「ミレニアム製のエアコン取り付けてあってよかった」
「まぁリビングと僕の部屋にしか付けてないけど」
「ならエル部屋で寝ようかな」
「と言うか、僕の部屋のベッド以外に寝具が無いんだよな」
「ちょうど良かったね。あとお風呂入ってきていい? 部長のせいでちょっと汗ばんでるから」
「なら入ってきてる間に料理作っとくから、ゆっくりしてて」
「わかった」
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「上がったよ」
「思ったより早かったな。すぐ持ってくから……」
「どうかした?」
「……いや、なんでも無い。これを頼む」(下着なくても寒くないのかな)
「わかった……鮭のホイル焼きだね」
「ちょうど百鬼夜行で作り方を聞いてな、試しに作ってみようと思って」
「確か和食って言うやつだよね」
「まぁホイル焼きだと和洋どっちにも行けるけどな。……ほら、冷めないうちに食べな」
「それじゃあ、いただきます」
「やけどしないようにな」
「うん、………………おいしい」
「うまくできてるな。味は大丈夫そうか?」
「丁度いいくらいだと思うよ。元の味の濃さが分からないから比較はできないけど……」
「エイミがちょうどいいくらいなら良かったよ。あんまり人に振る舞う機会なくてな」
「そう言えば生活費とか出した方がいいよね。しばらくはこっちで暮らす事になるだろうし」
「気にしなくていいよ。ユウカほどでは無いけど金銭の余裕はあるから」
「なら掃除とかは任せて。私も一通り家事はできるから」
「それじゃあ後で洗い物を頼もうか。前までは食洗機があったんだけど爆発事故起こして壊れたからな」
「……エンジニア部の奴だったりする?」
「する。Bluetoothの誤接続で自爆スイッチ起動した。普段から試作機を色々と試してる弊害だな」
「あとでエンジニア部製の機器の場所は教えて。知ってからだとくつろげないから」
「今は作業部屋くらいにしか無いよ。それ以外は吹き飛んだからこうして新居に移ったんだよな」
「と言うか家に作業部屋あるんだ。……ミレニアムの部室だと落ち着いて作業できないか」
「できなくは無いけどミレニアムだと、やっておきたい事が絶えないから作業進めれなくなるんだよ」
「セミナーは大変そうだね。……特異現象捜査部は最近まで何も無かったから、どんな感じなのかわからないけど」
「これから忙しくなったらわかるよ。デカグラマトンの性質的にキヴォトス各地を探すことになりそうだしな」
「そうなったら雪原地帯とかの任務が良いかな。涼しい環境なら動きやすいし」
「まぁ明日から行くのは砂漠なんだけどな」
「でもエルがいるから心配はないよ。……そう言えば前にもアビドス砂漠に行ったことあるんだよね?」
「何をしに行ったか気になるか?」
「だって、砂漠だよ? それに砂嵐に巻き込まれたとかエルらしくないし」
「……なんの為にって言われたら、夢を実現するためっていう感じになるかな」
「前に言ってた夢の事でしょ? あれとアビドス砂漠がどう関係してくるの?」
「実はアビドス砂漠には、砂漠を横断する鉄道が作られる予定があったんだよ。途中で計画は頓挫したけどな」
「ビナーが居たらそうなるよね。けど、エルがアビドス砂漠に出向いてた理由はわかったよ。なら砂嵐に巻き込まれたのは何か理由があるの?」
「砂漠で遭難者を見つけてな。救助したりと動いてたら、どういう訳かカイザーから襲撃を受けて移動用の車がやられてね」
「……それ遭難者は大丈夫だったの?」
「命の方はどうにか……問題は何処の誰か分からない事かな。戦闘中に起こった砂嵐の中を走り抜けたから、身元が分かるものが見つからなくてね」
「…………今も意識が戻ってないんだね?」
「そういう事。後で探してはみたんだけど何も残ってなくてね。カイザーが仕掛けてきたのもあって情報を伏せたいっていうのもあって、本人が起きるの待ちだな」
「それエルは大丈夫なの? カイザーに喧嘩売ってる様なものだと思うけど」
「一応その時に使ってた車を爆破して情報は吹き飛ばしたし、顔も割れてないはずだから……少なくとも今は大丈夫だな」
「二年間変なこと無いんだったら問題は無いと思うよ。それに今はセミナーなんだし、何かあったら部長とか会長が予め咎めてくれるよ」
「まぁカイザーがわざわざセミナーに攻撃なんてリスクある行動するわけ無いしな」
「……そう言えばアビドス砂漠にカイザーが居た理由って分かったりする?」
「なんかカイザーの土地だったんだよな。アビドス側が土地を売ったりでもしたと思うんだけど、目的が分からないんだよな」
「でも襲ってくるなら何かしら見られたくないものがあったんだろうね」
「まぁカイザー側もビナーの影響は受けてるだろうし、調べてく中で何かしらわかるかもな」
