TS爆乳暴食悪徳サイコシスターの勘違い救国記 作:ちんぽ良い肉
「ごきゅっ、ばりばりばりっ、むちゃむちゃむちゃ……ふんふん、なるほどねー」
スラムのまとめ役のおっさんが涙ながらに語るこの街の『真実』とやらを、私は両手で抱えるほど巨大な豚の太もも肉を骨ごとバリバリと噛み砕きながら、ふむふむと適当に相槌を打って聞いていた。周囲を取り囲むスラムの連中は、そんな私の異常な食事風景を見ても引くどころか、完全に祈りを捧げるような熱狂的な瞳で「おお……我らが慈愛の女神様……」なんて拝み倒している。
いや、私はただ飯を食いながらおっさんの愚痴を聞いてるだけなんだけどね? まあいいや、このお肉すっごく美味しいから許す!
で、おっさんの話をざっくり要約すると、この『迷宮都市キャッスル』ってのは、ただのデカい街じゃなくて実質的に世界最強の軍事都市、いやもう国家そのものらしい。なんでも人類戦闘力のナンバーワンとナンバーツーが揃ってここにいるんだってさ。迷宮(ダンジョン)があるから貴重なアイテムとかもポンポン出るらしいんだけど、その美味しい利権は大体全部デカい組織に独占されてるんだと。
そのデカい組織ってのが『宗教』『企業(商人)』『反社』の三つ。
これを聞いて私、思わず軟骨をゴリッと噛み砕きながら大爆笑しちゃったよね。
「治安終わってるし、宗教は弱者救わないし、商人は大部分が暗黒メガコーポって事じゃん! ギャハハハ!」
まず『宗教』。こいつらマジでエグい。教会の神官どもは『魔女狩り』とかいう適当ないちゃもんをつけて、スラムの弱者やちょっと見栄えのいい女を嬲りまくってるらしい。魔女認定をちらつかせて実質的な強姦と強盗のやりたい放題。挙句の果てには、広場で生きたまま火炙りにして「こいつ何秒生きられるかなー?」って薄ら笑い浮かべて賭け事までしてるんだってさ。
次に『企業』、つまりデカい商会ども。こいつらは金積んで教会と結託し、『今富める者は前世で善行を積んだから。今貧しき者は前世で大罪を犯したから』っていう、自分たちに都合のいいクソみたいな『前世のカルマ理論』を教義として作り上げたんだと。そのふざけた教義を盾にして弱者を徹底的に虐げ、物価をバカみたいに吊り上げ、裏では人体実験、ヤバい薬(シャブ)、人身売買までガンガン回してるってわけ。
最後に『反社』、裏社会のゴロツキども。こいつらは二派閥に分かれてて、一つは「弱肉強食こそが自然の掟だ!」とか喚いて徹底的に暴力と略奪を正当化する『革新派』。もう一つは「強きを挫き弱きを助く!」なんて任侠気取ってる『保守派』。
「……ん? 任侠気取ってる保守派?」
私はそこまで聞いて、ピタッと口を動かすのを止めた。そして昨日の森での出来事を思い出した。私が顔面フルスイングでぶん殴って、ボルマンのおじさんが塩酸ぶっかけて皮剥いでキャッキャウフフしたあの盗賊のボス。「俺たちがいなけりゃ裏社会の秩序が……俺にも任侠ってモンが……」とか、テンプレみたいな必要悪アピールをほざいてたっけ。
「ギャハハハハハ! 実態は真逆のクソ野郎じゃん! それあいつか! ウケる!!」
私は思い出し笑いで腹を抱えながら、丸ごとの鶏肉をブチブチと引きちぎって胃袋に放り込んだ。外部の人間から『まともな人間おらぬ国』って呼ばれてるのも納得だわ。どいつもこいつも自分の欲望に忠実すぎて清々しいね!
「むぐむぐ……ごくん。でもさぁ」
私は山積みの白パンを十個まとめて口に突っ込みながら、少しだけ冷静に頭を回した。
そんなクソみたいな連中が、何で今までこの街を支配できてるのか。答えは簡単だ。支配者には、それ相応の理由がある。つまり、そいつらが『相応に強い』からだ。人類最強クラスがゴロゴロしてる軍事都市のトップ層なんだ、単に金や権力があるだけじゃなくて、物理的な暴力のレベルも間違いなくぶっ飛んでるはず。昨日見たボルマンのおじさんの商館にいた護衛の衛兵たちですら、今の私が迂闊に手を出せば逆にミンチにされそうなヤバい強さだったしね。
「今“は”弱者の私じゃ、あのトップ層の連中をいきなり頭からバリバリかじるのはどうにもならんねぇ」
食えば食うほど強くなる私の身体だけど、流石にまだ絶対的なパワーが足りてない。それに、目を逸らしてた現実がある。
この目の前にある2トンの極上の飯、今はクロック商会のボルマンのおじさんの金でスラムの連中が買い集めてくれてるけど、飯だってクロックから巻き上げるにも限度がある。いくらあのおじさんがやり手でも、私という底なしのブラックホールを一生養うのは物理的に不可能だ。このまま何もしなければ、いつか金が尽きて共倒れだ。
じゃあ自分で迷宮(ダンジョン)に潜って食料調達するか? いや、利権がガチガチに固められてる迷宮なんて、今の強さじゃ安定した超絶爆食の当てにはそこまでならん。
「んー……他の食費を稼ぐ作戦、本気で考えないと私の胃袋が餓死しちゃうな」
私は最後の一滴までスープを飲み干し、ピカピカになったお皿を背後にポイッと放り投げた。
狂った宗教、搾取するメガコーポ、腐った反社。そして、そんな地獄の底で、私という血まみれのサイコパスを「我らが慈愛の聖女様!」だの「真の神様!」だのと狂信的な目で見つめて祈りを捧げている、このスラムの哀れな連中。
私はダラダラと肉汁と涎を垂らしながら、ふと、前世の知識の片隅にあったある光景を思い浮かべていた。
「……ん? これってさぁ……」
私は、口元をニィッと歪めて笑った。
「神聖4文字(ヤハウェ)が来る前の、腐りきったエルサレムに似てね?」