もしも庵歌姫に加茂家の同級生がいたら 作:暇人
「すみません、歌姫。……遅くなりました」
校長室で保護したサキを補助監督の陽子に託し、ここまで駆けてきたのだろう。その僅かな時間の遅れが、理央の表情に影を落としていた。
「……ふふ、気にしないで。それより見なさいよ、あんたが来るまで私がこの子たちをしっかり守り抜いたんだから。すごいでしょ?」
歌姫は、強気な笑みを浮かべて見せた。
それは死線を越えた者にしか出せない誇らしげな表情だった。
理央はそんな彼女を真っ直ぐに見つめ、歩み寄った。
「ええ。本当に、すごいです。歌姫」
鏡越しの僅かな干渉から、雲外鏡の策略を打破したその判断。そして、絶望的な状況下で二人を無傷で守り抜いた揺るぎない意志。
その両方に、彼は心からの称賛を送った。
「あなたは、最高の呪術師だ」
その短い一言は、どんな称賛よりも深く歌姫の心に届いた。
「さて、歌姫が世話になりましたね」
理央は歌姫から視線を外すと、正面に浮かぶ雲外鏡を見据えた。 その全身から、静かながらも肌を刺すような鋭い殺気が溢れ出す。
理央は懐から、赤黒い液体が詰まった血液パックを取り出した。それを無造作に空中へと放り投げる。
「――パチンッ」
乾いた指パッチンの音が響くと同時に、宙を舞うパックが内側から弾け、鮮血が意思を持つ生き物のように空間へ展開された。
「赤血操術――『
理央の低い呟きと共に、血液パックから放たれた鮮血が円状の血の刃へと変形し、猛然と礼拝堂を駆け抜けた。
「あ、ガ、……アァ、ァ!!」
「……ヒィ、……ッ、フシュ!!……ッ」
「ギィィ、ア゛ア゛アァァァ……ッ!!」
放たれる刃は、歌姫を苦しめていた呪霊の群れを一匹残らず正確に切り刻み、瞬く間に黒い霧へと変えていく。
呪霊の断末魔が飛び交う中心で、理央は一歩も動かず、返り血一滴すら浴びぬまま静然と立っていた。
「ここからは選手交代です、歌姫。……アイさんとタクヤさんを連れて、ここを離れてください」
「……わかったわ。すぐに陽子さんのところへ届けてくる。死んだら承知しないからね、理央!」
歌姫は迷うことなく、タクヤとアイを両脇に抱え上げるようにして、礼拝堂の出口へと走り出した。
そして、静寂の戻った大空間の中で理央と雲外鏡が対峙していた。
雲外鏡は鏡面に映るその顔を、憎々しそうに歪めていた。
「おのれ……小童が……ッ!」
次の瞬間、鏡面から拳大の二つの
空気を切り裂く鋭い音と共に迫る銀色の砲丸。
理央は上体をズラしてひらりとかわす。
ガオン!!!
直後、背後から轟音が響く。
振り返れば、玉鏡が掠めた礼拝堂の柱が不自然に抉り取られていた。
(……なるほど。この技が例の……)
理央は一目でその攻撃の正体を見抜いた。というより元々記録から知っていた。
雲外鏡が生成した鏡への接触は、鏡世界への強制転送を意味する。
だが、あの玉鏡はサイズから分かるように全身を引き摺り込むことが目的ではない。触れた部位のみを転送、つまり『抉り消す』ことを目的にした技だ。
頭部に直撃すれば、まず即死は避けられない。
(記録では、この玉鏡を数十個を同時に操り、さらには領域の必中効果として付与するとされていた……けれど)
理央は冷静に分析する。
かつて多くの術師を屠ったとされる『雲外鏡』の戦法。
しかし、今眼前にいる雲外鏡には、その全盛期の片鱗すら見えない。
(歌姫相手に使わなかったのも、出し惜しみではないな。まだ術師を取り込んでいない成長途中では、この二つを放つのが精一杯ということか。とすれば、領域の必中に組み込む余裕もなさそうだ……)
当たれば即死でも、必中でないのなら躱せば済む話だ。
理央は玉鏡を宙に跳ねて回避した直後、対空した一瞬の間に、『
「『
呟きと共に放たれた音速越えの血液は、一直線に雲外鏡へと射出される。しかし、着弾した瞬間に雲外鏡の鏡面へと音もなく吸い込まれた。
直後、鏡面が波打ち、理央が放ったものと寸分違わぬ威力と速度で、『穿血』が撃ち返された。
「甘いわ小童!!」
宙に浮き、回避不能な体勢にある理央は、迫りくる赤い光線を両腕で受けるべく咄嗟にガードを固めた。
ドォォォンッ!
