【架空ゲーム】男性アイドルVTuber育成ゲーム『きらめきぼし☆ステラプロジェクト』【シナリオ集】 作:くれは*
恒常R《地味なエルフ》朔月 群青 / 時任 遼
1:【初配信】地味エピソードが切ない自称地味なエルフ【朔月群青/切り抜き/ステラ】
群青: とっても不安だったんですけど、
群青: 正直、今もとっても不安なんですけど、
群青: こうしてコメントをたくさんいただけて、
群青: とても心強いです。
群青: ありがとうございます。
コメント: 頑張れー
コメント: 何がそんなに不安?
群青: だって、私、
群青: 地味じゃないですか。
群青: 歌が特別に上手いわけでもないし、
群青: ダンスだってそこまで動けないし、
群青: 極め付けに、ただの地味な……エルフでしかなくて。
コメント: エルフの時点で地味じゃないw
コメント: 地味なエルフってなんぞ
群青: 人間に紛れて暮らしている私、
群青: 本当に地味なんですよ。
群青: この前も、コンビニで
群青: お箸くださいって言ったけど、
群青: 入れ忘れられたくらい地味なんです。
コメント: それはかわいそう
コメント: それは地味だからじゃなくないか
コメント: どんまい
コメント: なのにどうしてVTuberに?
群青: VTuberを目指したのは、
群青: 濃藍さんのおかげですかね。
群青: 長い人生の中で、
群青: ただ静かに暮らすだけじゃない
群青: こういう挑戦をしても良いんじゃないかって
群青: そう思ったんです。
群青: 濃藍さんは、人にそう思わせる力がありますね。
コメント: さすが悪魔
[END]
恒常SR《スマホは冷やさない》朔月 群青 / 時任 遼
1:書類の提出
[背景: 事務所の会議室]
遼: あの、お節介かもと思ったんですが、
遼: 先日の同意書、お二人の分も印刷してきました。
遼: サインして提出するだけになっています。
央: ああ、あの同意書。
央: 忘れるところでした。助かります。
湊斗: 締切まで時間あるし、まだ良いかと思ってました。
遼: いえ、勝手にすみません。
遼: でも、打ち合わせのついでに提出できれば
遼: 楽だな、と思ってしまって。
遼: こういう事務系は、早めに提出しないと、
遼: どうにも落ち着かないんです。
央: いえ、どこかでやらないといけないことですし、
央: 助かります。
央: これですね……サインはここ、と。
湊斗: 遼さんて、しっかりしてますよね。
遼: いえ、しっかりしてるというか、
遼: 性分ですね。
遼: 仕事だと、こういうの提出してもらう側だったので、
遼: 早めに出してもらうと助かるの、知ってるんですよ。
遼: だからどうしても、気になってしまって。
央: これでよし、と。
湊斗: 俺も書けました。
遼: じゃあ、打ち合わせ前に、宮本さんに渡してきますね。
央: じゃあ、お任せしちゃいますね。
湊斗: ありがとうございます。
遼: いえ、たいしたことじゃないですよ。
2:冷蔵庫にスマホ
[背景: レッスンスタジオ 朝]
[SE: ドアが開く]
央: おはようございます。
湊斗: あ、おはようございます。
央: あれ、遼さんはまだなんですね。
央: いつも早く来てるイメージあったんですけど。
湊斗: 央さん、朝に遼さんに会うの、はじめてでしたっけ。
央: ……言われてみれば、そうですね。
湊斗: 遅刻はしないと思います。
湊斗: さっきモーニングコールしましたから。
央: 朝、弱い人なんですか?
湊斗: 弱いというか……。
[SE: ドアが開く]
遼: ……。
湊斗: あ、きた。
央: おはようございます。
遼: ……はい。
遼: ……。
[SE: 冷蔵庫のドアが開く]
[一枚絵: スマホを冷蔵庫に入れようとする遼]
遼: ……。
湊斗: 遼さん?
遼: ……スマホ。
湊斗: はい、スマホですね。
遼: ……冷蔵庫、ですね。
央: 冷蔵庫ですね。
遼: ……。
湊斗: 冷やす予定、ありました?
