ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
約1ヶ月間お付き合いいただき、重ねて感謝申し上げます。
この本を作ったきっかけは、
自分自身のメンタルを少しでも回復させるためでした。
作者自身、仕事で疲れて呼吸のしづらい毎日を過ごしていました。相談できるような相手もなかなかおらず、仕事中に動悸がしたり、自宅に帰ってきたら居間に行くのもつらくて、玄関で時間を過ごしたりする日々でした。
ついに先日倒れそうになって自分で救急車呼びましたが…。
しかし、
トリッカルのギデオンというキャラクターに出会い、
その生い立ちや性格に、どこか自分と重なるものを感じました。
気づけば、ギデオンに
救われているような気持ちになっていました。
この小説を何度も書いて、何度も読み返すうちに、
少しずつですが、気持ちが落ち着いていくのを感じました。
もしかすると、同じように疲れている誰かにも、
届くことがあるかもしれない。
そう思い、この本を形にしました。
刊行に関しては本当に初めてだったので、
ページが左右逆になってしまいましたが、
内容に問題はないと思います。
疲れた時、
何もしたくない時、
理由もなくしんどい時。
そんな時に、ふと思い出してもらえたら嬉しいです。
少しだけでも、
呼吸が楽になる時間になりますよ
うに。
少しだけ、ギデオンの声で。
「ここまで、小説を読んでくれてありがとう。」
「少しでも、ボクの言葉が
キミに届いていたら、嬉しい。」
「でも、たぶんね。」
「これからも、悩むことはあるし、
どうしようもないって思う日も、来ると思う。」
「頑張らなきゃって思ったり、
うまく呼吸ができなくなったり。」
「そんな日も、あるよね。」
少し間。
「……曇りの日みたいだね」
ギデオンは外を見る。
光はあるけど、少しやわらかい。
「晴れてるときみたいに、うまく動けなくても」
ぽつり。
「見えなくなってるだけで」
「なくなってるわけじゃないよ」
少し間。
「休める場所も」
「軽くなれる時間も」
「ちゃんと、どこかにある」
視線を少し戻す。
「今日は、曇りでもいい」
「無理に晴らさなくていい」
小さく息を吐く。
「その日の調子に、合わせていいよ」
少しだけ笑う。
「ボクは、たぶん」
「だいたい、あの洞窟にいるから」
少し間。
「来たくなったら、来ていいよ」
ぽつり。
「何も持ってなくても」
「座っているだけでも、いいから…」
ギデオンは外を見ている。
曇り空の下、
ふたりの影は、あまり濃くない。
でも、
ちゃんと地面に落ちている。
少しだけ、風が動く。
洞窟の入り口にかかる風鈴が、かすかに鳴る。
からん、と。
その音は、小さくて、
すぐに消えてしまいそうなのに、
どこかで、ちゃんと残っている。
見えないけれど、
なくなってしまうわけでもなくて、
ただ、静かにそこにある。
そんなふうに、
この時間も、
どこかに残ってくれたらいい。