さて、今回のお話なんですが……
ここより先、本作の展開の大きなネタバレと原作の大崩壊が待っています。
まぁここまで情報垂れ流しつつも、それを回収できるのは数話先なんですよねぇ……
とはいえこれ挟んでないとあとからぽっと出の謎の人物が現れたみたいなことになる故、これは仕方ないのです……。
まぁ強いて言うなら、ネタバレ踏まずに楽しみたい人は大きく改行してるあたりで一旦読むのをやめて次の話へと移りましょう。
とまぁそんなことはさておき本編をどうぞ
「……アンタが連絡のあった運び屋か?」
「……………」コクコク
「しゃべらないとは聞いてたが……アンタ、普通だったら怪しすぎて追い払われるか捕まるだろ」
「……………!?」ワタワタ
アビドス砂漠にあるカイザーの所有する基地。
その正面口に現れた軽トラックの検問を受ける不審者がいた。
全身を黒いローブらしい衣装で覆っており、顔はフードとペストマスクのような独特な形状の仮面で見えない。
一言でその人物を表すのであれば「カラス」だろう。
実際軽トラックにも太陽を背にしたカラスを描いたロゴが入っており、名前も「Raven Express」となっている。
「運び屋レイヴン……ねぇ?
あいつの子飼いって話だが、初めて聞いたぞ」
「…………………!」ドヤッ
「……顔も見えなきゃ口も開かねぇのに感情は分かりやすいな」
一言も喋らないながらも感情表現が豊富。
そんな不審者……運び屋レイヴンに呆れた顔をしつつ、検問をしていたカイザーPMC所属のオートマタは許可証を渡してゲートを開いた。
「あんまり長居はするなよ?
時期にここで戦闘が起こるからな」
「…………………!」(°∀°)bグッ!
オートマタの声に親指を立てて返すと、運び屋は基地の中へと入っていった。
「……弾薬、ダイナマイトの在庫、Wyattと専用の装備一式。
リストの漏れ無しだな」
「…………!」ドヤッ
「あぁ、助かった。仕事は完了、あとは好きにしろ」
カイザーPMC基地の一角……あまり人がいないエリアに軽トラックが止まり、依頼主であるサンドクローへと荷物を受け渡していた。
受け渡した荷物の中には308.ウィンチェスター弾が入った複数の弾薬ケースや、.45ACP弾がジャラジャラと詰め込まれた木箱。
束で置かれた十本ほどのダイナマイトが置かれたあと、荷台に残っていた武器をサンドクローは手に取った。
彼が唯一使用するライフルウィンチェスターM1873ことウィンチェスターライフル「Wyatt」。
名前の由来はOK牧場の決闘で知られるワイアット・アープであるが、彼がこの銃にこの名前をつけたのはほとんど皮肉のようなもの。
西部を征服した銃に名付けられた保安官の名は、この世界においてはサンドクローというアウトローの頂点の手先として悪名名高いものとなっている。
使用する弾薬についても一般流通している.44-40ウィンチェスター弾ではなく、この銃で扱う専用の改造弾が使用されている。
改造弾は本来の.44-40ウィンチェスター弾に比べて威力が桁違いなほどに高く、その弾頭自体もとある店主の変態的技術によって着弾時に中に仕込まれた火薬によって炸裂する……
いわゆる炸裂弾である。
当然だが、本来こんな特殊弾頭は存在しない。
あくまでこの世界でのみ、特殊な技術を用いて作られたオリジナルの弾薬である。
そんなとんでもない銃弾を専用のケースから取り出してWyattとガンベルトに装填していると……
彼の目にふと、どこかソワソワと落ち着きのない様子の運び屋の姿が映った。
「……そうだな、俺が今回受けたのは防衛の依頼だ。
相手はアビドス高校と連邦捜査部シャーレ」
「…………………!」ピクリ
突然一人語りをし始めたサンドクローに対し、運び屋は背筋を正して彼の言葉に耳を傾けていた。
「よくは知らんが、アイツらにとって大事なものが奥の廃墟にあるらしい」
「…………………」
「でまぁ、俺がやることはそこに通じる一本道を死守することらしいが……他に裏道だとかがあるとは聞いてないな」
「…………………!」
「そこら辺どうするのか……いや、別に聞く必要もないな」
そう言い切ると同時にサンドクローは持てるもの全てをトリガーへと乗せ、エンジンをかけてアクセルを更かし始めた。
「……あぁ、そうだ。
さっきまでのは俺の独り言ってことにしておけよ」
運び屋にそう伝えると、サンドクローはブレーキから手を離して所定の位置へと向かっていった。
その場に取り残された運び屋は軽トラックの荷台へと手を伸ばし、やたらと大きなトランクケースと何かのスイッチのような物を取り出した。
運び屋が手に持ったスイッチを押し込むと、荷台の底が開いて中から
運び屋のサムズアップにソレもまたサムズアップで返し、軽トラックの運転席へと乗り込んで車を発進させた。
そして、サンドクローも軽トラックも居なくなって完全に一人になった運び屋はトランクケースを背負って行動を開始する。
こっそりと慌ただしく動き出したPMC兵に見つからないように行動しつつ、運び屋は手にお守りのようなものを握る。
表には先ほどの太陽を背にしたカラスのロゴが描かれているが……
その裏側にはまるで
「…………………!」ダッダッダッ
運び屋は一言も喋らないが、何かに必死になっているかのようにその足取りは重くも素早かった。
いかがでしたか?
さてはて……運び屋レイヴン、一体誰なんでしょうなぁ()
因みにですが、レイヴンことワタリカラスって日本神話以外でも神聖視されるケースがあるみたいですよ?
西洋ヨーロッパ圏でこそ不吉の象徴ですけど、精霊信仰の文化圏や古い時代の神話、あとは伝承でならイギリスとか中東でも神聖視ないし歴史的に重要な生物として扱われることがあるんだとか。
まぁ色々と説はありますけど、大体は「死んだ魂を運んで飛ぶ鳥」だとか「太陽の鳥」だとかのような扱いなんだそうな。
まぁそんな得になるかわからない情報はさておき、また次の話をお楽しみに