ああ僕は最後まで無能だった。
そうだ来世は希望になれる
そんな希望を抱き僕は死んだ
……………
僕は気がつくと御曹司となって生まれ変わっていた。
大企業の一人息子、何でもすぐ出来るようになる
期待の息子。
水泳もピアノも勉強だって
前世とは比べものにならないくらい余裕にこなすことが出来た。
そんな順風満帆な人生何をやっても成功する
なんて……なんてつまら素晴らしいんだ。
僕は希望…完璧でなくてはならない……。
……………
「そんなに気負わなくていいんじゃない」
そんな声がかけられる
僕はもっと頑張らなければならないのに……
邪魔をする声が聞こえる。
「落ち着いてー別に今頑張らなくてもなんとかなるなる」
彼女は何も出来ないくせに底抜けに明るい
まるで前世の自分を思わせる無能さには
本当に苛立ちを覚えるのだが
こんなのでも幼なじみだからと完璧な僕は突き放せず
今に至る
「あははー」
彼女は自由だ。
…………
成長するに連れて僕への希望は集まっていく
やれこの部活の助っ人だ、生徒会だ、企業だ、
うんざり最高だった。
「いつもありがとーでも自分で出来たんだから!」
彼女は相変わらずなにも出来ない
僕が助けるだけ
それだけだった。
…………
「ちっ使えねーな」
僕は………僕は一体……
「倒れるなんてそれも我が会社でなんでだ!」
僕は期待に応え続けた。
応えすぎたのかもしれない。
誰も見舞いに来なかったそれでも僕は完璧に完全に
成し遂げなければいけない。
「そんなに気負わなくていいんじゃない」
彼女は絶望……諦めた姿だったはずなのに
「自分で出来たんだから!」
そんなことを言っていたのは
彼女だけだった。
あぁ僕は僕は無能
彼女は絶望的に希望を失わない
何が才能だ!
何が希望だ!
…………
すべてを投げ出し一人になった俺は
海をみていた。
「なーにシリアスぶってんのさ」
彼女は俺を見つけたらしい
一人ではなかった……
今の俺はただの一家庭の希望それでいい
それでいいんだ
…………
彼女は病気になった。
必死になって治療方を探し解決した。
彼女は行方不明になった。
戦争を終わらせ海外から救いだし解決した。
彼女を憎むものが現れた。
世界と富で満ち溢れさせ嫉妬なんてなくなるようにした。
彼女は絶望何処までも失敗し、困難に立ちふさがられ
それでも諦めず生存する。
僕は希望何処までも成功し、困難を打ち消すもの
それでも諦め死を考えるもの。
二人で一つこれは生まれてから変わることのない
才能のつかみ取りによる
運命の結果だ。
これでいいんだ
世界はこれで回っている。
世界に絶望と希望を乗せて。