霊が導き、霊を導く悪魔祓いの異世界霊能者~異世界で霊視持ちの俺、聖魔の力で悪魔祓いやってます~   作:犬型大

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110次の目標2

「向かう前に一つやるべきことがある」

 

「やること?」

 

 悪魔を退治する仕事よりも大切なことなどあるだろうか。

 

「エリシオ、お前の武器作りだ」

 

「俺の武器……ですか」

 

「そうだ」

 

 確かに俺の武器はエダモスディとの戦いの最中に壊れてしまった。

 長年付き合ってきた相棒というわけではないが、少しばかり申し訳ない気持ちにはなった。

 

 今は剣なしだけど、そもそも剣は支給品となっている。

 聖騎士全員に武器が教会から無償で提供されていて、無くしたとか馬鹿な事情でもない限りはまた申請すれば支給される。

 

「本来悪魔祓いになると、専用の武器を作ることが許される」

 

「えっ、そうなんですか?」

 

「そうね。私の盾とメイス、パシェちゃんの大きめの剣もそうよ」

 

「そういえば、そうか」

 

 チラリとパシェ見るとヘルムの奥の瞳と目があった。

 パシェの剣は他の人のものよりも一回り大きい。

 

 あまり気にしたことはなかったが、一般の支給品の剣とは違っている。

 ちょっと腰を回して差している剣を見せつけるようなパシェの目には、自慢げな色が浮かんでいる。

 

「銀のオーラを扱うと武器の劣化が早い。悪魔との戦闘は激しいものであるし、支給品の武器ではお前の力を支えきれない」

 

 ゲルディットは小さくため息をつく。

 魔力にしても神聖力にしても人外の力であることは確かだ。

 

 そのせいで武器には大きな負担がかかる。

 だから武器は支給されてタダだったりするのである。

 

 銀のオーラならさらに武器に負担がかかり、恐ろしいほどの早さで劣化する。

 ついでに悪魔の硬い肉体や悪魔の血なんてのも武器には悪い。

 

「まずはブレイムズに向かう」

 

「ブレイムズ……」

 

「小さな村だ。ただ、そこには悪魔祓いの武器を作る専門家がいるんだ」

 

「つまり、俺の武器も作ってもらえるってことですね?」

 

「その通りだ」

 

 良い話。

 男子たるもの、自分専用の武器を手に入れられるのは夢である。

 

 確かに俺の目標は六等星クラスの悪魔も倒すことだ。

 たかだか三等星クラスの悪魔と戦って壊れてしまうような武器では、とてもじゃないが戦っていくことなどできない。

 

「専用武器はいいわよ。神聖力、魔力の通りはいいし、何より丈夫」

 

「教会から支給される剣も安物ではないが、質が違うからな」

 

「そんなもの作らず俺のことこき使うつもりだったんですか?」

 

 専用武器作れるなら最初からくれよと思う。

 俺は目を細めてゲルディットのことを見る。

 

「天才様にはいらんと思っていた」

 

 ゲルディットは俺の冷たい視線をカラッと受け流す。

 

「天才だから武器を選ばず力は発揮できますけど、天才の力を受け止めるのにもふさわしい武器が必要なんです」

 

「少なくとも口の減らなさは天才クラスだ。ということでまずはブレイムズに向かい、武器を作ってから指令書の場所に移動だ」

 

「りょーかい」

 

 今回の移動には俺も文句はない。

 新しい武器が手に入るのなら知らぬ村に行ってやる。

 

「ともかく新しい武器は必要だからな、教会に申請をして支給品の武器は用意しておけ」

 

「はーい」

 

 エダモスディは倒された。

 しばらくこの辺りはゴタゴタするだろう。

 

 領主が悪魔だったことでおそらく国全体も悪魔を疑って大変な状態になる。

 ただそうした平穏を取り戻すのは俺たちの仕事ではない。

 

「プニマッツさんも大変だろうな……」

 

 悪魔を倒し、仕事を終えた。

 あとは国の力、教会の力に任せる。

 

 次に向かう。

 待ってろよ、俺の武器。

 

 次の目標は悪魔祓いの武器を作る職人がいるブレイムズであった。

 

 ーーー第二章完結ーーー

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