「もしもし、サキの方から掛けてくるなんて珍しいね。なにかあった?」
『なにかあった? じゃないんだよ。問題大有りだよ』
「…………ニュースでSRT閉鎖の話やってるけど……マジ?」
『マジもなにも連邦生徒会長が失踪してからまともに機能してなかったからな。寮も……と言うか校舎が使えなくなるらしいから兄貴の家に私の荷物を置かせてくれ』
「わかった、なら土曜に車で取りに行く。それとこれからどうするかは決めてるのか?」
『ヴァルキューレに編入するように言われてる。……けど、私はSRTの厳しい規則の中で学びたいし、他のメンバーも納得してないからデモをする』
「デモねぇ。あんまりいい思い出無いんだよな」
『デモにいい思い出が入り込む余地なんかないだろ』
「まぁ、それはそうなんだけどな」
『それでデモをするに当たってなんだけど、SRTが閉鎖されるまでに装備とかを運び出したい』
「そっちが本命か」
『兄貴に頼んだ方が早いし、確実だからな』
「最近はあんまり
『分かってる。あとRabbit小隊のメンバーでモエって奴が居るんだけど爆薬回りは回収し終えてるらしいから、装備とかを頼む』
「大体は把握できた。それじゃあ今日の17:00辺りにうちにきてくれ。色々と話すことがあるからな」
『家の場所は変わってないだろ?』
「変わってないよ。それじゃ、こっちの休憩時間がそろそろ終わるからまたあとで」
『そうだな、またあとで』
そうして妹からの電話を切って休憩室をあとにする
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「ねぇ、ふと思ったんだけどユウカってゲーム開発部の子に優しすぎない?」
「そんなつもり無いわよ。大体、いつもゲームのインスピレーションを得るためとか言いながら遊んでばかりの子達に優しくする理由がないじゃない」
「ならいいんだけど。そんないつもゲーム開発部の子らに会いに行ってるユウカに頼み事があってね」
「別に会いに行ってる訳じゃないですからね!?」
「まぁそんなのどうでもよくて。前に部長を集めて部活動認定の規定変更とかの説明をしたんだけど、いつだっけな」
「先週の木曜日ですね」
「そうだった、木曜か。それで説明会をしたんだけどゲーム開発部の子が見当たらなくてね。だからユウカから伝えてあげて。このままだとゲーム開発部が廃部になるって」
「確か部員が4人以上で成果を挙げることが条件だったはずよね」
「取り敢えず部員だけ揃えて貰えば良いかな。成果に関してはセミナー……と言うか予算に関係することだからある程度はユウカの裁量だし」
「でもテイルズ・サガ・クロニクルを実績に数えるのはダメですよユウカちゃん」
「私も流石にあれを実績に数える何て事はしないわよ」
「何はともあれ、ゲーム開発部の子達に伝えておいてね」
「分かったわ」
それからユウカはゲーム開発部の部室へ向かい、その間にセミナーの業務をこなすなかでノアと幾つかの言葉を投げ合う
「一応確認なんだけど今週の土曜日ってセミナーの仕事は特にないよな」
「予定は特に入っていませんよ。ただなにか問題が起きれば話は別ですが……。何か外せない用事でもありましたか?」
「ほら前に妹が居るって言ったと思うんだけど、通ってた学校が閉鎖されることになってね」
「閉鎖と言うことはSRT特殊学園の生徒さんですかね?」
「まぁそう言うこと。それで色々とやることがあるから、土曜日は二人に任せたい」
「そう言うことでしたら大丈夫ですよ。一日くらいであれば、私とユウカちゃんでどうにかできますから安心してください」
「ありがとう、今度……そうだな、トリニティのお菓子でも取り寄せようか」
「ユウカちゃんもきっと喜びますね」
