復興文明拡大記 過ちを繰り返しながらも、進め―― 作:えぴっくにごつ
広く開ける地上の一点。国際空港を前方側方の大きく見ることのできる地点。
そこをまさに爆走の域で走り抜ける、四輛ほどの車輛の姿がある。
汎用軽量四輪駆動車と、中型四輪駆動車の混成から成るそれは。他でもない第14前進観測隊のもの。
その四輛から成る一隊を率いるは、アイザックだ。
「目を見張れッ、敵はできる限り早期に発見しろッ」
先頭を大分速い速度で走る軽量四駆の車上、助手席でアイザックは張り上げている。
同時に車上では搭載、あるいは固有の複数の火器が唸り響き、火線が車上から各方へ向き飛んでいる。
空港敷地の外周には、またローグたちが設け構築した防御陣地や、雑なバリケードの類類が点在、張り巡らされており。
アイザック等の車輛隊は、その最中を戦闘を行いながら。時に回避、時に突っ込み押し退けながら。
爆走していたのだ。
「左に銃座、潰せッ!」
「迫撃砲がどっかにいるぞッ、気を付けろッ!」
車上ではハンドルを操るドゥインを始め、他搭乗の隊員等が戦いながら声を張り上げ交わしている。
次にはローグたちの迫撃砲の砲撃が着弾、軽量四駆が微かに揺れるが。
しかし車輛は速度を落とすことなく走り続け、車上からはまた各火器が唸り、各方に火線を叩き込み続ける。
「ワラワラだな」
アイザックはそんな状況下でも端的に零しながら、背後の後席荷台で唸る車載の汎用機関銃の銃声を聞きつつ。
自身も助手席から、一時的に借りている分隊支援小銃を撃ちばら撒く。
「踏ん張れッ、突っ込むぞッ!」
「とッ」
また次には、ドゥインが忠告の声を上げた直後。
車輛は進路上に運悪く合わせた屈強なローグを、しかし「ドギャッ」と跳ね飛ばした。
その運のないローグは一度ボンネットに乗り上げ転がった後に、背後後方へと吹っ飛んでいったが。
アイザック等は微かに驚いただけで、構わず戦闘行動を続ける。
「代佐、左方ッ。第103大隊ですッ」
そんな起こりの直後。後席荷台で射撃行動を行う隊員が、アイザックに知らせる言葉と合わせて方向を示す。
そして視線を向けた先。
向こう側方の乾いた地上の広くに見えたのは、多数の人――VAC AFの各隊員が。さらには随伴の戦車や装甲車が駆け、押し進む圧巻の姿様子。
此度の空港制圧作戦の主力を務めるAFの大隊が、大規模な正面攻勢突撃を仕掛ける光景だ。
「自分等も急ぐぞ、大隊にちょっかいを掛けようとする輩を排除する必要があるッ」
その大隊の正面攻勢突撃の光景を向こう見ながら、アイザックは零す。
アイザック等にあっての任務は、車輛機動にて空港敷地の裏手に回り込み。その周辺施設を確保、併せてローグたちの間接火力陣地を無力化。
主力大隊を援護することであった。
その任務のため、アイザックの車輛隊は走り続け、銃火を唸らせ戦い続ける。
「――ッ゛オ!?」
「ッ!」
しかし、その直後の瞬間。
車輛隊の進路上近くの向こうで、突然爆炎が上がり。その付近に構え待ち構えていたローグの防御銃座陣地が、それに巻き上げられ消し飛んだ。
そしてしかし、その爆炎は際どい距離での着弾であり。微かな爆風衝撃に破片の類が、アイザック等にも飛び来て微かにだが影響する。
「ッ」
そして次に轟音を立てて、アイザック等のすぐ真上の低い高度を掠めて飛び抜けていったのは、航空隊のL-A攻撃機。
地上支援のための爆撃が、しかし大分際どく危なっかしい形で寄越されたのだ。
「危なっかしいなッ」
「ジョーン10よりコントロールッ、航空隊にもう少しスマートにやるよう言えッ」
ハンドルを預かるドゥインは、揺れた車体をハンドルを強く握って支えながら、隠さぬ悪態を吐き。
アイザックはすぐさま作戦を調整する後方コントロールに通信を繋ぎ、注文要請の旨を張り上げる。
《ジョーン10、航空隊には注意しておく。しかし敵の抵抗も各方苛烈、容赦はしていられない状況だ、期待はするな》
それにしかしコントロールから返されたのは、こちらの要請の受け取りはしたが。同時にそんな付け加える言葉で返す端的な声。
「あぁ、善処してくれッ」
それにアイザックも微かな皮肉を混ぜて返し、それ以上は追及せずに通信を終える。
「たくっ」
横で通信を聞いていたドゥインが、また呆れ交じりの悪態を零す。
そんな際どく危なっかしい様子を時折見せながらも。、アイザックの一隊は苛烈に戦闘を行い、立ちはだかるローグたちを容赦無く退け。
