妹の通ってる学校が閉鎖されたって、マ?   作:冬風_ykn

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盤石の寸前

「取り敢えず、報告はこれくらいで大丈夫そうか?」

 

 

「そうね。概ね理解できたわ。ノアも何かおかしな所は無かったわよね?」

 

 

「恐らくは問題無いかと。……先生や桐藤ナギサさんの救助を終えた後はカタコンベへ転落し、そこから数時間ほど気絶していたので時系列に誤りはないと考えて良さそうです」

 

 

「記憶の混濁がなさそうで一先ずは安心だな。……不在の間に何か来てたりはするか?」

 

 

「エンジニア部からの試運転の依頼が来てるわね。あと、スミレからトレーニングは怠っていないか聞いておいて欲しいって言われてたから顔を出した方が良いかも」

 

 

「それなら先にトレーニング部に行ってこようか。改訂版マニュアルはできたから、データのインプットだけ頼む」

 

 

「……これはどうしたの?」

 

 

「連邦生徒会の資料庫に眠ってたのを発掘してきた。急ぐ必要はなくても、廃墟の開拓はそろそろ考えるべきだろうし頭の片隅にでも入れておいてくれたら問題ない」

 

 

「……合法的なやつよね?」

 

 

「前にエデン条約に向けての会見を開いたんだけど、その時に行政官を通して廃墟の情報を開示してもらった。公開できる奴はそこにまとめてある分で全部だな」

 

 

「それなら廃墟の件についてはエルに任せるわ。連邦生徒会との兼ね合いもあるだろうから、今は難しいと思うけど……」

 

 

「話には聞いてるけど、まあ人脈だけはあるからどの派閥が会長の座に就いても問題はないかな。その為のエデン条約でもあったわけだし」

 

 

「万魔殿の反発でエデン条約は破談で終わったのよね。何か事情は聞いてるの?」

 

 

「気が変わったっていうのが分かりやすいかな。そもそもエデン条約の話に乗ってきた事自体がイレギュラーだったみたいなんだよな」

 

 

「つまりは、いつも通りということですね?」

 

 

「そういう事になるな。別に外交に関しては、特に変更点もないからいつも通り交易する感じで任せた」

 

 

「それと、アリウスをこれからどうするか伝えないとな」

 

 

「アリウスの生徒さんの容態を調べたところ、一般的な教養は与えられていないと報告書にまとめてありましたね」

 

 

「まぁ他にもベアトリーチェって大人が生徒会長に君臨してるとか色々と重要な情報が出て来たからな」

 

 

「その情報を提供してくれた生徒について、報告書にその後どうしたのか記述されていませんが、私たちに言葉としてお伝えすることは出来ますか?」

 

 

「僕とトリニティ側の上層部でうまくしてある。……今開示できるのはここまで。変に意識しても好転することはないからな」

 

 

「はい、その事実が確認できれば十分です。武装の申請についても受理しておきますね」

 

 

「もしかしてエルも前線に出るつもり?」

 

 

「流石にそこは行かない。前線に出たとしても複数人での戦闘はあんまり得意じゃないからな。適材適所、僕は支援に当たるよ」

 

 

「……ウソね」

 

 

「今回は本当。規模が大きいから前線を雑に押し上げてもダメだし、気を遣われるだろうからな」

 

 

「表情や呼吸に乱れもありませんし、嘘を付いてるような素振りは見当たりませんね。……ですが、私の記憶から算出するとこのような場合に嘘をついている確率は約38.5%。信用しきれない割合ですね」

 

 

「ほんと、よく覚えてるな。……いや、高くないか? その数字適当な気がしてならないんだけど」

 

 

「やっぱり分かっちゃいましたね。……確かに覚えてはいるのですが、どれも真実ではあっても本質的なところで言えば嘘で複雑なものばかりでしたから」

 

 

「まぁユウカからは嘘って宣告されたけどな。理由を聞いても良いけど、直感の類いだろうし、今回の件で心配を掛けたのは事実だから自重はする」

 

 

「……私も心配し過ぎね。エルに限って致命的な被害を受けることはないだろうから」

 

 

「フラグは建てないで欲しかったんだけどなぁ……」

 

 

