書き溜めを一日ごとに時間をずらして投稿する実験をしている今日この頃です。
さて、それはそれとして今回の話についてです。
一応彼がキヴォトスに来てからそれなりの時間が経っています。
そうしないと話が凄い長くなっちゃうので仕方ないね()
流石にメインの二作品抱えながらそんな大長編作るのはしんどいので、多少はナレーション任せでカットです。
まぁクオリティは大して変わらないんですけど……
というわけで、本編をどうぞ
――ズダァァァァンッ!ズダァァァァァンッ!
「ゴフッ⁉」「ギャッ⁉」
「く、クソ!あの野郎!」
「早く逃げろ!撃たれたいのか⁉」
――ズダァァァァァンッ!ズダァァァァァンッ!ズダァァァァァァァンッ!!
「ガハッ⁉」
「アギャッ⁉」
「ヴッ⁉ぐ、ぐぞおぉぉッ!!!!」
銃声が轟き、その度に少女たちの悲鳴が響き渡る。
彼女たちはいわゆるスケバン……つまり、不良生徒たちだ。
この学園都市「キヴォトス」において、彼女たち不良生徒の扱いは良くてチンピラ。
場合によっては、賞金首として指名手配される。
今次々と倒れている少女たちも例外ではなく、それなりの額で指名手配されていた生徒たちであった。
もちろん、賞金首とはいえどキヴォトスにおいて殺人はご法度。
ヘイローと呼ばれる不思議な力によってそう死ぬことはないとはいえ、ここでの賞金首たちは皆Alive……つまり、生け捕りだ
「……これで全部か。ったく、手間を取らせやがって……」
そうぼやきつつ、地に伏す少女たちに縄をかけていく少年……いや男。
最後の一人を縛り上げると、近くに置いていた軽トラックへと少女たちを積み込む。
「5、6、7……コイツで最後だな」
最後の一人を積み込むと、男は彼女たちの首へと「指名手配犯移送中」と書かれたプラカードをぶら下げた。
しっかりと固定して逃げられないことを確認すると、男は軽トラを運転してどこかへと去っていった。
後に残ったのは戦場となった廃墟……
そして、いくつかの大きな薬莢だけであった。
「……はい、確かに確認しました。こちらが報酬となります」
――ペラ、ペラ、ペラリ……
「……これっぽっちか。だいぶ安いな?」
「今回の犯人たちの罪状は無銭飲食が三件とコンビニ強盗二件だけでしたからね。凶悪ではありますが、あまり高値がついては……」
「……まぁいい。一週間分の食事代ぐらいにはなるだろうしな」
ここは連邦生徒会直轄の保安監督機構の建物。
ここではヴァルキューレ警察学校から出された賞金首の引き渡しなどを受け付けており、今日も次々と捕まったスケバンやヘルメット団と呼ばれる不良生徒……あとは時折「大人」として区分されるロボット市民や獣人などが運び込まれていた。
「……やはり、ヴァルキューレなどへの編入はご検討いただけませんか?」
「はんっ、ポリ公になるなんざまっぴらごめんだな。依頼や賞金首でなら手を貸すが、それ以外ではノータッチだ」
「……そうですか。とても残念です」
受付をしていた女子生徒は本当に残念そうな顔で惜しみ、「またのご利用をお待ちしております」とだけ言って次の受付の準備にかかった。
彼も長居する気はないため、ここでレンタルした軽トラを返却しに……
「……お待ちください!」
……行こうとした矢先、彼を止める声が響く。
男が振り返ると、先ほどの受付とは別の生徒が彼へと息を切らして駆け寄ってきていた。
「ゼエ、ハア……も、申し訳ありません!緊急ですが、依頼を出したいのです!」
その生徒の発言に、周りの者たちはざわついた。
ここにいるほとんどの傭兵や賞金稼ぎたちは皆、ばら撒かれた依頼や仕事を請け負うことはあれど個人への指名依頼などが来ることはほとんどない。
ましてや、彼女の様子からしてその依頼は公的機関からの要請……
普通ならそのレベルの傭兵はヴァルキューレを始めとした各自治区の治安維持組織に成り上がるかして取り込まれているのだが……
彼からはそんな気配が一切しなかったのだ。
「……内容と報酬は?」
静かに、男はそれだけを返した。
「……連邦生徒会より、要人の護衛です。現在、D.U郊外に位置する「連邦捜査部S.C.H.A.L.E」の保有するビルへとVIPを輸送しているのですが……目的地周辺にて不良生徒たちの暴動が発生。」
「現状、連邦生徒会本部に居合わせた戦闘可能な生徒たちを護衛としてつけていますが……確実にVIPにはシャーレビルへと安全に到着してもらう必要があります。」
「そこで、貴方に緊急ですが依頼を発行させていただきたいのです!どうか、言い値でもよろしいので引き受けてくださいませんか!」
土下座し、彼に必死に頼み込む生徒。
その姿に周辺にいた者たちは驚愕と共にその顛末を見ていた。
「……ふむ。」
男は懐から電卓を取り出し、高速で何かの数字を打ち込んだ。
そして土下座する彼女の前で屈み、それを突き出すように差し出すと……
「……これでなら引き受ける。」
そう、静かに答えた。
バッと勢いよく顔を上げた生徒は電卓の数値を見て……
「こ、これは……⁉」
その数値に絶句した。
「俺は自分の命を安売りしてないもんでなぁ…?最低でも、緊急ならこれぐらいは貰わないと話にならないんだ」
「そ、それは……いえ、分かりました!」
すぐに彼女は立ち上がり、受付の奥へと消えていった。
「……あー、レンタル受付の奴」
「え?あ、はい……なんでしょうか?」
「手続きはそっちに任せる。鍵は置いていくぞ」
「えっ⁉ちょ、ちょっとぉ⁉」
男は手に持っていた軽トラの鍵を受付へと置き、外へと勢いよく飛び出した。
入口付近に駐車している先ほどまで不良生徒たちを乗せていた軽トラを通り過ぎ……
その向こうに置かれた有料のバイク専用の地下駐車場へとアクセスする。
アクセスから一分も立たずにシャッターが開かれ、その先から一台のバイクが機械によって運ばれてきた。
男は素早くそれに乗り、ちょうど書類を作成できたらしく入口から飛び出してきた生徒の下へとバイクを動かす。
「こ、こちらです!印鑑は……」
「すまんが、急なら血判で勘弁してもらう」
「え、ちょっと…ひぃ⁉」
男は懐からナイフを取り出して自分の指を切ると、血の滲んだそれを書類に押し付けた。
生徒は突然の男のその行動におびえるが、なんとか腰を抜かすことなく血判付きの書類を受け取った。
「……依頼、受託した。Hi-Yo Trigger!」
――ブルォォンッ!ブオオオォォォォォォォォォッッ!!!!
男は掛け声を上げてアクセルを全開にすると、咆哮を上げるバイクと共にD.U郊外に向かって駆け出した。
いかがでしたか?
掛け声は西部劇「ローン・レンジャー」より主人公の掛け声「Hi-yo Silver!(ハイヨー、シルバー!)」を元にしてアレンジしました。
特に深い意味はありませんが、彼にとってのバイクは馬と同じで相棒のようなものであると表現するためだけにこうしました。
たぶんそのほうが格好がつきますから……
というわけで、また明日をお楽しみに