……先に投稿したアパラチア帰りの方でも申してましたが、今回のメインシナリオにより設定が少しだけ加筆され、その結果本来の予定していた最終回から延長することが決定しました。
いやまぁ……元の設定にこうもはめ込みやすい設定が来ちゃうとは。
おかげでキャラ設定が更に鮮明とはなりましたが、サンドクローの気付かぬところで抱えてる闇が更に重くなりましたわ。
とまぁそれは良いとして、前回で風紀委員はほぼ壊滅状態。
ここからどうなるのか……
それでは本編をどうぞ
「"チナツ!?大丈夫!?"」
「……っあ……せ、せんせ……い……」
「……とりあえず、大人しくして。そんなケガと武器じゃ戦えないだろうし」
「クッ……!」
未だに地面で蹲ってへばってやがる火宮の奴にシャーレのアイツが駆け寄る中、シロコのやつは銀鏡突撃隊長に銃口を向けつつ武装解除と投降を呼びかけていた。
銀鏡突撃隊長は一瞬シロコの言葉に反抗しようとはしたものの、自身の損耗と風紀委員達の状態を見てか苦虫を噛み潰したような顔でアイツの指示に従っていた。
「ん、あなた達がサンドクローにボコボコにされたのは正直同情する。
でも、それはそれとして柴関ラーメンを爆破したのは許せない。どうしてそんなことをしたの?」
「……尋問のつもりか?悪いが答えてやるつもりは……」
「……立場分かってる?
あなた達は今、私達のアビドス自治区に無断で武力侵攻して民間の建物を爆破した。
いくらそっちがマンモス校の治安維持組織でも、それで許されないのは分かるはず」
「…………」
シロコの指摘にイオリは反論しようとしたが、しようにも今の彼女にとってはこの状況的に分が悪かった。
彼女としては他校とはいえ弱小校の敷地内。
歯向かうなら容赦なく叩き潰す。
そのつもりではあったが、今の状況ではそうもいかない。
現在ここにいる風紀委員の大半がサンドクローの手によって気絶………あるいは動けないほどの障害を受けて行動不能。
兵器類も大半が破壊され、残っているのはミサイルランチャーが一丁と携行式の迫撃砲数丁程度。
さらに言えば先ほどのやり取りからして、目の前のアビドス生はあのサンドクローが無碍にしない程度の実力者と推定される。
それほどの相手に対し、イオリが持っているのは近接格闘用のナイフ一本。
自身の怪我も軽くはあるが、それでも万全な相手に銃が無いことがあまりにも心許ない。
故に、イオリは歯の奥を噛み締めながらもシロコを睨むことしかできなかった。
「シロコ、そいつらはそうそう口を割らんぞ」
「……外野は黙ってて、サンドクロー。
今そっちは関係ないでしょ?」
そんな二人のやり取りを見かねてか、サンドクローは腰掛けている瓦礫の山から声をかけていた。
しかしシロコは嫌そうな顔をしつつ、サンドクローに対してそう言葉を返していた。
「おいおい……一応これでも爆撃に巻き込まれて頭の皮が少し切れたんだが?
それで外野ってのはひでぇもんだな」
「ん、ならさっさと病院にでも行くべき。
ここからはこの人達と私達アビドスの問題。
あなたは関係ない」
「残念ながらまだ俺もやることがあってなぁ……
まぁ、そろそろ来る頃だろうが」
そうサンドクローが言ったところで、チナツの方から着信音が鳴った。
震えながら彼女が携帯を取り出してみると、そこにはアコからの通話着信が来ていた。
「スピーカーに切り替えろ」
「あ……は、はい……」
未だに先ほどの恐怖体験が拭えきれてないためか、彼女の指はうまく携帯を操作できてない。
見かねたセリカが彼女からスマホを借り、スピーカー通話に切り替えてその場に携帯を置いた。
『チナツ!そちらはどうなっていますか!?