穿血が理央の腕に衝突し、凄まじい衝撃が全身を揺さぶる。
着地した理央は、両腕の感覚を確かめるように軽く腕を振る。
(この出力でも返されるか……)
「流石に特級は伊達じゃないですね」
そう呟く間にも、二つの玉鏡が死角から交差するように迫り、理央の逃げ場を削り取っていく。
(数こそ二つだけ。けど、この追尾性能は馬鹿にできない……)
理央は最小限のステップで玉鏡をかわし続けるが、その余裕は長くは持たなかった。
意思を持つ生き物のように、玉鏡の速度が一段階上がる。
(……僕の速度に慣れてきたか)
空振りを経るごとに、凶弾の精度が増していく。
初めは余裕をもってかわせていたが、だんだん紙一重の回避が続くようになる。
頬を撫でる風が、空間ごと抉り取る死の感触を運んでいた。
背後を通り抜けた玉鏡の片割れが、慣性を無視して直角に折れ、再び理央の頭部へと肉薄する。
(マズイな……)
もはや回避は不可能――雲外鏡がそう確信した刹那、理央の顔に赤い紋様が浮かび上がる。
『赤鱗躍動』
理央の心拍数が跳ね上がり、視神経と筋力が一気に研ぎ澄まされる。
理央はギリギリで頭を伏せて玉鏡の軌道から逃れる。
「……ッ!」
背後で玉鏡が虚しく空を切り、空間を抉り取る不快な音だけが礼拝堂に響く。
そして『赤燐躍動』による爆発的な加速に、雲外鏡は一瞬理央を見失う。
理央は着地の瞬間に術式を解き、身体への負荷を最小限に抑えながら滑り込む。その時すでに雲外鏡の背後、完全な死角へと回り込んでいた。
「 『
掌から溢れ出した鮮血が、一瞬で鋭利な刃の形を成す。理央は淀みない動作でその刃を投擲した。
だが、特級の生存本能か。
雲外鏡は振り向くことさえせず、自身の周囲を旋回させていた玉鏡の片割れを、凄まじい速度で背後に割り込ませた。
――ガオンッ!!
