【架空ゲーム】男性アイドルVTuber育成ゲーム『きらめきぼし☆ステラプロジェクト』【シナリオ集】 作:くれは*
恒常R《今は秘密》有明 濃藍 / 志倉 央
1:【初配信】新人VTuber、実は元アイドル【有明濃藍/切り抜き/ステラ】
濃藍: 人間に紛れて暮らしてきた悪魔、です。
濃藍: 年齢は……忘れちゃった。
濃藍: 長く生きてると、数えるの面倒になっちゃうんだよね。
濃藍: 誕生日は6月6日。悪魔の日、だよ。
濃藍: プロフィールは、こんな感じ。
コメント: 元アイドルって本当?
コメント: 元アイドル、気になる!
濃藍: 元アイドルの話?
濃藍: それ、聞いちゃう?
濃藍: 初配信で?
濃藍: どうしようかな。
コメント: 聞きたい
コメント: 教えてほしい
濃藍: んー……
濃藍: でも、やっぱり今は秘密。
濃藍: また今度ね。
コメント: えー
コメント: 聞きたい
コメント: 聞かせてほしい
濃藍: この先、多分話す機会はあると思うから、
濃藍: それまでのお楽しみってことで。
コメント: ちょっとだけでも
コメント: 聞きたいな
濃藍: うーん、そうだな、
濃藍: 悪い思い出じゃないんだよ。
濃藍: 長く生きてきた中で、
濃藍: 眩しいくらいに楽しかった思い出で、
濃藍: もちろん、楽しいばっかりじゃなかったけどね、
濃藍: それでも、俺の中では大事な思い出なんだ。
濃藍: だから、話すのも大事に、ね。
濃藍: そのうち、ゆっくりと、話せたら良いなって思ってるよ。
濃藍: 今はこのくらいで、我慢してほしいな。
濃藍: 続きは、俺のこと、もっと知ってから、ね。
[END]
恒常SR《大切な場所》有明 濃藍 / 志倉 央
1:こだわりってほどじゃないよ
[背景: 事務所 休憩スペース]
遼: お疲れ様でした。
湊斗: お疲れ様でした。
央: お疲れ様。
[SE: コーヒーを注ぐ音]
央: ……。
央: (んー……)
湊斗: 央さん、どうかしましたか?
央: ん、コーヒーが、ちょっと気になって。
遼: 気になる、といいますと?
央: なんか、ちょっと……薄いかな、って。
湊斗: コーヒー、詳しいんですか?
央: 詳しくはないですよ。
遼: こだわり、あるんですか?
央: こだわりってほどじゃないけど。
央: ……。
央: (ただ、気になるものは気になる)
遼: ……でも、気にはなるんですね。
央: そうなんだよね。
央: ……ああ、でも、
央: こういうの、こだわり、っていうのかな。
湊斗: こだわりだと思いますよ。
央: 確かに、そうかもしれないですね。
2:コーヒーメーカーの件
[背景: 事務所]
宮本: お疲れ様です。
央: お疲れ様です。宮本さん、少しいいですか?
宮本: はい、なんでしょうか。
央: 休憩スペースのコーヒー、どこのやつ使ってますか?
宮本: インスタントのものですけど。
央: いや、インスタントか……。
宮本: 何かありましたか?
央: その……コーヒーメーカー、置けないかな、と思って。
宮本: コーヒーメーカー、ですか。
央: はい。ドリップのシンプルなやつで良くて。
央: みんなで使えるし、あった方が良いかなと思って。
宮本: 予算の確認が必要になりますが、検討はできると思います。
央: ありがとうございます。プロデューサーにも話してみます。
宮本: ……央さんってコーヒー好きなんですね。
央: そうですね。好みはあるかな。
央: でも、それだけじゃなくて……。
央: ……。
央: (コーヒーメーカーを、と思ったのは)
央: (ここをもう少し良くしたいと思ったから)
央: (ここを……)
[一枚絵: 休憩スペースのコーヒーカップを手に持ち、窓の外を見ている央。静かな、少し意外そうな表情]
央: (こだわっているのはコーヒーというより)
央: (この場所、なのかもしれない)
央: (いつの間にか)
央: (ここが大切な場所になっている)
[背景: 事務所]
宮本: それだけじゃなくて?
