ウェスタン•オブ•キヴォトス   作:SCOPEWOLF

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どうもおはようございます。
ちょっとゲーム(東方紅魔郷Classic)とかプラモ製作(装甲騎兵ボトムズのスコープドッグターボカスタム)とかで忙しくしていましたがなんとか仕上げました。
いやぁ……本当に忙しい。
あと二週間後にはエースコンバット8もありますし、それまでには紅魔郷のノーコンクリアとまた別のプラモ(HGケンプファー)製作を済ませつつ、この作品に加えて拙作の「アパラチア帰りの外道の先生生活日記」と現在諸事情で休載中の「東方死霊録」の更新もしないといけない。
……普通に仕事もあるのになんでこんなにハードワークになってしまったのか
とまぁそんな逃げられない現実にのしかかられていますが、それはともかく本編をどうぞ


1-19.日の出の予兆

「何故…?何故何故何故何故何故何故何故何故何故?」

 

「"……貴方には分からないだろうね。

大人として取るべき責任を知らないのだから"」

 

暗い部屋の中、二人の大人が言葉を交わす。

 

片や、冷めた目で責任を語るのはシャーレの先生。

 

態度そのものは落ち着きながらも、相対する相手への苛立ちの混ざる声で目の前の異形へとそう言葉を吐き捨てた。

 

一方もう片方は黒いスーツの異形、ゲマトリアの黒服。

 

先生の生徒の為という自己犠牲じみた思想に対し、言葉を荒げるように「何故?」と問いかけていた。

 

しかし、黒服には目の前の大人の考えが理解できない。

 

同じこの世界における大人であろうとも、二人の間には明確すぎるほどに差のある根本的思想があるのだから。

 

「……そうですか。これ以上の問答は無駄ということですね」

 

黒服は立ち上がり、サンバイザー越しに見えるアビドス砂漠を眺めた。

 

「……小鳥遊ホシノは今、アビドス砂漠のカイザーPMC基地に囚われています。

本来であればそこで神秘と恐怖を用いて崇高へと至る研究をするつもりでしたが……こうなってはそれも難しいのかもしれませんね」

 

ただ、と黒服は言葉を続けて先生の方へと向き直った。

 

「それは先生……貴方が"彼"を倒せるのなら、の話ですがね?」

 

「"彼……?彼って……まさか!?"」

 

「えぇそのまさかです。

……カイザー理事は高額な依頼料を払い、サンドクローさんを雇って貴方達を待ち構えています」

 

「"そんな……!?なんで……!"」

 

先生は黒服の告げた事実に対し、半ば叫ぶようにこの場にいないサンドクローへと問いかけていた。

 

……しかし、黒服はそんな先生に不思議な物を見るような目を向けていた。

 

「何もおかしな話ではありませんよ、先生?

サンドクローさんはは傭兵、支払われたお金次第で誰に付くかを決めるのが彼の生業です。

……例え敵対するのが旧知の仲であっても、それだけは変わらない彼なりの価値観です。

まさかとは思いますが先生……彼に貴方の生徒さんたちのように想いが通じるとでもお考えですか?」

 

クックックと不気味に薄く嗤い、黒服は先生へと顔を近づけてその目へと視線を合わせた。

 

「先生、サンドクローさんは貴方の生徒さんとは違います。

彼はそもそもこの世界における生徒……そのテクストを持たない存在です。

そんな存在を生徒として扱う?

貴方は"大人"や"それ以外のもの"であろうとも生徒として扱うというのですか?」

 

黒服は問いかける。

 

ただそこにある真実を、目の前の大人にもよくわかるように事実を見せつけるようにして冷酷ながらも語って。

 

……だがそんな黒服の言葉を意に返さないように、先生は強く彼へと決意のこもった目を向けた。

 

「"貴方が何と言おうと、彼も私の生徒だよ。

例え学籍や身元がなくても、それは彼を捨てる理由にはならない"」

 

「そういう問題ではないのですが……はぁ、私の言葉では何と言おうと無駄のようですね」

 

呆れたような目を先生へと送りつつも、それはそれで興味深いと考えつつ黒服は引き下がって後ろの椅子へと腰を下ろした。

 

「……ただ、彼はまず受けた依頼を途中で投げ出すようなことはしません。

契約違反のような例外があるなら話は変わりますが……彼にとって都合の悪くなるようなことがない限り、貴方とサンドクローさんが敵対するのは避けられません。

今から彼への対抗策を用意できるとは思いませんが……幸運を祈りますよ、先生?」

 

