【架空ゲーム】男性アイドルVTuber育成ゲーム『きらめきぼし☆ステラプロジェクト』【シナリオ集】 作:くれは*
恒常R《感情はある》K / 城戸 恒一
1:【初配信】アンドロイドも感情ある?【K/切り抜き/ステラ】
コメント: ゲーム配信とかやらないの?
K: ゲーム……
K: 最近は馴染みがないので
K: できるかどうかは、わからない。
コメント: 最近は?
コメント: 前はやってた?
K: そうだな、
K: 子供……人間で言えば子供の頃、となるだろうか、
K: 製造されて数年から十数年の間、だな。
K: 多分、
K: アンドロイドとしての、性能試験でもあったように思う。
コメント: どんなゲーム遊んでたの?
コメント: それで製造年がわかるね。
K: ……当時人気のあったゲームを
K: プレイしていたき……記録、が残っている。
K: ただ、ここ数年はプレイしていないので、
K: 当時と同じように現在もゲームをできるかは、
K: 怪しいと推測する。
コメント: もし配信するなら、どんなゲームやってみたい?
K: ……どうだろうか。
K: 最近のゲームに詳しくないので、
K: まずは調査が必要だと判断する。
コメント: ホラーゲームやってほしい
コメント: ホラーって平気?
K: そういった希望があることは理解した。
K: 検討してみよう。
K: ホラーというのは、恐怖を題材としたジャンルだ。
K: 恐怖という感情を表現することは、
K: 私にも感情があるということを
K: 証明する機会になるかもしれない。
コメント: 感情あるの?
コメント: アンドロイドも感情ある?
K: 感情はある。
K: そのように造られた。
K: そう、聞いている。
[END]
恒常SR《Kとして》K / 城戸 恒一
1:気持ちを乗せる
[背景: レッスンスタジオ]
ボイストレーナー: だいぶ安定してきましたね。
ボイストレーナー: 城戸さん、もう少し……そうですね、
ボイストレーナー: 気持ちを乗せて歌ってみてください。
恒一: はい。
[演出: 暗転]
[背景: レッスンスタジオ]
ボイストレーナー: では、今日はここまでです。
ボイストレーナー: お疲れ様でした。
恒一・律: ありがとうございました。
恒一: ……雨谷くん、少し聞いても良いだろうか。
律: はい、何ですか?
恒一: 「気持ちを乗せる」というのは、具体的にどういう状態のことを言うのだろうか。
律: ……え?
恒一: 声は、声帯の振動が空気を伝わって届くものだ。
恒一: 気持ちというものは、物理的には音波に乗るわけではないように思う。
恒一: 何らかの技術的な操作のことだろうか。
恒一: 声の強さ、抑揚、テンポ……
律: ははっ。
恒一: 笑うということは、見当違いのことだっただろうか。
律: いや、違います。
律: 言ってることは正しいと思いますよ。
律: ただ……なんか、恒一さんらしいな、と思って。
恒一: ……どういう意味だろうか。
律: 「気持ちを乗せる」って……そうだな、
律: 例えば、演技でセリフならイメージできますか。
律: 今日楽しみな予定がある日の「おはよう」と、
律: 悲しいことがあった日の「おはよう」は、
律: 違いますよね。
恒一: それは……感情によって、抑揚やトーンが変わる、
恒一: ということのように思う。
律: そうです。
律: 歌も同じかな、と僕は思っています。
律: 悲しい歌は悲しく歌うし、
律: 明るい歌は明るく歌う。
恒一: ふむ……。
恒一: 考えてみよう。
2:Kの感情
[背景: レッスンスタジオ]
恒一: (気持ちを乗せる)
恒一: (感情によって、抑揚やトーンが変わる)
恒一: (感情……)
恒一: (表現すべき感情が、わからないな)
恒一: ……。
恒一: (これは、Kが歌う歌だ)
恒一: (であれば、ここで表現すべきはKの感情なのではないだろうか)
恒一: (Kは、この歌でどんな感情になるのだろうか)
恒一: (設定では、Kにも感情はある、らしい)
恒一: (では、Kは歌うとき、何を感じているのだろうか)
恒一: (Kの目的は、多次元重複現象の分離の観測)
恒一: (そして、歌うことは、その分離現象を引き起こすこと)
恒一: (目の前で観測ができる、それは……)
恒一: (……興奮、するかもしれない)
[一枚絵: Kとして、興奮の感情を表現する恒一]
恒一: 多次元重複現象を観測した。
恒一: そして、歌が分離現象を引き起こすことも観測できた。
恒一: 仮説は正しかった。
恒一: 実験は成功だ!