接触した瞬間血刃は空間ごと飲み込まれ、欠片も残さず消し飛ばされる。
「……ッ、この小童……!」
鏡面に浮かぶ巨大な目玉が、初めて明確な「焦燥」に揺れる。
そして、理央がかわした球体鏡が追いつき再び理央の面前へと迫ってくる。理央は礼拝堂の石壁を強く蹴り上げた。
壁から柱へ、柱から梁へと跳躍する立体的な機動により、死神の鎌のごとく振るわれる玉鏡をかわし続ける。
その乱舞の最中、理央は一瞬の隙を突き、雲外鏡へ向けて掌をかざした。
「――『
一本一本は細くとも、呪力が凝縮された血の針が雨あられと雲外鏡を襲う。
だが、それすらも鏡面に吸い込まれ、そのまま理央へと跳ね返ってきた。
自身の呪力を源とする攻撃ゆえ、直撃しても致命傷にはなり得ない。とはいえ、その物量は無視できるものではなかった。
「……鬱陶しいですね」
理央は空中で体勢を立て直すと、即座に『
その後も理央は幾度となく波状攻撃を仕掛けるが、そのすべてが雲外鏡の鉄壁に阻まれる。
変幻自在に軌道を変え、最短距離で肉薄してくる二つの玉鏡。その執拗な妨害により、足を止めて『百斂』で最大出力の『穿血』を打つ隙が作れない。
それ以外の小細工は、鏡面に吸い込まれ反射されるか、あるいは玉鏡の接触によって存在ごと消し飛ばされる。
「……ッ!」
理央の頭部を横切った球体鏡が背後の壁を無残に抉り、礼拝堂に石粉の砂塵が舞う。
形勢は、明らかに雲外鏡へと傾いていた。
理央の洗練された体術と術式を以てしても、雲外鏡の理不尽な防御性能と即死級の飛び道具を前に、決定打を欠いたまま消耗だけが重なっていく。
(……このまま消耗戦に付き合うのは、得策じゃないな)
理央が次なる一手を思考の海から引き揚げようとした、その時。
「……ふん。底が見えたな、小童」
「……そうですか」
形勢が自身に傾いたことを確信したのか、雲外鏡は、再び余裕綽々の声を礼拝堂に響かせ始めた。
理央の術式『赤血操術』が、自らの血液を代償とする短期決戦用の術式であること。雲外鏡はその致命的な弱点を見抜いていた。
「このまま
醜悪な嘲笑と共に、球体鏡が理央を追い詰める。
しかし、理央は肩で息をしながらも、その瞳から冷徹な光を失ってはいなかった。 それどころかその眼底には、凍てついた怒りが静かに宿っている。
「……随分とおめでたい鏡ですね。もう勝ったつもりですか?」
理央は冷ややかに言い放つと、残された全呪力を右手の一点、指先へと収束させ始めた。
「別に僕は、打つ手がないなんて一言も言ってませんよ?」
その呪力の圧は、個人が放つ域を遥かに凌駕し、尋常ではない密度へと膨れ上がっていく。
「小童……お、おまえ何を……ッ!?」
勝ち誇っていた雲外鏡の笑みが、凍りつく。
理央から溢れ出したのは、先ほどまでの消耗を感じさせない、あまりに異様で、あまりに苛烈な殺気。
雲外鏡の本能が、味わったことのない『死』の予感に警鐘を鳴らす。
「『赤血操術』極ノ番――」
理央がその名を紡ごうとした、その時だった。
背後の重厚な扉が蹴破られる。そして、一人の人影が迷いなく滑り込んできた。
「理央!お待たせ!」
静寂と殺気が支配する礼拝堂に、場違いなほど凛とした声が響き渡った。
「歌姫!?」
驚愕に目を見開く理央の視線の先にいたのは、先刻見送ったはずの歌姫だった。
収束していた呪力が主の動揺に呼応して霧散していく。
「な、なんで、戻って……?」
困惑を隠しきれない理央。
傷だらけの彼女がなぜここにいるのか。
「あんたねぇ、私がなんであんたを置いて、自分だけ逃げなきゃいけないのよ」
不敵に笑う彼女の瞳には、死地へと戻ってきた恐怖など微塵もなかった。
歌姫は、タクヤとアイを陽子の待機する安全な場所まで送り届けた後、一秒も無駄にすることなく、全速力で理央の元へと引き返してきたのだ。
