ウェスタン•オブ•キヴォトス   作:SCOPEWOLF

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どうもおはようございます。
今回は戦闘シーンを少し挟んだため、少し長めになっております。
やはり闘争、描かずにはいられない…!
それと、なんだかんだアンケート的には7:00くらいの投稿が良さげみたいなので本作はそういうことにしていきます。
なんだかんだ通勤時間とかの暇つぶしに見る人も多いんですかねぇ?
まぁ私はその時間、通勤で車を運転してて見れないんですけど()
というわけで本編をどうぞ


1-2.アビドス高校

見渡す限りすべてが砂に覆われた砂漠のど真ん中。

 

後ろにリアカーを牽引ているにも関わらず、相棒であるトリガーの調子はご機嫌だった。

 

コイツはどういうわけか市街地でも相当に速いんだが、足を取られやすい砂漠ではもっとその馬力を高めて速度も上がりやすくなる。

 

おかげで後ろに軽トラ並みのサイズな荷台ぎっしりに銃弾やその他の補給品を載せているにも関わらず、いつも通りの快調な走りで走行できている。

 

「お前、ほんとに砂漠を走るのが好きだな」

 

――ブロォンッ!!ブォォォォ!!

 

なんだかんだ、コイツも俺も砂漠の環境に慣れきっている。

 

これは単に俺たちがここで長く暮らしていたからなのか、それとも……

 

 

 

「……っと、そろそろか」

 

しばらく砂丘の間を走り続けていると、遠くに市街地……

 

そしてそこから少し離れた位置に目的地である見慣れた学舎が見えた。

 

「……二週間ぶりだが、相変わらず寂れてやがるな。

まぁあんな人数じゃどうにもならんか」

 

そんな言葉を漏らしつつ、俺はアクセルをさらに吹かして目的地へと一直線に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ォォォォッ!

 

 

 

「ん……!」ピクッ

 

「"どうしたのシロコ?"」

 

アビドス高校校舎にて、シャーレの先生を交えて会議をしていたアビドス生……

 

アビドス廃校対策委員会所属の二年生「砂狼シロコ」の耳に聞き馴染みのある音が聞こえてきた。

 

獣の咆哮の如きその音に反応してか、シロコの目は先ほどまでの楽しげな様子から一転し臨戦態勢を取り始めていた。

 

「……みんな、会議は一旦中断!ヤツが来た!」

 

その声に他のアビドス生達の表情も急に引き締まり、特に先ほどまでウトウトとしていた対策委員会の委員長「小鳥遊ホシノ」に至っては先ほどまでの眠たげな様子が完全に吹き飛んでいた。

 

「……シロコちゃん、"おもてなし"は任せたよ。

おじさんもすぐに用意してくるから」

 

「ん、その必要はない。

今度こそ私が仕留める」

 

先生が突然慌ただしくなった対策委員会の様子に目を白黒させていると、対策委員会一年の「奥空アヤネ」が彼を手招きして事情を説明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"いつも通り"、サンドクローはトリガーから降りてアビドス高校の敷地内へと足を踏み入れる。

 

その手に握られているのは彼の愛用する武器の一つ、トンプソン・サブマシンガンのTommy(トミー)

 

片手でも撃てるようにストックの改造がされているそれを2丁、全く同じ改造と名前を付けて彼は使用していた。

 

一方で左右の腰には彼がBonnie(ボニー)Clyde(クライド)と呼ぶシングルアクションアクションのリボルバーが収められており、後ろの方の腰には彼のトリガーと並ぶレベルの相棒BIG Ironが控えている。

 

どこからどう見ても臨戦態勢。

 

だがそれも仕方ないだろう。

 

ここに彼が足を踏み入れたその時、もはや恒例となった伝統行事があるのだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

「サンドクロォォォォッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

雄叫びを上げ、校舎の上から急襲してきた影一つ。

 

愛銃であるライフルに加え、強襲装備としてグレネードやナイフ、ハンドガンなどを装備したシロコがサンドクローへと襲いかかってきた。

 

ご挨拶で放たれた銃弾を舞うような回転で回避し、サンドクローもまたトミーで返して応戦し始めた。

 

「よぉ、シロコ。相変わらず無茶な急襲をしやがるな」

 

「ん!ヘイローもないのに戦車を生身で破壊してる貴方に言われたくない!」

 

「そりゃそうか。

どっちも命がいくつあっても足りない所業だ……なぁ!」

 

――ダダダダダッ、チュチュンッ!カタタタタタタタッ!!