央: いや、なんでもないです。
央: 美味しいコーヒーの方が、良いかなって思ったんです。
央: (大切な場所)
央: (……悪くないな、こういうのも)
[END]
恒常SSR《きらめきぼし☆》有明 濃藍 / 志倉 央
1:身体が覚えている
[背景: 配信スタジオ]
スタッフ: では、両手を水平にあげてください。
央: はい。
央: ……。
央: (ああ、身体が整ってしまっている)
央: (背筋、肩の位置、視線の高さ)
央: (誰かに言われたわけじゃない)
[演出: 背景モノクロ]
[背景: ステージから見た客席]
央: (……あの頃も、こうだった)
[演出: 背景モノクロ終了]
[背景: 配信スタジオ]
央: (懐かしいとか、嬉しいとか)
央: (案外感じないものだな)
央: (ただ、まだこうなるんだな)
央: (体に、染み付いているのかも)
スタッフ: じゃあ、軽く踊ってみてください。
央: はい。
央: ……。
央: (若い子たちは元気だね)
央: (笑ったり、照れたり、はしゃいだり)
央: (遼さんと湊斗さんは……ちょっと戸惑ってる、か)
央: (俺だけが……当たり前のように、受け入れている)
央: (どうしようもないな、こういうのはさ)
スタッフ: 大丈夫そうです。ありがとうございました。
央: ありがとうございます。お疲れ様でした。
央: ……。
央: (まだ、肩の力が戻らない)
央: (見られる緊張って、あるよな)
2:今、
[背景: レッスンスタジオ]
ボイストレーナー: ブリッジのMorning Moonのパート、
ボイストレーナー: 「今」と一言だけですが、
ボイストレーナー: 一言だからこそ、とても重要です。
央・遼・湊斗: はい。
[背景: 楽譜]
変わりたい 変われない もがきながら それでも
僕らは いつだって 進んでゆくんだ
歩き出そう……
今、
[背景: レッスンスタジオ]
央: ……。
央: (変わりたいも、進んでゆくも)
央: (若いな)
央: (確かに、ここは俺たちのパートに向いてない)
央: (でも……「今」か……)
央: (感情も理由も挟む余地がない)
ボイストレーナー: では、今、の部分を歌ってみましょう。
央・遼・湊斗: はい。
[SE: 手拍子]
ボイストレーナー: 歩き出そう……♪
央・遼・湊斗: 今♪
ボイストレーナー: もっと力強く歌っても良いと思います。
央・遼・湊斗: はい。
ボイストレーナー: ではもう一回──
央: ……。
央: (これは……)
央: (逃げ道がない、な)
3:続いていた
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
スタッフ: では、本番行きます。
スタッフ: 5、4、3、2、1、スタート!
[BGM: きらめきぼし☆ インスト]
央: ……。
央: (気持ちは意外と落ち着いている)
央: (あの頃より、ずっと)
央: (落ち着いている)
央: (他のメンバーの動き)
央: (衣装のきらめき)
央: (全体の歌声)
央: (……もうすぐブリッジだ)
[背景: モニター画面 本番映像]
今、
[演出: 背景モノクロ]
[背景: ステージから見上げる並んだ眩しいライト]
央: (……かつてのステージも)
央: (こういう光の中に、立っていた)
[演出: 背景モノクロ終了]
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
央: ……。
央: (ああ、そうか)
央: (変わるための今じゃない)
央: (進むための今でもない)
央: (すでに、ここに立っている)
央: (ただ、それだけの「今」だ)
[背景: モニター画面 本番映像]
今 彩るステージで 感じる鼓動
[SE: 歓声]
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
央: ……。
央: (鼓動が)
央: (高鳴っているわけじゃない)
央: (ただ、確かに鳴っている)
[一枚絵: きらめきぼし☆を着て歌う有明濃藍のアバターと、それに重なる央の「まだ立っているな」という静かな確認の表情]
央: (終わったと思っていた)
央: (あの頃のこと、みんな)
央: (でも、今、ここに立っている)
央: (全部、続いていたのかもしれない)
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
[BGM: きらめきぼし☆ インスト 終了]
[SE: 歓声]
[SE: 拍手]
央: ……まだ、立っているな。
[END]