【架空ゲーム】男性アイドルVTuber育成ゲーム『きらめきぼし☆ステラプロジェクト』【シナリオ集】 作:くれは*
1:キャリアとか
[背景: 湊斗の部屋]
湊斗: ……。
[背景: PCのモニター ビデオチャット画面]
社員A: チケット7683のスケジュールは少し押してます。
社員A: 原因はインシデントで時間を取られたことです。
社員B: でも、7692はリリース日決まってますし、こっちが優先ですよね。
湊斗: ……7692が優先で大丈夫です。
湊斗: 7683はリリース伸ばせます。
湊斗: なのでもし7692が遅れそうなら、そっちのヘルプに回ってください。
社員A: わかりました。
湊斗: 7692が終わったら、改めて7683のスケジュールを判断しましょう。
湊斗: それで、並行して7695の検討も進めましょう。
社員B: 了解です。
湊斗: じゃあ、方針はメモしておきますね。
湊斗: スケジュールについては以上です。
湊斗: 他に困っていることはありますか?
[背景: 湊斗の部屋]
湊斗: 終わったー。
湊斗: (一応は、プログラマーなんだけどな)
湊斗: (マネージャーやってる時間の方が長い気がする)
湊斗: (役割だから仕方ないけど)
湊斗: (それとも、プログラマーとしては大したことない、ってことかも)
湊斗: わっかんないよな、キャリアとか。
湊斗: ……。
湊斗: さ、仕事しよ。
[演出: 暗転]
[背景: 湊斗の部屋 昼]
湊斗: いただきまーす。
[背景: スマホの画面]
記事: 28歳元アイドル、次はVTuberに挑戦
湊斗: 挑戦、ね。
[背景: 湊斗の部屋 昼]
湊斗: (28歳さんがどこの誰なのか、記事には書かれてないな)
湊斗: ちょっと調べたらわかりそうなもんだけど、
湊斗: それはまあ、野暮ってものかな。
2:可能性
[背景: 湊斗の部屋 昼]
湊斗: ……。
[背景: スマホの画面]
記事: VTuberなら可能性がある、と言われたんです。
[背景: 湊斗の部屋 昼]
湊斗: 可能性。
湊斗: (曖昧な言葉だ)
湊斗: (パーセンテージは気分で容易に恣意的に上下する)
湊斗: 奇跡とあんまり変わらないよなあ。
湊斗: (結局のところ、話し手にとって都合の良い何かでしかない)
湊斗: (そんな曖昧なものに、人生を預けられるのかな)
[背景: スマホの画面]
記事: 28歳元アイドル、次はVTuberに挑戦
[背景: 湊斗の部屋 昼]
湊斗: (俺は26歳)
湊斗: (2歳差なんて、似たり寄ったりかもしれないけど)
湊斗: 可能性。
湊斗: (俺にはあるのかな)
湊斗: (プログラマーとしての可能性?)
湊斗: (それとも、マネージャーとしての可能性?)
湊斗: (……あれ、今これ、俺って人生の転期ってやつじゃないか?)
湊斗: 人生の転期。
湊斗: (このままプログラマーを続けるのか)
湊斗: (本格的にマネージャー業を引き受けるのか)
湊斗: (あるいは……他の選択肢)
湊斗: 他の選択肢?
湊斗: (そう、例えばこの28歳さんが、VTuberになるみたいな)
湊斗: ……。
[背景: スマホの画面]
記事: VTuberなら可能性がある、と言われたんです。
[背景: 湊斗の部屋 昼]
湊斗: (この人に会ってみたいな)
湊斗: (それで、本当の言葉を聞いてみたい)
湊斗: 可能性を、信じているのか……って。
[背景: スマホの画面 オーディションサイト]
サイト: 男性アイドルVTuberオーディション
[背景: 湊斗の部屋 昼]
湊斗: (このオーディションに受かれば、この人に会えるかもしれない)
湊斗: (でも、それって)
湊斗: (俺が「可能性を信じた」ってことに、なるじゃないか)
湊斗: ……。
湊斗: 人生の転期、か。
湊斗: なら、ありかも。
[END]