霊が導き、霊を導く悪魔祓いの異世界霊能者~異世界で霊視持ちの俺、聖魔の力で悪魔祓いやってます~   作:犬型大

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109次の目標1

「そちらに悪魔を押し付けるような形になって申し訳ありません」

 

「いや構わないさ。楽な相手だった」

 

「よく言うよ……」

 

 タランたちが合流してきた。

 エダモスディとの戦いにはとうとう現れなかったが、それは魔物の対処に追われていたからだった。

 

 俺たちの方にも魔物は結構放たれたけれど、エダモスディはタランたちの方にも魔物を多く放っていた。

 魔物を放置するわけにもいかず、戦っていたためにエダモスディもこっちに来てしまったのである。

 

「事後処理はこちらに任せてください」

 

 マーデルが襲われたように、まだ野放しになっている魔物もいる。

 悪魔を取り逃して俺たちが処理した手前もある。

 

 残りの魔物を探し出して倒すなんて面倒は、タランたちが引き受けてくれるようだった。 

 ただ一体どれだけ魔物を溜め込んでいたんだと文句の一つでも言いたくなる。

 

 どれだけ死体を横流ししていたものなのか。

 

「あとは任せよう」

 

「……ゲルディットさんは流石ですね。一時は身を引いたと聞いていましたが、三等星の悪魔も倒してしまうとは」

 

「剣が鈍って止めようとしたわけじゃない。こき使われるのが嫌になっただけだからな」

 

 ほとんど戦ったのは俺である。

 しかし俺はまだサポートとして認識されているので、俺が頑張ったとは言わない。

 

 俺としても功績を誇るつもりはないが、ゲルディットが偉そうにするのはちょっとムカつく。

 ただデラだけは面白そうという目をして俺のことを見ている。

 

「次はどうなさるのですか?」

 

「もうすでにこき使われている」

 

 ゲルディットは懐から手紙を取り出す。

 

「次に向かえとさ。こういう命令だけは出すのが早い。こちらが連絡しても返さないくせにな」

 

 手紙は指令書であった。

 黒づくめの男が突然訪ねてきて、ゲルディットに渡した。

 

 本職の悪魔祓いサポーターの人で、エダモスディ退治も終わったばかりだというのに早速次に向かえとのことだった。

 だから人使いが荒く、こき使われるなどとゲルディットも言うのだ。

 

「デラはこのまま帯同させる」

 

「了解」

 

「お前たちはこのまま魔物を倒しつつ、ミルド王国全体の監視を強めろ」

 

 悪魔を倒したからと安心とはいかない。

 安心した隙をついて、また悪魔が現れることもあり得る話だ。

 

 悪魔祓いを残しておくことで悪魔に対する抑止力ともなる。

 

「分かりました」

 

「俺たちは今日休んで、明日には出発する。見送りはいらん」

 

「ご一緒できて光栄でした。また生きてお会いしましょう」

 

「次は悪魔を逃すなよ」

 

「ふふ、ゲルディットさんがいるから安心していかせたんですよ」

 

 タランたちは早速悪魔の捜索に向かうため部屋を出ていく。

 

「彼らにも秘密なのね」

 

 デラはテーブルに突っ伏すようにしながら椅子に座っている。

 

「お姉さん悲しいわ。サポート君が、サポート君じゃなかったなんて」

 

 悲しいと言う割にデラはただ眠そうな目をしているだけ。

 流石に俺の戦いぶりを見て、悪魔祓いのサポートというのは無理がある。

 

「君は何者?」

 

「俺は悪魔祓いですよ」

 

「悪魔祓い……にしては若そうだけど」

 

「彼は特例で悪魔祓いになった。普段はサポートの聖騎士という扱いで、悪魔祓いの身分は隠している」

 

「ふぅーん」

 

 デラは目を細めて俺のことをじっと見つめる。

 

「神聖力と魔力……両方使えるのかしら?」

 

 聖の力を持っているデラはサポートとしても優秀だ。

 視野の広さも戦いを上手くサポートするためには求められる。

 

 俺が一人で銀のオーラをまとっていたことはデラにもバレている。

 

「俺は天才なので」

 

 俺は肩をすくめるようにして答える。

 

「その様子じゃ……二人とも知ってたのね? 私だけ仲間はずれ?」

 

「敵を騙すには味方から。月明かりが綺麗な夜に告白するつもりだったんですよ?」

 

「ロマンチックね。でも美味しい朝食の最中でもよかったのよ?」

 

 なかなかデラの心のうちが読めないなと思う。

 ただあまり深く考えている様子もない。

 

「このことは秘密にしてくださいね。呼び方もサポート君でいいですから」

 

 どの道バレてしまっているのだからどうしようもない。

 このまま俺の秘密を共有する仲間として引き込んでしまうしかない。

 

「確かに今回もあなたの潜入のおかげだものね。でももうサポート君とは呼ばないわ。んー……エリ君にしましょうか」

 

 デラはニコリと笑う。

 俺が神聖力と魔力の両方の力を扱えることに関して深く踏み込んでくることはなさそうだ。

 

 エリ君でもなんでも好きなように呼んでくれ。

 

「普段はどう戦うの?」

 

「普段は聖としてやってますが、状況に応じて変わります」

 

「便利なのね。不思議な力だけど……あなたが真剣に悪魔と戦うのは見ていたからね」

 

 怪しむまでもなく、悪魔の敵なことはデラにも伝わってくれたらしい。

 

「エリ君が悪魔を倒す悪魔祓いであるなら私はなんでもいいわ。それよりもこれからどうするのかしら?」

 

「指令書には場所が書かれていた。そこで詳細な内容を聞かされることになるらしい」

 

 デラの疑問にゲルディットが答える。

 こうした細かいことにこだわらないような性格だからエダモスディの時も俺たちに同行させたのかもしれない。

 

 デラの性格は俺も嫌いじゃない。

 いいお姉さんだ。

 

 ともかく次は行ってみなけりゃ何があるか分からないようだ。

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