地上を突っ切り、爆走にて進み続けた。
空港敷地の外周を大きく回り込み、途中に存在する小高い丘を突っ切り越え。
間もなくアイザックの車輛隊の一隊は、目的ポイントであった空港敷地の裏手へと到着した。
「銃座沈黙ッ!」
「降車、展開。行け行けッ」
その付近にやはり作られ待ち構えていたローグの銃座陣地を、しかし容易く撃破し。
敵を退けて場を確保した後、一隊の各車は周辺各所には雑多に停止。
同時にアイザックは張り上げ、各員に降車展開を指示。
各員はそれを受けるが早いか、各車輛より順次飛び降りて進み展開。各判断で周辺各所に位置して戦闘を開始、銃火銃声をまた響かせ始める。
「別隊だッ」
「ちょうどいい間合いだな」
その各員の行動を見つつ、アイザックやドゥインも動きを始めた、そのタイミングで丁度。
空港敷地の反対側よりまた別動にて回り込んでいた、もう一隊の車輛数輛から成る隊が到着合流した。
「――代佐、こちらはここまで損害ナシッ」
その到着した別働隊の各隊各員も展開を始める中。そちらの指揮官の少尉がアイザックに駆け寄り合流。まずはそちらの状況を簡単に伝える。
「了解、そっちから一個班を外の守備に残せ。他は空港に進入する」
「了」
それから少尉と簡単に調整を終え、アイザック等はまた所定の行動を開始。
アイザック等はこれより、空港敷地内への進入確保を行う。
周囲にわずかに残っていたローグたちの残敵は、各員の戦闘行動で手早く排除され。
そこから今のやり取りにあったように、隊は一班のみを守備に残し。主力各員は空港施設を隔てて護る防壁へと向かい。
その一ヵ所にある通用扉の前に集合、取り付きスタンバイする。
「工作員、用意」
「了」
アイザックが示し、隊に組み込まれる工作員が応じる。
工作員は突入開口用の爆薬を手早く通用門に設置。
その間に、各員は突入準備を完了させる
「完了。備えろ――爆破ッ」
そして準備は整い、工作員の促しの後――爆薬が起爆。
爆薬の炸裂エネルギーによって、それなりに頑丈な造りであった通用扉は、しかし向こうへと吹っ飛び容易く開口した。
「行け行け、行けッ」
進入路の開口開通と同時、アイザックは各員に突入を命令した。
ブービートラップなどによる待ち伏せのリスク分散のため、まず四名一組が先行して突入。
踏み込みは流れるように開口部をくぐり、その向こうへと踏み込み展開。
向こうに居て待ち構えていたのは、一応こちらの存在気配には気づいていたようだが。しかし足並みを揃えることが間に合わなかった様子であったローグたち。
そのローグたちは、先行突入のチームが踏み込みから。
間髪入れずにばら撒かれた、その隊員等の持つサブマシンガンやショットガン類の銃火射撃を諸に受ける形となり、容易く撃ち崩れて行く。
「ダウンッ、確保ッ」
「支障なしッ、後続展開ヨシッ」
先行チームがその射撃攻撃行動によって、通用口の向こう周りの安全を確保。それを知らせる声を張り上げて後続に届ける。
「了解ッ、後続突入ッ」
それを受け、開口部の向こうで待機していた後続チームがまた踏み込む。
続くチームは、スーパーヒューマン系の隊員も数名含む編成であり。分隊支援小銃、軽機関銃などから、航空機関砲改造の凶悪な支援火器までを含み保有。
そのチームは後続にて踏み込んだ向こうで、さらに広く強固に展開。
「左ッ側、浚えろッ」
「正面少し右奥、固まってるのもやれッ」
その彼らの保有する強火力は、周囲の空港敷地内広くに点在していたローグたちに向けられ。
そのローグたちは凶悪な火力の犠牲となり、ローグたちは片端から浚えられ。ボロ切れの如きで千切り弾かれ、無力化されるに至った。
「展開継続、広がり広く確保しろ」
その後続チームの突入展開にさらに続く形で。アイザック自身も、開口部を潜り通ってズカズカと空港敷地内へと踏み入る。
「――ッ」
そしてアイザック自身も。近くに零れて残り、抵抗を試みこちらを狙おうと動いていたローグを。
しかしそれを見止める前に、大口径リボルバーをすかさず向け。手早い照準からの連続的な射撃で、一人、二人と立て続けに屠り沈めて見せた。
そこからまた、他後続の各隊各員が順次踏み込み合流。入り口周りから周辺に広くで戦闘を展開。
最後まで足並み揃えることは叶わなかったローグたちを相手に。
隊がそれを無力化して周囲を確保するのに、時間はそう掛からなかった。