「……」

 

 

「ゲーム開発部の子たちが喜びそうですね」

 

 

 

 ────────────────────────

 

 

 

 〚これからアリウスを攻め落とす為にトリニティとアリウス分校へと侵攻します。それから後処理も色々とあるから、後は良い感じに各自で頑張ってくれ。健闘を祈る。 空井エルは正義足り得ないのだから

 

 追伸:緊急時の連絡先も載せておきます。あと機密保持の為に使い終わったら焼いてください〛

 

 

 

「……まさか矢文で送られてくるとは思っていませんでしたね」

 

 

「そう言えば巡航ミサイルのせいでスマホが壊れたって言ってたな。普通に手渡しで良い気もするが……」

 

 

「内容が内容でもありますからね。それに、大通りの方から飛んで来てる様なので、何かしら荷物を運んでる最中だったのかもしれません」

 

 

「この辺りの監視カメラ調べた感じ、あれトリニティの方に向かってるっぽいね」

 

 

「窓から誰が運転してるか見えなかったか?」

 

 

「運転席の方はよく見えなかったけど、助手席に黒っぽいショートヘアの人なら乗ってたよ〜。ほらここの窓のところ」

 

 

「エルさんの友人の方の中にこの様な人はいらっしゃいましたか?」

 

 

「……覚えが無いな。兄貴は交友関係が広いから私が知らない人の可能性もあるし、もっと確証が持てる情報はないか?」

 

 

「ムリかなぁ。この時間帯だけ、監視カメラの解像度があり得ないくらい下がってるんだよね〜」

 

 

「むしろ、エルさんにしては少し雑な様にも思えますね。監視カメラの存在しないルートは幾つもある筈ですから」

 

 

「兄貴が雑なのは、ぶっちゃけいつも通りだからな」

 

 

「それで、この手紙は焼くんだよね?」

 

 

「そうですね。キャンプの火種にでもしましょうか」

 

 

「えぇ〜、やるなら思いっ切り行こうよ。火薬とかもバーっと使ってさ〜」

 

 

「ダメです。万が一爆風で何処かへ飛んでいってしまった場合に文書の回収が困難となってしまいます。理由もなくそのようなリスクを負うわけには行きません」

 

 

「……なぁ、矢に何か括り付けられてないか?」

 

 

「括り付けられていると言うより矢羽根が、薬品のアンプルに置き換えられてますね」

 

 

「透明な液体だけど、匂いとか嗅げば分かるかも。えいっ」

 

 

「……どうだ?」

 

 

「ただのガソリンじゃん。もっと凄いの入ってると思ったのに、こんなんじゃ拍子抜けだよ」

 

「そろそろ交代の時間」

 

 

「まぁ今回はちゃんと燃やさないとダメみたいだな」ポイッ

 

 

「……サキ、さっき焚き火に投げ入れたのはなんですか?」

 

 

「そりゃ、兄貴からの手紙だけど。ちゃんと燃えてるぞ」

 

 

「オマケにもうイッパ〜ツ」ポイッ

 

 

「よし、これだけやれば完璧だな」

 

 

「いやぁ、ただのガソリンだと思ってたけど結構きれいだね」

 

 

「紙が光の粒子に変わってるみたいに燃えてるな」

 

 

「……水色の炎が綺麗に見えるのは分かります。ですが、誰か連絡先をメモしましたか?」

 

 

「モエ、メモくらい取ってるよな?」

 

 

「ミヤコが取ってくれてるかなぁ、って」

 

 

「「「…………」」」

 

「えっと、私おぼえて……」

 

「誰も覚えてないじゃん」

 

 

「……今ならなんとか復元も、砂を掛けて消火しましょう」

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 

 

「……光の粒子に分解されてますね。灰も残っていません」

 

 

「これ凄いね。復元とか絶対できないし、最強じゃない?」

 

 

「木材は普通に燃えてるみたいだから、紙が特殊なんたろうな」

 

 

「……なった事は仕方ありませんが、どうしましょうか。わざわざ連絡先を送ってきたという事はコチラに直接来れないということでしょうし」

 

 

「まぁ良いんじゃない? 特に問題も無かったんだし、私たちだけでもどうにかなるでしょ」

 

