【架空ゲーム】男性アイドルVTuber育成ゲーム『きらめきぼし☆ステラプロジェクト』【シナリオ集】 作:くれは*
4-1: SPR - 閉じ込められた2人
[背景: ステージ]
夜: では、僕たちの曲です。
夜: 『Parallel Night』
[演出: 3Dライブ Parallel Night イントロ]
[演出: 暗転]
[ナレーション]
そのライブのしばらく前。
[背景: 豪華な部屋]
部屋の中で、夜と影が並んで床に座っている。
2人の足には鎖が繋がれて、部屋に留められている。
2人の首には、首輪のような何かの機械が付けられている。
この家の主人: 今日も良い子にしてたな。
この家の主人: 明日は客が来る。
この家の主人: 愛想よくするんだぞ。
この家の主人: 上手にできたら褒美をやろう。
夜: ……はい。
影: ……。
[SE: ドアが閉まる]
[SE: 鍵がかかる]
[SE: 鍵がかかる]
[SE: 鍵がかかる]
夜: ……何が褒美だ。
影が暗い瞳で鉄格子のはまった窓を見上げる。
影: もうすぐ満月だ。
夜: 吠えるなよ。また叩かれるからな。
影: ……わかってる。
影が膝を抱える。
[演出: 暗転]
[背景: 豪華な部屋]
[SE: ドアが開く]
この家の主人: こちらです。
プロデューサー: ありがとうございます。
[SE: 足音]
この家の主人: あまり近づくと危険ですよ。
プロデューサー: 危険? そうは見えませんけど。
この家の主人: 今は大人しくさせているんです。
この家の主人: 捕まえる時は、それは大変だったんです。
プロデューサー: ……そうですか。
この家の主人: ほら、お客様だ。
この家の主人: 2匹とも、顔をあげてご挨拶するんだ。
夜: ……ようこそ。
影: ……こんにちは。
2人の前に膝をついて、2人の顔を覗き込むプロデューサー。
プロデューサー: 無理をしなくても大丈夫ですよ。
プロデューサー: もし良ければ、2人とも、ここから出ませんか?
影: 出られるの!?
夜: おい、影、信用するな。
夜: ……何が目的だ。
プロデューサー: それも、ここを出てから話しましょうか。
4-2: 双子じゃないアバター
[背景: 事務所]
{{プロデューサー名}}: ──というのが、お二人のアバターの設定です。
凪: 吸血鬼と狼男、か。
凪: 特別似た雰囲気はないし、双子っぽさもない。
凪: 本当に、双子だって言わなくて良いんですね。
{{プロデューサー名}}: はい。双子であることを公表しない、
{{プロデューサー名}}: 双子らしさも求めない、
{{プロデューサー名}}: それがお二人の条件でしたよね。
燐: 俺はこれ、結構気に入ったかも。
燐: 耳と尻尾も動くんだよね、これ。
{{プロデューサー名}}: はい、影のアバターの耳は時々動きますし、尻尾も揺れます。
{{プロデューサー名}}: それだけでなく、例えば耳を伏せるとか、尻尾を大きく揺らすとか、
{{プロデューサー名}}: そういう操作も可能です。
{{プロデューサー名}}: 喋りながら操作するのは少し大変かもしれませんが。
燐: ……うん、楽しそう。
凪: 夜の方は、あまり人外っぽさはないんですね。
凪: 吸血鬼なら、例えば蝙蝠っぽい羽とかあっても良さそうですよね。
{{プロデューサー名}}: 感情を表現しやすい影と、感情をあまり表に出さない夜、
{{プロデューサー名}}: その対比をデザインに落とし込みました。
{{プロデューサー名}}: あ、でも、夜の口は、開くとちゃんと牙があるんですよ。
凪: ……それ、僕たちのことですか。
選択肢: お二人のことを参考にしたのは、確かです。
{{プロデューサー名}}: お二人のことを参考にしたのは、確かです。
{{プロデューサー名}}: その方が、演じやすいと思いました。
凪: 余計なお世話ですよ。
{{プロデューサー名}}: では、設定を変えますか。
燐: ……俺は、これで良いです。
燐: 気に入ってる。
凪: 燐……。
凪: ……はぁ。
凪: 僕も、このままで構いません。
凪: 条件は、考慮してもらえてるみたいなので。
{{プロデューサー名}}: なら良かったです。
凪: それ以外にも、細かい設定が多いですよね。
凪: いくつか気になることがあるので、確認させてください。
{{プロデューサー名}}: はい、なんでも質問してくださいね。
燐: ……この設定、覚えなくちゃ駄目?
