「……二人は大丈夫か?」
「こっちは問題ないぞ」
「私も何とか……瓦礫を退かすわね」
「ええ、お願いします。軽く持ち上げれば抜けそうなので……よっと、ありがとうございます」
「これくらいなんてこと無い。……腕は動かせそう?」
「骨も神経も影響は無さそうです」
「取り敢えず腕を出してくれ。消毒はしておこう」
「頼む。……ヒナ委員長、部隊と連絡は取れますか?」
「……ダメね。さっきの衝撃で通信機器が壊れたみたい。それにみんな気絶してる」
「戦力の殆どが機能しないと考えて良さそうですね」
「敵の戦力がはっきりしない。エルは何か分かる?」
「ヒナ委員長なら一人で殆どは制圧できますよ。……あの亡霊さえ居なければですが、敵は恐らくアリウスですね。トリニティでも以前、襲撃に遭いましたから」
「この条約を狙うなら敵の優先事項は……マコトの事は一旦置いておいて、先生とトリニティの代表をどうにか守り通さないとね。もちろんエルも」
「……では、ここはお願いしましょうか。無傷のヒナ委員長を見てかなりの戦力を送りつけてきたみたいですから」
「制圧する。アコやイオリに会ったら伝えておいて」
「では、僕は救援にあたります」
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「こちらRABBIT2、支援を頼む」
『RAB……T1……確認し……た。5分ほ…………着します』
「エル、5分でみんな到着する。ただ着陸はできそうにないな」
「了解。……あのヘリなら追加で2人くらいは乗せれるよな?」
「そうだな……それくらいなら問題なく離脱できると思う」
「ならRABBIT小隊と先生、桐藤ナギサを乗せての撤退を目標にしようか」
「あに……エルはどうするんだ?」
「そのまま戦場に残って戦線を維持する。……撤退の時に物資は幾つか貰いたいかな。弾薬も無限じゃないから」
「……そうか。……2人の居場所は分かるのか?」
「予想はついてる。RABBIT2着いて来れるか?」
「無論、無理に決まってるだろ。私の事を背負ってくれ」
「だろうな。……行くぞ」
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「……エルさん! ご無事だったんですね」
「先生もこちらにいらっしゃったんですね。ナギサさんにサクラコさんは見つかりましたか?」
「いえ、ですが、もしかすると瓦礫の下に埋もれていると言う可能性もあります」
「一先ず先生だけでも撤退させましょう。5分後に僕の支援ヘリが来ます。2人ほどであれば追加で乗せられるので、それを使ってください」
「何か特徴はありますか?」
「隊員はウサギ耳の付いた装備を着用しています。……それと全員1年生ではありますが、強いのでご安心を」
「……分かりました。では、近辺の敵を制圧しましょうか」
「RABBIT2、作戦目標を変更。先生の撤退を最優先に」
「了解」
「僕はこの戦場で救援を担いましょう。……どうやらあの亡霊、いえユスティナ聖徒会は僕を標的にしないようなので」
「……その様ですね。理由は分かりませんが、アリウスの兵のみならエルさんが通り抜けるのに十分に穴があります」
「それと奥で風紀委員長の空崎ヒナが制圧を試みています。……では、僕はナギサさんとサクラコさんを探しています」
「どうか、お気を付けて」
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「見つけた。空井エルを発見……けど
『……空井エルはあくまでもミレニアムの生徒で、トリニティとゲヘナの仲介者なのが影響しているのだろう。アリウスの部隊をそちらに集める』
『こちらヒナさんに突破されちゃいそうです』
『ミサキ、悪いが増援の到着まで堪えてくれ。私はヒナの方に向かう』
「……Nihil facias.」
「……」(何かの文言? そもそも標的に取れないだけで命令権が失われるわけじゃない。何か種がある)
「Opus tuum confectum est. Quaeso, domum abi.」
「なっ……マズい、ミメシスが消されてる」
『詳しく説明しろミサキ』
「空井エルの命令でミメシスが消されてる。しかも、私の命令を上書きしてる」
『……ミメシスは空井エル以外の場所に向けろ。そして最優先目標を空井エルに変更する』
「分かった。……けど、私の方のミメシスはもう殆ど消されてる」
『後続の部隊も空井エルのポイントへ向けて進んでいる。倒せなくてもいい、どうにか足止めしてくれ。このままだと空崎ヒナを止めれなくなる』
「……増援を確認した。ここで絶対にとめる」
「さて、
「……させない」(これだけ集まれば飽和攻撃も成立させれる)
「……グッ、……あっ」
「リーダー、空井エルがカタコンベに落ちた。……あそこから探し出すのは難しいかも」
『カタコンベなら出口だけ包囲してそのままにしておけばいい。戦線に空井エルが出てこないならそれで問題ない』
「分かった。そっちの支援に向かう」
