「……やっぱトリニティのスイーツはうまいな。今度サキと来たら、ジャンボサイズの奴も食べてみるか」
「……! こちらにいらっしゃいましたか。エルさん、少しお時間よろしいでしょうか」
「…………? ああ、ハスミさんでしたか。何かありましたか?」
「私も細かいことは聞かされておりませんが、ナギサ様からエルさんにお話ししておきたいことがあると」
「……なるほど、……では案内を頼めますか?」
「はい、こちらです」
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「お連れくださりありがとうございます、ハスミさん」
「いえ、問題ありません。それでは失礼します」
「…………それで、ナギサさん。何があったんですか?」
「…………はい。実は、昨夜未明にセイアさんが何者かの襲撃を受け亡くなりました」
「……………………」
「そしてエルさんにはお話しをしなければと思い、急な呼び出しとなってしまいました」
「………………なるほど。エデン条約を控えた手前、その様なことをしたのはきっと条約の反対派と言った所でしょうか」
「恐らくは……。この事実が明るみになれば混乱が起き、トリニティの崩壊に繋がる可能性が非常に高いので、セイアさんは体調の悪化により入院したと発表します」
「それが賢明ですね。……話の内容からして、エデン条約の締結は現段階のまま進めていくと言うことで大丈夫ですね?」
「はい、そしてトリニティの裏切り者についても調査を進めたいと思います。このままでは、ミカさんや私、場合によってはエルさんも危険に晒す事になりますから」
「ナギサさん、以前のようにセイアを通して連絡を送ることも出来ないので連絡先を交換してもいいですか?」
「そうですね。こちらを…………ただどこで諜報されているかは分からないため重要な会談の際には、正義実現委員会を案内人としてお送りします」
「いいんですか? ナギサさんの護衛を減らしてしまうのは」
「はい、その際はミカさんが私に付きますから」
「なら安心ですね。………………すみません、少し涙が。ほんとはこう言うことは割り切れれば良かったのですが…………」
「いえ、古くからの友人が亡くなってそうなるのは仕方の無いことです。…………本日は他の予定はありませんから、紅茶を飲みながら今後の事について話し合いましょう」
「……ええ、そうですね。それに、僕は少し感情的になってましたね。論理的に考えていきましょう」
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「本日は突然の事でお呼び出ししたにも関わらず、ありがとうございました」
「こちらこそ、今後もよろしくお願いします」
(……帰られましたね。今後の対応について粗方決めましたが、エルさんはミレニアムプライスの準備で殆んど動けないでしょうし、私がどうにかしないとですね。それに紅茶やお茶菓子への造形の深さは思った以上でした)
「エルくんとさっきすれ違ったんだけど、今日って会議する予定だった?」
「セイアさんの事をお話しするために急遽呼んだんです。偶然トリニティにいらっしゃいましたから」
「それなら私の事も読んでくれたら良かったのに~」
「ミカさんがいると少々話がややこしくなりますから」
「ひどくない? ……それで、エルくんは大丈夫だったの?」
「大丈夫……と言うと?」
「エデン条約に関わるの辞めるとか、そう言うことになったりしなかった?」
「ああ、そう言うことでしたか。それでしたら大丈夫ですよ。エルさんとは変わらず良好な関係を築いて行けそうですから」
「ふ~ん。そう言えばエルくんと連絡先は交換したの?」
「先ほど交換しておきましたよ」
「私も連絡先欲しいんだけどいいかな?」
「少しエルさんに確認をしましょうか。私用の物しか持ち歩いていなかったそうで、プライベートな連絡先らしいので」
「別に確認取らなくてもいいと思うけどな~」
「………………大丈夫だそうです。ではこちらを」
「よし、登録かんりょう!」
「余りご迷惑をかけないようにしてくださいね。現在は休暇中のようですから」
「そうだったの?」
「はい、三日前の夜からこちらで観光していたそうです」
「エルくんって旅行とか好きなのかな?」
「情報局の調べによると、現在は百鬼夜行の方へと向かわれているそうです」
「あの昔の建物がいっぱいある所か~」
「…………あと足が速いと言う話も聞きましたね」
「確かにエルくんから、ミレニアムの研究してる人~ってイメージあんまり沸かないかも」
「あまり第一印象で物事を決めるのはよくありませんよ」
「分かってるって。…………それで、足が速いって言うけどそんなになの?」
「電車と並走して行ったそうです」
「…………え?」
「百鬼夜行に向かう電車に乗り遅れたようで、その電車と共に走っていってしまい見失ったと報告を受けました」
「ミレニアムの生徒ならなんかこう、乗り物に乗って追い付くとかそう言うんじゃないの?」