そんな話をしているとユウカが戻り、なんのお菓子が欲しいかを三人で話ながらセミナーの業務を終わらせ、今日は解散することとなった
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自宅へ戻ると誰かが来ているようだった。ここを訪れる人物は1人しか居ないのだが
「ただいま、サキ」
「おかえり、兄貴。急に連絡して悪かったな」
「SRT閉鎖はあんまり想定できなかったから仕方無いよ」
「取り敢えずSRTの武器庫の場所とかを教えるから準備してくれ」
「その必要はないよ」
「必要あるだろ、閉鎖するとはいえまだセキュリティとかはそのまま残ってるんだぞ」
「セキュリティの場所は全部知ってるよ。それに警備の見回りの予定も知ってるから問題ないよ」
「はぁ? なんでそんなの知ってるんだよ! と言うか知ってちゃダメだろ!」
「一つ言っておくけどSRTの生徒から依頼を受けたことあるからな?」
「ダメだろ。SRTの規則的に色々と」
「案外世の中そんなもんだよ。SRTの生徒は訓練に時間を充てて、私生活にお金あんまり回さない奴らが多いからバイトで儲け出まくってたんだよ」
「ちなみに……何を運んだんだ?」
「う~ん、まぁ、18禁かな? 三大欲求ってめんどいよね」
「それ何処から仕入れたんだよ」
「レッドウィンターってとこの知識解放戦線って組織」
「なぁ、兄貴って一応犯罪者にはなってないんだよな?」
「少なくとも犯罪行為をした物的証拠はなにもないよ」
「あと18禁はブラックマーケットでも仕入れられはするかな? あそこは出来たら避けたいから基本は使わないけど」
「改めて思うが、なんでミレニアムに入ったんだよ」
「勉強が出来たからかな? あと三大校だし」
「なんであんなことする奴が頭良いんだよ! ……いや、そもそも頭よくないならもう捕まってるのか」
「まぁ、思い出話もこれくらいにしとくか」
「そうだな」
それから荷物を片付けSRTの装備の回収ルートを話し終えると夕食の準備を進める
「兄貴って手先器用だよな」
「包丁の扱いとか完全に慣れだよ。あとは基礎的な知識だけ入れとけばサキも同じように出来るよ」
「目で追えないくらいの包丁捌きをしながら、言われても私の自信が削られるだけだぞ」
「別に慣れれば簡単だと思うけどな~、これフライパンで炒めといて」
「わかった、飴色になるまでか?」
「大体そのくらいで。今のうちに卵も溶いとくか」
「なぁ、兄貴って前に電気代浮かせるためとか言いながら太陽光パネル作ってたよな」
「ああ、あれね? 変換効率が予想より高くて完全にもて余してるよ」
「これから私たちが活動する上でオペレーターが居るんだけど、電力の供給がないと活動が難しいから設置してくれないか?」
「簡単だからいいんだけど……デモ活動って野宿だったりするか?」
「そういえば言ってなかったな。D.U.の子ウサギ公園をキャンプ地にする」
「あのまともに使われてない公園か」
「そうだけど、なんで知ってるんだ?」
「前にそこで荷物を埋めて受け渡したことがある」
「だろうと思ったよ!」
「その時はワイルドハントの特殊交易部だったかな、あそこは外出許可の関係でD.U.までしか行けないからそこまでの配送を頼まれてたね。ちなみに埋めるのは向こうの提案だから」
「兄貴って交友関係より仕事関係の人間の方が多そうだよな」
「実際のところ代理で何か運ぶのは信頼が必要だからね」
「取り敢えず明後日の土曜日にSRTから物資を持ち出して、子ウサギ公園に拠点を組みたい。できるか?」
「確か…………Rabbit小隊か。四人で作業進めれるなら……そうだな、ヴァルキューレの部隊くらいなら抑えれると思うよ」
「なら明日、小隊のみんなに伝えておこう」