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『……RABBIT2、聞こえていますか』
「こちらRABBIT2、通信は良好」
『問題が生じました。幽霊のような何かに妨害されて侵入が頓挫しています。こちらの座標まで移動できますか?』
「……ヘリがユスティナ聖徒会の妨害で侵入できないらしい。この地点まで移動すれば回収できるみたいなんだが……」
「でしたら、私たちで道を……」
「なんとか片付いた。……私が撤退ルートを切り開く」
「……私達が殿を努めよう。ハスミ、私達で抑えるぞ」
「そうですね。今だけはゲヘナを信じましょう」
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「……空井エルひとりの力では盤面を覆す事はできない。ああ、預言者の言う通りそれは紛れもない事実だ」
『君が居らずとも古くからの二大校が滅びる事は変わらない。それなら全てを糧として欲しかった……積み上げた歴史という知識を、キヴォトス史を揺るがす事件を、対立した果てにある最後のひとつを……』
「どれだけ完璧な途中式を用いたとして、前提が狂えばズレた結果へと導かれる。ただ、不完全な結末を成していく。百合園セイアが空井エルを観測出来ないのなら、映し出す未来はどこかで捻れて歪んだ先のモノではないか?」
『空井エルは観測できない。私は見落としていたか? いいや、初めからずっと私は空井エルと言う変数に新たなモノを嵌め込んでしまっていた。未来と言う名の深淵を覗く時、あちらもまた私の事を覗いていたと言う訳だ』
「まさか、未来を変質させていたのが未来を視る者だった、なんて言う茶番劇が何の因果か生起してしまうとはな」
『さて、問おうか。君にこの声は届いているかな?』
「もちろん。……こんな狂った変遷を辿るなんて何をしでかしたか是非とも発表してくれ」
『ああ、今の君にならこれを伝える時間もあるだろう。常に隣に居たんだ。余りにも当然の景色で、余りにも現実的で、余りにも不和を感じ得なかったんだ』
『この私がいつの私なのか定義する事も可能ではあるだろう。しかし、真実とは必ずしも知るべきものではない』
「故にこの邂逅は不本意だった。幾つも枝分かれした時に僕は存在していた。繋がっているようで、途切れていて、されども歯車は噛み合ってしまった」
『きっと、君も私もこの交わりは失う事だろう。ただ、それは意に反するものではなく、ただ、あるべき形に帰結するだけなのだから』
「何時からだろうな。僕は空井エルのルーツを持ち得ない。何処かで砕けてしまったのか、はたまたそんなもの無かったのか」
「いずれにせよ、意を決さずとも括りを象ったこの血染めの策は再び眠りへと就くだろう。……ただ、ステンドグラスが映す月光は刻んでおくべきだったな」
『君は何時だったか私にこう言ったね。秘密主義だと。なら、そんな君に最も適切な言葉を吹き込もうか。"類は友を呼ぶ"とね』
「……そうだな。いつか、鼓動が尽きて、世界が尽きて、真に咲かずとなった果てで、積み上げた正体を吐露しよう」
「ただ、そうだな。思い出した。空井エルの原点は■■」
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「……おや、黒服さん。こんな場所で会うなんて偶然ですね」
「なるほど。マエストロから聞きましたが、カタコンベに新たな道を作りここまで来たと言う事ですか。確かに彼女も不意を討たれてしまうのは仕方がないでしょう」
「相変わらず研究熱心ですね。僕としてもこの経験は貴重でしたから、後でお伝えしましょう」
「ええ、ありがとうございます。……しかし、彼女はあれに触れてしまった様です」
「そう言えば神秘については共有するんでしたね。……それで接触した折角の被検体はどうしますか?」
「是非ともゲマトリアで管理したいですね。……ですが、与奪の権はエルさんの手の内ですから。あなたは何を望みますか?」
「……う〜ん、そうですね。ここでは長く争い過ぎてしまいましたましたからね。エデン条約の顛末を教えて貰えればそれで構いませんよ」
「でしたら、こちらのデータをお渡ししましょう。……それとこれはサービスですが、すぐに戻れば良い物が見られますよ」
「元よりこんなものあっても管理できませんから。好きな様なしてください」
「では、お帰りもお気を付けて」
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「……ゲホッゲホッ。……雨か。よっと」ガシャン
「……いや、雨過天晴ってところか」
"ここに宣言する"
"私たちが、新しい
「……確かに、良いものがみれたな」
戦闘描写について……
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今まで通り、会話と思考だけの描写
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身体の動きや銃撃の表現を入れた描写