【架空ゲーム】男性アイドルVTuber育成ゲーム『きらめきぼし☆ステラプロジェクト』【シナリオ集】 作:くれは*
恒常R《揺れてる》L / 雨谷 律
1:【初配信】「処理が追いつかない」「ノイズみたいな」【L/切り抜き/ステラ】
コメント: 初配信おめでとう
コメント: デビューおめでとう!
L: ……。
コメント: 初配信おめでとー
コメント: 初配信楽しみ!
L: ……。
コメント: 声、まだかな
コメント: 声聞きたい!
L: ……揺れてる、ね。
コメント: ???
コメント: 揺れてるとは?
L: 今ね、
L: コメントがたくさん。
L: 初配信、デビュー、おめでとうっていっぱい。
L: だから、揺れがいっぱいで、
L: 受信がちょっと、追いつかなくて、
L: ……ちょっと待ってね。
コメント: 大丈夫?
コメント: 何かトラブル?
L: 大丈夫。
L: 僕の処理が追いつかないだけ。
L: ノイズみたいな……うん、
L: これは緊張。
コメント: がんばれー
コメント: 落ち着いて
L: えっと……挨拶します。
コメント: 挨拶してー
コメント: 聞いてるよ
L: はじめまして。
L: 世界振動現象受信用自立型AIのL、です。
L: 今日が初配信、です。
L: VTuberっていうものをはじめて見つけたとき、
L: そのときに感じたものより、
L: ずっと大きい揺らぎを、今、感じている。
L: これが、緊張しているってこと。
L: そして、嬉しいってこと。
L: ……みんな、ありがとう。
[END]
恒常SR《揺らぎ》L / 雨谷 律
1:Lならこうすると思って
[背景: 事務所の休憩スペース]
宮本: 会議室が空くまで、もう少しお待ちください。
宮本: コーヒー、どうぞ。
律: ありがとうございます。
恒一: すみません、砂糖を。
宮本: はい、どうぞ。
恒一: ありがとう。
律: ……。
恒一: ……。
律: ふうっ。
恒一: 雨谷くんは、熱いものが苦手か?
律: え?
律: ……それほどじゃない、ですけど。
恒一: 息を吹きかけていたので。
律: ああ、
律: きっとLなら、こうすると思って。
律: Lは揺らぎが好きだから……表面を揺らすの、好きだと思うんですよ。
恒一: ……なるほど。
恒一: 役作りの一貫、か。
恒一: 参考になる。
律: そんなたいしたものじゃないですよ。
律: ……でも、そうですね。
律: 役を入れるときは、普段から、
律: そういうことを考えるんです。
恒一: そういうこと、とは?
律: 何かを選ぶときに、この人ならどれを選ぶだろう、とか。
律: 好きなものはなんだろう。
律: 何を避けるだろう、とか。
恒一: 雨谷くん自体の好みや苦手は、あるのだろうか。
律: ……どうでしょう。
律: 僕の……。
律: もうわからないですね。
律: ずっと役として過ごしてきたから。
恒一: なるほど。
恒一: 実に興味深いな。
2:僕の好み
[背景: コンビニ]
律: ……。
律: (飲み物……は)
律: (Lなら、炭酸水かな)
律: (しゅわしゅわする方が、揺らぎに近いから)
律: (きっと、好きだと思う)
[演出: 暗転]
[背景: 律の部屋]
律: ……。
[背景: 炭酸水のペットボトル]
律: 揺れてる、ね。
[背景: 律の部屋]
律: ……なんてね。
[演出: 背景モノクロ]
[背景: 事務所の休憩スペース]
恒一: 雨谷くん自体の好みや苦手は、あるのだろうか。
[演出: 背景モノクロ終了]
[背景: 律の部屋]
律: (僕の好み、か)
律: (何かあったかな)
律: (子供の頃、ハンバーグが好きだった)
律: (でも、それは子供らしさの表れだった気がする)
律: (今は別に、ハンバーグが特別好きってわけじゃない)
律: (今、好きなもの)
律: (……)
律: (炭酸水……揺れるから)
律: (マグカップに入ったスープ……表面が揺れるから)
律: (風の強い日……揺れが大きいから)
律: ……。
律: (僕が考えるLの好み、だ)
[一枚絵: 炭酸水のペットボトルを持って、楽しそうに笑う律]
律: うん。
律: (僕の好みなんて、なくて良い)
律: (今の僕はLだから)
律: (Lの好みがわかれば、それで良い)
[背景: 炭酸水のペットボトル]
律: 揺れてる、ね。
律: ふふ。
[END]
恒常SSR《きらめきぼし☆》L / 雨谷 律
1:終わること
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
律: ……。
律: (始まる)
律: (始まって……)
律: (終わる)
律: (何度目だろう、この感じ)
律: (千秋楽の前と同じだ)
律: (今日も、終わってしまうんじゃないかって)
律: (それが怖い)
恒一: ……。
律: (恒一さんは、いつも通りに見える)
律: 恒一さん、緊張してますか?