 

半ばインファイトじみた距離感で行われる必死の攻防。

 

しかし、それでもなお優勢なのはサンドクローの方だった。

 

「これ全部……プレゼントだよ!」

 

「花火のプレゼントは中々遊び心があるんだが……

生憎俺の火遊びは道具が決まってるんでなぁ!」

 

シロコは腰に下げていたグレネード……数珠つなぎにして紐に括り付けてあるそれを投げ縄のごとく彼へと投げつけたが、流石にそこは歴戦の賞金稼ぎ。

 

数珠つなぎにされたそれを視認した途端に後ろへと下がり、袖の中に隠し持っていた極小の投げナイフを投げつけてグレネードを迎撃した。

 

数珠つなぎされていたグレネードは彼女の手元の紐から切り離され、彼の頭上を飛び越して明後日の方向へと着弾して爆発した。

 

「くッ、せっかく投げ縄も練習したのに…!」

 

「俺の十八番を取ろうたぁ良い度胸だ。

だかなぁ……場数が違うんだよ、場数がなぁ!」

 

そう言いつつ、彼もまたどこからか取り出した投げ縄を彼女へと投げつける。

 

しかし、彼の投げ縄が狙ったのは……

 

「……ッ、私の銃に……!?」

 

「そぉら没収だ!」

 

そのまま強く引っ張られ、シロコは体勢を崩されることを懸念して泣く泣くライフルから手を離した。

 

そのまま彼女のライフルはそこら辺に捨て置かれたが、回収するには彼を飛び越えて校門の外まで取りに行かねばならない。

 

「なら……!」

 

シロコはすぐに意識を切り替え、ハンドガンとナイフを引き抜いて構えた。

 

ハンドガンを構えつつ、グリップに彫りこまれた溝にナイフを引っ掛けるようにして同時に持つ……その独特な構え方にサンドクローは見覚えがあった。

 

「その構え……確かどっかのゲームとかいうので主人公が使っていた近接格闘術のやつか?」

 

「ん、そう。この前配信を見て参考にした。

貴方が知ってたのは意外だけど」

 

「前に面倒を見ていたガキンチョたちからそのゲームのガンプレイをしてくれって頼まれてな、その時に参考として見たのさ。

だがなぁ……聞きかじった程度の技術を実戦で使うもんじゃないぞ?」

 

「それ、どっちかといえば私のセリフ。

リボルバー使いだし、貴方はあの山猫のほうがお似合いだよ」

 

「そりゃ断る。そもそも立ち場的には逆だろうが」

 

言い合いつつ、ジリジリと二人の間合いは縮まっていた。

 

彼の手にはトミーの姿はなく、代わりに彼もボウイナイフとクライドを持って構えていた。

 

構えこそ左手に逆さに持ったボウイナイフを前面に突き出しながら銃口を上に向けたものだが、いつでもシロコへと牽制射撃ができるように肘を伸ばした先が彼女の額のあたりとなるようにしつつ腕を曲げていた。

 

……最初に仕掛けたのはシロコ。

 

サンドクローへと一気に肉薄し、即座にナイフファイトの構えへと切り替える。

 

そして一閃を彼の首へと……と思えば、サンドクローは少し斜め後ろに身を引くことでこれを回避。

 

ナイフを突き刺すような体勢となってがら空きになった彼女の横腹へとクライドを一発発砲し、すぐさまソレとナイフを腰に戻した。

 

「ヴッ………!?」

 

突然、彼女の側胸部を襲った衝撃………クライドことコルト•シングルアクションアーミーの.45 Long Coltの着弾により、シロコは大きく怯むこととなった。

 

