ブルアカ初期メンバーズの小話を現状書いてますが、そろそろアビドスに入りたいなと思う今日この頃です。
さっさとかけば良いものをと思うかもですけど……彼の人間性を先に描写しておかないと、あとで色々ありそうなのでこちらを先に書いてます。
ところで実はちょっと試験的にどの時間帯に投稿したら良いのかの調査目的で投稿時間を前話から一時間ほどずらすようにして投稿していますが……
実際、どれぐらいがいいんでしょうかね?
試しにアンケートでも取るとしましょう。
というわけで、本編をどうぞ
「やぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
「……よっ」
「はぇ……?わぁぁぁぁぁぁッ!?!?!?」
――ズテーン!
土煙を巻き上げ、軍服のようなデザインの制服を着た女子生徒がコケるように地面に倒れた。
彼女の手には非殺傷の警棒が握られており、それは彼女を転ばせた本人……サンドクローも同じだった。
「勢いは良いんだがちょいと真っすぐ過ぎるな。
そこら辺の不良でも、こういった肉弾戦に慣れているやつなら躱せるぞ」
「は、はい〜〜………」
バタンキューと聞こえてきそうな様子で地に伏している女子生徒……ゲヘナ風紀委員にそうアドバイスをしつつ、サンドクローは自身の警棒を再び構えた。
「次……おっと、アンタか」
「……よろしくお願いします」
臨戦態勢になった彼の前に立った風紀委員……
火宮チナツもまた、警棒を構えてサンドクローへと襲いかかった。
サンドクローの受ける仕事は戦闘がメインだが、必ずしも相手が不良だとか闇組織、裏のある企業だけとは限らない。
幾つかの学園において、彼は特記戦力級への対抗目的の戦闘訓練に駆り出される事がある。
実際、彼の実力は各学園の特記戦力……
ゲヘナで言えばゲヘナ風紀委員会委員長「空崎ヒナ」等に劣るものの、一般委員からすれば充分すぎるほどに高いのだ。
そして基本そういった特記戦力は色々と忙しいことが多く、訓練の仮想敵として一般委員を指導するには少々スケジュール等の都合で厳しいという事情がある。
そこで比較的フリーかつ、単独で風紀委員を軽く伸しながら彼女達の分析を行える人材……キヴォトス最高峰の傭兵兼賞金稼ぎであるサンドクローに白羽の矢が立ったというわけだ。
今回の訓練は近接戦闘術……
具体的には災厄の狐こと「狐坂ワカモ」のような、近接武器を持った相手を制圧するためのCQCを実用段階まで磨き上げる訓練である。
キヴォトスにおいてメインで使われる武器は銃火器である事が多いのだが、一方で例外的に近接武器を使用する生徒や不良も幾らばっかりかは存在している。
そうそう彼女たちが相手をすることは無いだろうが、いざという時にそういった相手に対して「対応できずにやられました」となってしまうようであれば話にならない。
故に、時折ナイフを用いて戦うサンドクローはこの訓練にうってつけなのだった。
「はぁぁぁッ!やぁッ!!」
――ガガッ、ガキンッ!
「……なるほどな」
サンドクローに詰め寄ったチナツは警棒めがけて上から振り下ろし、そしてすぐに返す刀のごとく上にかちあげるように振り上げた。
目にも留まらない速さで叩かれた警棒はサンドクローの手から跳ね飛ばされ、空高く回転しながら宙を舞った。
そして、警棒を手放してしまったことで無防備になったサンドクローへとチナツは大きく振り下ろすようにトドメの一撃を……
――ガシィィッッ!!!
「……ッ!?」
入れようとしたところ、サンドクローの右手が振り下ろされんとしていたチナツの腕を掴み上げた。
チナツは振りほどこうと腕を捻るが、万力に掴まれているかのごとくビクともしない。
その内に宙を舞っていた警棒が彼の左手に落下し、再び手に持ったそれを首に突きつけられた。
「中々筋が良い一撃だったが……あそこは振り下ろさずに投げるか突くかしてから取り押さえるべきだったな」
「……参り、ました……」
ガクリと項垂れたチナツの腕から力が抜けたのを確認し、サンドクローは一応警棒を奪ってからチナツの腕を解放した。
「突撃隊長殿も中々だったが……アンタもアンタで良い腕前だな。
そこら辺の不良とタイマンならナイフ一本で制圧できるんじゃないか?」
「……貴方から褒められてもあまり嬉しくないですね」
「そりゃそうだ。
むしろこれで喜んでる奴はサツの真似事なんぞやってないだろうしな」
チナツの睨みつけるような視線を軽く受け流し、サンドクローは警棒を彼女へと返した。
「……私にはよくわかりません。
何故、貴方はこんなことをしてるんです?
