妹の通ってる学校が閉鎖されたって、マ?   作:冬風_ykn

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なんやかんやで総UAが20000を超えました。一つの大台に乗ったのは非常に嬉しいですね。これからもよろしくお願いします


暗夜の密談

「……玄関の事を見落としてたな」

 

 

「てっきりエルが全部解体したものだと……」

 

 

「はい、お水」

 

 

「あ、ありがとうございます」こくこく

 

 

「……ふぅ。びっくりしました、入った途端に何かが作動してしまったみたいで」

 

 

「アズサちゃん」

 

 

「……ごめん。玄関の存在を忘れていた」

 

 

「なるほど?」

 

 

「と、ところでどうして、シスターフッドの方がこんなところに……?」

 

 

 

 ────────────────────────

 

 

 

「つまり、アズサが正義実現委員会に捕まったのは誤解だったと言うこと……」

 

 

「いや、普通に現行犯でしょ」

 

 

「ふふ、マリーちゃんが元気そうでよかったです」

 

 

「はい、私は……ですが……」

 

 

「……マリーちょっとこの書類をサクラコさんの方に頼んでも大丈夫か?」

 

 

「それくらいでしたら問題ありません。サクラコ様にお届けすれば良いんですね」

 

 

「あと『チャンバー不足』と追加で伝えて欲しい」

 

 

「『チャンバー不足』ですね。分かりました」

 

 

「それでは、玄関まで送りますね。一緒に行きましょう」

 

 

「で、ではみなさん、お邪魔いたしました。先生も、急に訪ねて来てしまってごめんなさい。それではまた」

 

 

 "うん、気を付けてね"

 

 

「……あの、チャンバー不足と言うのは一体?」

 

 

「ヒフミ、世の中には知らない方が幸せな事もあるんだよ」

 

 

「そ、そんなに危険な何かなんですか!?」

 

 

「実際チャンバーが破損すれば薬莢が詰まり、銃が使えなくなるからとても危険だ。銃を持っていないのと等しいからな」

 

 

「統計学的には銃の所持だけでも被害は抑えられるから、完全に持ってない状態よりはマシなんだけどな」

 

 

 

 ──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「こんな真夜中にすみません。少し緊急だったもので……お手紙は届いたみたいですね」

 

 

「間違いなく受け取りました。更なる情報統制を敷いた上での活動が必要、と言う判断になった経緯をお願いできますか?」

 

 

「以前、カタコンベが迷路のように複雑な理由についてお話しましたね」

 

 

「カタコンベの内部構造が定期的に変化することにより、起きている事象だと言っていましたね」

 

 

「はい、その通りです。そして今回の調査でいくつか分かったことがあります」

 

 

「それが手紙の始めにあった……」

 

 

「カタコンベの迷宮化はある程度こちらから調整をすることが可能だったと言うことです」

 

 

「文献を見るに始まりは第一回公会議の前後……」

 

 

「……アリウス追放の際にユスティナ聖徒会がアリウスの為に準備した逃亡経路があのカタコンベだった。そう考えるのが自然でしょうか」

 

 

「恐らくは……。そしてアリウスの存在についてですが、外部の何者かによって支配されているようです」

 

 

「支配……ですか」

 

 

「地図の作成に当たって見つけたのですが、カタコンベを抜けた先にアリウス分校が存在しました。見たところ学校と言うよりは軍事施設のような状況だったので分校呼びも怪しいですが」

 

 

「……エルさんは大丈夫でしたか?」

 

 

「何とか無事ですが入ってそうそう急襲された事から会話の余地はないかと。……一応確認ですがシスターフッドの方で対処できる案件ですかね?」

 

 

「いえ、私達の手に負える内容ではありません。カタコンベの事であればシスターフッドだけでもどうにかなるのですが、アリウスについてはトリニティの……それこそティーパーティーとの協議が必要な案件になってきます」

 

 

「即日の対応は難しそうですかね?」

 

 

「はい、エデン条約も迫っているのでなかなか……」

 

 

「…………取り敢えず以上で前倒しの定例報告です。聖堂などの構造に関してはいつも通り解読しますが、カタコンベの方は行くにしても護衛が欲しくなりますかね?」

 

 

「いえ、カタコンベの調査は中止という形でお願いします。元々は外部の方に危険区域の調査はお願いしかねますから」

 

 

「では当初の目的だった文献の解読を進めていきましょうか。サクラコさんも時間は大丈夫ですかね?」

 

 

