ウェスタン•オブ•キヴォトス   作:SCOPEWOLF

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どうもおはようございます。
さて、今回はオリジナルキャラ……
それもネーム付きの大人(獣人)が登場します。
生徒ではなく大人なのは一応理由がありますが……
たぶん、なんとなく本編を見たら察することはできそうなのでここでは敢えて言わないでおきましょう。
まぁどのみち次の話でしっかりと明言することになるでしょうが()
因みに、一応元ネタはとある声優さん……
そのつながりで色々と組み合わせて作られています。
ある程度個人的にはリスペクトしてるつもりですが……どうでしょうかね?
というわけで本編をどうぞ


1-7.ブラックマーケット〈上〉

ブラックマーケット。

 

いわゆる闇市だが、キヴォトス各地に小規模ながら点在している非合法の領域である。

 

成り立ちは廃校となった学園の自治領等に集まった裏の商人や不良達が自分達の縄張りとして使い出したことであり、連邦生徒会長失踪後は徐々にその規模を拡大してきていた。

 

そんなブラックマーケットの中でも一際大きいマーケット。

 

アビドス、ゲヘナ、トリニティの三学園自治区間の空白地帯にあるここに、サンドクローと便利屋68の四人の姿があった。

 

「……にしても派手にやられたもんだ。

ま、今回のは良い経験になっただろう?」

 

「はぁ……結局依頼を丸ごとパーに……」

 

「仕方ないよ、アルちゃん。

あのまま続けても私らが手に負えるお仕事じゃなかったもん」

 

「……まぁ、これ以上首を突っ込んだら私達の方も無事じゃ済まないみたいだし。

今回はサンドクローが後ろ盾になってくれたけど、たぶん私達だけだったらあのまま継続で突っ込まされてた」

 

「うぅ……申し訳ございません。

わ、私が……あの時制圧されなければ……」

 

「悔やむのはいいが、ある程度は呑み込んどけ。

少なくともアビドスの連中にあれだけやれたなら及第点だ」

 

そう事なげもなく言い放ち、サンドクローはブラックマーケットの一角……

 

どこからともなく機械油の匂いが漂う町工場の集ったエリアへと足を踏み入れていた。

 

「へぇ〜、ブラックマーケットにこんなところあったんだね?」

 

「このへんはあまり子供が立ち入る場所でもないからな。

ブラックマーケットの中でもかなり歴史ある場所だが、メインストリートとは違って非合法な物が少ない。

ここにいる連中は仕事のあぶれて他所から流されてきた技術屋共ばかりだからな」

 

ムツキの疑問に答えつつ、サンドクローはある店舗の前で立ち止まった。

 

 

――武器屋「Raccoon ARMS」

 

 

アライグマらしき動物のデフォルメイラストが店名の上にドンと置かれており、とてもではないがここが本当に彼の御用達の武器屋だとは思えない。

 

サンドクローは特にそれを気にするでもなく、静かにドアを開けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――カラン

 

 

 

「……おっと、お客が来なさったか。

はいよ、いらっしゃ……」

 

「よう、ケイブ。相変わらず景気は悪そうだな」

 

「おぉっと、サンドクローの坊主じゃねぇか!

お前さんもあいっかわらずの毒舌だな!」

 

「さっきまでのシケた面はどこに行きやがった。

……ま、こんな客が一人もいねぇ店で呆けてりゃそうもなるか」

 

「アハハハハッ、こりゃ手厳しいな!

何ならお前さんが一人や二人、この店を紹介して来てくれても良いんじゃないか?」

 

特徴的な笑い声をあげ、膝を叩きながらサンドクローをまっすぐに見つめる店主らしいアライグマの獣人。

 

左目に眼帯をつけているためか、その声色とは裏腹にナイフのような鋭さを放っているように感じる。

 

「おう、それならちょうどいい。

あんたに追加のお客さんだ」

 

そう言ってサンドクローが店の中に入ると、後ろに続くようにアルたち便利屋の四人もぞろぞろと中へ入った。

 

「おぉ……

別嬪さん二人に可愛い子ちゃん二人たぁ、お前さん分かってるじゃねぇか!」

 

どことなく独特な喋り方をしている目の前の獣人に便利屋が少し怯んでいると、店主はパタリと座っていた椅子から飛び降りてカウンターから出てきた。

 

「ようこそゲヘナのお嬢さん方!

俺は「ケイブ」、この武器屋の店主だ!

銃火器、爆薬、その他諸々……

武器兵器の特別すげぇスペシャリストな俺に揃えられねぇもんは無いぜ!

つぅわけで以後よろしく!」

 

「よ、よろしく……」

 

思っていた店主の雰囲気と全く違った為か、アルは顔を引きつらせながらもケイブから差し出された手に握手をする。

 

「……コイツはいつもこんな調子だが、これでも腕と調達力は一級品だ。

ケイブ、早速だが仕事を頼む」

 

「おいおい、せっかくこんな可愛い子ちゃん達がいるのにそんな急かなくても……「そのよく回る口の中に火のついた爆竹を入れられたいなら構わんぞ?」……あークソ、わぁったよ!