教えていただけるのは助かりますが、敵に塩を送るような真似を何故……?」
「何故、ねぇ?」
どうやらチナツで最後だったらしく、腰に着けているベルトに警棒を一旦しまいながらサンドクローは答えた。
「金払いが良いってのもあるんだが……
まぁ別に教えたところで、俺にとっては誤差も良いとこだからってのもあるな」
そう、彼は今回近接武器を使った戦闘だけを教えてはいるが……
近接戦において彼自身の得意としているのはナイフによるCQCではなく、拳銃を用いた近接格闘術……いわゆるガン=カタと呼ばれる戦術である。
ナイフはあくまで防御手段であり、これのみで戦うということはまずないのである。
「ま、俺を本気で取っ捕まえるつもりなら風紀委員長殿レベルのやつらで俺を囲い込むぐらいはしないとだろうなぁ?
できるかどうかはさておいてだが」
「……やはり、私たちでは無力だと言いたいんですか?」
「そりゃぁそうだろう。
俺が今までどれぐらいアンタらの追跡から逃げ切ったと思っている?」
軽く挑発するようにチナツへとそんな言葉を返すサンドクローだが、彼女はその言葉に言い返すことができない。
というのも、確かに特例で捕縛が許可されている現行犯で彼を取り押さえようとしたことは何度もあったのだが……
結果は全て、散々な末路を辿った。
まず単純に強い。
ヒナ程というわけではないが、少なくとも突撃隊長である「銀鏡イオリ」をして辛うじて足止めができるという程度。
連携して挑んだとしても隙を突かれて同士討ちするように誘導され、気がつけばとっくにトンズラされている始末。
まず彼を捕らえようとするのならイオリ以上……
風紀委員で言えば特記戦力であるヒナ以外、足止め以上の戦果など夢のまた夢でしかない。
しかもヒナが出張ってきた頃には既に確定で逃走できる準備を済ませており、何度か追い詰めたことはあれど捕縛までいけたことはなかったのである。
そう……強さもそれなりなうえに、彼は逃げ足と逃げの判断が早いのだ。
これが不良だったら多少なりともプライドを気にして少しでも躊躇うことがあるのだが、彼はそもそも接敵した時点で逃げ腰に入る。
恥もクソもなく、目的を達成した後はすぐに逃げていくのである。
こちら被害を受けるのも逃走中にやむを得ず行った戦闘でのものであり、彼が積極的にこちらを攻撃したりすることは基本ないのだ。
とまぁそんな事情もあり……
彼を本気で捕らえるのであれば、相当な準備の下で逃げ道を完全に塞ぐしか方法がないのである。
それも、塞ぐための要因は生半可な人員ではなく……
キヴォトスでもトップクラスの実力者達が連携して、という前提がつくのである
まぁ学園間での連携についての困難さについてはチナツもよく理解しており、それゆえに彼を正攻法で捕らえるのは現実的ではないとも考えている。
……だからこそ、チナツは彼のことが気にくわないのだが。
「……はぁ。
何故貴方のような人がそれほどの力を持ってしまったのでしょうか……?」
「さぁな。
文句を言うなら俺をこの世に放り込んだ馬鹿野郎のカミサマにでも言うことだな」
「……天に唾を吐いたら罰が当たりますよ?」
「はっ、望むところだ。
その罰をそっくりそのまま返してやるさ」
神など恐るるにたらず、むしろやれるものならやってみろと傲岸不遜にも堂々としているサンドクローに対し、チナツは大きくため息を吐いた。
その息に込められたのはこの世の不条理さか、それとも…
いかがでしたか?
当然のごとく彼は嫌われていますが、まぁさもありなんといったところでしょうかね。
人の書いてる作品でなら普通に許容できますけど、私は自分の書く作品にはメアリー•スーをあまり入れたくないんですよね。
スペックは物語の都合上確かに高めにしてますけど、反面愛されるどころか嫌われることでその部分の中和を計ってますし……
そもそも私自身、オリキャラに自分を投影したくないというのもありますからねぇ……
まぁ、どうせ投影するならアクション映画の主人公達や悪役達のほうが格好いいですしね。
というわけで、また次の話をお楽しみに