伝説の怪物の中でも、
最も有名な存在。
それが竜である。
炎を吐き、
宝を守り、
空を支配する。
だが。
世界には様々な竜がいる。
蛇のような竜。
翼を持つ竜。
角を持つ竜。
地域によって姿は違う。
だが共通することがある。
強い。
とても強い。
そんな竜の前に現れたのは。
クックルである。
しかも今回は。
なんかドラゴンっぽい。
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ダイヤモンドの谷。
ロック鳥が倒れた後。
商人たちは宝石を拾いまくっていた。
「ダイヤだ!」
「ルビー!」
「サファイア!」
「今日で人生上がりだ!」
完全に狂喜乱舞である。
だが。
谷の端。
岩の上。
誰かが座っている。
( ゚∋゚)
クックル。
白い羽。
そして王冠。
だが。
その王冠。
さらに豪華になっている。
ロック鳥の巣から拾った宝石。
それを。
全部くっつけた。
きらきら。
ぎらぎら。
やりすぎである。
そして。
一番大きい宝石。
それを。
王冠のてっぺんに。
ドン。
商人。
「増えてる!!」
若い商人。
「アップグレードしてる!!」
親方。
「王の装備だ!!」
若い商人。
「誰の王ですか!!」
そして。
さらに。
クックル。
谷の宝石を拾う。
赤い宝石。
ルビー。
それを。
ゴリゴリ。
粉にする。
若い商人。
「何してる!!」
クックル。
その粉を。
自分の体へ。
バサァ。
バサァ。
全身に塗る。
赤。
真っ赤。
完全に赤い鳥。
親方。
「……」
若い商人。
「……」
商人。
「……」
若い商人。
「ドラゴン意識してる?」
親方。
「してるな」
商人。
「してる」
若い商人。
「なんで!?」
そのとき。
谷の奥。
岩山。
ゴゴゴゴ……
動く。
いや。
岩ではない。
巨大な体。
鱗。
翼。
角。
ドラゴン。
巨大な赤竜。
翼を広げる。
咆哮。
ゴォォォォォ!!
谷が震える。
商人たち。
「うわあああ!!」
「ドラゴン!!」
「聞いてない!!」
親方。
「言ってない!!」
若い商人。
「なんでですか!!」
親方が言う。
「この谷の宝石は」
「竜の宝なのだ」
若い商人。
「それ先に言ってくださいよ!!」
ドラゴン。
目を光らせる。
宝石の山を見る。
そして。
商人たちを見る。
怒り。
炎。
ブォォォォ!!
炎が谷を焼く。
商人。
「熱い!!」
「燃える!!」
若い商人。
「逃げろ!!」
そのとき。
ドラゴン。
別の存在を見る。
岩の上。
赤い鳥。
王冠。
巨大宝石。
( ゚∋゚)
クックル。
ドラゴン。
止まる。
商人。
「……」
若い商人。
「……」
親方。
「……」
若い商人。
「なんか」
「ドラゴンっぽくない?」
親方。
「赤い」
商人。
「王冠」
若い商人。
「ドラゴンっぽい」
ここで説明が入る。
ドラゴンの姿は。
地域によって違う。
ヨーロッパ。
翼のある巨大な竜。
中国。
蛇のような長い竜。
中東。
角と翼を持つ怪物。
つまり。
姿は違う。
だが共通点がある。
強い。
とても強い。
若い商人。
「つまり」
「赤くて王冠つけた鳥も」
「新種のドラゴン?」
親方。
「知らん」
商人。
「知らん」
ドラゴン。
怒る。
咆哮。
炎。
ブォォォォ!!
クックル。
炎の中。
普通。
若い商人。
「効いてない!!」
親方。
「燃えてない!!」
商人。
「赤いから目立たない!!」
ドラゴン。
爪。
振り下ろす。
ドォン!!
岩が砕ける。
クックル。
普通。
若い商人。
「頑丈!!」
ドラゴン。
噛みつく。
クックル。
普通。
親方。
「硬い!!」
商人。
「鳥だよな!?」
クックル。
ゆっくり腕を上げる。
( ゚∋゚)
「クックル」
ドゥ。
ドラゴンの顔。
揺れる。
若い商人。
「殴った!!」
ドラゴン。
怒る。
翼。
尾。
爪。
連撃。
クックル。
ドゥ。
ドゥ。
ドゥドゥ。
殴る。
商人。
「怪獣戦!!」
若い商人。
「鳥と竜の怪獣戦!!」
最後に。
クックル。
大きく振りかぶる。
( ゚∋゚)
「クックル」
ドゥ。
ドラゴン。
吹き飛ぶ。
岩壁へ。
ドォォォォン!!
沈黙。
静寂。
谷。
宝石。
倒れたドラゴン。
立っている。
赤い羽。
巨大王冠。
( ゚∋゚)
( ゚∋゚)「クックル」
若い商人が言った。
「……ドラゴン」
親方。
「殴られたな」
商人。
「殴られた」
若い商人。
「なんかもう」
「この鳥が一番怖い」
親方。
「そうだな」
全員。
同意した。
珍しいことである。
だいたい殴る。
それが。
クックルである。