んじゃ、早速何の用で?」

 

若干不機嫌になったケイブに問われ、便利屋たちが各々の銃を見せるようにカウンターへと並べていく。

 

「コイツらの銃とBIG Ironのメンテナンスを頼む」

 

「ほー……こりゃまたやりごたえのありそうな仕事を持ってきたな?」

 

そう言いつつ、ケイブはひとまずアルの「ワインレッド•アドマイヤー」を手に取る。

 

「ふぅむ、こりゃ相当神秘の癖がついたスナイパーだな。

ちと矯正してやってすり減ったボルトを交換すればまぁいい感じに馴染むだろ。

この使い方は……どっちかといえばマークスマンってところか。

まぁちょいと金は掛かるが、マークスマンライフル用のカスタムパーツをつけてみるのも有りかもな」

 

「え、えっと……今一瞬見ただけなのにそんなに色々と分かるの?」

 

「言っただろ、腕は確かってな」

 

サンドクローのその返しに、店主はまたアハハハハッ!と笑いながらアルの方へと向き直った。

 

「これでも昔はそれなりに名前が知られた傭兵でな?

そんときに仲間の武器の修理だとか整備まで俺一人でやってたんだぜ!

んでまぁそのなかには嬢ちゃんたちみたいなヘイロー持ちの可愛い子ちゃんもいたからそういう武器にも詳しくなったって訳よ!」

 

「へ、へぇ……」

 

店主の捲し立てるような言葉に気圧されつつも、ペラペラと喋る傍らで次々に様子を見られていく自分達の愛銃に一抹の不安がよぎっていた。

 

……しかし、ハルカの「ブローアウェイ」の番が回ってきた辺りでそれは杞憂になった。

 

「……ん?

コイツ、チューブマガジンのスプリングの調子が悪くなってんのか?」

 

「え、えぇ……?い、いえそんなはずは……」

 

「ちょっと待ってな」

 

突然ブローアウェイを担ぎ、店主は店の奥へと消えていった。

 

ハルカがあたふたしてアルが抗議の声をあげようとしたその時、それを制したのはサンドクローだった。

 

「ちょっと!いったいどういう……」

 

「まぁ待て。アイツは客の獲物に変なことはせんさ」

 

彼のその言葉から数分、先程と全く変わらないように見えるブローアウェイを持った店主が現れた。

 

「ほい、いっちょうあがり!

ほらほら〜、試しに弾を込めてみな?」

 

「え、あ、は、はい」

 

店主に促されハルカは受け取ったブローアウェイに弾を込めてみる。

 

すると……

 

「あ、あれ……!?

弾が……いつもより入りやすいです……!?」

 

ハルカのその言葉に、便利屋達は驚愕した。

 

彼が手に持って数秒もせずに修理箇所を見つけ、ものの数分でそれを完璧な状態で修理が完了。

 

あまりにも仕事が早い上、その出来具合も完璧。

 

先程までの不安が一気に吹き飛ぶほどの衝撃が彼女たちの間に走っていた。

 

「いやぁ、なんとな〜く妙な感じはしたのよ。

んでバラしてみたらこの通り、バネが古くなってるわオイルが少しはみ出たのかちょっと固着してるわで動きが悪くなってんの」

 

そう言って店主が手に持ったのはチューブマガジン用のスプリング。

 

一見何の変哲もない様に見えるが、どことなく使い込まれたかの様にくたびれている様にも見える。

 

「まぁこれも使えないわけじゃないんだが、あまり長く放置してっと変な感じに壊れちまうからな!

不調を直すなら早いうちだ!」

 

再びアハハハハッ!と笑いながら店主はどこからともなく書類とフリップボード取り出し、便利屋68の四人へと手渡した。

 

「てなわけでそこの嬢ちゃんのショットガンの修理はサービスだ!

あとの三人分も含めてだがメンテナンスから修理、カスタマイズまで要望をこれに書いてくれよ!」

 

「金については俺の奢りだから気にするな。

今のうちにできるだけ自分の獲物の調子を整えてやれ」

 

その言葉を聞きつつ、要望書を渡された三人はウンウンと唸りながらどういうふうに愛銃の面倒をみてもらうかを検討し始めた。

 

そんな三人を尻目に、ケイブはサンドクローへとふらりと近寄って耳打ちで話し始めた。

 

「……なぁ、あの嬢ちゃんたちってもしかして坊主の"コレ"だったりすんのか?」

 

そう言いつつ彼は小指を突き立てるようなジェスチャーをする。

 

「……んなわけあるか。

あいつらは色々と面倒をみてやってるだけだ」

 

「ほー、一匹狼のお前さんがねぇ?

……ってことはよ、お前さんもか?」

 

「さてな。

少なくともあいつらの練度だとまぁまだ先だろうな」

 

「アハハハハッ!流石は天下のサンドクロー様だ!

ま、そんときゃパァッとパーティでも開こうぜ!」

 

「この調子だといつになるやらだな」

 

男二人がそんな会話をひっそりと繰り広げている中、少女たちは頭を捻りつつ色々とフリップボードへと書き込んでいた。

 

そんな様子を微笑ましそうに眺めるケイブ、そしてそんな彼を呆れた目で見るサンドクロー。

 

ブラックマーケットという汚れまくった場所にそぐわず、今この場所には確かに青春の一ページが刻まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――カラン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"ごめんくださー……あっ"」

 

 

「「「「え?」」」」

 

 

「おっと……?」

 

 

 

そう、刻まれていたのだ




いかがでしたか?
さて、ケイブ氏の元ネタが誰かは語るまでもないでしょう。
個あの人は色々と印象に残りすぎて声が脳に焼き付いちゃったんですよねぇ。
いやぁなんとも……惜しいものです。
というわけで、また次の話をお楽しみに
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