過ぎた時の彼方、数多の中に増えたる一つ。赤の悪女が君臨せし虚無の果て。燦然たる誓いの内で、旗振りは布陣を定め未知を為す。陰は赤を飲み込んだ。陰は旗振りに号砲を、旗振りは布陣を齎した。
憂う先にも月は満ち、嘆く果てに終を見る。荘厳たる学び舎は昇り日の中で再花する。
並べた十字架と組みたる回想。重ねた暦と細道と。記せば戒めの型として、伏せれば次なる欺瞞の筋書きを。梯を束に体裁を成して、審判を為すものが其処に構えた。
赤ならぬ青。染まり子は自由。導き手を呼び込み、輝く陽光と混じり合う。纏い紡ぐ記憶は彼方へ届き、叡智を待つ。まだ見ぬ深淵に飛び立つ使徒は、虚無の欠片を連れ行いた。
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「……ここは?」
「百鬼夜行連合学院。個人的には、キヴォトスで一番見どころがある学園」
「そう。……それでどこに行くの?」
「宿だな、暫くはそこを拠点にする」
「わかった。……それにしても大きいね」
「……何年か前に来た時より少し成長してるな。後で神木の方にも寄ってみようか」
「……エルが行くなら」
「護衛は任せたからな。エデン条約の会見で一気に有名人になってから、誰が来るかわかったもんじゃないし……」
「下がって……接近してきてる」
「……あぁ、あれは通していい奴。ちょっと距離取った方が丸いかな」
「エールー殿ー!!」シュタタタタタタ
「へ……!? ざ、残像ですとぉぉぉぉ!!!?」ズテン
「ほら、大丈夫か?」
「ご心配なく、この通りイズナは無傷で……ひでぶ!?」
「相変わらずいい反応してくれるな。ほら、今度こそ本物だ」
「ありがとうございます。……やはり、エル殿の空蝉の術は流石です。私も主殿を守る立派な忍者になるために修行しなければ」
「……主殿? イズナの主人か?」
「エル殿にはお話していませんでしたね。不肖、イズナ。とうとう仕えるべき主殿を見つけました!!」
「それはいい事だな。それで、イズナの主人について聞いても良いかな?」
「もちろんです。私の主はエル殿もご存知の先生です!」
「あ〜、そう言えば桜花祭の時にこっちに来てたんだっけか」
「はい! その通りです。そしてイズナには忍者の仲間もできました!!」
「……忍者の仲間か…………仲間!?」
「……はっ!? エル殿にすっかり伝え忘れていました!?」
「イズナは主殿と出会ってから『忍術研究部』と言う忍者の集まる部活に所属しているのです!」
「『忍術研究部』……初めて聞いたな。ちなみに、何処で活動してるんだ?」
「あの辺りの校舎の教室を借りています!」
「百鬼夜行第38旧校舎か。……ミサキ、先に宿の方まで行ってて貰って良いか?」
「別に構わないけど、護衛の意味……」
「そもそも正面からやり合わないなら、こっちでも十分対処できるからな。……これを受付に渡しておいてくれ。僕の名前を伝えたら通ると思うから、着いたら好きな様にしててくれ」
「……了解。エルの荷物も持っていくから」
「助かる」
「行ってくる……」
「……あの方も忍者ですか?」
「いや、そう言うのではないな。特殊部隊って意味なら強ち間違いでもないだろうけど、忍術は使わないから少なくとも忍者ではない」
「なるほど! 体術や戦闘技術を専門にしている方なんですね!」
「まぁ、そんな感じだな。……イズナ、せっかくだし忍術研究部の方に案内して貰っていいか?」
「このイズナにお任せください!!」
「それじゃ、僕は追走するから最高速度で先導してくれ」
「では今のイズナの最高速度を持って……」
「……イズナ、参ります!」
「……流石だな。前より28%初速が伸びてる」
「ありがたいお言葉です! ですが、イズナはまだまだ速くなりますよ〜〜!!」タッタッタッタッ
「……見えた、教室の場所を確認。ここからはどっちが先に着けるか、競争しようか!」
「その勝負、受けて立ちましょう。……今回こそイズナが勝利してみせま……なるほど。勝負はもう始まっているということですね!!」シュタタタタタタタタタ
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「……お、速かったなイズナ」
「こ、今回も勝てませんでした……」
「この調子なら来年には今の僕に並べるかもな」
「それは本当ですか!」
「イズナの努力次第だけど可能性は十分」
「イズナ、これからも精進します!!」
「……えとぉ、イズナと〜〜誰?」
「部長! こちらは私の師匠であるエル殿です!」
「そう言えばイズナには師匠が居るって話してたね。……!?」
「改めてご紹介に預かりました。空井エルです」
「……うそぉ、ライターじゃん!?!?」
「ライターですか?」
「無事だったってクロノスで言ってたけど、……こうして直接会えるとすっごい安心するね」
「一先ず、今日は忍術研究部の様子を見にきたんです。ミチルさんよろしくお願いしますね」
「え、あ、う、うん、よろし…………へ!?」
「これが空蝉の術の秘密でしたか! 手だけ残して体を動かすんですね!」
「観察眼に磨きがかかってるな。けど、正確に言うなら相手の意識の向きに身体を残すって所かな」
