ウェスタン•オブ•キヴォトス   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
2/28時点までの書き溜めを全て吐き出した今日この頃です。
たぶんこのあとも少し書いて増えていくとは思いますが……
さて、割と私が読んでた二次創作の男主人公って"彼女"に惚れられる展開が多かったような気がしますが……
まぁ、世の中そんなことが当たり前になるほど甘くはないですよね?
というわけで、本編をどうぞ


4.災厄の狐

――ズダァァァァァンッ!ズダァァァァァンッ!ズダァァァァァンッ!

 

 

 

「チィッ、すばしっこい女狐が…!」

 

「ふふ、貴方のような下賎な輩に撃たれて差し上げる私ではありませんよ?」

 

 

 

――ヒュバッ!ガキンッ! 

 

 

 

「おいおい、刀傷沙汰なんぞまっぴらゴメンなんだが?」

 

「あら?でしたらそのナイフをしまってさっさとくたばってくださいませんか?」

 

「そんなことしたら俺が死ぬだろうが、こんのバーサーカーッ!」

 

「えぇよくお分かりになっているではありませんか。

分かってるなら、さっさと死んでくださいませッ……!」

 

 

 

――ガキンッガキンッガキンッ!ガガガガガッ!

 

――ズダァァァァァンッ!ズダァァァァァンッ!

 

――ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!

 

 

 

そこは地獄だった。

 

銃弾が轟音と共に宙を閃いたかと思えば、次の瞬間には空気を裂くように刃物が振るわれて火花を散らす。

 

その余波で周りにあった車両たちはもれなく全て爆発炎上し、アスファルトで舗装された道路はバキバキにヒビ割れて一部捲れ上がってすらいる。

 

だがそんな事は構うことでもないのか、そこにいる二人は激しい戦闘を続けていた。

 

サンドクローの馬鹿みたいにデカいリボルバーが火を吹き、装填されていたライフル用の弾丸…….308ウィンチェスター弾が少女を襲う。

 

しかし、少女……災厄の狐「狐坂ワカモ」は放たれた銃弾を横に勢いよく飛ぶように走ることで回避。

 

そのままの勢いで再度銃剣を彼へと振るった。

 

だが、それを見越したサンドクローはいつの間にかリボルバーを持つ手の反対に逆手のナイフを構えて迎撃。

 

このやり取りをこの短時間に何度も続けているが、互いに疲れを知らないのか周辺の被害が拡大する一方で、二人の消耗が全く見られなかった。

 

「クソが、まさかテメェが首謀者とはなぁ…!とんだハズレくじを引かされたぞこんの畜生が!」

 

「あら、殿方はこのような状況を喜ぶと聞きましたが?

麗しい乙女に殺されるのなら貴方も本望でしょう?」

 

「ケッ、笑わせてくれる!

テメェみたいな値札付きが麗しい乙女だぁ?

寝言は豚小屋の布切れの中で呟いてな、クソッタレ!」

 

「そちらこそ、今後こそその汚らしい口を縫いつけて差し上げましょうか!

その前に棺の中かもしれませんが……ねッ!」

 

「ほざけ、女狐ぇッ!」

 

銃声と金属の衝突音が響き、より一層二人の激突は過激になっていた。

 

互いに一瞬の隙も見せない膠着した戦況。

 

それを遠巻きに見る者たちがいた。

 

 

 

「"あれは……"」

 

『……確認が取れました。彼と戦闘しているのがワカモです!』

 

「な、何よあれ……あれでヘイローが無いの……!?」

 

「……やはりデタラメですね。

あれは本当に人間なのでしょうか……?」

 

交戦する二人の余波が及ぶ影響外の場所。

 

なんとか追いついた先生たちが見たのは、まるでそこだけ災害が発生しているかのように荒れ果てたシャーレビル前通りの様相だった。

 

今もその余波で近くにあったテナント入りのビルやその他の構造物が倒壊している。

 

『まさか、ワカモと戦闘になってしまうとは……

これ以上の被害拡大は流石に……!』

 

「……なんとかワカモだけでも牽制を………………ッ!?」

 

 

――ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!

 

 

「この音……まさか!?」

 

 

――ズドォォォォンッ!ドガァァァァンッ!

