クックル物語〈ドゥドゥドゥ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第七章「伝説もだいたい殴る」
第三十一話「首狩りウサギ」


伝説の世界。

 

ここでは人ならざる怪物が語られる。

 

巨大な竜。

恐ろしい蛇。

魔の力を持つ獣。

 

そして。

 

とても小さく、

とても白く、

とてもかわいい。

 

だが近づいた者の首を狩る。

 

首狩りウサギである。

 

そんな伝説の怪物の前に、

またしても現れた問題は。

 

クックルである。

 

--------------------

 

 荒野。

 

 騎士団が集まっていた。

 

 盾。

 

 剣。

 

 槍。

 

 旗。

 

 完全武装である。

 

 その理由。

 

 目の前。

 

 小さな白い影。

 

 ぴょこん。

 

 ぴょこん。

 

 かわいい。

 

 とてもかわいい。

 

 完全にウサギ。

 

 騎士の一人が言った。

 

「……これか?」

 

 別の騎士。

 

「そうらしい」

 

 団長。

 

「伝説の怪物だ」

 

 騎士。

 

「ウサギですよ?」

 

 団長。

 

「首を狩る」

 

 騎士。

 

「ウサギですよ?」

 

 その瞬間。

 

 ぴょん。

 

 白い影。

 

 超高速。

 

 騎士。

 

 首。

 

 ゴロン。

 

 騎士団。

 

「うわああああああ!!」

 

 団長。

 

「言っただろうが!!」

 

 騎士団。

 

 完全に距離を取る。

 

「なんだあれ!!」

 

「速すぎる!!」

 

「ウサギだぞ!!」

 

 団長。

 

「伝説の怪物だ!!」

 

 騎士。

 

「ウサギですよ!!」

 

 団長。

 

「黙れ!!」

 

 団長は叫んだ。

 

「聖なる手りゅう弾を持て!!」

 

 騎士たち。

 

 ざわつく。

 

 聖なる手りゅう弾。

 

 神殿の秘宝。

 

 強力な聖遺物。

 

 団長。

 

「よいか!」

 

「聖典に書かれている!」

 

 騎士団。

 

 真顔。

 

 団長。

 

「三つ数えろ!」

 

「三だ!!」

 

「四ではない!」

 

「二でもない!」

 

「五は論外だ!!」

 

 騎士。

 

「はい!!」

 

 団長。

 

「三まで数えたら投げろ!!」

 

 騎士。

 

 構える。

 

 首狩りウサギ。

 

 ぴょこん。

 

 かわいい。

 

 でも危険。

 

 騎士。

 

「一!」

 

「二!」

 

「三!!」

 

 投げる!!

 

 ドゴォォォォン!!

 

 爆発。

 

 煙。

 

 土煙。

 

 騎士団。

 

 静寂。

 

 煙が晴れる。

 

 そこに。

 

 白い毛。

 

 ウサギ。

 

 動かない。

 

 団長。

 

「……」

 

 騎士。

 

「……」

 

 団長。

 

「やったか?」

 

 騎士。

 

「やりましたね」

 

 団長。

 

「勝った!!」

 

 騎士団。

 

「うおおおおお!!」

 

 大歓声。

 

 そのとき。

 

 草むら。

 

 ぴょこん。

 

 ぴょこん。

 

 ぴょこん。

 

 ぴょこん。

 

 ぴょこん。

 

 騎士団。

 

「…………」

 

 団長。

 

「……増えた」

 

 騎士。

 

「増えました」

 

 団長。

 

「いっぱい」

 

 騎士。

 

「いっぱい」

 

 首狩りウサギ。

 

 多数。

 

 ぴょこん。

 

 ぴょこん。

 

 ぴょこん。

 

 騎士団。

 

「うわあああああ!!」

 

 パニック。

 

「弾足りねえ!!」

 

「もう無い!!」

 

「聖典に複数戦の記述がない!!」

 

 そのとき。

 

 草原。

 

 向こうから。

 

 ズシン。

 

 ズシン。

 

 ズシン。

 

 現れる。

 

( ゚∋゚)

 

 クックル。

 

 ムキムキ。

 

 二足歩行。

 

 騎士団。

 

「なんだあれ!!」

 

 団長。

 

「鳥だ!!」

 

 騎士。

 

「鳥だ!!」

 

 首狩りウサギ。

 

 ぴょん!!

 

 高速突撃。

 

 狙う。

 

 クックル。

 

 首。

 

 ドスッ。

 

 クックル。

 

 首。

 

 飛ぶ。

 

 騎士団。

 

「うわああああ!!」

 

「やられた!!」

 

「鳥の首飛んだ!!」

 

 クックル。

 

 体。

 

 立っている。

 

 首。

 

 転がる。

 

 騎士団。

 

「終わった!!」

 

 だが。

 

 クックル。

 

 首。

 

 拾う。

 

 頭に。

 

 押し付ける。

 

 ぐいぐい。

 

 ぐいぐい。

 

 ぐいぐい。

 

 騎士団。

 

「なにしてる!!」

 

「くっつけてる!!」

 

「そんな雑な修理ある!?」

 

 ぐい。

 

 ぐい。

 

 ぐい。

 

 ぴた。

 

 くっついた。

 

 騎士団。

 

「くっついた!!」

 

 団長。

 

「くっつくのかよ!!」

 

 クックル。

 

 怒る。

 

( ゚∋゚)

 

「クックル」

 

 次の瞬間。

 

 ドゥ。

 

 ウサギ飛ぶ。

 

 ドゥ。

 

 ウサギ飛ぶ。

 

 ドゥドゥ。

 

 ウサギ飛ぶ。

 

 ドゥドゥドゥドゥ!!

 

 完全乱打。

 

 白い毛。

 

 飛び散る。

 

 騎士団。

 

「殴ったあああ!!」

 

「全部殴った!!」

 

 静寂。

 

 荒野。

 

 立っているのは。

 

( ゚∋゚)

 

( ゚∋゚)「クックル」

 

 だけだった。

 

 騎士。

 

「……」

 

 団長。

 

「……」

 

 騎士。

 

「ウサギより」

 

 団長。

 

「鳥のほうが怖い」

 

 だいたい殴る。

 

 それが。

 

 クックルである。

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