戦国の世は終わらない。
だが戦が終わることはある。
主家が滅びる。
城が落ちる。
あるいは首を切られる。
そうして行き場を失った武士が生まれる。
浪人。
だがその中には、剣だけを極めた者もいた。
仕える主はなくとも、侍として生きる者。
剣豪。
そして戦場の噂は、そういう者の耳に必ず届く。
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夕暮れの野原。
戦場だった場所は、すでに静まり返っていた。
折れた槍。
転がる旗。
風に揺れる草。
そしてその中央。
( ゚∋゚)
クックルが立っている。
動かない。
ただ立っている。
その前に、一人の男が歩いてきた。
浪人である。
鎧はない。
旅装束。
だが腰には二本の刀。
長年鍛えた体。
無駄のない歩き方。
剣の達人であることは、見る者には分かる。
男が立ち止まる。
「……お前が例の鳥か」
( ゚∋゚)「クックル?」
首を傾げる。
浪人は刀の柄に手を置いた。
「妖怪か、神か、ただの鳥か」
少し笑う。
「どちらでもよい」
ゆっくりと言った。
「斬れば分かる」
そのとき。
後ろから影が降りた。
音もなく。
草の上に着地。
黒装束。
+激しく忍者+
浪人が振り向く。
「……忍びか」
+激しく忍者+
両手を振る。
+激しくやめとけ+
浪人が眉をひそめた。
「何だその仕草」
+激しくやめとけ+
「いや言葉で言え」
+激しくやめとけ+
「いやだから分からん」
浪人は頭をかいた。
「お前、止めてるのか?」
+激しく頷く+
「理由は?」
+激しくクックル指差す+
浪人がクックルを見る。
( ゚∋゚)
静かに立っている。
浪人が言った。
「……鳥だろ」
+激しく否定+
「いやどう見ても鳥だ」
+激しく首振る+
「いやだから何なんだ」
+激しくやめとけ+
浪人がため息をついた。
「解せん」
刀を抜く。
カチリと音がする。
「だが」
クックルを見る。
「剣豪として名を上げる機会だ」
構える。
「妖怪ならば斬る」
クックルが首を傾げた。
( ゚∋゚)「クックル?」
浪人が踏み込む。
速い。
剣が閃く。
ヒュッ。
ドゥ。
浪人が転がった。
「え?」
地面に顔から落ちる。
起き上がる。
「……殴った?」
クックルを見る。
( ゚∋゚)
「殴ったな」
もう一度構える。
「今のは油断だ」
踏み込む。
斬撃。
鋭い。
普通の兵なら一刀両断。
ドゥ。
浪人がまた飛んだ。
「何でだ!」
起き上がる。
「剣を合わせろ!」
突っ込む。
斬る。
突く。
連撃。
ドゥ。
ドゥ。
ドゥドゥ。
全部殴られる。
浪人が転がる。
「何だこの戦い!」
立ち上がる。
「剣術が通じぬ!」
クックルを見る。
( ゚∋゚)「クックル」
浪人が叫ぶ。
「殴るな!」
ドゥ。
また飛ぶ。
草むらに落ちる。
その横を、黒い影が通り過ぎた。
+激しく忍者+
クックルへ突っ込む。
クックルが振り向く。
( ゚∋゚)
次の瞬間。
拳が動く。
ドゥ。
忍者が避ける。
ドゥ。
忍者が跳ぶ。
ドゥドゥ。
忍者が回る。
空中で。
+激しく回転+
蹴り。
クックルが殴る。
ドゥ。
忍者が消える。
「待て待て待て!」
草の中から浪人が叫ぶ。
「何だその動き!」
+激しく背後出現+
クックルを殴る。
ドゥ。
クックルが少し動く。
「当たった!?」
次の瞬間。
ドゥドゥ。
忍者が殴られる。
だが倒れない。
+激しく反撃+
殴る。
蹴る。
投げる。
クックルが殴る。
忍者が避ける。
物理が怪しくなってきた。
空中にいる。
何もないのに跳ぶ。
地面を蹴っていない。
「待て待て待て!」
浪人が叫ぶ。
「今空中二段跳びしたぞ!」
忍者が回る。
+激しく空中蹴り+
クックルが殴る。
ドゥ。
忍者が地面に刺さる。
だがすぐ出てくる。
+激しく復帰+
「もういい!」
浪人が頭を抱える。
「何だこの戦い!」
忍者とクックルが殴り合う。
ドゥ。
ドゥ。
ドゥドゥドゥ。
拳が風を切る。
草が揺れる。
空気が震える。
忍者が回る。
+激しく回転蹴り+
クックルが殴る。
ドゥ。
忍者が飛ぶ。
空中で回る。
+激しく着地+
「物理が壊れてる!」
浪人が叫ぶ。
「誰か説明しろ!」
誰も説明しない。
殴り合いは続く。
ドゥ。
ドゥドゥ。
ドゥドゥドゥ。
夕暮れの野原で。
妖怪と忍者が殴り合い。
それを。
剣豪が全力で突っ込みながら見ていた。