困惑していた理央は歌姫のその揺るぎない眼差しを見て、ふっと憑き物が落ちたように表情を和らげた。
彼女がもう、守られるだけの存在ではないのだと悟ったのだ。
「……分かりました。………礼を言います、歌姫。これで心置きなく戦えます」
理央が短く、けれど万感の思いを込めてそう告げる。
そして歌姫は呪力を練り直し、理央のすぐ隣に並び立つ。
その瞳は、雲外鏡を前にしても決して折れることのない、強固な決意の火花を散らしていた。
「んじゃ、さっさとこいつを祓って、美味しいものでも食べて帰りましょ」
「……ふふっ。いいですね、それ。……最高のご馳走のために、手早く済ませましょう」
歌姫は理央の隣で、静かに奥深く息を吸い込んだ。
次の瞬間、彼女の全身から呪力が溢れ出す。歌姫は『呪詞』『掌印』そして『舞』の行程を省かず行い、「儀式」として自身の術式を昇華させ始めた。
「『
呪詞が礼拝堂に響き渡り、彼女の舞に合わせて呪力の奔流が渦を巻く。
礼拝堂の空間そのものを彼女の独壇場へと変えていく。
『……小癪な真似をッ!』
雲外鏡は剥き出しの殺意を向け、空間を消し飛ばす玉鏡を歌姫に差し向ける。四方八方から理央の肉体を抉り取ろうとしたあの死の砲丸が、舞い踊る歌姫へと肉薄する。
だが、歌姫の動きに淀みは一切なかった。
彼女は優雅に袖を翻し、紙一重の差で玉鏡に軌道から体をズラす。それは偶然ではない。歌姫は日頃から、この場にいる誰よりも速く、鋭い理央の動きを、手合わせで幾度となく経験してきたのだ。理央の、速さに晒され続けた彼女の目は、特級呪霊の雲外鏡が放つ攻撃を避けることができた。
「フフッ、ずいぶん焦ってるのね。軌道が単調よ」
歌姫は舞の拍子の中で、迫りくる球体鏡の軌道を指先一つ触れることなく最小限の動きでかわしていく。その姿は、一輪の花が風に靡かれるように、あまりにも華麗で、美しかった。
歌姫が華麗な舞で攻撃を誘導し、致命的な隙を作り出す。その瞬間を、隣に立つ理央が逃すはずもなかった。
「『
理央の両掌の間で、呪力を帯びた血液が一点に収束していく。限界まで圧縮された液体は、高密度の殺意へと変貌した。
「『
直後、赤色の光線が音速の壁を越えて放たれる。
最大出力で放たれた穿血は雲外鏡の鏡面へと一直線に衝突する。
『……ぎ、ギギッ、アガッ!?』
メキィッ、と。
これまでの攻防では傷一つ付かなかった雲外鏡の鏡面に亀裂が走る。
その後も、理央の苛烈な連撃と、それを完璧な回避で支える歌姫の献身的な舞が続いた。特級の理不尽な防御性能を、二人の洗練された連携が着実に、かつ強引にこじ開けていく。
そして。
「……『
呪詞の最後の一節、歌姫の声が礼拝堂に響き渡った。
『呪詞』『掌印』『舞』――そのすべてを完遂したことで、術式『単独禁区』が120%の極致へと到達する。
術式解放――『単独禁区』
「……これが、歌姫の全力……」
歌姫が完遂した儀式によって放たれた『単独禁区』の奔流が、理央の全身を駆け巡る。彼の呪力総量と出力は異常な倍率で膨れ上がり、未だかつてない全能感が溢れ出す。
だが、理央はそれだけでは止まらない。
赤血操術――『赤鱗躍動・載』
理央は畳み掛けるように自身の術式でさらなるバフを重ねた。
心拍数が最大まで跳ね上がり、心臓が爆発的な鼓動を刻む。視神経、筋肉、骨の髄に至るまで、呪力を帯びた血液が猛烈な速度で循環し、彼の身体機能を限界を超えた領域へと押し上げていく。
『単独禁区』による外部からの底上げ。
そして『赤鱗躍動・載』による内部からの極限強化。
二つのバフが重なり合った瞬間、理央から放たれる圧は、異様なものと化していた。
「理央!行くわよ!!」
歌姫の叫びに、理央は一瞬だけ驚きに目を見開いたが、すぐに笑みを浮かべて頷いた。
