を乗り越え、清廉なる翼を得たお前は『フィオナ』だ」

眩い光が弾けた。

名付けによる進化。

オーリックの鎧は神話級(レジェンダリー)の強度へと昇華され、ヴァンの周囲には常に真空の刃が渦巻く。そしてフィオナは、背中から透き通るような光の翼を広げ、かつて失った強靭な肉体と美しさを完全に取り戻した。

「……この奇跡、なんと称すべきか。我が命、我が翼、今この瞬間よりすべてをリムル様に捧げん!」

フィオナが騎士礼を捧げると、他の騎士たちも後に続く。

病を克服し、真の力を取り戻した「ジュラ・テンペスト騎士団」の隊長たちは、もはや個体で災厄級(カタストロフ)に匹敵する存在へと変貌を遂げていた。

「ハハ、大げさだって。さあ、元気になったんならもっと食え! おかわりはいくらでもあるぞ!」

リムルの笑い声が響く。

狭間の地で絶望の淵にいた騎士たちは、今、この異世界の「嵐」の中で、真の意味で救われたのだ。

 

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祝宴の熱気は収まるどころか、名付けの波動を受けてさらなる高揚へと包まれていた。リムルは次々と、狭間の地から集った各陣営の勇士たちの前に立つ。

「さて、次はあんたたちだ。その忠義と武勇、この国で存分に振るってくれ」

リムルが手をかざすと、それぞれの隊長たちがその名に相応しい進化の光に包まれていく。

「赤獅子の長。お前は『ラディウス』。戦場を焼き、仲間を鼓舞する不滅の炎となれ」

星砕きのラダーンの遺志を継ぐ赤獅子騎士は、その身から真紅の闘気を噴出させ、大弓は巨大な魔力砲へと変貌した。

「カッコウの長。お前は『ルシウス』。魔術と剣を繋ぐ、叡智の刃となれ」

カッコウの騎士は、輝石の輝きが極まり、そのマントは星空を模したかのような魔力障壁を纏った。

「ゲルミアの長。お前は『ヴォルク』。決して折れぬ、不屈の牙となれ」

ゲルミア騎士は、呪われた蛇の影を振り払い、純粋な溶岩の熱量と鉄の意志を宿した特大剣を担ぎ上げた。

「そして聖樹の騎士。お前は『エリン』。清廉なる祈りで、仲間を癒やす光となれ」

ミケラの聖樹を守護した騎士は、その鎧に白銀の繊細な装飾を加え、戦場全体を覆うほどの広域治癒結界を展開する術を得た。

こうして、「ジュラ・テンペスト騎士団」の七人の将が誕生した。

オーリック、ヴァン、フィオナ、ラディウス、ルシウス、ヴォルク、エリン。

かつては反目し合い、あるいは絶望の中で散るはずだった彼らは、今やリムルという一つの太陽の下、世界最強の混成部隊として新生したのだ。

「……信じられんな。我らが、これほどまでに満たされた気持ちで剣を握れる日が来るとは」

ラディウスが豪快に笑い、エリンが静かに微笑む。

かつての凄惨な戦場、エルデンリングを巡る狂気、そしてこの世界で受けた理不尽な侵略。それら全ての「惨劇」は、この鉄壁の騎士団の前では霧のように消え去るだろう。

「よし! これで準備は整ったな」

リムルは杯を高く掲げ、集った全ての騎士、そして魔物たちへ宣言した。

「俺たちは、もう誰も見捨てない。この『ジュラ・テンペスト騎士団』の盾がある限り、この国に悲劇は通さない。——みんな、これからもよろしくな!」

地を揺らすほどの勝鬨(かちどき)が上がった。

黄金の雷、嵐の旋風、そして星の魔術。

異なる世界の力が一つに溶け合い、ジュラの大森林に新たな神話が刻まれていく。

これは、失われた騎士たちが再び「守るべきもの」を見つけ、最強の盾として立ち上がるまでの物語。

凄惨な時代を切り裂く黄金の光——ジュラ・テンペスト騎士団の伝説は、ここから幕を開ける。

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