{{プロデューサー名}}: すぐに完全に覚えておく必要はないですよ。
{{プロデューサー名}}: それぞれのキャラクターの距離感で、
{{プロデューサー名}}: 設定と向き合ってもらえたら良いです。
凪: それでも、燐もちゃんと聞いておけよ。
燐: うーん……聞いても、覚えておけないと思う。
凪: それでも、だ。仕事なんだぞ、これは。
燐: まあ、できるだけ頑張るよ。
4-3: SPR - 利用し合う
[背景: プロダクション応接室]
目の前のプロデューサーを睨む夜。
そわそわと周囲を見回す影。
2人の首にはもう機械はなく、鎖も繋がれていない。
夜: ……それで、どうして僕たちを連れ出したんですか。
夜: 目的を教えてください。
プロデューサー: 一番の理由は、
プロデューサー: あなたたちをあの環境から救い出したかったから、
プロデューサー: それでは納得できませんか。
夜: 僕たちを買い取るのにどれだけのお金を積んだんですか。
夜: なんの目的もなく、そんな金をぽんと出すなんて信じられません。
プロデューサー: そうですね。
プロデューサー: これはある種のビジネスです。
プロデューサー: そう言った方が、納得できるでしょうか。
影: ……どういうこと?
影: 俺たち、また閉じ込められる?
プロデューサー: わたしたちは、あなたたちを閉じ込めるつもりはありません。
プロデューサー: ただ、もし良ければ、わたしたちの仕事を手伝って欲しいと、そう思っています。
プロデューサー: もちろん仕事ですから、対価も支払います。
プロデューサー: それだけでなく、お二人の生活のサポートもできたら、と思っています。
夜: 条件が良すぎる。
夜: ……ロクでもない仕事をさせようって魂胆ですか。
プロデューサー: わたしは素敵な仕事だと思っていますが、
プロデューサー: お二人がどういう感想を持つかはわかりません。
影: 仕事、断ったらどうなるの?
影: また閉じ込められる?
プロデューサー: そんなことはしませんよ。
プロデューサー: わたしたちの申し出を断ってもらっても構いません。
プロデューサー: それは、お二人で決めてください。
夜: ……仕事の内容は?
プロデューサー: お二人に、アイドル配信者としてデビューしてもらうことです。
プロデューサー: わたしたちは、世界の崩壊を止めるために、
プロデューサー: アイドルと観客、配信者と視聴者、その間に発生する感情を集めています。
夜: ……は?
影: 何それ。
プロデューサー: ですから、お二人にもそれを手伝って欲しいんです。
プロデューサー: お二人の正体を明かして、配信をします。ライブもします。
プロデューサー: そうやって認知してもらうことが、
プロデューサー: 結果的にあなたたちの存在を守ることにもなります。
夜: 正体を……明かして?
影: 隠れなくても良いってこと?
プロデューサー: もちろん、大変なこともあるでしょう。
プロデューサー: レッスンも受けてもらいますし、講習も予定しています。
プロデューサー: でも、わたしたちがあなた方の生活をサポートします。
プロデューサー: ですから、お互いに悪くない話だと思うんです。
プロデューサー: どうでしょうか。この取引に、応じてもらえませんか。
夜: ……そんなの、うまくいくかもわからないのに。
影: 俺は、やっても良いよ。
夜: 影!
影: 隠れなくても良いし、閉じ込められないんでしょ?
影: じゃあ、やっても良い。
夜: ……はぁ。
黙り込む夜。
しばらくして、睨むようにプロデューサーを見る。
夜: 言っておきますが、僕はあなたたちを利用するだけです。
夜: 利用する代わりに、利用されてあげます。
プロデューサー: はい、それで構いません。
プロデューサー: 契約成立、ですね。
4-4: つまんない
[背景: レッスンスタジオ]
燐: 歌もダンスも、まずは同じことを繰り返すって。
燐: ちょっとつまらないかも。
凪: 僕たちは素人だからな。
凪: 最初はこんなもんだろ。
燐: 配信もまだで、最初は練習だけだってさ。
凪: 燐は特に心配だからな。
凪: 言っちゃいけないこと、喋っちゃいそうだろ、お前は。
燐: ……なんだか飽きてきちゃった。
凪: やめるなら、やめても良いんだぞ。
燐: 俺がやめたら、凪はどうする?
凪: どうかな……契約は僕たち二人で、だったから、
凪: 僕だけ残る意味はないかもな。
[SE: ドアが開く]
{{プロデューサー名}}: こんにちは、様子を見にきました。
{{プロデューサー名}}: 差し入れも持ってきました。
{{プロデューサー名}}: チョコレートです、どうぞ。
燐: わ……ありがとう!