「大丈夫ですよ。……それではエルさんはこちらの文献をお願いします。前回の発掘調査で見つけたのですが状態が悪く大部分が破損していますが、エルさんにならできるのではと……」

 

 

「これなら多少の補完でどうにか……?」

 

 

「どうされましたか?」

 

 

「……これ古代語とは違いますね」

 

 

「近縁言語でしたか……?」

 

 

「……ふむ、このタイプの近縁言語は初めてですね。サクラコさんが現在解読しているのも大方同じものでしょう」

 

 

「なるほど……。ではエルさんにはこの近縁言語の辞書をお願いします。ええと、報酬は何がよろしいでしょうか?」

 

 

「なら少し付き合って欲しい事があって…………」

 

 

「…………そんな事で良いんですか?」

 

 

「最近行ってなかったんですが、ひとりで行くと寂しいので」

 

 

「そう言う事でしたら、調印式の終わった頃にでも」

 

 

「お願いしますね。……僕は一旦直訳をするので、文章中に不審な箇所があれば教えてください」

 

 

「ではエルさん、改めて今晩はよろしくお願いしますね」

 

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 ─────────────────────────

 

 

 

「……エルからか?」

 

 

 "エルからだね。スピーカーにしておこうか"

 

 

『先生、手紙見ました。停電なら直せるかもしれないので一旦修理に当たってみますね』

 

 

 "うん、お願い"

 

 

「こちらから出来ることが無ければ、私達は水着パーティをしているので水着で体育館まで来てくださいね」

 

 

「いや、水着の必要ないから! 普通の格好で来て!!」

 

 

『普通の水着だな。わかった……』

 

 

 "あれ? 切れちゃった"

 

 

「ほんとに水着で来たりしないですよね?」

 

 

 "そもそもトリニティに来るのに水着を持ってくるかな? "

 

 

「いや、エルならあらゆる事態に備えて水着も持ってきているはずだ」

 

 

「その場合エルはなにに備えてるのよ!」

 

 

「それはもちろんナニじゃないですか?」

 

 

「……そんなプレイ駄目!!」

 

 

 

 ─────────────────────────

 

 

 

「水着ではありますけど……」

 

 

 "エルが着ているのはミレニアムの水着? "

 

 

「いえ、これは僕が個人的に使う水着です。これでもキヴォトス海洋ダイバー協会できちんと資格も取得したんですよ」

 

 

「その水着どこかで見たことがあるような……?」

 

 

「……と言うかなんで水着持ってるのよ!」

 

 

「なんとなく?」

 

 

「エルさんは水着パーティーを見越して居たんですね。やっぱりセイアちゃんと関わりが深かったのは、似た者どうしだったからと言うのもあるんですかね?」

 

 

「半分は合ってるかな。趣味はよく合ってたから」

 

 

「エルさんってセイア様との交流があったんですか!?」

 

 

「前々からの付き合いだな。まぁ、ここのところ寝たきりではあるんだけど」

 

 

 "…………"

 

 

「どうかしましたか?」

 

 

 "……少し考え事をしていただけだよ"

 

 

「それなら良いんですが……」

 

 

「それでセイアちゃんとは何処までイッたんですか?」

 

 

「いざ言われるとパッと出てこないんだよなぁ…………」

 

 

「……マジメに考えてんじゃないわよ! エッチなのはダメなんだから!!」

 

 

「恋バナは合宿の定番ですよ? これが無いと終われません!」

 

 

「あはは、でも、少しだけ気になりますね」

 

 

「あんたもそっち側だったの!? ……せ、先生は違うよね」

 

 

 "私も少し聞いてみたいかな。セイアの事を知りたいから"

 

 

「あらあら、先生もやっぱり興味あったんですね。それではお願いできますか? セイアちゃんとの馴れ初めのお話しを」

 

 

「そうだな……セイアとは海岸沿いの道でひかれ……?」

 

 

「あ、電気が……」

 

 

「直ったみたいですね」

 

 

「雨もいつの間にか止んでる……」

 

 

「うん、じゃあ、第一回水着パーティーはここで閉幕か。二回目も楽しみにしてる」

 

 

「二回戦とか無いから! こんなの最初で最後だからっ!」

 

 

「……次はエルさんとセイアちゃんの馴れ初めからですね」

 

 

「今のうちにセイアと認識の擦り合わせでもしておこうかな」

 

 

 

 ─────────────────────────

 

 

 

「…………」カキカキ

 

 

「……ふぅ。こう言うのも電子化できると楽なんだけど漏洩考えるとムリかな…………」

 

 