恒一: ……私は、あまり緊張していないようだ。
律: すごいですね。
恒一: そういう雨谷くんも、普段通りに見える。
律: 緊張は、してます。
律: ……ちょっと不安もあるかな。
律: ただ、開演前の空気には慣れてるので。
恒一: 慣れ……なるほど。
律: (慣れてる)
律: (慣れてるけど)
律: (終わることには、いつまでも慣れない)
律: (終わりたくない、から)
恒一: 私は……少し楽しみなんだ。
恒一: このライブで、何か見つけられるかもしれない。
律: (……楽しみ)
律: (恒一さんは、楽しみなんだ)
律: 恒一さんらしいですね。
律: (僕も、楽しみはある)
律: (Lになるのは、楽しい)
律: (でも、終わるのが……怖い)
2:L
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
律: ……。
[背景: モニター画面 Lのアバター]
律: (……L だ)
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
律: (今から、役になる)
律: (この人に、なる)
律: (役と自分が重なって)
律: (境目がなくなる)
律: (それが楽しい)
[背景: モニター画面 Lのアバター]
律: (L)
律: (世界振動現象受信用自立型AI)
律: (揺らぎを受信する存在)
律: (そして、揺らぎを発信させる存在)
律: (揺らぎは心地良いもの……)
律: (揺らぎ、広がって、伝わって、受け取って……)
律: (Lには揺らぎが見えている)
律: (だったら、僕も揺らぎを見る)
律: (波紋のようなイメージ)
律: (たくさんの揺らぎが重なって)
律: (広がってゆく……)
律: ……。
[背景: ステージ裏 配信スタジオ 本番前]
律: ……なれる。
3:まだ、終わらない
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
スタッフ: では、本番行きます。
スタッフ: 5、4、3、2、1、スタート!
[BGM: きらめきぼし☆ インスト]
律: (……Lのダンスは、それ自体が揺れ)
律: (Lの歌も、揺れ)
律: (演じながら歌うんじゃなくて)
律: (僕自身がLになる)
律: (Lとして歌って、踊る……)
[背景: モニター画面 本番映像]
君の音が 途切れてしまって 聞こえなくても
僕はきっと 見つけてみせる 顔をあげてよ
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
律: (Lならきっと見つけるんだ)
律: (音が途切れても、揺らぎを見てるから)
律: (だから、僕にも見つけられる)
[BGM: きらめきぼし☆ インスト 終了]
[演出: 暗転]
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
[SE: 歓声]
[SE: 拍手]
スタッフA: お疲れ様でした。
スタッフA: 今日の予定、全部終了です。
スタッフB: 撤収に入ります。
スタッフC: 観客退場開始します。
律: (終わった)
律: (また、終わって……)
律: (……また、役が)
律: ……。
[一枚絵: モニターに映るLのアバターと、それを見つめる律の、長年の恐怖がほどけたような顔]
律: (……でも)
律: (L は、まだここにいる)
律: (僕は、まだLだ)
律: (次の配信がある)
律: (次のライブがある)
律: (ずっと、ずっと、Lでいられる)
[背景: ステージ裏 配信スタジオ]
律: ……終わって、ない。
[END]
メインストーリー第2部 公開
007「Signal」
異変の数が増え続けるなか、
ステラプロダクションに一報が届く。
──初の全体ライブ、開催決定。
16人のアイドルが、同じステージへ向けて動き出す。
「……俺で、良いんでしょうか」
◆サービス開始時 公開コンテンツ
・メインストーリー 007「Signal」(全6話)