燐: 甘いもの、食べたいって思ってたんだ。
凪: お疲れ様です、プロデューサーさん。
凪: お忙しいのに大変ですね。
{{プロデューサー名}}: いえ、これも仕事ですから。
凪: ……。
{{プロデューサー名}}: それに皆さんの様子は、できるだけ、
{{プロデューサー名}}: 自分で確認しておきたいので。
凪: ……。
{{プロデューサー名}}: 凪さんも、チョコレートどうぞ。
凪: ありがとうございます。では、少しだけいただきますね。
{{プロデューサー名}}: それで、レッスンの調子はどうですか。
凪: レッスン自体は順調です。
凪: もちろん、初めてのことばかりで不手際もありますが、
凪: 概ね、うまくできていると思います。
{{プロデューサー名}}: それは何よりです。
{{プロデューサー名}}: でも、何か不安や心配があれば、教えてくださいね。
凪: ありがとうございます。
凪: 今の所は大丈夫です。
燐: 俺は……あるよ、不安。
{{プロデューサー名}}: 何かありましたか、燐さん。
燐: 何かあったっていうか、何もないっていうか。
燐: いつになったら、ライブとか配信とか、できるのかなって。
燐: 練習だけだと、つまんないなって。
凪: 燐、しっかり準備して物事を進めるのは仕方ないだろう。
凪: それに、スケジュールだって共有してもらってるんだ。
燐: だけどさ……つまらないものは、つまらない。
{{プロデューサー名}}: すみません、退屈させてしまって。
選択肢: でも、これから忙しくなりますよ。
{{プロデューサー名}}: でも、これから忙しくなりますよ。
{{プロデューサー名}}: 初配信までに、いろいろとやることはありますから。
燐: 何やるの?
{{プロデューサー名}}: そうですね。
{{プロデューサー名}}: 直近だと、予定しているのは自己紹介動画の撮影です。
{{プロデューサー名}}: 動画なので撮影になりますが、
{{プロデューサー名}}: 視聴者の皆さんにキャラクターの魅力を伝える
{{プロデューサー名}}: 大事な動画ですよ。
燐: 自己紹介、か。
燐: それって、好きに喋って良いの?
凪: 燐、あまりわがままばっかり言うなよ。
凪: 台本があるに決まっているだろ。
{{プロデューサー名}}: 大丈夫ですよ。
{{プロデューサー名}}: 燐さんは意欲的ってことですから。
{{プロデューサー名}}: もちろん、台本はありますが、
{{プロデューサー名}}: 相談してもらえたら内容の調整はできます。
燐: なら、やっても良いかも。
{{プロデューサー名}}: 凪さんからは、何か希望はありますか?
凪: 僕からは、特に希望はありません。
凪: 最初の条件さえ守ってもらえたら、それで良いです。
{{プロデューサー名}}: わかりました。
{{プロデューサー名}}: では、動画撮影、やっていきましょうね。
燐: ……うん、わかった。
凪: ありがとうございます。頑張ります。
4-5: SPR - ビジネスだから
[背景: レッスンスタジオ]
トレーナー: 夜くん、影くん、ダンスだいぶ良い感じになってきたね。
影: 本当!?
トレーナー: 影くんは覚えが早いし、動きも大胆で見栄えがするね。
トレーナー: でも、もう少し夜くんに合わせて動けるかな。
影: ……合わせるのは、難しいんだ。好きじゃない。
トレーナー: じゃあ、こうするのはどうかな。
トレーナー: 例えばさっきのところ──
[演出: 背景モノクロ]
夜: ……。
夜: (あれから、本当にただ、歌とダンスのレッスンをするだけ)
夜: (住むところも食事も用意してもらえる)
夜: (拘束もされない)
夜: (自由に出歩いても良いって言われている)
夜: (影の耳や尻尾を隠すための服まで用意してくれた)
夜: (本当に……信じても大丈夫なのか?)
[演出: 背景モノクロ終了]
影: うん……それなら面白そう!
トレーナー: 良かった。じゃあ、練習してみてね。
トレーナー: で、夜くんだけど。
夜: ……はい。
トレーナー: まだ少し緊張が残っている感じがするね。
トレーナー: 強張った感じというか……自覚はある?
夜: はい。気をつけます。
トレーナー: 影くんと対照的に抑制的な振り付けだけど、
トレーナー: それでも、まずは楽しむのが第一歩かな。
夜: すみません。うまくいかなくて。
トレーナー: 大丈夫、実は結構難しいことだからね、楽しむって。
[SE: ドアが開く]
プロデューサー: こんにちは、様子を見にきました。
プロデューサー: そろそろ終わる時間ですけど、まだでしたか?
