クックル物語〈ドゥドゥドゥ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第十二話「群れ」

銀河連邦は決断した。

 

秩序のために一つの銀河腕を消すらしい。

 

文明は増えすぎた。

 

重力収縮波でまとめて整理する計画だ。

 

銀河規模の艦隊が集結した。

 

壮大で、合理的で、冷酷だ。

 

最初は一匹だった。

 

らちが明かないと思ったらしい。

 

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 銀河中心核から放射状に広がる艦隊。

 

 数十万隻。

 

 恒星軌道上、ブラックホール縁、ダークマター流域。

 

 すべてに銀河連邦旗が翻る。

 

「秩序維持作戦、最終段階へ移行する」

 

 評議会旗艦《オルドゥム》。

 

 全銀河規模のホログラムが宙に展開される。

 

 赤く点滅するのは“対象領域”。

 

 一つの銀河腕。

 

 数千文明が存在する区域。

 

「重力収縮波、同期開始」

 

 人工重力制御装置が各艦で唸る。

 

 恒星が震える。

 

 時空がきしむ。

 

「文明は増えすぎた」

 

「管理不能だ」

 

「間引きは必要だ」

 

 理性的な声が重なる。

 

 そのとき。

 

 空間が裂ける。

 

 木製ではない。

 

 銀白色のフレーム。

 

 量子発光を帯びた幾何学模様。

 

 明らかにSF的な外観。

 

 だが、横に開く。

 

 ガラララ。

 

「……何だ?」

 

( ゚∋゚)「クックル」

 

 宇宙空間に一匹。

 

 ぽつん。

 

「対象識別不能」

 

「生体反応、微弱」

 

「排除せよ」

 

 レーザーが走る。

 

 ドゥ。

 

 戦艦一隻が縦に折れる。

 

「は?」

 

 ドゥ。

 

 重力制御ユニットが潰れる。

 

「物理法則逸脱!」

 

(#゚∋゚)「クックルクックル」

 

 溜める。

 

「単体だ!数で押せ!」

 

 数千隻が包囲する。

 

 ドゥドゥドゥ。

 

 十隻沈む。

 

 ドゥ。

 

 百隻消える。

 

 だが銀河は広い。

 

 艦隊は多い。

 

「被害軽微!」

 

「収縮波発射準備続行!」

 

 クックルが止まる。

 

( ゚∋゚)

 

 静止。

 

 空間がざわつく。

 

 銀河全域にノイズが走る。

 

 新たな裂け目。

 

 また一つ。

 

 また一つ。

 

 また一つ。

 

 無数の扉が、銀河規模で開く。

 

 ガラララガラララガラララ。

 

( ゚∋゚)( ゚∋゚)( ゚∋゚)( ゚∋゚)( ゚∋゚)

 

「増えたァァァ!?」

 

「群体現象確認!」

 

「いや、扉が増殖している!」

 

「物理法則どうなってる!?」

 

 重力収縮波装置が震える。

 

(#゚∋゚)「クックルクックルクックルクックル」

 

 群れで溜める。

 

 銀河が一瞬、静止したように見える。

 

 ドゥ。

 

 端から艦隊が崩壊する。

 

 ドゥドゥ。

 

 恒星制御装置が自壊。

 

 ドゥドゥドゥドゥドゥ。

 

 重力収縮波発生装置が連鎖爆発。

 

「止めろ!」

 

「因果が歪む!」

 

「時間軸が裂けるぞ!」

 

 ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥ。

 

 銀河規模の連打。

 

 爆発は線になり、面になり、芸術になる。

 

 艦隊は塵。

 

 収縮波は消滅。

 

 管理計画は消える。

 

 静寂。

 

 宇宙は何事もなかったかのように広がる。

 

 無数のクックルが一斉に鳴く。

 

( ゚∋゚)「クックル」

 

 ガラララ。

 

 すべての扉が同時に閉じる。

 

 消える。

 

 銀河はそのまま回る。

 

 文明は生き残る。

 

 秩序は失われる。

 

 だが。

 

 遠くで。

 

 ドゥ。

 

 と、銀河規模の余韻が響いた気がした。

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