あのクズのせいでそちらの様子が……』
「クズとは随分な言いようだなぁ、牛女?」
『……!?!?サンドクロー、なぜ貴方がチナツの携帯から……!?』
「ん、貴女が柴関を吹き飛ばさせた犯人?」
『……!誰ですか貴女!』
携帯から響いてきたアコの声に対し、サンドクローとシロコが各々に言葉を返した。
どうやらサンドクローがホログラム機能付きの通信機を破壊して以降、風紀委員達の動向を把握していなかったようだ。
「残念なお知らせだが、お前が送りつけた風紀委員達はほぼ壊滅している。
オマケにお前のやらかしでアビドス高校側もご立腹みたいだぞ?」
「……サンドクローに同調するのは癪だけど、そういうこと。
なんで柴関を襲ったかも聞きたいけど、ケジメはしっかり付けてもらう」
『……なるほど、アビドスの方もいましたか。
ですが、申し訳ありません。別に私達はそこにいるカスや柴関という建物については一切狙っておりません。
あくまで私達は自校の校則違反者である便利屋68を逮捕しに……』
「それは便利屋たちから聞いた。
でも、こっちに許可もなく管轄外の自治区で攻撃するのは筋が通らない。
いくら私達アビドスが少人数の学校だとしても、最低限そういうのは通すべき。
天下のゲヘナの治安維持組織にそれが分からないはずがない」
『……………』
シロコの言葉に対して、アコが返したのは沈黙。
携帯越しでその表情は見えないが、どことなくこの状況を面倒そうにしているとシロコは感じていた。
一瞬訪れる静寂。
しかし、それを破ったのはサンドクローだった。
「ま、大方他に狙いがあったとかだろうな。
どうせアイツに黙って出撃させたのも、便利屋以外にも確保したい物があったからだろ。
例えばそうだな………そこのシャーレの教師とか」
「"………え?私?"」
彼のたてた推測に対し、先生は思わぬ指名で困惑していた。
なぜ自分がその確保したい対象なのか、その理由に心当たりがないかのように。
しかしその瞬間、携帯からアコの笑う声が聞こえてきた。
『ふふ………はははははっ!
………まさかサンドクロー、貴方に見抜かれるとは。
ただの頭の弱い暴れ猿だと思っていましたが………その認識を訂正しましょう』
「あァ?」
再びキレた声を出すサンドクローを他所に、アコは語った。
シャーレという組織への不信。
近々控えるエデン条約という平和協定。
……そして、それに対してシャーレが障害になるのではという独善的な懸念。
『……えぇ、そうですとも。
だからこそ我々は貴方を……そこにいらっしゃるシャーレの先生をエデン条約締結まで保護しようということです。
おわかりいただけましたか?』
「……ん、なるほど。
で、それをそっちの風紀委員長さんに伝えずに勝手にやったのは色々とマズいはず。
貴女はどう言い訳するつもり?」
『ふふ………問題はありません。委員長は現在出張中です。
全てが完了した後に、私が全てご説明すれば……』
「……残念だけどアコ、それは通らないわ」
瞬間、通話越しにアコが凍りついた。
それは彼女がよく知る声であり、だからこそなぜそこにいるのかが分からない人物の声だった。
『ひ……ひひひヒナ委員長!?!?!?』
「……アコ、答えて。貴女何をやってるの?」
そこに居たのは魔王……いや、ゲヘナ風紀委員の制服を着た一人の少女。
彼女の腕に巻かれた「風紀委員長」の文字が書かれた腕章がはためき、チナツの携帯越しにその向こうにいるアコを冷たく睨んでいた。
いかがでしたか?
あっ、そうそう……
ちょっとした原作&本作のネタバレをここから大きく改稿を押したところに置いとくのでネタバレなしに読みたい人はここでブラウザバックか、もしくはすぐに上へとスクロールしてから次の話を押してください
「……諸君、俺は自由が好きだ」
「だからこそ、今ここで俺たちは立ち上がらねばならない」
「力による統制?笑わせるなッ!
そんなものが俺たちを縛り、自由を奪うというのか!」
「ここゲヘナ学園は自由と混沌を是とし、だからこそ諸君らは自分達らしい青春を送れた!」
「だが、何ということか!
万魔殿……いや、マコト議長をはじめとしたほとんどの三年達は洗脳でカビの生えた古臭い過去の亡霊共の手に落ち、ゲヘナを愚かで野蛮なディストピアへと作り変えようとしている!」
「キヴォトス全てを敵に回し、ゲヘナが偉大だと誇示する?
馬鹿をいえ!それこそ愚鈍なる蛮行だ!」
「こんなクソみたいな茶番を作りやがった連中の言いなりになるつもりか?
俺の答えは否だ!」
「俺は例え他にやるものが居なかろうと、奴らを止めてやろう!
だが、諸君らはそれを指をくわえて見ているつもりか?」
「……俺たちは今、奴らから自由を奪い返す!
弾が無いのなら、俺がたんまりくれてやる!
自由で混沌としたゲヘナを愛する者たちよ、今こそ立ち上がる時だ!」
「俺たちは亡霊共の奴隷ではない!
自らの道を選び、秩序ある混沌を体現する自由の申し子なのだ!」
「さぁ諸君……戦争を始めよう!
亡霊共に奪われた三年たちを奪還し、ゲヘナを再び偉大な自由の学園へと再生する!」
「皆、俺に……いや、俺たちに続け!
■■■■ Gehenna!」