三度目の侍   作:最強系妄想おじさん

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第十一話「悪寒」

 

 

 

リューマは自然と戦いの方へ向かっていた。

その間にも街の人や海賊の声がきこえてくる。

 

「何か続々と億超えルーキーがやられているらしい」

 

「暴君くまが何人もいたって」

 

「──番グローブで爆発が」

 

戦場に向かう中リューマは呟く。

「祭囃子が聞こえてきたな」

 

近づくにつれ爆発音が近くなっていく。

シャボンディ諸島にいた人たちがこちらに走ってきて、通り過ぎてゆく。

 

復活してから覚えることのなかった気配。

足が自然と向いていた。

 

「……どうやら“それなり”の奴がいるな」

 

――遂に戦場が見えてくる。

 

まずリューマの目に入ったのは、

白いコートを着た黄色のスーツの男。

 

スリラーバークでみた“ような”大男が二人。

 

そして鉞。

 

だが――

 

侍の刃が向く先は、常に一つ。

 

リューマは戦場に踏み込んだ。

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

「これまでの航海、ご苦労だったねェ〜

休んでいいよぉ~」

 

ボルサリーノは、天竜人の要請により海賊を追っていた。

超新星と呼ばれる事になるルーキー達を捕まえる。

その為に出動していた。特に“麦わら”である。

 

どうやらそのルーキーは、天竜人を殴り倒したらしい。

心情的には理解するが、世界のタブーを躊躇なく犯す様は海賊にしても驚嘆に値する。

 

しかし“仕事”である。

やらねばならない。

 

「まずは君からだ“海賊狩り”ロロノア・ゾロォ〜」

 

「ここまで随分疲れていたんだねぇ〜」

 

ボルサリーノはゾロに向かって右脚を上げ、光らせる。

ピカーっと脚を光らせている間に、仲間だろう骨や鼻の長い奴が攻撃をしていた。

 

「無駄だねェ、わっしは光人間。“ロギア”だからねェ〜」

「今、死ぬよぉ〜」

 

ボルサリーノは光らせている右脚を振り下ろそうとした。

 

――否、振り下ろした。

 

────悪寒。

 

光が海賊に衝突する瞬間――

自分のものではない“斬光”が、視界を横切った。

 

自らの脚と海賊の間に白刃が差し込まれる。

 

──激突。

 

光が散る。刀と足が押し合う。

男が口を開く。

 

「ピカピカと今の世の祭りは派手だな」

 

「おやぁ〜誰だい君は」

 

ボルサリーノは光と化し、男の背後に回る。

「光の速度で蹴られた事はあるかい?」

 

ピカピカの実の能力で加速された右脚を振り抜く。

 

静かな声。

 

「ない」

 

「斬った事はあるが」

 

光の蹴りが男に迫る。

 

───軌道が歪む。

 

いや。歪んだのは軌道ではない。

蹴りの目測を誤った。

恐ろしい程の自然な間合いの移動。

 

海軍大将が気付けないほどの歩法。

 

戦桃丸が叫ぶ。

「叔父貴が空振り!?」

 

男は淡々と言う。

 

「速いな」

 

一歩、ずれる。

 

「だが、素直だ」

 

ボルサリーノの目が僅かに細まる。

 

その瞬間。

ボルサリーノは光の粒と化し、上へと滞空し距離をとる。

 

脚を再度光らせ、ビームを放つ。

 

男は刀を傾ける。

 

光がまるで鏡に反射したかのように弾かれ、弾かれた先に居たパシフィスタに着弾する。

 

爆発。

パシフィスタが煙を吹き出し倒れる。

 

ボルサリーノは“それ”をみて目玉がとびだすかのように驚く。

 

気を取り直し、光の光弾を無数に放つ。

 

「八尺瓊勾玉!!」

 

無数の光弾が空を埋める。

それらは瞬時に“人型”を取り、

光の剣を携えて斬りかかる。

 

包囲。死角を突く完璧な連携。

男は、半歩だけ動く。

それだけで、軌道が噛み合わなくなる。

 

速くはない。

大振りでもない。

だが、誰の刃も届かない。

 

光の剣が迫る。今度こそ届く。

そのはずだった。

 

だが。

いつの間にか光の剣の先に刀があった。

光が、導かれる。

 

速さは光が上だ。

それでも“防がれる”。

 

戦桃丸が呟く。

 

「叔父貴の速度が……通らねぇ……?」

 

男が静かに言う。

 

「読む必要はない」

 

「踏み込みは三つ」

「癖は一つ」

「速さは変わらん」

 

男の刀と光の剣が鍔迫り合う。

光の剣で男と打ち合う。

いや――打ち合わされている。

 

ピカピカの能力によって加速している剣技、

光の剣はすでに置かれている刀に吸い込まれるように向かっていく。

 

ゾロはその光景に息を止め、魅入っていた。

「…先読みか……いや誘導してやがんのか?…」

 

ボルサリーノの笑みが、僅かに薄れる。

「……厄介だねぇ」

 

ボルサリーノは光の粒と化し、距離をとった。

 

男が口を開く。

まるで自然に疑問に思ったかの様に問うてくる。

 

「能力に頼りすぎるなと――言われたことはないか」

 

ボルサリーノは眉を動かす。

 

「参ったねぇ〜、軽い気持ちで来たのにねぇ」

 

少し離れた場所で戦桃丸が呟く。

「叔父貴が……止められている……?」

 

戦場の空気が変わる。

 

ボルサリーノは、この男は仕事の遂行の為には自分が止めねばならないと決心し光の剣を構え、斬りかかろうとする。

 

その時、声が掛かる。

 

「これは──私は要らなかったかな」

 

その“人物”をみてボルサリーノは、冷や汗を浮かべ呟く。

 

「……冥王、シルバーズ・レイリー………!!」

 

 

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