遼: ……ないですね。
[背景: レッスンスタジオ 朝]
[SE: 冷蔵庫のドアが閉まる]
遼: ……おはようございます。
央: 起きて、なさそうに見えますが……。
遼: 起きては、います。
遼: ……。
央: バッグ、そっちですよ。
遼: ありがとうございます。
湊斗: 今、どこまで起きてます?
遼: 半分くらい、でしょうか。
央: ストレッチでも、しましょうか。
湊斗: そうですね。
遼: ……はい。
[演出: 暗転]
[背景: レッスンスタジオ 朝]
湊斗: もう、起きました?
遼: 今、起きました。
遼: もう、大丈夫です。
[END]
恒常SSR《きらめきぼし☆》朔月 群青 / 時任 遼
1:ときめき
[背景: レッスンスタジオ]
ボイストレーナー: 今日はサビを中心に歌いましょう。
央・遼・湊斗: よろしくお願いします。
ボイストレーナー: 志倉さんは、安定してますね。
ボイストレーナー: 経験がある分、他の人を引っ張るつもりで。
央: はい。
ボイストレーナー: 時任さんは、音程は取れているし、歌詞も入っていて、良い感じですよ。
ボイストレーナー: あとはとにかく、表情を明るく、楽しそうに。
遼: ……はい。
ボイストレーナー: 三浦さんは、もうちょっと声に気持ちが乗ると、良いと思います。
ボイストレーナー: 声量が不安定になる瞬間もあるので、腹筋を意識してくださいね。
湊斗: はい。
遼: (明るく……)
遼: (楽しそうに……)
[背景: 楽譜]
今 胸のときめき 感じてるでしょ?
[背景: レッスンスタジオ]
ボイストレーナー: 時任さん、表情が硬いですよ。もう少し楽しそうに。
遼: はい。
遼: ……。
遼: (ときめき)
遼: (楽しそうに、というのも難しい)
遼: (そもそも、ときめいたことが)
遼: (僕には、あるんだろうか)
ボイストレーナー: 今のところ、もう一回いきましょう。
央・遼・湊斗: はい。
遼: ……。
遼: (きらめきぼし☆)
遼: (きらめく星)
遼: (それが、僕に歌えるんだろうか)
2:群青さん
[背景: 配信スタジオ]
スタッフ: 今日は共通衣装のチェックだけです。
スタッフ: よろしくお願いします。
遼: はい。よろしくお願いします。
スタッフ: まずは両手を水平にあげてください。
遼: はい。
スタッフ: そのままゆっくり回ってください。
遼: はい。
[背景: モニター 衣装チェック映像]
遼: ……。
遼: (……きらきらしている)
[背景: 配信スタジオ]
スタッフ: じゃあ、軽く踊ってもらえますか。
遼: はい。
[背景: モニター 衣装チェック映像]
遼: (動くと、光が入る)
遼: (……群青さんは、きらめくんだな)
[背景: 配信スタジオ]
スタッフ: はい、大丈夫そうです。ありがとうございました。
遼: ありがとうございます。お疲れ様でした。
遼: ……。
遼: (きらめいていた)
遼: (僕が動かしているのに)
遼: (群青さんは、アイドルなんだな)
遼: (僕は……違うのに)
遼: (本当に、僕が動かしても良いんだろうか)
3:ただ
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
スタッフ: では、本番行きます。
スタッフ: 5、4、3、2、1、スタート!
[BGM: きらめきぼし☆ インスト]
遼: ……。
[BGM: きらめきぼし☆ インスト 終了]
[SE: 歓声]
[SE: 拍手]
遼: ……。
遼: (終わった……?)
遼: (もう、終わってた……)
遼: (頭、真っ白だった)
遼: (何も……)
遼: (地味だとか)
遼: (似合わないとか)
遼: (僕が動かして良いものかとか)
遼: (そんなのも、全部)
遼: (頭の中に、何もなかった)
遼: (ただ、歌っていた)
遼: (ただ、踊っていた)
[一枚絵: モニターに映る朔月群青のアバターと、その前に佇む遼の、地味も臆病も消えた、ただそこにいる顔]
遼: (……群青さん、やっぱりきらめいている)
遼: (僕、ちゃんと群青さんを動かせただろうか)
遼: (わからない、でも……)
遼: (そんなことも、全部)
遼: (吹っ飛んだ)
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
遼: (初めて、だ)
遼: (こんなの……)
遼: (ときめき……こういうことか)
[END]