ハイスクールD×D 赤き龍帝を守護せし神殺しの聖なる槍   作:夢の翼

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今回はちょっとイリナと一誠の過去編ってところです。


第十五話 聖槍とヒーロー

      ――――――――私は刹羅さんが嫌いだった―――――――

 

 

 

         本当に刹羅さんは凄いよ、それと違ってあいつは

 

 

 

              刹羅さんもかわいそうに

 

 

 

  ――――――――どうして、周りの皆はあの人と刹羅さんを比べようとするの?――――――

 

 

 

 

         見ろよ、あいつまたあの『出来損ない』と遊んでるぜ?

 

 

 

             あいつも同類なんだろうぜ、きっと

 

 

 

   ――――――――何も知らない癖に、彼の優しさを知ろうともしない癖に――――――

 

 

 

      

 

       ぼくはただ、刹羅姉ちゃんを守れればそれでいいんだ。……それでいいんだ

 

 

 

 

   ――――――――こんなにもカッコイイヒーローが刹羅さんの隣にいるのに――――――

 

 

 

 

    

     イリナ、ぼくね。大きくなったらきっとみんなに認められるヒーローになるよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ――――――――だったら私は。彼方だけを守るヒーローになる―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        ハイスクールD×D 赤き龍帝を守護せし神殺しの聖なる槍

 

 

 

               第十五話『聖槍とヒーロー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何も無い白い空間。そこに黒い戦闘服を着たイリナが横たわっていた。

 

「・・・此処は」

 

目を覚ましたイリナは顔だけを左右に動かし辺りを見渡す。先程まで駒王学園の旧校舎にいたはずなのにいつの間にか別の空間に飛ばされていたイリナは酷く冷静だった。

 

「元に戻ってる・・・・」

 

ミミックで斬り裂いたはずの胸元部分が裂く前の状態に戻っていのに気付くと、上半身を起こした、その時。イリナは後ろから視線を感じ後ろを振り向くと。

 

「気が付いたか?」

 

「・・・・イッセーくん」

 

そこには駒王学園の制服に特徴的な白い髪、そして右手に持った黄金の槍を握った一誠がそこに立っていた。

 

「イッセーくん、此処は?」

 

「此処はお前の精神世界だ」

 

「私の・・・・?どういうこと?」

 

一誠は右手に握った黄金の槍をイリナ前へ出す。その槍が何なのかイリナは直ぐに分かった。

 

「聖槍・・・?まさかあの時、イッセーくんが持ってた槍って」

 

「そうだ、あの時”お前を助けた時”に使ったのがこの槍だ。そしてお前の精神世界に俺が入ったのもこの槍の力だ」

 

神滅具の代名詞にもなった最強の神滅具。あのイエスキリストを実際に貫いた槍があの時、既に覚醒していたことにイリナは驚いた。

 

「じゃあ私が此処まで落ち着いているのも、その聖槍の力なの?」

 

「|聖夜なる天輪聖王の癒し《ポーラーナイト・ヴィクティム・サンクチュアリ》対象の人物の中に入り心とその記憶を見る事が出来る能力だ。だが使う機会がなかったから使わなかったが、まさかこんな時に使うとは思わなかったけど」

 

一誠はふよ横を見ると、そこに昔の映画の様なモノクロの映像が映し出された。その映像に映っているのは、まだイリナが引っ越しをする前の一誠と砂場で遊んでいる姿だったこれはイリナの記憶を映像として投影しているものだ。だが次に映像が変わり映し出されたのは。

 

「これって!」

 

「そう。あの時、イリナがはぐれ悪魔に襲われた時の奴だ」

 

一誠は静かにイリナと共にあの日の事を思い出しながらその映像に視線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはイリナが引っ越しすることになり、酷く落ち込んでいた時の映像だった。イリナは引っ越しすることになる事を父親から聞かされ一人家から飛び出し、泣きながら一誠とよく遊んでいた廃工場の積み重ねられた板の上に座っていた。

 

『いやだよ・・・・・イッセーくんと・・・・はなれたくないよぉぉ・・・』

 

大粒の涙を流しながら小さい頃のイリナは泣いていた。夜という事もありイリナ以外誰もいない工場内全体に響き渡る。離れたくない、一緒にいたいとイリナは胸が締め詰められる程の気持ちになるほどに。

 

『なんだなんだぁ?美味そうな人間の子供の声がするなぁぁ?』

 

『え・・・?』

 

泣いていたイリナはふと顔を上げる。そこには上半身は女性で下半身は馬といったケンタウロスに似た異形が泣いていたイリナの目の前に立っていた。

 

『お、お化け・・・・!』

 

『誰がお化けだぁぁ!!私ははぐれ悪魔バイザー様だ、この小娘がぁぁぁぁ!!!』

 

はぐれ悪魔バイザーと名乗ったその悪魔はその巨大な前足をイリナの頭上から振り下ろした。イリナは辛うじて座っていた居たから飛び下り蹴りを交わすが、イリナが座っていた板の山は粉々となっていた。

 

『避けるなよなぁぁ?下等生物の癖によぉぉ』

 

『うっ・・・!っっ・・・・!!』

 

イリナはその小さな足を動かそうとするが、恐怖で立ち上がる事が出来なかった。そんなイリナに容赦なくバイザーはイリナに再び近づく。

 

『それじゃあ頂きますかぁぁキッヒヒヒヒ!』

 

バイザーはゆっくりとその手をイリナに伸ばしてくる。イリナは恐怖で動けない中、ある日公園で一誠と約束した事を思い出した。

 

 

《まもる?》

 

《そうだよ!わたしはこれからイッセーくんを守るヒーローになる!それがわたしのゆめなんだ~!》

 

 

(イッセーくん・・・・ごめんね・・・わたし・・・・イッセーくんのヒーローになれないみたい・・・)

 

そしてイリナはゆっくりと目を瞑り、バイザーの手がイリナに触れようとした。その時。

 

 

 

 

 

 

『イリナにふれるな、ばけもの』

 

 

 

 

 

その声が聞こえた瞬間、何処からか放たれた黄金に輝く三日月の斬撃がイリナに手を伸ばしていたバイザーの腕が鮮血と共に飛び散った。

 

『ギャアアアアアア!!!』

 

イリナは何が起きたのかわからなかった。だがその斬撃と入れ替わる様にそこには一人の少年が立っていた。可愛い熊の柄が入ったパジャマを着ており、その右手には黄金に光輝く小さな玩具の様な槍を持った。

 

『ぼくのともだちに、手をだすな』

 

一誠が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




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