[背景: レッスンスタジオ]
恒一: (そうか、こんな気持ちで歌えば良いのかもしれない)
恒一: (Kとして、Kの気持ちを乗せて)
[END]
恒常SSR《きらめきぼし☆》K / 城戸 恒一
1:見つけてみせる
[背景: 恒一の部屋]
恒一: (全体曲)
恒一: (全員で歌う歌)
[背景: 楽譜]
君の音が 途切れてしまって 聞こえなくても
僕はきっと 見つけてみせる 顔をあげてよ
[背景: 恒一の部屋]
恒一: (君とは誰だろう)
恒一: (……観客への呼びかけ、だろうか)
恒一: (聞こえなくなった音を見つける)
恒一: (どうやって……)
恒一: (残響を拾う)
恒一: (こちらから音を出して、その反響を確認する)
恒一: (あるいは周波数とか)
恒一: (赤外線とか)
恒一: (いや……)
恒一: (そういうこと、ではないんだろうな)
[背景: 楽譜]
僕はきっと 見つけてみせる 顔をあげてよ
[背景: 恒一の部屋]
恒一: 見つけてみせる、か。
恒一: (これは、観客を見つける歌、ということだろうか)
恒一: (もしそうなら、観客は見つけてもらうために)
恒一: (ライブに行くのかもしれない)
恒一: (それが、ライブを成立させる何かだろうか)
恒一: (ライブを成立させる何か)
恒一: (見つけられるだろうか)
2:Kとして
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
スタッフ: 本番まであと少しです。
スタッフ: みなさん、スタンバイお願いします!
恒一: ……。
[背景: モニター画面 Kのアバター]
恒一: (……Kだ)
恒一: (多次元重複現象観測用アンドロイド)
恒一: (観測するために、存在している)
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
恒一: (自分も、観測するためにここに来た)
恒一: (内側に入れば、何かがわかると思った)
恒一: (Kは、観測のためのアバター)
律: 恒一さん、緊張してますか?
恒一: ……私は、あまり緊張していないようだ。
律: すごいですね。
恒一: そういう雨谷くんも、普段通りに見える。
律: 緊張は、してます。
律: ……ちょっと不安もあるかな。
律: ただ、開演前の空気には慣れてるので。
恒一: 慣れ……なるほど。
恒一: 私は……少し楽しみなんだ。
恒一: このライブで、何か見つけられるかもしれない。
恒一: そう思うと、楽しみだ。
律: 恒一さんらしいですね。
3:実験の結果
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
スタッフ: では、本番行きます。
スタッフ: 5、4、3、2、1、スタート!
[BGM: きらめきぼし☆ インスト]
恒一: ……。
恒一: (落ち着いている)
恒一: (練習通りに、体が動いている)
恒一: (声も出ている)
[背景: モニター画面 本番映像]
君の音が 途切れてしまって 聞こえなくても
僕はきっと 見つけてみせる 顔をあげてよ
[SE: 歓声]
観客: Kー!!
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
恒一: ……!
恒一: (観客が、Kを呼んでいる)
恒一: (Kの名前を、呼んでいる)
[一枚絵: きらめきぼし☆を着たKのアバターと、それに重なる恒一の、戸惑いと何かが腑に落ちたような顔]
恒一: (ここには、観測にきた)
恒一: (見つけてみせる、と歌った)
恒一: (見つけるつもりだった)
恒一: (見つかると思っていた)
恒一: (でも)
恒一: (見つけられた)
恒一: (観客が、見つけた、Kを)
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
[BGM: きらめきぼし☆ インスト 終了]
[SE: 歓声]
[SE: 拍手]
恒一: (観客は、見つけてもらうために来てるんじゃない)
恒一: (見つけにきてるんだ……)
恒一: (観客と演者の関係は……ひどく、不安定だ)
恒一: (もっと、変わるかもしれない)
恒一: (面白い……)
[END]