【架空ゲーム】男性アイドルVTuber育成ゲーム『きらめきぼし☆ステラプロジェクト』【シナリオ集】 作:くれは*
1:楽しく踊りたい
[背景: 大学の中庭 簡素なステージ]
[SE: 賑やかな声]
[背景: ステージ裏]
センター: 次、俺たちだな。
メンバーA: ミスるなよ。
一年生A: ……。
颯太: はい、頑張ります!
メンバーA: 頑張れよ。
一年生A: ……。
センター: よし、行くぞ!
メンバー: おー!
[背景: 簡素なステージ]
颯太: (やっぱり、センターの先輩は上手い。プロになりたいって言ってたもんな)
颯太: (中心メンバーも、みんな上手だ)
颯太: (でも、周囲は……特に一年生はそこまでじゃない)
颯太: (それに、みんながプロになりたいわけじゃない)
颯太: (俺も……楽しく踊りたいってだけで、プロになりたいわけじゃないし)
一年生A: あっ……。
颯太: (崩れた)
颯太: (右のターンが早い)
颯太: (俺が半拍落とせば、ラインは揃う)
一年生A: ……!
颯太: (大丈夫)
颯太: ……。
颯太: (先輩たちのペースが、早い)
颯太: (後ろの負荷を考えずに、どんどん飛ばしてる。これだけ踊れるのはさすがだけど……)
一年生B: ……。
颯太: (動きが止まりそうだ)
颯太: (止まりたくない)
颯太: (顔をあげてくれ……!)
一年生B: ……ありがとう。
颯太: (せっかくみんなで踊ってるんだ)
颯太: (みんなで踊るから、楽しいんだ)
[背景: ステージ裏]
メンバーA: 一年、何回か振り間違えてただろう。
一年生A: あ、す、すみませ……。
颯太: ……。
颯太: (せっかく、楽しく踊れたのに)
颯太: すみません! 先輩たちの動きが凄すぎて、ついていけませんでした!
メンバーA: ……ちゃんと練習しろよ。
颯太: (せっかく、みんなで楽しく踊ったんだ)
颯太: (それだけで良い)
メンバーB: 打ち上げの場所と時間、メッセージで送った通りです。遅刻厳禁。では解散。
2:あなたが良い
[背景: 大学の中庭 ステージ近く]
{{プロデューサー名}}: あの、さっきの舞台、見てました。
颯太: え、俺、ですか?
{{プロデューサー名}}: はい、あなたをスカウトしたいんです。
[背景: 名刺]
ステラプロダクション。
プロデューサー。
[背景: 大学の中庭 ステージ近く]
颯太: 俺? どうして俺を? もっと上手な人、いっぱいいるのに。
{{プロデューサー名}}: そうですね。特にセンターの人はとても上手でした。
{{プロデューサー名}}: でも、わたしはあなたが良いと思ったんです。
颯太: ……俺が?
{{プロデューサー名}}: あなたは、振りを間違えたメンバー、ついていけないメンバー、
{{プロデューサー名}}: そういう人たちと視線を合わせていました。
{{プロデューサー名}}: 誰も、置いていかなかった。
颯太: そんな大袈裟なものじゃないです。
颯太: 俺はただ……俺が楽しく踊りたかっただけで。
{{プロデューサー名}}: それでも、あなたが動くと、みんなの動きが柔らかくなっていました。
颯太: たまたま……だと思います。
颯太: センターの人みたいな、上手い人に引っ張られているチームですよ。
{{プロデューサー名}}: でも、チームとしてダンスが気持ち良かったのは、あなたがいたからです。
颯太: (そう……なのかな)
{{プロデューサー名}}: あなたは、誰かと一緒にいることで力を発揮する人です。
{{プロデューサー名}}: そしてわたしは、そういうユニットを作りたいと思っています。
{{プロデューサー名}}: だから、あなたが良いんです。
颯太: ユニットって……ダンスか何か、ですか?
{{プロデューサー名}}: アイドルVTuberです。
颯太: VTuber……?
{{プロデューサー名}}: はい。
{{プロデューサー名}}: 歌ったり、踊ったり、もちろん配信もしてもらいます。
{{プロデューサー名}}: あなたの力が発揮できる場所だと思います。
颯太: 誰かと一緒に……?
{{プロデューサー名}}: はい。ユニットで。あるいは、視聴者と一緒に。
[背景: 名刺]
颯太: (……先輩は、いつかここを出ていく)
颯太: (誰も置いていかない)
颯太: (みんなで楽しく踊れる場が、もし、あるなら……)
颯太: 俺……やってみたいです。
[END]