 

「……これまで頼り切りになっている部分もありましたし、今回の事を気に自分達でやっていきましょうか」

 

 

「そうだな。……何時までも兄貴に頼ってるだけじゃダメだもんな」

 

 

「……これよりRABBIT小隊はサボテン作戦を開始します!!」

 

 

「……なんでサボテン?」

 

 

「サボテンは砂漠という過酷な環境下で自らが水分を蓄え、生き抜く植物ですから。偶にウサギが水分を得る為にサボテンを食べる事もあるそうです」

 

 

「そうか……。まぁ、兄貴に私達が自立できる所を見せてやりたいしな」

 

 

 

 ─────────────────────────

 

 

 

「……さて、手短にお願いしますね。これから僕は"悪い大人"が支配するアリウスを攻略しなければいけませんから」

 

 

「"悪い大人"と定義するとはなかなかですね」

 

 

「ベアトリーチェと表現する事も可能ではありますが、僕たちからすればあれは意図的に用意された"悪い大人"でしかありませんからね」

 

 

「クックック、我々が悪い大人だと定義するなら、あなたは悪い子どもとでも表現するべきでしょうか?」

 

 

「そうですね。ゲマトリアに所属した時にでもその定義は受け入れるとしましょうか」

 

 

「……まぁ時間がないのは本当なので本題に入りましょうか」

 

 

「ええ、こちらの準備は終わりました。残りはエルさんがお好きにしてください」

 

 

「それは助かりますね。僕なんかのプロパガンダの為にここまで手を掛けてしまって申し訳ないくらいですよ」

 

 

「いえいえ、こちらとしては対価に相応しい物を支払っているだけです。特に、かの切り札の創造は最後の砦としても機能しています」

 

 

「未知なるモノに対する最も有効な手段は逃亡ですから。……それと、秘儀についても解読は済みました。技術的転用には時間を要しますが、限定的に簡略化すれば必要分は取り出せるかと」

 

 

「ならば約束の通り、更なる対価を用意しておきましょう。彼女の残した遺産をどう活用するのか……あなたには不要とは思いますが、ご武運を」

 

 

「ああ、しばらくのお別れを惜しむとするよ。次に会うのが先か■■の到来が先か。どちらにせよ、備え続けよう」

 

 

 

 ─────────────────────────

 

 

 

「結構かかったね。別に良いけど……」

 

 

「拠点の方は何とかなったみたいだな。しばらくはここで身を隠して貰う」

 

 

「分かった。……防衛戦を突破するまでに体力は回復しておくから、気にしないで」

 

 

「いざとなったらアズサに頼るといい。こっち側の事情を知ってる数少ない理解者だからな」

 

 

「アズサも来るんだ。……どうせ、エルが呼んだんでしょ?」

 

 

「アリウス自治区の専門家だからな。やる事がやる事なだけに、本当は待機していて欲しかったって気持ちはあるけどな」

 

 

「……それにしても、呆気ないね。奇襲を仕掛けたのに気付いたらボロボロで、カタコンベって言う絶対に破られないと思ってた壁も気付いたら突破されてて……」

 

 

「支配の上に成り立つ組織は、一点に対しては強くても僕みたいな例外には脆いからな。今後の学園運営では活用したら良い」

 

 

「今後のって簡単に言うんだね。……まぁ、エルがそう言うなら本当にそうなるんだろうけど……」

 

 

「……取り敢えずソレだけ貰っとこうか」

 

 

「……はい。……っ」

 

 

「素直に渡してくれて助かるよ」

 

 

「……何時までやるの?」

 

 

「寝るまで。明日も早いんだし、さっさと寝ろよ」

 

 

 




色々と構成が原作から外れ始めてるので、感想だったり頂けると嬉しいです。これからエデン4?→カルバノグ1→パヴァーヌ2と進んで行きます。予定としてデカグラマトンまではやっていくので気長に見て行ってください。
あと、活動報告に意見やもっと見たい絡みなどがあればぶん投げてください。行けたら行きます(行けそうなら行く)

戦闘描写について……

  • 今まで通り、会話と思考だけの描写
  • 身体の動きや銃撃の表現を入れた描写
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