「"…………"」

 

そんな助言ともとれる言葉を投げる黒服を背に、先生は重い足取りで部屋を退出する。

 

部屋から出て扉を閉めようとした瞬間、黒服の声が一言だけ彼へと告げられた。

 

「先生……我々ゲマトリアはいつでも貴方を見ていますよ?」

 

そんな黒服の声に何かを返すでもなく、先生は急ぎアビドス高校へと向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん、それが本当ならかなりまずいかもしれない」

 

「"……ねぇ、シロコ?サンドクローは本当に……"」

 

「アイツなら間違いなくやる。

断言してもいい、絶対容赦なんて無しに戦うことになる」

 

シロコは苦虫を噛み潰したかのような表情をしつつ、先生の問いにノータイムで答えを示した。

 

「先生……サンドクローさんは確かにアビドスと深く関わっていますが、依頼などで敵対してしまえば話は変わってしまいます。

あの人はアビドス高校……特にシロコ先輩やホシノ先輩を気にかけていますが、それ以前にプロの傭兵です。

お金次第で敵にも味方にもなる……それがあの人の生き方ですから」

 

シロコの言葉に補足をいれるように、アヤネは先生へとサンドクローとアビドスの関係性……

 

そのあまりにも脆すぎる間柄を示す事実を説明した。

 

……しかし、それでも先生は彼が完全に敵に回っているとは信じたくなかった。

 

それは先生の楽観的思考から生まれたサンドクローという危険人物への侮りか、それとも……

 

「……先生、とにかくホシノ先輩を助けるにはアイツをどうにかしないとダメ。

私達だけじゃ……少なくとも、"仕事"で向かってくるサンドクローには勝てない」

 

先生の思考を遮るように、シロコは現状頼れる頭脳を持つ大人である先生へとそう提言した。

 

一旦サンドクローが本当に敵かどうかはともかくとして、実際に相対していた時に何の備えもなければ自分たちだけではかなり不利だ。

 

恐らくだが、ホシノがいる場所へと続く場所にはサンドクローだけではなくその場にはカイザーPMCの部隊がいることも考えられる。

 

先生としてではなく、戦術指揮官としての視点で見ればたった一人で重要ポイントの防衛をさせるのはあまりにもリスキーだ。

 

間違いなく雇い主のカイザー理事は彼を防衛部隊の遊撃役として使ってくるだろう。

 

そうなると自陣の戦力のみでの攻略はかなりの困難を極める。

 

アビドス高校のホシノ以外の四人と便利屋68は戦闘面での実力が高いのは間違いないのだが、サンドクローの戦闘能力を考えるとそれぞれのグループ単体では間違いなく戦力不足。

 

かと言ってどちらかに戦力を集中してサンドクローを相手にしようとすると、のこった生徒たちは少人数で少なくない数のカイザーの精鋭部隊と戦うことになる。

 

もって数分、それ以上は全滅へのカウントダウンのスイッチを入れてしまう事態になる。

 

他にも応援を呼んではいるものの、それぞれに担当する場所が……

 

 

 

 

 

 

 

……いや、一人だけ。

 

 

 

 

 

 

 

一人だけ彼への対抗となり、かつこちら側へと割いても問題のない人物がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

先生はすかさず、その人物へとモモトークを使って連絡を取った。

 

送信して間もなく既読がつき、返信されてきたメッセージに先生は勝機を見た。

 

 

 

 

 

「"みんな、聞いて欲しい。

多分だけど……サンドクローをどうにかすることができるかもしれない"」

 

 

 

 

 

 

先生のその言葉に対し、その場の全員が驚愕するような顔を彼へと向けていた。

 

しかし、そんな先生の顔に宿っていたのは先ほどまでの思い悩む暗い顔ではなく……

 

 

 

 

 

「"ホシノを絶対に取り返そう!"」

 

 

 

 

 

 

希望に溢れ、自分たちの勝利(今日)へと導かんとする日の出の太陽のような笑顔だった。




いかがでしたか?
どこもかしこも修羅場ばかり……(リアルも作中も)
しかし片付けなければ終わらぬだろう?
というわけでなんとか忙しいながらも頑張ってはみます。
……次の話、来週中に投稿できたらいいなぁ。
ところで先生は誰に連絡を取ったんだろうなぁ()
まぁ多分皆さんこの時点でお気づきかもしれませんが。
とまぁそんなわけで、また次の話をお楽しみに
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