「そうだね、フライパンに米入れるからちょっと避けて」
「ケチャップと棚の1105の調味料だったよな」
「
「兄貴のオムライスやけにうまくて、作る度に印象に残ってるからな」
「その調味料は玄武商会の方で調合して貰った、特注品だからね」
「確か山海経の方にあるところだよな、そこも運び屋関連で知ったとかそんな感じか?」
「あそこは普通に料理を学びに行ってた。その時に色々と調味料差し入れてた感じかな」
「食器は何時ものでいいよな」
「いいよ、それとちょっとそこの溶き卵取って」
「ほい」
「助かる。……サキは付け合わせ何が良い?」
「前はバターコーンだったよな」
「あの時は長期休暇だったからにんにくも入れてたかな」
「これから体を結構動かすだろうし、がっつりしたのがほしいかな」
「ならエビフライとかどう?」
「いいな。エビフライにしよう」
「なら冷凍の海老が冷凍庫にあるから中身だして、オーブンに突っ込んでフライモードにしといて」
「前まで無かったよな。また作ったのか?」
「それは同期に頼んで作って貰った奴だな。限定のエナドリがあるけど現地でしか買えないって言ってたからそれの変わりに作って貰ったやつ」
「ミレニアムって技術が進んでるんだな」
「そうだね、人工知能とかもぽんぽん運用してるし、最近は物質を巨大化させる光線を作る研究をしてるとこもあったかな?」
「それ大丈夫なのか?」
「さぁ? 素材とか資料を仕入れる時に聞いただけだからなんとも言えないかな」
「一応セミナー入ってるんだよな?」
「委員長に推薦されてセミナーに所属したね。その推薦した本人が行方不明だけど」
「……上に立つものが消えるのは空井家の宿命なのか?」
「あはは…………縁起でもない……。そう言えばタルタルソース余ってるんだけど使うか?」
「何処に閉まってあるんだ?」
「いつもジャム突っ込んでたとこ」
「ああ、そこか」
「エビフライの方もできたね。全部入れたか……食いきれるんだよな? サキ」
「問題なく食べきれる……多分」
「まぁ良いんだけど。ケチャップでハートとか描いた方がいいか?」
「いやいらない。と言うか兄貴ならRabbit小隊のエンブレムとか描けたりするか?」
「それくらいなら問題ないよ。もう一つはセミナーのエンブレムでも描くか」
「……兄貴の描くものってなんか流れて無駄に延びるみたいなこと起こらないよな」
「液体の扱いは得意だからね」
「前に戦闘があった時に火の付いた油を直接相手に投げつけてた時は、教範にも載ってない戦闘方法でボコボコにしてて正直笑った」
「まぁ、油を投げるは難しいからね。あとこれで完成」
「久し振りに食べるな。兄貴のオムライス」
「大して味に変化とかはないだろうけどね」
「食べてみたら分かるだろ」
「それもそうだね」
「「いただきます」」
「……うまいな」
「戦闘糧食に慣れて美味しくないとか言われなくて良かったよ」
「最近の戦闘糧食は美味しいが、別に料亭とかの味って訳じゃないからな。それこそ兄貴は店でも出したら儲かると思うけど」
「う~ん、店やるのはちょっとね」
「別に兄貴は経営とかそう言うの苦手どころか得意だし、人脈も広いから向いてると思うけど」
「経済とか商売周りの知識はあるんだけどそれ以上に、美食研究会とかいうテロ組織に目を付けられたくない」
「……あーそう言えばそうだったな」
「サキが傭兵でもする? バイト代も色付けて出すけど」
「絶対に兄貴が自衛した方が早いから私は不要だろ!」
「一応言っとくけど僕はミレニアムの生徒会なのであって特殊学園の生徒ではないからね?」
そんなことを言い合いながら食事を終えた2人は今後の予定を話し合い、そのまま寝落ちした
続くけど投稿頻度は遅いかなぁ。まぁ、慣れたら早くなるので気長にお待ちください