妹の通ってる学校が閉鎖されたって、マ?   作:冬風_ykn

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すっごく期間が空いてしまった。深い理由が無ければよかったかがそういう訳でも無く文字を書けていなかったので、文体の自信は欠片も無いぜ


認識の浸透

「試験お疲れ様。範囲の変更とかあったらしいけど、出来栄えはどうだった?」

 

「は、半分は分かったけど……」

 

「試験範囲の急な追加で対策が間に合いませんでしたね」

 

「以前までの合格点ならどうにかなったのですが…………」

 

「九割だもんな。それに慣れない環境なのもあるし」

 

「そう言えば試験中に銃撃戦の音がしたけど何かあったのか?」

 

「……気にしなくていい。問題はなかったから」

 

「なら聞かないでおく。エルも負傷が無さそうで良かった」

 

「ええと、試験が受けられたのは良いんですが帰りはどうしまそょうか?」

 

「ま、まだ戦闘するの?」

 

「警戒態勢はもう解除されてるから来た時ほどの事態にはならないぞ。今はもう普段の治安に戻ってる」

 

「あの、それって凄く危険なんじゃ…………?」

 

「急いでトリニティまで帰ろう。エル、案内を……エル?」

 

「……三分ここで待機。迎えが来る」

 

「そうか。なら周囲の警戒だけしておこう」

 

 "エル、そこに縛られてるのは誰かな? "

 

「温泉開発部……いえ、患者です。試験会場が吹き飛ばされ掛けたので拘束してあります」

 

「……すごい量の爆弾がありますね。ですが、どうして私達の試験会場に?」

 

「こいつらは温泉開発部の名の通り何処でも吹き飛ばして温泉を作ろうとするからな。けど、タイミングが悪いな」

 

「私達が試験を受ける時間、それもこんな深夜にこの場所を爆破するのは偶然と言うには引っ掛かる部分が多いですね」

 

「まぁ考えるのは戻ってからで良いだろ。ここだと推理に意識を回しきれないからな」

 

「それはそうですが、恐らくはナギサさんからの妨害と見ていいでしょうね。もしかすると帰り道にも何か仕掛けられている可能性がありますし」

 

「地雷や砲撃程度ならこっちで抑えるから対処はできる。それに運転手の腕も良いからな」

 

「エル、救急車両が来たぞ!」

 

「待ち合わせしてた車両だな。よし、運んでもらおうか」

 

「救急医学部、ただいま到着しました。エル、死体はどちらにありますか?」

 

「そこに縛ってる奴。それと付き添いを五名」

 

「連絡通りですね。では、付き添いの方は先に乗り込んでおいてください」

 

 "取り敢えず、みんな乗ろうか"

 

「……エルさんは乗らないんですか?」

 

「ちょっと会見の準備をしないとだからな。ここで離脱する」

 

 "気を付けて行ってきてね"

 

「ご心配なく、僕には護衛が付きますから。先生の方もお気をつけて」

 

「こちら準備できました。出発します」

 

 "よろしくね、セナ"

 

「はい、お任せください」

 

 

 ────────────────────────

 

 

『RABBIT2本時をもって作戦は終了する。回収地点まで撤退してそこに装備だけ置いといてくれ』

 

「了解。これより回収地点まで移動する、予定通りそこで替え玉だよな?」

 

『そこにある補給物資は忘れるなよ』

 

「分かってる。兄貴もバレないように気をつけろよ?」

 

『もちろん。それじゃあまた今度』

 

「また会った時は兄貴に何か振る舞って貰わないとな!」

 

『分かってるよ……』

 

 

 ───────────────────────

 

 

「……はぁ、やっぱ砂漠だと砂埃が気になるな」

 

「会見があるのですから、体を洗われてはいかがでしょうか」

 

「まぁ流石に風呂には入るけど……?」

 

「おや、どうかされましたか?」

 

「……誰だ? いや、ほんとに誰?」

 

「クックック、まずは自己紹介としましょうか。私はゲマトリア所属の黒服と申します。空井エルさんがこちらの方に来られるのでご挨拶をと思いまして」

 

「それだけなら別に良いんですけどね。……なるほど、少しなら時間も取れますしお話しますか?」

 

「おや? よろしいのですか? 本日の午後から記者会見を開くと聞いていましたが……」

 

「問題ありませんよ。優秀なスポンサーが付いてますし、何より黒服さんは交渉をしたいんでしょう? 僕はそういう事であれば歓迎しますよ」

 

「では、お言葉に甘えて。少し場所を変えさせて頂いても?」

 

「構いませんよ。あ、近場でお願いしますね」

 

「それは勿論ですとも。折角ですしあちらのカフェでもいかがですか?」

 

「この時間帯から空いてる店があるなんて驚きですね。まあ朝食をつまむのに丁度いいですしそこにしましょうか」

 

 

 ─────────────────────────

 

 

「エルさんはどれになさいますか?」

 

「……このセットにしましょうか。飲み物はこのハニーミルクでお願いします」

 

「注文承りました。では、ごゆっくりお過ごしください」

 

