【架空ゲーム】男性アイドルVTuber育成ゲーム『きらめきぼし☆ステラプロジェクト』【シナリオ集】 作:くれは*
1:29歳
[背景: オフィス]
社員: 備品のチェックってやりました?
遼: あ、この後やる予定です。
遼: 今勤怠のチェックやってるので、30分後くらいには。
社員: わかりました。
社員: 手紙の方はやっておきますね。
遼: ありがとうございます。よろしくお願いします。
遼: (今日もいつも通り……)
[背景: ノートPCのモニタ]
チャット: すみません、勤怠修正漏れていました。
チャット: 今からでも間に合いますか。
遼(チャット): 大丈夫ですよ。
遼(チャット): 今日中にお願いします。
チャット: ありがとうございます。
チャット: 急ぎ修正します。
[背景: オフィス]
遼: (トラブルってほどのトラブルはなし)
[背景: オフィスの休憩スペース 昼間]
遼: (あ、このサラダ、ドレッシングついてたのか)
遼: (買い足しちゃった……ま、仕方ないか)
遼: (冷蔵庫入れといて今度使おう)
遼: いただきます。
[背景: スマホ画面]
記事タイトル: 28歳元アイドル、次はVTuberに挑戦
[背景: オフィスの休憩スペース 昼間]
遼: 28歳。
遼: (僕と同年代……)
遼: (挑戦、か)
[背景: スマホ画面]
遼: (28歳。数年前に所属していたアイドルグループが解散)
遼: (アイドルは諦めていた)
遼: (でも、アイドルVTuberとして活動予定)
遼: (誰なのか、アイドルグループについても書かれてない)
コメント: 今28歳で数年前解散したアイドルって、ノーザンじゃね?
コメント: タイミング的にはShootingStarもそれっぽい
コメント: 地下アイドル含めると、かなりの候補あるくない?
コメント: どうせ大したことない経歴だろ、宣伝記事なんだから
[背景: オフィスの休憩スペース 昼間]
遼: (そうか、そう言う選択もあるのか)
遼: (僕は、何か選択してきたのかな……)
遼: (……別に、選択したいと思ったこと、なかったもんな)
遼: (このまま、選択しないまま、30歳になって)
遼: (それで良いのかな)
2:年齢を言い訳に
[背景: 遼の部屋 夜]
遼: (28歳、VTuberに挑戦、か)
[背景: ノートPCのモニタ]
遼: (何度も見たからって、何かわかるわけでもないけど)
遼: (……アイドルVTuberってどういう感じなんだろう)
遼: (アイドルだし、やっぱりきらきら華やかで)
遼: (VTuberだからネットで活躍する……)
遼: (よく、わからないな)
遼: (僕には遠すぎる)
遼: (歌うだけなら、少しはできるかも)
遼: (ダンスだって、練習すれば少しは動けるかも)
遼: (でも、僕は圧倒的に地味だよな)
遼: (面白い話ができるわけでもないし)
[背景: 遼の部屋 夜]
遼: ……。
遼: (何を真面目に考えてるんだろう)
遼: (なりたいわけじゃないのに)
[背景: ノートPCのモニタ]
記事: 年齢を言い訳にするのは、やめたんです。
[背景: 遼の部屋 夜]
遼: (言い訳、か)
遼: (僕は言い訳ばかりだ)
遼: (年齢)
遼: (地味)
遼: (臆病)
遼: ……。
遼: (でも)
遼: (言い訳をやめたとして、何がしたいんだろう)
遼: (……わからない)
遼: (ずっと、そうだった)
遼: (何かを始める前に、どうせ、と思ってきた)
遼: (夢とか、目指すものとか)
遼: (そういうものを、持ったことがなかった)
[背景: ノートPCのモニタ ステラプロダクションサイト]
サイト: 男性アイドルVTuberオーディション
[背景: 遼の部屋 夜]
遼: (年齢、不問)
遼: (少なくとも、年齢は言い訳にできない)
遼: (アバターを使うVTuberなら、地味さも言い訳にできないかもしれない)
遼: (臆病さは……)
遼: (捨ててみても、良いのかもしれない)
遼: (したいかどうかは、まだわからない)
遼: (でも、選ぼうとしているのは、本当かもしれない)
遼: (何もしないで30歳になるくらいなら)
[背景: ノートPCのモニタ 応募フォーム]
遼: (……選ぼう)
[演出: 暗転]
[背景: 遼の部屋 朝]
遼: ……。
遼: (昨日、送った)
遼: (どうなるかは、わからないけど)
遼: (こういう気持ちで朝を迎えたのは、初めてかもしれない)
[END]