トレーナー: いや、もう終わるところです。
トレーナー: じゃあ、お疲れ様でした。
夜: ありがとうございました。
影: じゃあね!
[SE: ドアが閉まる]
プロデューサー: どうですか、レッスンは。
夜: そうですね……。
影: 俺は……歌もダンスも楽しい。
影: いっぱい動けるし、声も出せるから。
プロデューサー: それは良かったです。
プロデューサー: 困っていることはありませんか?
夜: その偽善面、やめてもらって大丈夫ですよ。
プロデューサー: え?
夜: これは契約で、取引で、ただのビジネスです。
夜: あなたが僕たちに親切にする必要はありません。
夜: 最低限が保証されていればそれで問題はないですよね。
夜: それ以上はこちらに踏み込む必要だってないはずです。
プロデューサー: ……。
プロデューサー: いいえ。これもわたしの仕事なんです。
夜: ……。
プロデューサー: 夜さん、いきなり全部信用しろとは言いません。
プロデューサー: でも、わたしはわたしの仕事をします。
夜: ……どうぞ、好きにしてください。
プロデューサー: それで、ライブはできそうですか?
影: ……俺は、やるよ。
影: 歌って踊るの、楽しいし。
夜: 僕もやります。
夜: それが契約ですから。
[背景: ステージと観客席]
夜: (そう、これは契約)
夜: (ただのビジネスだ)
影: やっほー!
夜: Parallel Glow(パラレルグロウ)の白銀 夜(しろがね よる)です。
影: 真白 影(ましろ かげ)だよ。
影: よろしくね!
夜: よろしくお願いします。
湧き上がる観客席。
夜: では、僕たちの曲です。
夜: 『Parallel Night』
[演出: 3Dライブ Parallel Night サビ]
[演出: 暗転]
4-6: 自己紹介動画
[背景: 事務所]
{{プロデューサー名}}: 自己紹介動画、公開おめでとうございます。
凪: ありがとうございます。
凪: プロデューサーもお疲れ様です。
燐: 撮影は大変だったけど、公開はあんまり実感ないかも。
{{プロデューサー名}}: 実感が出てくるのはこれからですよ。
{{プロデューサー名}}: ほら、さっそくコメントが付きはじめています。
[背景: スマホ画面]
コメント: 影くん、可愛い!
コメント: お耳と尻尾、良いですね。初配信楽しみです。
コメント: 動くの好きって、ダンスとかもするのかな?
コメント: 閉じ込められてたってどういうこと?
コメント: 今は楽しそうに笑っているからもう大丈夫なのかな?
[背景: 事務所]
燐: 本当だ。
燐: へえ……こんなふうに反応されるんだ。
{{プロデューサー名}}: 夜の方にも、反応きていますよ。
[背景: スマホ画面]
コメント: 色気ありますね。好きです。
コメント: かっこいいです。初配信楽しみです。
コメント: 牙アピールかわいい。配信頑張ってください。
コメント: 口の中助かる。
[背景: 事務所]
凪: ……あの、この、助かるってどういう意味ですか?
{{プロデューサー名}}: ああ、それは……
{{プロデューサー名}}: 嬉しい、みたいな意味です。
{{プロデューサー名}}: 今回なら、口を開けている姿が見れて嬉しいって気持ちの
{{プロデューサー名}}: コメントだと思います。
凪: 口を開けている姿の何が楽しいんでしょうか。
{{プロデューサー名}}: 夜の牙はチャームポイントですから。
{{プロデューサー名}}: 視聴者もちゃんとそれを受け取ってくれているんですよ。
凪: ……そうなんでしょうか。
凪: (色気、かっこいい、かわいい、助かる)
凪: (ばらばらすぎて、どう受け取られたのかよくわからないな)
{{プロデューサー名}}: 自己紹介動画の中で、
{{プロデューサー名}}: 初配信の日時も予告しましたし、
選択肢: 次は初配信に向けて、ですね。
{{プロデューサー名}}: 次は初配信に向けて、ですね。
凪: ……はい。
燐: 初配信かあ。
燐: うん、実感、出てきたかも。
凪: ……。
凪: (まだわからないな……)
凪: (実感も、どう見られたら良いのか、も)
{{プロデューサー名}}: 台本の打ち合わせも、近いうちに予定を入れますね。
燐: わかった。
凪: ……わかりました。
凪: きちんと、取り組みます。
凪: 仕事ですから。