「……あの人? は黒服さんの友人ですか?」

 

「ええ、どうやら食の彩りと言うものを探求する過程でカフェを開いてみたようですね。私も以前頂いたことが有りますが、味の心配は不要かと」

 

「なるほど。ゲマトリアの所属と聞いてましたが寧ろ生徒を武装組織として扱う方が珍しいみたいですね。自爆機構は使う必要がないようで良かったです」

 

「……ジョークとして受け取っておきましょうか。さて、アイスブレイクもこのくらいにして"取引"のお話をしましょうか」

 

「そうですね。時間も"有限"ですし、あまり猶予は残されていませんからね」

 

「クックック、そうですね。まずは私の目的から説明を……とは言ったもののエルさん、あなたと大体は同じです。私は神秘の研究をしています」

 

「ふむ、確かに大まかな部分は同じ……正確には素材のうちの一つとして扱っているんですけどね」

 

「それは勿論理解しているつもりです。私とあなたとでは神秘の研究と言うには大きな差異が存在している。だからこそ、多角的な資料を集められる。いかがですか?」

 

「ここまで魅力的な交渉をされると逆に疑いたくなってしまいますね。……それで、僕には何を望みますか?」

 

「私としてはぜひゲマトリアに加入して頂き、共に神秘の探求に努めたいのですが……」

 

「忙しいから無理だな。それにゲマトリアには一人敵対してる奴もいるし、都合が悪くてな」

 

「いえ、このような事態になるのは折り込み済みですから。本日は取引にあたってこちらに書類を用意しました」

 

「……なるほど。……ふむ、これであれば問題はありませんね。いいですよ、取引成立です」

 

「ええ、こんな朝早くからありがとうございます。研究資料についてはこちらの専用回線からやり取りを行いますので、ご安心ください」

 

「……では取引も成立したことですし続きの話をしましょうか。主に不明本質について」

 

「クックック、なるほど。そこまで辿り着いていたとは……」

 

「日頃からそういう場所に赴いていた影響ですよ。あとは体質もですかね?」

 

「こちらでも、少し調べてみましょうか。後で血液のサンプルを頂いても?」

 

「それならこれを……」

 

「……あなたは自身の血を常に持ち歩いてるんですか?」

 

「いえ、なんとなく持っていただけですよ。そこに深い意味も意義もありません。少しばかりの偶然が招いた結果とでも言いましょうか」

 

「偶然ですか……そうですね。1つお聞きしましょうか」

 

「何か気になる事でも?」

 

「大して深刻な事でもないので気軽にお考えください。……あなたは奇跡と言うものについてどう認識していますか?」

 

「奇跡ですか……。簡単にまとめるなら最適解と言うのが一番分かりやすいと考えてますよ」

 

「最適解……ですか。理由を伺っても?」

 

「理由と言っても大したことじゃないんですよ。銃を構えて撃鉄を弾けば狙った通りに予測した通りに銃弾は対象を捉えます。そこに手ブレや相手の回避、空気抵抗等が加わって同じ様に見えても違う結果を辿る」

 

「ただ、そんな事をいちいち気にはしない。気にする事は難しいですしね。まぁそんな要素が噛み合い最も望んだ結果を掴み取った時のことを人は奇跡と定義した。それだけのことです」

 

「ですが、その例えではあなたを当てはめることはできない。それほどに奇跡という感覚が一般的な認識から乖離している」

 

「……神秘と言う通常は認識されない不確定要素を取り扱えるあなたにとって奇跡とは、単なる物理現象の延長でしかないと」

 

「技術の発展によって奇跡は意図的に汲めるようになった。そして空井エルは奇跡に再現性を見出した。これに関しては才能とかそんな話ですが神秘学に適性があった影響ですね」

 

「なるほど。ミレニアムサイエンススクールらしい感性でありながら、その本質は神秘の再現性を見つけ科学に落とし込む事だとは驚きですね」

 

「お陰様で僕は不明を認識してしまう事になりましたけどね」

 

「クックック、では食事も来たことですしお話しはこれくらいにしましょうか」

 

「そうですね」

 

「こちら、モーニングセットとなります。ドリンクのハニーミルクはこちらで直接注がさせて頂きます…………」

 

 

 ───────────────────────

 

 

「改めてリン行政官、会見の準備ありがとうございます」

 

「いえ、寧ろ感謝したいのは私たちの方です。人員が不足しておりエデン条約に人員を出せない状況でしたので、エルさんの方で対処して頂けるのは非常に助かります」

 

「本当は連邦生徒会に加入してくださった方が助かった。と言うのは前提ですが」

 

「まあそうしていればここで動けなかったので、結果オーライという事で」

 

「……今はそういう事にしておきましょうか。記者の方たちもそろそろ入って来ますし」

 

「リン先輩、記者団の到着を確認しました」

 

「分かりました。ここからは私たちで対応するのでアユムは通常の業務に戻ってください」

 

「はい、お二人とも頑張ってください」

 

「アユムもお疲れ様でした」

 

「…………では、会見を始めましょうか」

 

「……改めてリン行政官、本日はよろしくお願いします」

 

 

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