忍者には術がある。
火遁。
水遁。
土遁。
木遁。
金遁。
ただし本来は逃げるための術である。
だが忍者は戦う。
なぜなら目の前にクックルがいるからだ。
この判断はたぶん間違っている。
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草原。
風が吹く。
非常に平和である。
広い。
空が青い。
雲が流れる。
鳥が飛ぶ。
だがその鳥は関係ない。
重要なのは別の鳥である。
草原の中央。
( ゚∋゚)「クックル」
立っている。
非常に落ち着いている。
というより何も考えていない顔である。
その前方。
黒装束。
+激しく忍者+
静かに構える。
風が止む。
沈黙。
草が揺れる。
忍者、動く。
+激しく忍者+
印を結ぶ。
いや忍者が本気だ。
完全に本気だ。
忍者、叫ぶ。
+激しく火遁+
口から炎。
いや完全に火炎放射器である。
轟。
炎の奔流。
草原が燃える。
地面が焦げる。
温度が上がる。
火柱。
炎がクックルを包む。
忍者、確信。
だが。
炎の中。
( ゚∋゚)「クックル」
普通に立っている。
燃えていない。
焦げてもいない。
むしろ暖を取っている顔である。
忍者、停止。
本文、言う。
それは火遁ではない。
そして効いていない。
忍者、歯を食いしばる。
印を結ぶ。
+激しく土遁+
地面が揺れる。
ドゴン。
石柱が突き上がる。
巨大。
複数。
槍のように突き出る。
地形が変わる。
草原が石の森になる。
クックルを見る。
石柱。
手。
ドゥ。
砕ける。
ドゥ。
また砕ける。
ドゥ。
石柱、粉。
本文、言う。
それ土遁じゃなくて建築事故である。
忍者、動揺。
だが止まらない。
印。
+激しく水遁+
地面が割れる。
地下水脈。
噴き出す。
水柱。
草原が一瞬で沼。
濁流。
奔流。
水圧。
クックルを見る。
ジャンプ。
普通に回避。
いや軽い。
軽すぎる。
忍者、困惑。
本文、言う。
だからそれは水遁ではない。
本来の水遁は逃げるための術だ。
こんな噴水大会ではない。
忍者、焦る。
懐から何か出す。
黒い袋。
中身。
種。
ばら撒く。
+激しく木遁+
地面が裂ける。
芽。
伸びる。
枝。
ツタ。
巨大植物。
草原が森になる。
ツタがクックルを捕まえる。
絡む。
締め付ける。
植物の牙。
噛みつく。
クックルを見る。
爪。
シャッ。
切断。
シャッ。
また切断。
植物、全滅。
本文、言う。
それも木遁ではない。
忍者園芸である。
忍者、完全に焦る。
最後の印。
深く息。
+激しく金遁+
空が暗くなる。
上空。
影。
無数。
刀。
槍。
鎖鎌。
苦無。
剣。
槍。
刃。
大量。
降る。
雨のように。
刃の雨。
空から武器庫が落ちてくる。
クックルを見る。
動く。
横。
前。
後ろ。
ジャンプ。
回転。
全部避ける。
全部。
紙一重。
槍、地面に刺さる。
刀、草原に突き立つ。
クックル無傷。
( ゚∋゚)「クックル?」
首をかしげる。
忍者、静止。
沈黙。
本文、言う。
全部違う。
それ遁術ではない。
本来の遁術は逃げる術である。
つまり。
忍者はようやく理解する。
印。
+激しく忍者+
+激しく煙幕+
ボン。
煙。
白煙。
視界ゼロ。
草原が霧。
クックル、止まる。
煙が流れる。
風が吹く。
煙が晴れる。
そこには。
誰もいない。
+激しく忍者+
消えた。
完全撤退。
本文、言う。
それでいい。
それが正しい。
それが本来の忍者である。
クックルは草原に立つ。
武器が刺さる草原。
石柱の残骸。
水溜まり。
切られた植物。
完全に環境破壊。
( ゚∋゚)「クックルー…」
少し呆れた声。
風が吹く。
草が揺れる。
そして遠く。
森の影。
+激しく忍者+
逃走成功。
今回。
忍者は殴られていない。
これは奇跡である。
ただし。
草原は死んだ。
遠くで。
ドゥ。
と音がした気がした。