「はい!」
理央と歌姫は、呪力の奔流に身を任せて地を蹴った。
『単独禁区』による120%の増幅は、術者である歌姫自身の世界をも作り変えていた。普段の彼女では到底届かないはずの速度。爆発的な呪力の推進力が、理央の神速の世界に彼女を随伴させる。
二人の人影が陽光が差し込む礼拝堂を並んで疾走する。
「……オ、ォォオオォッ!!」
再び死を予感した雲外鏡が、鏡面から最後の手数として無数の球体鏡を全方位へと一斉に射出した。空間ごと肉体を削り取る銀色の砲丸が、逃げ場のない密度の弾幕となって二人を襲う。
「おのれ……人間風情が!!塵も残さず消え失せるがいいッ!!」
しかし、数を増やした弊害か、精度は著しく欠けていた。玉鏡は二人を追尾することなく乱雑に飛び交う、もはやそれは苦し紛れの抵抗に過ぎなかった。
「歌姫、こっちです! 」
理央は底上げされた動体視力でその全てを見切り、歌姫の手を引く。死の弾幕をあっさりと潜り抜け、二人は雲外鏡の面前へと躍り出る。
「理央、これで決めるわよ!!」
「ええ!――終わらせましょう!!」
「ま、まて!!やめ―
二人は同時に腕を引き、溢れんばかりの呪力をその拳へと凝縮させる。
雲外鏡との戦いは一歩間違えれば即死の連続であり、真隣に死がある状況で二人の集中力は極限の域に達していた。
1000000分の1。その先で爆ぜる黒い火花は、二人に微笑んだ。
「……っ、ア、ガ……ッ!?」
雲外鏡が誇る呪力の反射など、二人の黒閃には何の意味もなさなかった。
刻まれていた亀裂から鏡面が一瞬にして粉砕される。
そして雲外鏡は内側から爆発するように粉々に砕け散り、黒い塵となり霧散していった。
漆黒の瘴気が晴れた礼拝堂に、理央と歌姫は並んで着地して拳を下ろした。
砕けた天窓から差す真夏の陽光が、二人を照らしていた。
理央は乱れた呼吸を整え、隣に立つ歌姫へと向き直った。
「歌姫……ありがとうございます。僕を、助けに来てくれて」
真っ直ぐに告げられた言葉に、歌姫は照れくさそうに鼻の頭をかいた。 彼女の巫女装束はボロボロになり、肩や腕には無数の傷がある。 それでもその表情は満足気で嬉しそうだった。
「フフン。言ったでしょ? いつまでもあんたの背中を見てるだけの私じゃないってさ」
理央は今日1日の出来事を振り返る。 鏡の世界で彼女がどれほど強く、気高く戦い抜いたか。 そして今、自分の隣で黒閃を放ったその実力。 疑う余地など、どこにもなかった。
「ええ。本当に、よく分かりました。……これからも頼りにしています。歌姫」
「……っ、うん。私も、あんたのことは頼りにしてるわ。……相棒」
歌姫は少し視線を泳がせながらも、はっきりとそう口にした。その言葉には疑いようのない絆があった。
「相棒?」
聞き慣れない響きに、理央は反射的に疑問符を口にした。
「な、なによ、変な顔して。……私たち、もう立派な相棒でしょ。文句ある?」
理央は一瞬だけ瞬きをした後、胸の奥から込み上げるような温かさに包まれた。
「……いえ。相棒、素敵な響きですね」
「でしょ?さあ、そうと決まれば陽子さんのところへ帰らなきゃね」
そうして理央と歌姫は礼拝堂を後にする。
かつては「守る側」と「守られる側」として遠く隔たっていた二人の影は、いまや真っ直ぐに並び合い、確かな信頼を刻んでいた。
二人は賑やかな話し声を残しながら、まばゆい夏の光の中へと消えていった。
この雲外鏡の任務は元々三話くらいで終わるつもりだったんですが、見切り発車でやり始めたら思った以上に長引いてしまいました。
至らない所も多々あったと思いますが、こんなに長い話を読んでいただきありがとうございます。
一応あと一話だけ残っているのですが、それが終わったらいよいよ9月の話に入るのでお待ちいただけたら嬉しいです。