いくら頑丈なキヴォトス人とはいえど肋骨………それも、ピンポイントに撃たれてしまった第六肋骨への衝撃はかなりキツい。

 

一瞬だが肺のなかに溜まっていた空気が一気に吐き出され、シロコの全身から力が抜けてしまった。

 

……そして、そんな隙をサンドクローは見逃さなかった。

 

彼は彼女の背後へと回ると、スルリと後ろから首へと腕を回して彼女の体を拘束。

 

そして、抵抗されないように足払いをして彼自身も腰を少し落とした。

 

突然のことに驚いてシロコがもがこうとするも、後ろから首を抱くように絞められている故にうまく上半身の身動きが取れず、足もしたばたと動かせるだけでうまく足に力を入れて地を蹴るなどができない。

 

「んーーーッ!!んんーーーッ!?!?」

 

「CheckMateだ、シロコ」

 

涙目になってもがくも虚しく、彼女の側頭部へとBIGIronの銃口が押し当てられた。

 

彼女のナイフやハンドガンは絞め上げられた時に手から離れてしまい、もはや打つ手はない。

 

プルプルと震えて顔を真っ赤にしつつも、シロコはこれ以上はどうにもできないと悟り降参のジェスチャーとして両手を上げた。

 

「良い子だ。次のときには近接格闘術ももう少し学んでおけ」

 

「んッ……!?けほッけほッ………」

 

拘束から解放され、締め上げられていた首が自由を取り戻したことでシロコは咽るように空気を吸っていた。

 

その場に尻もちをついた彼女を放置し、彼は次に来るであろう人物……

 

自らの宿敵の方へと向き直った。

 

 

 

「うへぇ〜、やっぱりシロコちゃんやられちゃったかぁ。

相変わらず容赦ないねぇ〜?」

 

「それが約束だったからな。

……にしても、聞き齧った程度の技術をいきなり実戦に使ってくるとはどういう教育方針だ?

お前ならそれなりに躾ていると思ったんだがな…?」

 

「ウチは放任主義だからねぇ〜。

たまに鍛えてはあげるけど、どういうふうに成長するかはシロコちゃん次第だよ」

 

「……昔からかなり雰囲気が変わったとは思ったが、そんなところまで変わったとはなぁ。

その調子じゃ腕も落ちたか……暁のホルス?」

 

「……いい加減、ホシノって呼んでくれないかな?

その呼び方をされるとむず痒いんだよねぇ」

 

校舎の玄関から現れたのは、普段の様子とはかけ離れた覇気を放つ少女……ホシノだった。

 

口調こそいつも通りなのだが、身にまとう雰囲気と装備が全く違う。

 

両手に盾とショットガンという装備はいつも通り変わりないのだが……

 

彼女の装着する防弾ジャッサケットには普段は使うことがないハンドガンが装着されており、そのマガジンも含めて全体的に重装備となっている。

 

長くふわりとした彼女のピンクの髪は後ろで一纏めにされてポニーテールのようになっており、全体的に普段のゆったりとした雰囲気とは違って肌がピリつくような印象を受けた。

 

「じゃ、はじめよっか。

今日も稼がせてもらうよ〜」

 

「ハッ、上等だ……!

この傷の仇、今日こそは晴らしてくれる……!」

 

ホシノが盾とショットガンを構えると同時に、サンドクローもまたそこら辺に投げ置いていたらしい二丁のトミーを拾い上げて構えていた。

 

睨み合い、一触即発という雰囲気で対峙する二人。 

 

どこからともなく風に吹かれたタンブルウィードが二人の側を転がっていき、しばしの静寂が訪れる。

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

「ホルスゥゥゥッ!!!」

 

 

 

 

「サンドクロォォォォッ!!!」

 

 

 

 

共に雄叫びを上げ、両者は激突した。




いかがでしたか?
はい、設定資料にも書いてましたが……彼の目にある切り裂かれたような傷をつけたのはホルスことホシノです。
何がどうあってソレがつけられたのか、それはまた別のお話。
というわけで、また次の話をお楽しみに
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