三度目の侍   作:最強系妄想おじさん

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第三話「くま」

 

夜は、まだ終わらない。

 

七武海バーソロミュー・くまは、無言のままルフィへ歩み寄る。

 

ゾロが前へ出た。

 

「ここから先は通さねェ」

 

サンジが並ぶ。

 

「船長に指一本触れてみろ」

 

倒れたルフィの前に、自然と一味の輪ができる。

 

最初に飛び出したのはサンジだった。

 

鋭い回し蹴り。

 

くまは静かに腕を上げる。

 

掌が、蹴りに触れる。

 

次の瞬間。

 

弾かれる。

 

空間が歪む。

 

サンジの体が逆方向へ吹き飛ぶ。

 

瓦礫に叩きつけられる。

 

フランキーが砲撃を放つ。

 

一直線。

 

くまは掌を向ける。

 

触れた瞬間、砲弾の軌道が反転する。

 

爆発が別方向で起こり、フランキーが吹き飛ぶ。

 

ロビンの腕が一斉に咲く。

 

くまの体を拘束する。

 

だが。

 

くまは振り払う。

 

それだけ。

 

拘束が引き剥がされる。

 

ロビンの体が崩れる。

 

ブルックが踏み込む。

 

突き。

 

掌が差し出される。

 

刃が触れた瞬間、弾かれる。

 

衝撃が刃を伝い、ブルックを後方へ飛ばす。

 

ウソップが撃つ。

 

弾丸が飛ぶ。

 

掌が振られる。

 

空気が歪む。

 

弾丸が逸れ、ウソップが転がる。

 

ナミが踏ん張るが、崩れる。

 

チョッパーがルフィを抱えたまま倒れる。

 

ゾロが踏み込む。

 

腰の三本の刀が揺れる。

 

真正面から斬りかかる。

 

刀が届く瞬間。

 

掌が触れる。

 

弾かれる。

 

衝撃が刀を通り、ゾロの体を後方へ滑らせる。

 

地面に深い溝が刻まれる。

 

膝をつく。

 

血が落ちる。

 

それでも、立つ。

 

再び踏み込む。

 

低く、角度を変える。

 

だが。

 

掌が向く。

 

触れた瞬間、弾かれる。

 

ゾロの体が転がる。

 

静寂。

 

倒れた仲間たち。

 

ルフィは気絶したまま。

 

くまが一歩、進む。

 

止まらない。

 

何も言わない。

 

ただ、目的へ向かう。

 

その瞬間。

 

一歩。

 

リューマが前へ出た。

 

刃は抜かない。

 

ただ、立つ。

 

空気が止まる。

 

くまの視線が、わずかに動く。

 

侍を見る。

 

沈黙。

 

夜が、重くなる。

 

(斬れる)

 

思考は短い。

 

(だが――)

 

背後で、足音。

 

ゾロが、立つ。

 

血を流しながら。

 

呼吸は荒い。

 

それでも目は逸らさない。

 

「……待て」

 

低い声。

 

リューマは、退く。

 

一歩、横へ。

 

道を空ける。

 

輪の外へ戻る。

 

これは自分の戦ではない。

 

ゾロが前へ出る。

 

倒れた仲間の前に立つ。

 

背中で守る。

 

くまは止まらない。

 

掌が、ゆっくりと持ち上がる。

 

夜は、まだ終わらない。

 

 

 

 

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