三度目の侍   作:最強系妄想おじさん

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第十二話「救えねぇ!!」

 

 

 

「冥王レイリー……あんた迄、出る幕かい?」

 

ボルサリーノは、うんざりした様子で“伝説”に問いかける。

伝説は侍をチラリと見て言った。

 

「若い芽を摘むんじゃないと言いにきたんだがね……」

 

この場の空気が、わずかに弛緩しかける。

 

その時――

 

「コイツらにはかなわねぇ!! 全員逃げる事だけ考えろォ!!」

 

ルフィが叫んだ。

疲労した体を引きずりながら、一目散に逃げ始める。

 

「潔し……!! 腹が立つねぇ〜」

 

今回の件で緊急出動したボルサリーノにとって、麦わらのルフィに逃げられてはメンツが立たない。

しかし、今はそれどころではない。

 

この自分を相手にして余裕を崩さない“侍”。

 

さらに“伝説”――。

 

この二人をどうにかして、足止めしなければならない。

 

「戦桃丸君、頼めるかぁ~い」

 

それを聞いた戦桃丸が、即座に指示を出す。

「任せろ、叔父貴!!

PX―1、麦わらの一味を捕まえろ!!」

 

「わいも行く!!」

 

ボルサリーノはぼやく。

「わっしもやらなきゃねぇ〜。2対1。

今日は割に合わないねぇ〜」

 

ボルサリーノは光と化し、上空へと滞空する。

そして、光を放った。

 

「八尺瓊勾玉!!」

 

無数の光弾が降り注ぐ。

 

侍と冥王は、まるで分かっているかのようにそれを避け、光弾は一つも当たらない。

 

─────────

 

麦わらの一味は、必死に逃げていた。

 

侍は麦わらをフォローしようと動く。

だが――

 

光が、その前に落ちる。

ボルサリーノが、あらゆる能力を動員して妨害していた。

 

ルフィは走りながら振り返り、侍を見て呟く。

「侍、あんなに強かったのか!!」

 

「ヨホホ……私が攻撃しても効かなかったのに、どうして……」

 

ルフィは前を向き、全力で走りながら叫ぶ。

 

「全員バラバラで逃げろ!!

3日後にサニー号で!!」

 

くまの“ような”大男に追いつかれ、大男を足止めしようとした仲間達は、続々とやられていく。

 

その光景を見たルフィは、堪らず叫ぶ。

「やめろォォォ!! お前ぇ!!」

 

疲れきったゾロを担ぎ、必死で逃げるウソップの前に――

左手に本を抱えた“くま”が、再び現れる。

 

「え~~〜〜〜!!!?」

「……またもう一人〜!!!?」

 

突如として現れたくまが、静かに問いかける。

 

「旅行するなら……どこへ行きたい……?」

 

ぱっ。

 

くまが掌を振るった瞬間、ゾロは消えていた。

 

「ゾロ!?」

 

ウソップが担ぎ逃げる最中、落としてしまったゾロを皮切りに――

次々と仲間が飛ばされていく。

 

———————————————

 

光の粒子がわずかに乱れ、ボルサリーノは肩で息をする。

 

「やれやれだねぇ〜……」

それでも、足は止めない。

 

戦桃丸が麦わらを捕らえるための時間を稼がなければならない。

 

パシフィスタが麦わらの一味を捕らえる――

そう思った、その時。

 

戦場に、くまが現れる。

侍が麦わらの方へ向かおうと、一歩踏み出す。

 

ボルサリーノは指先から、侍の進行方向へレーザーを放つ。

レーザーが着弾し、地面が爆ぜる。

「……行かせないよぉ〜」

 

光のビームを連続で放ち、侍の進路を妨害する。

同時に、冥王とは光の剣で斬り結ぶ。

 

侍と冥王を、同時に抑える。

その代償は大きい。

大将でも楽ではない。 ──いや、しんどすぎる。

 

ボルサリーノの奮闘の甲斐あって、足止めには成功していた。

 

しかし――

突如現れたくまが、捕縛の邪魔をする。

 

続々と、麦わらの一味を飛ばしていた。

途中でくまは、レイリーの前に立ち、何かを話す。

そして麦わらのルフィを残し、一味を飛ばし終えた。

 

「おめェどういうつもりだい……くまァ」

 

ボルサリーノはそう問いかける。

だが、くまは答えない。

 

ルフィは、くまが飛ばした仲間がいた場所を掴もうとする。

だが、空を切るだけだ。

 

「……仲間一人も救えないっ……!!!!」

 

そう言うルフィを、くまは最後に飛ばした。

 

「もう……会うことはない」

 

————————————————————

 

この日――

 

麦わらの一味は壊滅した。

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