「いま、握手しようと手握ったよね!? あれが空蝉の術!? と言うかライターって忍術使えたの!?」
「配信だとゲームのことくらいしか話しませんからね。……? あれ、もしかして撮影でもする予定でしたか?」
「あれ、お客さん……ですか?」
「こんにちは。今日はちょっと忍術研究部の活動を見ようと思ってイズナに案内してもらったんです。……改めて、ミレニアムサイエンススクール所属の空井エルです」
「え……ええと……そのっ……わ、私は、大野ツクヨ……です」
「あ、そう言えば自己紹介してなかったね。私は千鳥ミチル、この忍術研究部の部長だよ」
「なんとツクヨ殿は変装術を、部長は火遁の術が使えるんです!」
「変装術に火遁の術……見せて頂いても?」
「……それなら、今日は忍術の実戦動画を撮っちゃおう!」
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「……ダメだな、僕には適性がないらしい。まぁ、数時間でそう易々とできるわけないか」
「エル殿にはまだ、忍器があります!!」
「……忍器?」
「え〜とね、クナイとか手裏剣、あと鉤縄みたいな奴をまとめて忍器って呼んでるんだよね」
「勉強になるな。ちょっと投げてみようか」
「それじゃこの手裏剣を使ってみよ〜」
「……標的座標……確認。……回転数……投射角設定。……風向き…………ここかな」シュッ
「……おお〜お見事。全部ちゃんと刺さって…………?」
「ん? あんなとこに木なんてあったっけ?」
「…………うぅ」バタン
「ツクヨ!? 待って、思いっ切り頭に刺さっちゃってる!」
「すぐに治療を……イズナ道具箱を」
「お任せください!」
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「……こんな感じで良いかな。本当はツクヨが起きるまで待っていたいんだけど、ちょっと用事があるので後は任せますね」
「こっちこそごめんね。もっと確認しておいたらよかった……」
「あ、それとコラボは今度要相談で」
「うん、ありがとう〜。それじゃまたね〜」
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「ミサキ、今戻った……。あれ、温泉にでも行ってたかな?」ピロン
『ちょっと遅くなりそうです。22:00を目安に来てください』
『了解』
『今日はちゃんと宿とってますよね?』
『ちゃんと取ってる。前に言ってた所な』
『なら良かったです。お連れの方も居るんですよね?』
『宿で待ってて貰っても良いけど』
『いえ、是非一緒に来てください。アレルギー等がないかだけ確認したくて』
『花粉症が酷いくらい』
『分かりました。では、また後で』
「……あぁミサキ、部屋の風呂にいたの……か?」
「……戻ってたんだ。服を持ってくの忘れてたから、取りに来ただけ」
「なら次いでに、今夜の9時半から向かうから頭の隅にでも置いといてくれ」
「わかった……」
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「別に、自分でできるのに……」
「それくらい分かってる。あと、どっちかと言うと検査も兼ねてるからな。身体の負担とかは外から見たほうが分かりやすい」
「……そう言えば、アリウスってどうなったの? 上手く行ってるって話は聞いたけど、細かい事とか分からないから」
「大体は順調かな。復興面で言うなら十分どうにかなった。後は心境とかその辺になるかな」
「心境の方もどうにかなる目途は立ってるんだね」
「まぁね。その為に先生を呼んできたわけだし、トリニティの方からも支援は十分にあるから」
「……っ……くすぐったい」
「痛まないなら良かった。……単純に痛みに慣れてるだけって場合もあるから、確認はするけどな。はい、ごろ〜ん」
「……ん。…………それで、明日はどうするの? 何も聞かされてないんだけど」
「百鬼夜行を出て、D.U.の方に向かう。場合によっては大規模戦闘も起こり得るから心構えはしておいた方が良い」
「……戦闘なら慣れてるから問題ない。……どうかしたの?」
「ちょっと花粉症っぽいかな。……時期的には大丈夫だと思ったんだけど、判断が甘かった。まぁ、これくらいなら薬飲まなくても問題ないだろうけど……」
「なら、いいかな。症状は特にないから……明日にはここも離れるし」
「それじゃ、今日はこれで終わりにしようか。……お疲れ様」
「……うん。……準備してくる」
「ゆっくりで良いからな。こっちも軽く書類片付けるから」
かなり期間が空いてしまいました。およそ一ヶ月と言った所でしょうか。少しばかり色々と拗らせてしまった影響で執筆が止まっていました。
これからは週に少なくとも2話は進めれる予定です。ストーリーも更新される中で矛盾点も出てくるとは思いますが、補完は取れる予定なのでこれからもお楽しみください。
以上
戦闘描写について……
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今まで通り、会話と思考だけの描写
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身体の動きや銃撃の表現を入れた描写