「ただ、ミレニアムの車両を使うとなると申請が大変だと言う話も聞きましたからその影響なのでしょう。調印式の日も乗車すると何か仕込まれる可能性もあると、当日は自身の足で来ると言うお話しも伺ってます」
「やっぱりミレニアムの子って変わってるんだね…………」
「………………そして、今後の方針についてですね」
「…………そうだね。私なら大丈夫だけどナギちゃんは襲われたら危ないもんね」
「端的に言うと、トリニティの中に裏切り者がいます。恐らくはエデン条約の締結を妨害しようとするもの。その生徒を探し出します」
「それで見付けてどうするの?」
「退学させるのが理想ですが、手続きを考えれば難しいでしょうから拘束するに止まりますかね」
「…………ならシャーレの先生を巻き込んでみたらどうかな?」
「その手がありましたか。確かにそれならシャーレの権限で余計な手続きを必要とせずに、退学させることができますね」
「けど、先生の話を聞いた感じ退学とかさせるために来てくれると思えないんだけど」
「それに関しては……そうですね。成績不振の生徒の救済の為にとすれば良いでしょう。先生は困っている子どもの為に動くそうですから」
「ならシャーレに手紙を送らないとね! 私が書いても良い?」
「ダメです。ミカさんに書かせるわけに訳には行きません」
「えぇ~、ナギちゃんのケチ!」
「ミカさんに任せるとシャーレの先生に余計な誤解を生みかねませんから、諦めてください…………」
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「いらっしゃいませ~、百夜堂へようこそ!」
「久し振りだな」
「エルじゃないですか、奥の席にどうぞ~」
「注文も良いか?」
「はい、どうぞ!」
「季節限定を一つずつと抹茶を頼む」
「季節限定と抹茶ですね~。すぐお持ちしま~す」
(改めて思うとミレニアムの交通整備ってホントに頭おかしかったんだな。ここにはミレニアムみたいな高層ビルが大量にある訳じゃないから日照問題もあんまり気にしなくて良さそうだし、観光業を意識した作りしてんだな)
「………………う~ん」
「お待たせ致しました~、こちら抹茶に季節の和菓子セットになります」
「ありがと」
「ゆっくりしていってくださいね~」
そうして百夜堂の閉店時間まで奥の席で抹茶を啜り、お菓子を食べ餡蜜の味が離れなくなった頃
「さて、改めて久し振りですねエル」
「ホントは季節の変わり目に来るようにしてたんだけど、純粋に多忙でね。その分金は落とすつもりで来たけど」
「…………そう言えば今日は妹さん来てないんですね」
「あっちは忙しいらしいからな、いろんな事情で」
「中身は聞かない方が良い奴ですね。ところで、前に話してた時にはミレニアムの仕事があってしばらく来れないと言ってましたが、つまり終わったんですか?」
「無事に……いや無事ではないか。まぁ、なんとか終わりはしたんだけど」
「そして、観光しに百鬼夜行にまで来たと…………エルのことですから観光目的だけでは無いんですよね」
「いや? 普通に観光目的だな」
「えっ? エルがわざわざ休みを準備して来たから何事かと思ってた私はなんだったんですか!」
「普段の行いが悪いのは認めるけど、今回のは完全に善意で貰った休暇だからな。明日からの祭りを楽しもうと思って」
「ほんとにそれだけなんですか?」
「ただ遊びに来ただけだな。……前に渡した機材とかで調子悪いのあるなら見れるけど」
「どれも問題なく動いてますし、動作不良もないので大丈夫ですね。ですが戦闘に巻き込まれる事が多くてそのうち破損してしまいしそうですかね」
「魑魅一座か?」
「はい、最近になって活動が活発化してて、対処が追い付いてないんです」
「…………それ百花繚乱に言ったらどうにかならないのか? 委員長とかに言えば手伝ってくれるだろ」
「あれ? …………もしかして知らない感じですかね。……百花繚乱の委員長は失踪したんです」
「……マジ?」
「大マジです! だから困ってたんです」
「なんで今年になってから上に立つ人間がこんなに失踪するんだよ…………」
「そこでなんですが、前の時みたいにエルを雇いたいんです」
「…………なぁ、観光に来たって言ったの忘れてないか?」
「そこをなんとか!」
「……」
「私にできることなら手伝いますから!」
「言ったな? 二言はないよな?」
「もちろんです。違法行為じゃないならなんだってやってみせますよ!」
「なら祭り先での写真を撮っておいてくれるか?」
「写真ですか? それくらいならお茶の子さいさいですよ」
「撮ったやつはモモトークに送っておいてくれ。……それじゃあ明日の作戦会議と行こうか?」
「これがお祭り会場の全体図で、こっちが当日のイベント予定。そしてここからそこまでは…………」
そうして祭り前夜に最後の運営戦略を作り始めた
総UA数が10000を超えてて驚いたよね。投稿頻度が途端に落ちてしまったのは引っ越しの関係だったりする。案外書けるやろとか舐めてて撃沈しました。これからは多分大丈夫なのであまり期待せんといてくださいね!