復興文明拡大記 過ちを繰り返しながらも、進め――   作:えぴっくにごつ

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チャプター2:「苛烈な危機に――一撃」

 その、前進観測隊が発見した中規模の打ち捨てられた街の内では。

 ――激しい銃火の音、戦闘の音が数多響き上がっていた。

 

「――ッ、ワンダウン!」

「レフィン、右からまた来る!」

「それも私が引き受ける!ステラ、そっちは左をカバーしてっ!」

 

 街のほぼ中心部分に存在する大きな交差点。

 そのど真ん中に、戦う者たちの姿があった

 

 苛烈に戦う姿を見せるは――いずれもが年端もいかぬ少女たち。

 

 詳細には、交差点のど真ん中で瓦礫や廃車を利用して。防御に篭る四人の女、少女の姿が見える。

 

 その内、前に出て過激に銃火器を唸らせて、弾薬をばら撒いているのは二人。

 一人は、ポニーテールに結った、流れるように美麗な淡い茶髪の少女。

 もう一人は、淡い金髪のフワっとしたロング髪の少女。

 いずれも十代後半程に見える身に、それぞれの可憐な顔立ちが映え。

 そのそれぞれの抜群のプロポーションは、黒に近い灰色のボディスーツで纏い覆われ。その上から装備やプロテクタ類が付随している姿。

 

 そして、そんな少女たちは。その可憐な顔にしかし決死の表情を作り戦っていた。

 

 彼女たちは十字路の真ん中にて、周辺を包囲されて襲撃攻撃されている。

 その各方向から迫り、襲い来るは――異形の姿。

 

 それらは大中小からなる。四足歩行で、哺乳類とも爬虫類ともつかないような物体から。浮遊飛行する鳥類とも昆虫ともつかない物体まで様々。

 そして目に見えて異と分かるのは、それがいずれも機械とも生物ともつかない外観質感を持って見せていること。

 そしてそのいずれもが、その体と一体化していると見える火器類を携えていること。

 

 表現するならば、「生体兵器」。

 

 そんな生体兵器の群れが。少女たちを包囲から、その火力を一切の遠慮の無い様子で向けていた。

 

「さらにダウン、次!」

 

 そんな恐ろしいまでの生体兵器の群れを前に。

 しかし少女たちは恐れを見せず。その手に持つ火器を巧みに扱い、次に次にと確実に撃ち仕留めて防いでいた。

 

「……右奥からまとまった群れ!二人とも警戒して!」

 

 そんな戦う二人の背後から、別の示す声が響いたのは直後。

 二人の戦う少女に護られるように背後居たのは。服装姿は類似のものだが、少女たちより少し年上に見える黒髪の美麗な美女。

 その女は、堅牢な造りのパッドモニターに視線を落としながら、戦う二人に情報サポートを提供しているようだ。

 

「了解、オフィサー!それとあまり身を出さないでっ!」

「ちゃんとマエナを抱っこして隠れててよっ!」

 

 そんな美女を、少女二人は『オフィサー』と呼び。了解の言葉と合わせて、そう訴え促す言葉で返す。

 

 そのオフィサーと呼ばれた美女の、もう片方の腕中には、また一人の少女の姿体があった。

 抱かれ留められるその少女は、気を失っているのか、微かに苦し気な表情で目を瞑っており。

 よくよく見れば、その身には負傷の様子が見える。

 

 彼女たちは、負傷した仲間を抱え庇いながら戦っていたのだ。

 

「あぁ、分かって……――!左から別の進入!?二人ともっ!」

 

 少女二人からの促しに、オフィサーと呼ばれた美女は返事を返そうとしたが。

 しかし直後。パッドモニターが表示して訴えた、また別途の「敵」の動きに気づき、彼女は警告の声を張り上げた。

 

「「!?」」

 

 警告からすぐさま視線を正面に戻した少女二人が、次に見たもの。

 それは向こうすぐ近くの廃車の上に、一体の肉食動物とも恐竜ともつかない形態の生体兵器が、飛び上がり現れた光景。

 そしてそれすらも一瞬。次にはその恐竜型の生体兵器は、少女達を『獲物』と定めたかのように。

 その堅牢な脚を踏んで飛び出し。まさに恐竜のものの如き顎をかっぴらき、少女たちに向けて飛び掛かり襲い来た。

 

「っ!」

 

 少女たちの内、ポニーテールの茶髪の子。先にレフィンと呼ばれた少女は、反射で己の扱うアサルトカービンタイプの火器を向けるが。

 『間に合わない』。

 内心で彼女は、敵の生体兵器のほうが圧倒的に動きが速い事を、己の動きが間に合わないことを嫌でも察し。

 半ば、覚悟を決めた――

 

 ――ドゥンッ。

 

 だが。

 その恐竜の姿の生体兵器が。少女たちに届き、襲い、その柔肌に顎を突き立てる前に。

 その図体が宙空で「くの字」に曲がり、打ち飛び吹っ飛んだのは瞬間であった。

 

「――え?」

 

 微塵も想定していなかった事態に、光景に。

 レフィンは目を見開き、思わずの呆けた声を漏らしてしまう。

 

 そんな彼女たちの目の前の向こうで、恐竜型の生体兵器は向こう側方へと吹っ飛び。

 そして地面にグシャリと叩きつけられてバウンド、その先で沈んで動かなくなった。

 

「な……っ?」

「狙撃……っ!?どこから……?」

 

 得体の知れない状況、巻き起こった自体に困惑しながらも。

 事態を推察して周囲に視線を回して向ける少女たち。

 

 「それ」を、「狙撃」成した正体は。向こうに離れたビル建造物に在った――

 

 

 街の外周近くに立つ、そこそこの高さ、階層を持つビル建造物の上階。

 

「――入った」

 

 そこに、VAC AF。

 アイザック率いる第14前進観測隊に組み込まれる、偵察狙撃班の狙撃チームが配置し構えていた。

 

 今に言葉を零したのは、二名一組で成るその狙撃チームの内の、実射撃を担当する射手。

 合わせて補足すると、それはAFでも困難な作戦に当たり完遂することを期待される、「コマンドー」資格を持つ隊員。

 その隊員は今は、7.62mmの半自動狙撃ライフルを窓際に据え置き構え。その上に装着された狙撃スコープを覗き、向こう先の地面に沈んだ生体兵器を観察している。

 

 今に生体兵器を撃ち抜き、仕留め屠ったのは、他ならぬそのコマンドー隊員の射手であった。

 

「ギリギリ効果を得られたってトコだな。連中、硬いぞ」

「無力化には、急所を的確に狙う必要がある」

 

 そんな射手の隣、スポッターを務める隊員が。今の射撃の効果の様子から、敵についての分析の言葉を零す。

 そしてそれに、射手はならばと自身が取るべき手段で返す。

 

 その通り、今に狙撃からの無力化には成功したが。

 敵、生体兵器たちの防御は硬く。その無力化には闇雲な射撃では無く、的確に急所を狙うことが求められた。

 

「まだまだ居るぞ、あの人らに続々群がり襲い掛かって来る」

「了。接近する個体から優先して排除する」

 

 しかしその困難を伴う行動に、コマンドーの射手等は愚痴や弱音を零すことなど無く。

 次にはまた恐るべきまでに的確な狙撃射撃を、しかし手早く連続的に再開。

 狙撃音を、立て続けに響かせ始めた。

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