「…………~い、……ろ! 起きろ! もう6:00だぞ!」
「う~…………、ん? ……サキ何かあった?」
「だからもう6:00だって言ってるだろ」
「……やっば、久し振りに熟睡し過ぎたな。サキはSRTもう機能してないから行かなくても良いんでしょ?」
「一昨日から休みだな。閉鎖されるから授業なんてものも転入するまではないしな」
「ならよかった。よかったか?」
「私はいいけど、兄貴の方が問題だろ。セミナーがあるからって入学してから朝急いでただろ」
「遅刻ではないけど仕事あるから不味いかなぁ。……サキってヘリコプター操縦できるよね?」
「できるけど、兄貴ってヘリコプター持ってたのか?」
「庭の下に倉庫があってね。そこに仕舞ってる。整備は週一でしてるから動くはず……」
「私が持って帰っておけば良いんだろ?」
「そうだね、なんならあげるよ? 誕生日プレゼント渡せてなかったし」
「良いのか? これからのことを考えれば確かにあった方が便利ではあるけど」
「いいよ、個人的な収入源があるから。それとそこに拠点作成用の資材を載せて、先に運んでおこうか」
「分かった。なら明日から作戦開始だな」
サキにヘリコプターの鍵を渡し自室で着替えれば、最新のヘリコプターが庭で存在感を放っている
「どう? 操縦はできそう」
「これなら問題なさそうだな。細かいところが分からないから行きは兄貴が操縦してくれ」
「それじゃあちょっと飛ばすから、掴まっててね」
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「駆動音が小さいのにかなりの出力なんだな」
「色々と改造してるからな、エンジン周りはそれこそ別物と思っても良いかな。それと飛ばすとは行ったけど、妹乗せて危険運転するつもりはないからね」
「それ一人だったら危険運転に躊躇いが無いって意味じゃないよな?」
「まぁ、そんなこと良いんだよ。それともサキはドラテクを磨きたかったりする?」
「そりゃできるに越したことはないけど、基本的には使わない技術だからな。あと兄貴のドラテクは常軌を逸してるから、習うなら教範を読んで学ぶよ」
「好みの問題かな。僕も、ドラテクの師匠も走り回して覚えたから、感覚的にやってみるのも悪くないと思うよ」
「兄貴にドラテクを教えた師匠はゲヘナの連中だったりするのか?」
「真逆だよ。確か今はトリニティのティーパーティーの生徒会長やってたかな」
「トリニティの生徒会長って確か三人いるんだよな?」
「そうそう、そのうちの一人とよく乗り回してたよ」
「今はやってないんだな」
「体調が良くないらしくてね。連絡はたまに取ってるんだけど生徒会の仕事もあったりで都合が合わないんだよな。直接会って話したのはもう去年とかになるかな?」
「トリニティの生徒会長ってお嬢様なイメージあったけど、そう言うことするんだな」
「トリニティはストレス溜まるから反動で遊ぶ奴も多いし、吹っ切れてるのもたまに見かけるな」
「兄貴的には印象が悪いんだな」
「まぁ、政治でバチバチにやってるからな」
「……そう言えばレッドウィンターも政治でバチバチしてるんだろ?」
「う~ん、そっちは革命で生徒会長代わりまくるってだけだから、ギスギス感は薄いかな」
「生徒会長代わっても大してギスギスしないのは何と言うか……何なんだろうな。文字通り住んでる世界が違うとでもいうべきなのか?」
「基本的には違う世界で住んでると思って良いか……ごめん、やっぱなし。そろそろ影響受けるかも」
「なんでそろそろなんて言えるんだ?」
「実は近々連邦生徒会長の代理とは違うんだけど、"先生"が就任するんだよね」
「そんなニュースやってたか? 始めて聞いたんだけど」
「やってないし、言ってない。知ってるのは連邦生徒会の……それこそ室長クラスなんじゃないかな」
「……なぁ、そんな情報どこから仕入れてきたんだ? 前に言ってたヴェリタスにハッキングでもして貰ったのか?」
「ヴェリタスじゃないし、連邦生徒会は大抵のことを書類で管理するからハッキングしても重要な文書、それこそ機密事項はまず出てこないだろうね」
「なら直接連邦生徒会に潜入でもしたのか?」
「それは昔考えてたけど流石にない。普通に聞いた話だよ」
「…………聞いた? 兄貴に連邦生徒会の知り合いなんていたか?」
「何人か居るよ。話しを聞いた奴今は居ないけど」
「もう卒業してたのか」
「いいや、行方不明。そんでSRTの最高責任者」
「………………もしかして連邦生徒会長から聞いてたのか?」
「聞いてたと言うより依頼されてたって言った方がいいかな」
「連邦生徒会長が依頼するようなものって、一体なにを運ぶことになったんだよ」
「専用に調整したタブレット端末、それ以外にもなにかあるとは思うけど。あと依頼はちょっと前に済ませといたから今はフリーだよ」