「エルさん起きていますか?」

 

 

「起きてるよ。何か機器に不具合でも起きたか?」

 

 

「いえ、どれも問題なく動いてます。……エルさんもこれから商店街の方まで行きませんか?」

 

 

「今から?」

 

 

「今からです!」

 

 

「ならすぐに追い掛けるから先に行っててくれ」

 

 

「分かりました、皆さんにも伝えておきますね」

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 

 

「…………あまりご飯食べてないから心配で」

 

 

「そんな事があったのですね……ゲヘナの方々に怒るのも分かります、無理もありません」

 

 

 "ハスミ大丈夫かな……"

 

 

「……」(改めて詳細聞いたけど、ある程度無茶を通さないと締結どころか戦争始まりかねないな)

 

 

「でも、ハスミ先輩は色んな意味で強いから大丈夫!」

 

 

「あれからずっと、自分との約束を守って頑張ってるし……!」

 

 

「あ、ここにもスイーツ屋が」

 

 

「なんだか食べ物の話をしてたらお腹が減ってきましたし、ここで何か食べましょうか?」

 

 

「あ、ここの限定パフェすっごい美味しいんですよ!」

 

 

「パフェか。うん、悪くない。行こう」

 

 

「ほらコハルも」

 

 

「……ちょっと、引っ張らないでよ!?」

 

 

「誰も見てないし、ここで会ったら共犯ってだけだ。行くぞ」

 

 

「そ、そうね。誰も見てないよね……」

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ」

 

 

「あはは、真夜中にスイーツ屋さんだなんて、緊張もありますがすごくワクワクしますね」

 

 

「確かに」

 

 

「六名様でしょうか? ご注文をどうぞ」

 

 

「えっと……あ、限定パフェってまだありますか?」

 

 

「ああ、申し訳ございません……限定パフェはちょうど先ほど、別のお客様が三つ購入されたのが最後でして……」

 

 

「あ、そうでしたか……」

 

 

「一歩遅かったか……こんな時間まで狙われているなんて、侮れないな」

 

 

「……あら? せ、先生?」

 

 

 "ハスミ……!? "

 

 

「は、ハスミ先輩!?」

 

 

「あら、それが限定パフェですか? 何やらたくさん……」

 

 

「……あれなら同じ様なの作れるな。明日作ってみようか?」

 

 

「できるんですか!?」

 

 

「私は食べてみたい」

 

 

「なら、明日の昼にでも作ろうか」

 

 

 ─────────────────────────

 

 

「先生、それに補習授業部のみなさん。それと……」

 

 

「マスク着けてると分かりにくいですかね? ……これでどうでしょうか?」

 

 

「……エルさんでしたか」

 

 

「あ、あぁあぁぁ……!」

 

 

「ハスミさん、奇遇ですね♡あら、真夜中にパフェを三個も……たしか、ダイエット中だと伺いましたが?」

 

 

「こ、これはですね、その……」

 

 

「はい、心中お察しいたします。真夜中に襲ってきた悪しき欲望に導かれて、ここまで来てしまったのですよね?」

 

 

「え……!? い、いえその……」

 

 

「そうして欲望のままめちゃくちゃにしてしまった後、理性を取り戻した頃にはもう取り返しがつかないほどに乱れて……」

 

 

 "夜中ってお腹が空くよね"

 

 

「せ、先生……こほん。その、自分のことを棚上げするようですが、補習授業部のみなさんはそもそも、合宿中の外出が禁じられていたはずでは……?」

 

 

「……ここはお互いに、見なかったことにするとしましょうか」

 

 

「良かったらうちの部活から支援しましょうか?」

 

 

「い、いえ、そこまでの事では……」

 

 

「……ダイエットとして甘い物を急に絶ちましたよね?」

 

 

「それはもちろんです。先ずはスイーツを絶って……」

 

 

「ちょっとうちのダイエット部から支援して貰った方が良いと思います」

 

 

「今のあれだけでですか!?」

 

 

「流石に極端すぎますからね。それに、食事制限や運動をせずに科学的な方法での体づくりを目的とした部活でもあるので健康面でも悪影響はありませんし」

 

 

「……ぜひ、よろしくお願いします」

 

 

「でも、流石に深夜にパフェ三個は難しいと思うのでそこは控えてくださいね」

 

 

「そ、それはもちろんです」

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに組織の用語で聞いたこと無いものがあれば、大抵のものはメモロビで触れられた存在だからです。エルがキヴォトス海洋ダイバー協会で取得したのはマスターダイバーの資格でした
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