クックル物語〈ドゥドゥドゥ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第四章「忍者もだいたい殴る」
第十六話「+激しく忍者+」


 

忍者は静かである。

 

気配を消す。

 

影を走る。

 

闇に紛れる。

 

そして暗殺する。

 

そのはずだった。

 

相手が悪かった。

 

ベンチが存在する理由は誰も知らない。

 

----------------------

 

 

 どこでもない場所に、ベンチがある。

 

 いや待て。

 

 なぜベンチがある。

 

 宇宙でも森でも城でもない場所だぞ。

 

 説明はない。

 

 だがベンチはある。

 

 そこにクックルがいる。

 

 ベンチに寄りかかり、睡眠中。

 

( -∋-)

 

 寝ている。

 

 完全に寝ている。

 

 警戒心という概念が存在しない顔だ。

 

 そのとき。

 

 空間の端がわずかに歪む。

 

 影。

 

 音もなく現れる。

 

 +激しく忍者+

 

 忍者である。

 

 いや本当に忍者である。

 

 説明はない。

 

 だが忍者だ。

 

 忍者は状況を確認する。

 

 標的。

 

 睡眠中。

 

 暗殺好機。

 

 忍者は頷く。

 

 +激しく暗殺+

 

 まずは距離を取る。

 

 静かに構える。

 

 +激しく吹き矢+

 

 シュッ。

 

 矢が飛ぶ。

 

 一直線。

 

 完璧な軌道。

 

 そして。

 

 羽毛に止まる。

 

 ……いや止まるな。

 

 吹き矢だぞ。

 

 毒矢だぞ。

 

 羽毛にふわっと刺さって止まるな。

 

 クックルは寝ている。

 

( -∋-)

 

 起きない。

 

 忍者、沈黙。

 

 +激しく手裏剣+

 

 シュシュシュシュ。

 

 四枚。

 

 完璧な回転。

 

 致命角度。

 

 だが。

 

 寝たまま。

 

 クックルの翼がふわり。

 

 カン。

 

 カン。

 

 カン。

 

 カン。

 

 全部弾く。

 

 いや寝てるぞ。

 

 完全に寝てるぞ。

 

 無意識防御やめろ。

 

 忍者、沈黙。

 

 そして。

 

 +激しく憤慨+

 

 忍者、怒る。

 

 忍者刀を抜く。

 

 +激しく斬撃+

 

 振り下ろす。

 

 その瞬間。

 

( ゚∋゚)

 

 クックル、起きる。

 

 そして片手。

 

 パシッ。

 

 止める。

 

 いや止めるな。

 

 忍者刀だぞそれ。

 

 素手だぞお前。

 

 忍者、目を見開く。

 

 沈黙。

 

 次の瞬間。

 

 +激しく脱兎+

 

 逃げた。

 

 全力で逃げた。

 

 忍者の判断は正しい。

 

 非常に正しい。

 

 だが。

 

(#゚∋゚)「クックル」

 

 クックル、立つ。

 

 追う。

 

 速い。

 

 速すぎる。

 

 忍者が走る。

 

 クックルが追う。

 

 距離が縮む。

 

 忍者が振り向く。

 

 +激しくまきびし+

 

 ばら撒く。

 

 完璧。

 

 逃走用。

 

 だが。

 

 クックルの脚。

 

 そのまま踏む。

 

 バリ。

 

 バリ。

 

 バリ。

 

 全部砕く。

 

 まきびしの存在意義が崩壊した。

 

 忍者、絶望。

 

 そして追いつかれる。

 

 クックルが飛びかかる。

 

 押し倒す。

 

 忍者、地面。

 

 クックル、上。

 

 跨る。

 

 通称。

 

 山。

 

 いや名前つけるな。

 

 そして。

 

 拳を構える。

 

 空気が鳴る。

 

 フォン。

 

 フォン。

 

 フォン。

 

 通称。

 

 暴打フォン。

 

 いやだから名前つけるな。

 

 そして。

 

 振り下ろす。

 

 暴打暴打暴打暴打暴打暴打暴打暴打暴打

 暴打暴打暴打暴打暴打暴打暴打暴打暴打

 暴打暴打暴打暴打暴打暴打暴打暴打暴打

 

 忍者、沈黙。

 

 世界、沈黙。

 

 ベンチはそのまま。

 

 クックルは立ち上がる。

 

( ゚∋゚)「クックル」

 

 そしてまたベンチに戻る。

 

 寄りかかる。

 

 目を閉じる。

 

( -∋-)

 

 再び睡眠。

 

 ……。

 

 いやだから。

 

 なぜここにベンチがある。

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