「そうだね。けど、エルはエデン条約とかにも出席するんだし怪我はしないようにして」
「エイミも突っ込むのはほどほどにな」
「……わかった」
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「先生準備できてる?」
"おはようエイミ"
「おはよう先生。エルが外で待ってるからすぐに来て」
"すぐに向かうよ"
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「それで僕は何分待たされたと思いますか?」
"ほんとにごめん"
「まぁ良いですよ。駐車場に来る間に生徒を助ける可能性も考慮しておくべきでした」
「私も油断してた。ここまでお人好しだったなんて」
"…………"
「心配はいりませんよ先生。時間が押してるなら何処かで巻けば良いんですから」
"え~と、つまり? "
「舌を噛まないように気を付けてください」
"へ? うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…………"
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「時間どおりだね」
「それじゃあ調査開始と行こうか」
"……ちょっと休ませて。うっ……ぷ"
「……ちょっと飛ばし過ぎたか。よっと、……首の辺りを冷やすと乗り物酔いも収まりますし手を貸しましょう」
「私は先に偵察してくるね」
「わかった。こっちもすぐに追いつく」
"うう゛……ありがとう"
「……そうですね。一回全部出しちゃいますか?」
"それは……ちょっと先生として、受け入れ難い……かな"
「そうですか。取り敢えず立ち止まる訳には行かないので、背負っていきますね。エイミとはモモトークで連絡を取ってるので心配は無用です」
"うん、お願い"
「…………なんか慣れてません? 前にも背負われてましたか?」
"赴任して少しした頃に、砂漠で遭難して学園まで送ってもらったことならあるよ"
「……この辺りだと、アビドスの生徒だったりしますか?」
"そうだよ。自転車で登校してる所を拾われてね"
「なら良かったです。……それならカイザーコーポレーションについても知っていますよね?」
"…………そうだね"
「キヴォトスで生きていく中で、カイザーと関わらずに生きるのは銃を持たずに暮らすようなものです。それほどにキヴォトスに根付いています」
"…………"
「まぁ有名な話ですね。……大事なのはここからで、以前ここに来たときカイザーの兵士から襲撃を受けました。そんな中で行き倒れる生徒を救助しました。ですが身元が分かりません」
"その生徒は今、何処に? "
「僕が保護しています。命を狙われていたでしょうから……それに彼女はまだ目を覚ましてないんです」
"なら私がシャーレの権限で生徒情報と照合すれば……"
「それはひとつの手ですね。でも、仮に分かったとしてどうしますか?」
"それは…………"
「問題点は目が覚めないことです。もしも友人と再会を果たせたとして、意識不明なら話もできません。それなら今もまだ何処かで元気にしてると思える方が幸せだと思いませんか?」
"…………"
「それにカイザーから命を狙われてる可能性がある以上は、行動を起こせないんです」
"どうして、エルは私に教えてくれたの? "
「先生なら彼女の事を知ってても知らなくても、命を狙われる存在であることは変わらないからです」
"…………合理的な考えだったんだね"
「まぁ冗談ですよ。先生が信用できるからです」
"でも、身元の特定ができないとだからその子の写真を送ってくれないかな? "
「なら僕のモモトークを渡しておきます。……くれぐれも他言無用でお願いしますね?」
"もちろん……先生の口は堅いからね"
「それは良かったです。でも、少し心配なので釘も刺しておきましょうか」
"…………? "
「アビドスの生徒と銀行強盗をしたの知ってますからね?」
"えっ、どうしてエルが……釘を刺すってもしかして"
「場合によってはこれをクロノスに流します☆」
"絶対にこの情報は漏らしません!! "
「……はい、言質もらいました」
"えっ? "
「そもそもイヤセット着けてるのにモモトークで連絡取る必要ないですからね。スマホの録音機能でしっかり録れましたよ。それとこれモモトークです」
"もしかして始めからこれが目的で…………"
「……エイミが敵を発見したみたいですね。先生もう酔いも冷めましたね?」
"さっきので完全に酔いが無くなったよ"
「では、指揮をお願いします」
"二人ともいくよ! "
そのうち他のところでもやってたプレイアブル化した時の性能とか掲示板のやつを作ってみたい。(別にやるとは言ってない)