 

 

突然近くから何か重い物が走る音がしたその時、ビルの間から突如として現れた戦車が主砲を放った。

 

その主砲が向いていたのは……ちょうどサンドクローとワカモが戦闘している方向だ。

 

着弾とともにサンドクローの姿が爆炎のなかに消え、ワカモも飲み込まれたかと思えばひらりといつの間にか近くの街灯へと跳び乗っていた。

 

ワカモはそのまま先生たちの方を一瞥した後、シャーレビルの方へと消えていった。

 

「"な……あぁ………っ!?"」

 

「う、嘘………」

 

先生とユウカは呆然とその光景を観ることしかできなかった。

 

……目の前で、人が死んだ。

 

あの爆風は頑丈なキヴォトス人ならちょっとした火傷などで済むかもしれないが、ヘイローの無い人間にとっては致命的。

 

彼の遺体は見えないが、おそらく彼はもう………

 

そう先生が思った時だった。

 

「……あれ、間違いなく生きてますよね?」

 

「一瞬でしたが……銃を撃ったあとにあのコートを被っていたのが見えました。間違いなく生きてますね」

 

何やら呆れたような顔で、ハスミとスズミが平然と会話していた。

 

その直後………

 

 

「………だぁぁッ、クソがッ!

俺をウェルダンステーキにするつもりか、あのアマぁッ!!」

 

 

爆炎の中からサンドクローが飛び出してきた。

 

よく見れば全身血や煤に塗れてはいるものの、特に大きく怪我をしたわけでもなく五体満足の状態らしい。

 

「"き、君大丈夫なの!?早く治療を………"」

 

「ん?あぁ、アンタらか。

治療は要らん!それよりも先にアンタは早く目的地の方まで行け!」

 

「"で、でも………!"」

 

「でももクソもあるか!今優先するのはアンタの命を守るのと目的地まで送り届けることだ!治療なんぞ後回しでいい!」

 

そう叫びつつ彼はその手に持つリボルバーのローディングゲートを開き、目にも留まらない速さで排莢すると即座に懐から取り出した弾を装填していた。

 

「あの女狐がどこに行ったかは知らんが、それよりもまずあの鉄屑共を先に沈める!

アンタらはさっさとビルのほうに向かえ!」

 

「"き、危険だよ!私たちも一緒に……"」

 

「……先生!早く行きますよ!」

 

サンドクローの言葉に先生は異を唱えようとするも、それを遮るようにスズミが彼を担ぎ上げた。

 

「"す、スズミ!?"」

 

「……すいません先生。ですが、ここはヤツに任せて私たちは先を急ぎましょう」

 

「……私も同意見です。行きますよ、先生!」

 

冷たい視線を向けながら吐き捨てるように口にした彼女のその言葉にハスミも同意し、そのまま先生たちはシャーレビルの方へと一直線に駆け出して行った。

 

「……よし、それでいい。」

 

彼女たちが先生を抱えて走り去っていくのを見届けると同時に、サンドクローもまた隠れていた遮蔽物から身を乗り出して待ち構える戦車達を見据える。

 

「……巡航戦車2、軽戦車3、装甲車1ってところか。

ずいぶんと豪勢なオードブルを引っさげてきやがったな」

 

そんな文句をたれつつも、彼の口には笑みが浮かんでいた。

 

その笑みを称するのであれば……獲物を見る、狩人の目なのだろう。

 

「さぁ……たらふく食わせてもらおうか、この屑鉄共がぁぁッ!!」

 

 

――ズダァァァァァンッ!!ズダァァァァァンッ!!ズダァァァァァンッ!!

 

――ズドォォォォンッ!!ダダダダダダダダダダッ!!

 

――ズガァァンッ!ズガァァンッ!ズドォォォォンッ!!

 

 

爆炎と轟音が戦場に響いた時、彼の姿は戦場の中へとあった。

 

その姿はまるで踊るような軽快なものであり、その踊る先では幾つもの爆発が花火のように散り咲いた。




いかがでしたか?
正直、かなりこの主人公については好みが分かれるだろうというのは自覚しています。
普通のブルアカ二次創作の男オリ主って先生レベルで聖人だったりなんだかんだ生徒に好かれるキャラが多いですし、なんなら自分もボーイミーツガール自体は嫌いではないです。
……でも、そんなありきたりで都合が良すぎる世界ばかりではつまらないと思うんですよね。
なので敢えて、メインのアパラチア帰りもですけど私が書くブルアカ二次主人公(魔笛のゲマトリアは除く)は生徒に嫌われやすいようにしてます。
ついでにシャーレの先生は時折クソボケになるスパダリ優男にして置くことで原作の致命的な崩壊を免れさせてます。
流石に先生についてはそうでもしないとキヴォトス崩壊RTAを突っ走ることになりますからね仕方ないね()
というわけで、また次回をお楽しみに
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