「運び屋ってタイムカプセル的な輸送も請け負ってたのかよ」
「大体の輸送は網羅してるつもりだよ。過去の自分への手紙とかはタイムパラドックスの観点から受けることはないけど」
「てか依頼がちょっと前に終わったってことは、その"先生"ってのが来たから渡しに行ったってことか?」
「大体そんな感じ、正確に言うなら渡すのは行政官……会長代理の方に渡すようにってね。だからそろそろ来るかなって」
「なんていうか貸金庫みたいな扱い受けてるんだな」
「まぁ、僕に送って貰うのが一番安全って言うのは理にかなってるとは思うよ。勿論、貰えるもんは貰ったけどな」
「もしかして去年に色々と買い直してあの新居建てたのってそれがあったからか?」
「そうだよ、都内でも余裕で数建は買える額を貰っといた。小切手を渡してきたからそれはもう手が速かったね」
「連邦生徒会長の財産ってもしかしなくとも兄貴が全部持ってるんじゃないか?」
「説はあるね。あの驚愕の表情はよく覚えてるよ。今思うと、失踪するつもりだったとして財産はそこまででも無いと苦労するもんなって思ったよ」
「あの連邦生徒会長が浮かべる驚愕の表情か、面白そうだし見てみたいな」
「また見付かったらな。……よし、サキ操縦代わってくれ」
「ここで良いのか?」
「移動用の設備はあるから問題ない。それとここに余りの太陽光パネルがある。高度維持したまま待っててくれ、直ぐに取ってくる」
サキに操縦を任せヘリコプターの扉を開く。そして、フックを巻き付け降下する。ミレニアムの1つの倉庫から遮光シートに包まれた板を取り出せばフックを辿り扉へと戻る
「よっ……と、やっぱり補助装置ないと疲れるな」
「別に疲れるで済むなら必要ないだろ! 私だって訓練してる時にへとへとに疲れたりしてたんだからな」
「それは要件が違うから。こっちはセミナー業務を毎日こなすのが前提だから体力残しとかなきゃなんだよ」
「兄貴も身体能力あるんだからSRTに来るべきだったろ」
「ないない、規則でギッチギチとかムリ。それにチーム組んで戦闘するとか向いてないからな」
「それはそうだな、間合い詰めてゼロ距離でショットガンねじ込むなんて戦闘スタイルはSRTで習うことないし」
「適正の問題だな、ほら太陽光パネルとコード。僕の私物だから持ち出しても問題ない」
「よし、それじゃあ今夜で良いんだよな?」
「0:50にSRTに侵入するから……そうだな、3:00には子ウサギ公園に付くと思う。都度連絡はするけどRabbit小隊のみんなで待っててくれ」
「分かった。それじゃあ後は任せた」
「それじゃ気を付けてね」
ヘリコプターのフックを外しミレニアムの地へと降り立つと、モノレールへと向かって歩き出す。時計を確認して走り出す。そうして、セミナー室へと向かった
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「おはよう、ノア」
「エルくんでしたか、おはようございます」
「ユウカは今日は来てない感じかな?」
「いえ、本日は連邦生徒会に抗議を行いに外出してます」
「なら今日は二人で回す感じかな?」
「そうなりますね。では、こちらの業務をよろしくお願いします」
「やるか~」
書類を手に取り内容を見る。下手なことを書いてない限りはそのまま通し承引を、齟齬や必要性について問い詰める案件は横へと流す。その繰り返し
(エンジニア部の予算申請……だいぶ突っ込んでんな。まぁ、いいだろ。ゲーム開発部の申請……通るわけない。トレーニング部……器具の新調か、問題ないな。あとは……)
手慣れた作業ではあるものの、たまに現れる桁違いの申請書に頭を悩ませる会計が居るのだとか
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「取り敢えず今日の分は終わりかな?」
「はい、本日はお疲れ様です。そう言えばユウカちゃんから連絡が来まして、どうやら"先生"と言う大人の人が連邦生徒会の、連邦捜査部『シャーレ』と言う組織に就いたみたいです」
「……急だな、それでユウカが連絡してくるってことはないかあった感じか?」
「どうやら、サンクトゥムタワーの行政権の確保のために先生をそこまで護衛しないとならないようでして……」
「C&Cは出せないもんな、D.U.だし。僕が支援に行こう」
「はい、よろしくお願いしますね」
(ニュースを見た感じ扇動されて暴れてる不良の群れってところだな、護衛って言うからには戦闘能力は低いだろうし長期戦になったら不味いな)
バイクへと乗り込みエンジンを鳴らす。あるのは静寂てあり操縦音と車輪が地面へと触れる音。ジェットエンジンを積んだバイクで空を走り抜く。そして天に昇る巨大な建物の付近へと着陸する
時系列はどうなるかな、ずれてたりしたら時空間が歪んだとでも思ってください